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A&K STW(チャイポン)とSYSTEMA PTW(トレポン)のパーツの互換性について【ギア・モーター編】

記事作成日:2017年6月15日

レシーバーピストンASSYストックチューブと紹介してきた、A&K STWとSYSTEMA PTWの互換性ネタですが、今回はギアとモーターを見ていく事にします。

今までも「何かちょっと違う」と、思いもよらない箇所が非互換だったりしていたのですが、今回紹介するギアとモーターも同じような事が起きています。

ギアボックスの比較

まずはギアボックスから見ていきます。
STWとPTWのギアボックスは大体同じですが、一部違っています。

まず、非常に謎だったのは、STWのギアボックスはアンビ仕様のようでアンビ仕様じゃない形状である事です。
外観はアンビギアボックスそっくりなのですが、中を見るとアンビセレクターレバー用のギアを付ける場所が無いのです。

また、プラネタリーギア用の軸も仕様が違っていますね。

ちなみに、ギアボックスの右と左はそれぞれ互換があり、ちゃんと付きます。
後述しますが、軸受の仕様が違うので組み合わせて使うのはあまり現実的では無いですが…。

軸受の比較

ギアボックスに使われている軸受を比較してみます。

左がPTW、右がSTWです。
明らかに大きさが違いますね。

PTWは6mmベアリング軸受け、STWが8mmベアリング軸受けになっています。

また、軸受ではありませんが、サンギアとプラネタリーギアの間に挟み込まれるこのパーツ(サンギアベアリング)ですが、PTWがベアリングなのに対し、STWは単なるダイカストの板になっています。

セクターギアの比較

分解レビュー記事を書いた時にも紹介しましたが、STWとPTWのセクターギアでは検知穴の位置が異なります。
上がPTW、下がSTWなのですが、PTWでは6個目と7個目の所に穴が、STWでは5個目と6個目の所に穴が空いています。

つまり、STWのセクターギアの方が若干PTWよりカットオフが速い事が分かります。

これは推測になりますが、A&K STW付属のモーターの性能やアクティブブレーキの効き具合では、SYSTEMA純正セクターギアと同じ位置に検知穴を開けるとオーバーランが起きてしまう為に少し早めにカットオフさせているのでは無いでしょうか。

トレポン方式の場合、逆転防止ラッチのようなギアの逆回転を防止する仕組みが付いていない為、ギアがオーバーランしてしまうと、「少しピストンが引かれて戻る」という挙動になります、
また、ピストンが引かれるという事はノズルが引かれるという事でもあるので、オーバーランの具合によっては二重給弾を起こす場合もあります。

一番最悪なのはオーバーランによってピストンが引かれ、前進にトリガーを引いてしまう事。
これをすると、モーターやSWD(FET)に過剰な負荷が掛かります。

そう言った点で考えると、STWのセクターギアは割と合理的な仕様になっているのかもしれません。
カットオフが早くて困る事ってあんまり無さそうですし。(強いて言うなら、ほんの僅かながらレスポンスが落ちる位かと)

この検知穴の位置意外は基本的には同じで、STWのセクターギアをPTWに組むことも、その逆も可能です。

プラネタリーギアの比較

こちらはこれと言って書くことも無いのですが、互換があります。
むしろ、ここの互換が無ければ本当に驚きなのですが…。

違いは材質位でしょうか…?

サンギアの比較

こちらも基本的には同じなのですが、軸の仕様が異なります。
PTWは普通の軸と軸受が付いているのに対し、STWは軸受がベアリングになっています。
しかも8mmです。(PTWの軸受は6mm)

裏面はこんな感じ。
左がPTW、右がSTW。
PTWはスポット溶接のような後が4箇所付いているのですが、STWの方は溶接?なのか潰して?くっつけているのかよく分からない跡(傷)が3箇所に付いています。
スポット溶接をした跡にバリ取りしたような感じなんでしょうか…?

ベベルギアの比較

ベベルギアも同じ仕様で〜と思っていたのですが、違います。
STWのギアの中でここが一番「何でこういう仕様にしたんだ?」と疑問を抱く箇所でした。

よーく見ると分かると思うのですが、ギアの山が若干弧を描いたような形になっています。
これをヘリカルギアと呼んで良いのかよく分かりませんが、とにかく普通のギアではありません。(こういう形のギアって何か名称あるんでしょうか…?)

もちろん、PTWのベベルギアは普通の真っ直ぐになっている山です。

モーターの比較

まず、上記の通りベベルギアがヘリカルっぽい感じで曲がった仕様のギアになっているのですが、モーター側に付いているピニオンギアも同様に曲がっていました。
左がPTW(490KUMI)、右がSTWです。

こちらもよーく見るとギアの山が曲がっている事が分かると思います。

つまり、STWのモーターに不満を抱いてPTWのモーターをポン付けすると「ギアが噛み合わない」という問題が起きる可能性があるという事です。
もしかしたら、この程度の差なら何とかなるかもしれませんが、正直あまり推奨は出来ないですね。
もし、PTW用のモーターに交換する場合はピニオンギアも移植するか、ベベルギアもPTW用の物に交換した方が良さそうです。

モーターの磁力やトルクに関してはそういった物をちゃんと測れる機材を持っていないので、正確な値は不明ですがPTWに比べるとかなり磁力は弱いです。
とは言っても、普通の電動ガン用モーターに比べるとかなり強力ですがね…。

また、コイルの太さは若干STWの方が細く、巻数が多い感じですね。

特に意味はありませんが、モーターホルダーを外してみました。
モーターブラシスプリングポールも折れていたので、どのみち交換する為に外す予定でしたし…。(折れたポールをラジオペンチで摘んで少しずつ回転させながら外しました)

ブラシホルダー周りのパーツはこんな感じになっています。
STWのブラシはPTWと同じスタンドアップ型を使います。

グリップ周りを見ていきます

モーターの比較ついでにちょっとグリップで気になった事があったので見ていきます。
それが、これ。
グリップの内側にかなり深めの溝が彫られています。
場所的に恐らく配線を逃がすための隙間なのかな?とも思いますが、PTWにはこんな所に溝はありません…。

グリップカバーはこんな感じ。
旧型のPTWをコピーしているせいか、グリップカバー中央にイモネジが付いています。
イモネジは接着されているのか、簡単には外れなさそうな感じでした。

内側はこんな感じ。
PTWのカバーには絶縁テープが貼られているのですが、STWにはそういった処理は施されていません。
まあ、STWの場合は通常電動ガンと同じ方式の、モーターピンですからね…。

まとめ

という訳で、STWのギアボックスですが、一部パーツは非互換である事が分かりました。
特にピニオンギアとベベルギアの仕様が違うのは痛いですね。
モーター交換をしようとするなら、ベベルギアも交換する必要が出てきます。

まあ、その場合はいっその事ギアボックスごと丸っと交換した方が安牌な気がしますが…。

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