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電子制御トリガーシステム、不知火 陽炎1型をE&L M4に組み込んでみた

記事作成日:2016年8月11日

前回、ファーストインプレッション記事では見た目(基盤周りのレビュー)と、ちょっと設計上気になった点を挙げていきましたが、こちらを電動ガンに組み込んでいきます。


= 2018年3月5日 追記 =====

当記事で紹介している『陽炎1型』は、2016年に発売されている製品で、2018年3月5日現在、発売・流通しております『陽炎1型改』とは全く別物の製品になりますので、ご注意下さい。

= 追記ここまで =====


素体となるのは、以前弄ったE&L M4です。
とりあえず、動作が安定してきたらこれにもFCUを組み込もうと思っていたので、陽炎1型を試してみる事にしました。
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ファーストインプレッション記事でも紹介した通り、陽炎1型は負荷の高い設定での使用は正直推奨されないと思います。
取り扱い説明書にも記載されていますが、「ヒューズを自前で用意する事」「高負荷な設定では動かさない事」は必須だと思います。

「高負荷な設定」というのは具体的にどういう事かと言うと、大量の電流を必要とする流速やハイサイ等です。
例えば、純正比150%のような非常に硬いスプリングを使ったチューンや、ネオジウム磁石を使ったトルクや回転数の高いモーターを使ったチューンの場合は、7.4V 30CのLiPoバッテリーでも結構危うい気がします。

今回素体となるE&L M4は東京マルイ純正の通常電動ガン用スプリングを使い、モーターはとりあえずEG1000(写真の通り、ソコソコ使い古された物ですが)を入れています。
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ギアは純正で、ギア比は18:1です。
バッテリーはET1の7.4V YellowLine(Cレートは20〜25C程度)です。

まあ、いわゆる東京マルイ純正とほぼ同じようなセッティングになっています。
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という訳で、そんなE&L M4に陽炎1型を組み込んでいく事にします。

まず、スイッチ周りに付着している余分なグリスや汚れをブレーキクリーナーを使って洗浄します。

そこに陽炎1型を取り付けるのですが、ポン付けとはいきませんでした。
物理スイッチを固定させる為のピンが邪魔だったので、こちらを削ります。
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とりあえずこれでメカボックスには収まったのですが、メカボックスを閉じた時に、トリガーピン(電動ガンだとメカボとフレームを固定する為のピンですが)の穴の位置が何かおかしいと思い、ピンを入れてみた所基盤に引っかかってしまいピンが入りませんでした。
なので、基板側の穴も少し拡張というか、ズラしました。

丸棒ヤスリを使ってゴリゴリ削っていきます。
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幸いプリントされた配線の所までは達しなかったので、これで一安心。

このような小加工はメカボックス毎によって異なるので、組み込む際には注意が必要ですね。
自分はBigOut DTM2、BTC Chimera MK2を組み込んだ時もメカボックスや基盤への小加工を行いました。

とりあえずこれで問題なく陽炎1型がメカボックスに収まりました。
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続いて、トリガーを取り付けます。
せっかくなので、純正の三日月状のトリガーからストレートトリガーに交換してみます。
今回使うトリガーはCRUSADER製の電動M4用ストレートトリガー「CR-GM11-0013_BK M4 AEG Competition Trigger (BK)」になります。
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トリガーはポン付けでも問題は無かったのですが、電子制御銃なのでショートストローク化の調整を行います。
まあ、いつものプラ板をトリガーに貼っていくだけの作業です。

陽炎1型のトリガー検知スイッチは、BigOut DTMと同じような形なので、プラ板の形状もDTMの時と同じ感じにしています。
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一旦トリガーと基盤のみ組んだ状態で動作させ、自分の好みのストローク量に調整していきます。

トリガーの感じが決まったら、安全装置を作ります。
今回、かなりのショートストロークにしているので、そのままだとセレクターレバーをSAFEの位置に持って行ってもトリガーストッパーとの隙間で撃ててしまいます。

