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サイトロンジャパン×LayLaxのコラボ ショートスコープ、「SOL」を屋外で見てみた感想

記事作成日:2017年5月14日

発売開始と同時(厳密には発売開始より少し前ですが)に手に入れたサイトロンジャパンとLayLaxのコラボレーションスコープ、「SOL」ですが、このスコープには色々と驚かせます。
よくこの価格でここまでの物を出してきたなと…。
そして、「めっちゃブログのアクセス数伸びてるな」と…。

ただ、前回のレビュー記事はあくまで開封〜屋内での確認までしか行っていません。

今回は屋外で見てみた時のレビューになります。
ちなみに、天候はあいにくの曇り。出来れば快晴が良かったなぁ…。

という訳で、「SOLを屋外で見てみた感想」です。

場所は近所の河川敷。
何かいつの間にかマウントリング付いていますが、これは追々別の記事でレビューしていきます…(Twitterの方には「マウントこれにしたよ」と報告だけしてますけど…)

まずは1倍〜4倍までの像を見ていきます。
倍率の印字があるだけ撮影してみました。

1倍。
対岸の堤防や、建物見ると、スコープの中と外で概ね合ってます。
室内で覗いた時は結構「歪んでいるな(中央と外側で倍率が違うな)」という印象でしたが、長距離になるとあまり気にならないレベルだったようです。

1.5倍。
まあ、特にレビューする事もありません。普通に拡大されていっています。

2倍。
ここらへんからあれ?という感じがします。
なぜなら急激にアイレリーフとアイボックスが狭くなるからです。
像は綺麗にみえています。

2.5倍。
ここも特にレビューする事はありません。

4倍。
この倍率になるとアイボックスがかなりシビアになります。
適切な角度と位置から覗き込まないとケラレます。

ちなみに、ここまでの写真でイルミネーションが点灯しているという事にが付いた人はいらっしゃるでしょうか…。
これ、赤色のイルミネーションを最大光量(光量5)で光らせているのです。

よーく見ると、レティクル中央の点がぼんやり赤く光っているのが分かるかもしれませんが、ぶっちゃけ肉眼だと何の変化も無いですね。
曇り空でこれなので、発光レティクルは屋外では使い物にならないでしょう。
屋内フィールドやナイトゲーム、更には森林系フィールドなどで日陰が多いフィールドなら使えるかもしれませんが…。

[2017/06/12 追記]

発光レティクルが非常に暗いのは、先述の通りガラスエッチングレティクルに反射防止のコーティングが施されていない為との情報を頂きました。
もし、昼間でも発光レティクルが見える程の明るさでイルミネーションを光らせると、レティクルの乱反射によって、像全体が真っ赤に光、最悪の場合何も見えなくなるという、酷い事になる事が予想されます。

[追記終了]

ちなみに、室内なら光量5で丁度いい明るさになります。
光量1とかは夜用でしょうか…。

ちょっとこれは残念な所ですね。

続いてパララックス(視差)の検証をしていきます。
当記事で言うパララックスとは、スコープを覗き込む角度によって像やレティクルが動いてしまい、着弾点がズレる事を言います。
詳しくはガンジニアさんのウェブサイトの方で…(いつも丸投げですみません)

という訳で、今回は20m程度先にある車止めのポールを基準にパララックスの具合を見ていきます。

検証結果はこんな感じ。(久しぶりにYouTube使いました)
ズレを分かりやすくするために、わざとアイボックスの広い1倍で撮影しています。

このように、20mの距離で10cm程度のズレが生じている事が分かります。
つまり、どんだけ頑張って重の命中精度を上げても構え方、覗き方によって10cmは着弾点がズレるという事でもあります。

正直これ、結構キツイです。
レスト台に固定しているような環境下ではともかく、サバゲー中のように普通に手で持って構える場合は毎回同じ角度でスコープを覗き込める訳ではありません。
20mで10cm着弾点がズレるなら、例えば、「バリケードの間を抜いて当てる」や「バリケードから出ている手や足等の体の一部を当てる」といった事がかなり難しくなります。

このスコープの大きなメリットである「アイボックスの広さ」がパララックスに影響を及ぼしているのだと思うのですが…。

尚、先程のパララックス検証動画では1倍のみで見ていますが、4倍だとこんな感じになります。
先述の通り、SOLは(と言うより、どんなスコープでも)倍率を上げるとアイボックスが狭くなるので、1倍の時のようにカメラをグイグイ動かすが出来ません。
結果、パララックスは殆ど無いように思えます。(実際はアイボックスが狭くなっているので、像が大きくズレる程視点を動かせないだけ)