その為、このようにプラ板をトリガーストッパーに貼り、隙間を完全につぶしてしまいます。
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取り付けるとこんな感じ。
これでセレクターレバーをSAFEにするとトリガーが微動だにしなくなります。
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最後にギアやピストンなどを取り付けていきます。
これらのパーツは既に調整済みの物なので、テスト動作は不要でしょう。
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ちなみに、E&L M4はQDピストンスプリングガイドを採用しているので、ピストンまで取り付けてしまいましたが、そうじゃないメカボックスの場合は、一旦ピストンを取り付けずに組み上げて、正常にギアが回転する事が確認出来てからピストンを取り付けた方が良いと思います。

後はメカボックスを閉じて配線にコネクタをつけていくだけ。
今回、モーターピンは通電効率の高い金メッキが施された物を使っています。
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組み上がったメカボックスはこんな感じ。
バッテリー側の配線はワニクリップで行い、ヒューズはとりあえず20Aを装着。
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これで動作を行ってみました。

結果はと言うと、特に問題なく普通に動きました。
セミ切りを多様したりフルオートで撃ったりと一通りに動きをさせてみましたが、動作不良は無し。

アクティブブレーキのおかげか、安定したレスポンスを提供してくれる「普通のFCUだな」という印象です。
BATON製11.1V 30Cのバッテリーでも問題なく動いていました。(アクティブブレーキのおかげでオーバーランも起きませんでした)

動かしてみてふと気がついたのですが、「そういや、この構成って昔M4にDTM2組み込んだ時と全く同じじゃん…」
正直、これじゃ面白くないので、モーターを変えてみる事にしました。

丁度家に転がってた新品のGuarderのInfinite Torque-Upモーターに変えてみます。
こちらのモーターは今までも何度か使った事のあるモーターで、ネオジウム磁石を採用したかなりトルクの高いモーターです。
LiPoバッテリーの出力にきっちり答えてくれる、良いモーターだと思います。
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アクティブブレーキが使えるFCUにハイトルクモーターを組み合わせると、燃費は凄く悪くなりますが、アクティブブレーキとの相性は抜群で、非常に気持ちがいいです。

という訳で、そんなハイトルクモーターを付けて動かしてみたのですが、20Aのヒューズは5連射ほどセミ切りしただけで飛びました。
まあ、これは想定内。
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仕方ないので、ヒューズを30Aに変えてセミ切りしまくった所、最初の方は問題なく動いていたのですが、暫く撃ってると何か焦げ臭いがしたので慌ててバッテリーを抜きました。
EG1000を組み込んで散々セミ切りした時には起きなかった症状なので、トルクモーターの要求に陽炎1型が耐えれなかった可能性が高そうです。
もしくは、前回煙を上げた影響がここで出てきたのでしょうか・・・。

ファーストインプレッション記事では「安定化電源に繋いで25Aを超えた当たりで煙が出た」とレポートしましたが、もしかしたらハイトルクモーターを入れた事によってそれに近しい電流が流れたのかもしれません。
というか、EG1000で問題が無かったのですから、それ以外考えられません。

当初の予想通り、「低負荷な銃に組むにいは問題ないが、高負荷な銃に組み込むのは難あり」という結論に至りました。
まあ、「ちゃんとマニュアル通りに組めよ!」という事なんですがね。

まとめると…

  • 気をつけるのは電圧ではなく、電流。特にハイトルクモーターは要注意。
  • 11.1Vでも問題なく動く。というか、むしろ11.1Vで回した方が快適。
  • 30Aのヒューズが切れる前に異臭がしたので、ヒューズはやっぱり20A位が良さそう。

といった感じでしょうか。

何度も言いますが、陽炎1型を高負荷な銃へ組み込むのはやめたほうが良さそうです。

とりあえず、陽炎1型は自分の趣味には合わないFCUだという事が判明したので、陽炎1型のレビューはこれにて終了です。

やっぱり、BTCとかASCUの方が良いなぁ・・・。
あっちは頭のおかしいくらいにゴリゴリの流速チューンでもちゃんと動いてくれるし・・・。—


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