また、これらの動画iPhoneで撮影しているのですが、対物レンズに反射したiPhoneが見えてしまっているのが分かるでしょうか…。
結構対物レンズの反射が大きく、肉眼で覗いていても自分の瞳が見える事が多々あります。

そして、SOLのレティクルはワイヤーレティクルの為、光の具合によって黒〜茶色に色が変わり、逆光とかだとキラキラ光ります。

当初、ワイヤーレティクルだと思っていたのですが、SOLもガラスエッチングのようです。
光の具合によって色が変わったり、逆光でキラキラ光る理由は、エッチングレティクルの乗っているガラスに反射防止のコーティングが施されていない為である可能性があります。

また、対物レンズ側から入ってきた光(色)がそのままレティクルに写り込んだりします。
例えば、上の写真だとiPhoneの白いボディの色がレティクルに反射し、部分的にレティクルが白くなってしまっています。

これも低価格帯ゆえの問題でしょう。

という訳で、屋外でSOLを見てみた結果はこのような感じでした。
色々とSOLの問題点が浮き彫りになってきた感じですね。

RS1-4×24mm SHORT SCOPE “SOL”を屋外で見た後の総評

前回の記事でも総評を書きましたが、今回も書いてみます。

良い点

  • 広いアイレリーフとアイボックス(低倍率の時に限る)
  • 細い縁、広い視野
  • クリアで十分な明るさのレンズ
  • 細く、綺麗なイルミネーションレティクル
  • 近い距離(5mとか)でもぼやけない
  • 中距離(20m程度)〜長距離(100m以上)であれば歪みはそこまで気にならないレベル
  • エレベーテーションノブとウィンデージノブがキャップで保護されているので、何かに引っ掛けた拍子にゼロインが狂う心肺が無い
  • VORTEXっぽくてカッコイイ(完全に私の趣味)

悪い点

  • 1倍〜2倍位までは像の歪みが目立つ、特に1倍で5m程度の距離を覗くと歪んでいるのがよく分かる
  • 歪みがある為、1倍は”等倍”ではなく中央がほぼ1倍、周囲1.1〜1.2倍位で少し倍率があるように見える(特に柱のような棒状の物を見ると歪みがよく分かる)
  • 発光レティクル(イルミネーション)が暗く、屋外だと光っているのが分からない
  • パララックスが激しく、1倍表示だと20mで最大10cm程度のズレがありそう
  • 対物レンズの反射が気になるレベル
  • レティクルがワイヤーレティクルの為、レティクルの色が変わったりキラキラ光ったり鬱陶しい
  • レティクルに反射防止コーティングが施されていない為、レティクルの色が変わったりキラキラ光ったり鬱陶しい
  • パワーダイアルが反時計回りなので使いづらい(完全に私の趣味)

このような感じですね。
少し悪い点が増えてきた感じです。

とは言っても、「この価格でよくここまでのスコープを出してきたな」という感想は変わりません。
相変わらず価格に見合わないとても良い性能だと思います。

ただし、今回の検証で「精密射撃には使えない」という事は分かりました。
流石にここまでパララックスがあると銃の精度関係なしに集弾性落ちますからね…。

また、サバゲーで使う場合も、1発必中の銃には相性が悪いと思います。
オートマチックで、1発目を外しても構え方(スコープの覗き込み方)調整して2発、3発と叩き込める銃と組み合わせるのが良さそうですね。

何度も言いますが、このスコープの問題点が気になるようであれば素直に20万とか30万出せば良いのです。(ぶっちゃけ、それ以外に選択肢は無い)
ちなみに、下手に10万円程度のスコープ(海外で700〜900ドル位で売られてる物)に手を出すなら、もしかしたらこのライラクスのスコープの方が使えるかもしれません。

個人的には、

1万円以下:スコープ入門編。
1万円〜5万円:普通に使えるスコープが欲しい人向け。
5万円〜20万円:ぶっちゃけ下手に手を出さない方が良い、微妙な性能。ちゃんと実物見て買おう。
20万円〜30万円:文句なしの性能が手に入る。
30万円以上:沼の終着点。夢をみたい人はこちら。

といった感じで考えています。
この中だとSOLは1万円〜5万円のクラスに属していますが、その中でも指折りの性能だと思います。

次はサバゲーに持っていっての検証結果報告になると思います。
ちなみに、私はMWSにこのスコープを乗っけています。