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オーバーホール・微調整・一部パーツ交換を行ったA&K STWの評価まとめと新情報

記事作成日:2017年7月10日

UFCが輸入代行を始めたA&K STW(SYSTEMA PTWコピー)ですが、ようやく屋外での射撃とサバゲーで使用する事が出来たので、今までの経緯を踏まえて評価を行います。

まず、今まで行ってきた経緯から。

購入直後のファーストインプレッション時点では「思っていた以上に割と良さげ?」な印象を持ちました。

その後分解レビューを行い、色々中華製品らしい品質の低さがあらわになり、基盤周りが旧型PTW仕様(5ピン仕様)である事も分かりました。

一通り分解した後、組み直すついでに「これはパーツ交換、調整しておかないと…」と思った箇所にのみ手を加えて、組み直しました

その際、調整や変更したパーツは下記になります。

  • ギアボックスのシム調整
  • 断線しかかっていたコントロールケーブルの補修
  • 破損していたモーターブラシスプリングポールをSYSTEMA純正に交換
  • ブラシスプリングをシルバーブラシ(銀50%)に交換
  • モータプレートに絶縁テープを追加
  • コントロールケーブルを抑えるためのラインセットプレートをSYSTEMA純正に交換
  • 2つ付いていたストックチューブキャップのOリングを1つに変更
  • HOPアジャスターとチャンバーパッキンの間にクッション材(押しゴム的なの)を追加

後は各パーツのグリスアップをした位ですが、それだけでかなり動作は良くなりました。
ギアノイズもそこまで気になるレベルでは無くなりました。(静かなトレポンに比べると当然鳴ってますが…)

ただし、モーターの問題から11.1Vを使ってももっさりした動きで、発射サイクルも秒間12発程度と低めの結果でした。

その後、先日のサバゲーで屋外での実射テストを行い、1回サバイバルゲームでも使ってみての評価をまとめてみます。

剛性について

レシーバーやハンドガードなどの剛性についてはファーストインプレッションでも述べている通り非常に高いものになっています。
キシミは一切なく、叩いたりうっかり落としたりしてもそう簡単には壊れない強度を持っていると思います。

もちろん、あまりに強い衝撃を加えると変形するでしょうし、そもそも基盤のハンダが剥がれたりする可能性もあるので、雑に扱っても良いという訳ではありませんが…。
これはトレポンも同じです。

動作性能について

こちらも今までのレビューで述べている通り、「もっさりした動き」だけが唯一の不満点です。
流石に11.1Vを使って秒間12発〜13発というのは遅すぎます。

また、トレポン特有のあのレスポンスには到底及ばないです。
よく「指がついていかない」とか「指をどれだけ速く動かしてもちゃんと撃てる」とか言われるトレポンですが、STWはそんな優秀ではありません。

電子制御なのでセミロックやピストン開放直前とかでカットオフされ、変な所でピストンが止まってしまう問題は起きませんが、指の速度より動作の方が断然遅いです。

これを解消するにはモーターを交換してしまうのが手っ取り早いかと思います。
ただし、モーター交換するだけでSTW本体代の半分以上の金額が持って行かれる事を覚悟する必要があります。(SYSTEMA純正モーターの相場は26000〜28000円程度)

飛距離、集弾性について

先述の通り、私はA&K純正のチャンバーパッキンとHOPアジャスター(これはFCC製品と思われる物を拝借)の間にクッション材を入れただけの状態で、それ以外は一切触れていないのですが、割といい感じでした。

30m先の一斗缶程度なら十分当てられる(100発100中とは行きませんが…)精度で、40mのマンターゲットにも当てられる程度の集弾性を持っており、飛距離も45m位までなら届かせる事が出来ます。
SYSTEMA PTW純正の状態とほぼ同レベルの性能(2012年モデルとの比較)のような感じがしました。
※PTWは2013年以降のモデルからHOP周りが少し改良されており、飛距離と集弾性が向上しています

フルオート時も、フライヤーやドロップ等散るような弾は無く、概ね真っ直ぐ飛んでくれます。

正直「このレベルなら十分サバゲーで使える」と私は判断しました。
もちろん、もっと飛距離は伸ばしたいですし、集弾性も上げたいので、上を目指すなら更なる調整が必要になりますが、サバゲーで使える必要最低限の性能は持っているのではないか?と思います。

総評・感想

正直、A&K STWを箱出し状態で使うのには不安が残りますが、1回オーバーホールして問題のあるパーツ(箱出し状態で破損しているパーツ)を交換していくだけで非常に高いポテンシャルを秘めた銃に早変わりするような感じがしました。

懸念点としては電装系(主にFET)の耐久性が未知数な点位でしょうか…。
11.1V 1100mAh 15CのLiPoバッテリーを使って、今日1日で500発位、それまでの調整期間等で100〜200発程度は撃ってますが、今のところ問題は起きていません。

色々と思う所はありますが、総評的には「A&K STWはアリだな」という結論に至りました。

ただし、ここで1点注意が必要なのは「トレポンが欲しい、でもお金無いからSTW」というのはやめた方が良いと思います。
STWをトレポンと同レベルにしようとすると、間違いなくトレポンと同じ金額が掛かります。

A&K STWを購入する場合は1丁既にトレポンを持っており、自分で調整やメンテナンス等が行える人がお遊び用や実験用に買うのが良いのではないか?と思います。
もしくは、興味本位で買ってみるとかですかね。

エアソフトガンを色々弄ってる人からするとSTWは割と色んな意味で面白いネタになると思います。

少しSTWに関する情報の追加と整理

今までのブログ記事ではあまり詳しく載せていなかったのですが、割と購入を検討される方がいらっしゃるようだったので、STWに関する注意点の追加と、情報を整理してみます。

まず、追加の注意点ですが、これは以前のレビュー記事でも掲載していますが、STWはSWD(FET)のサイズが大きいので、ストックチューブにLiPoバッテリーを入れる場合、一般的にトレポン用LiPoバッテリーとして売られているこちらのサイズのバッテリーでも完全には入りません。

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入れるとこのようにバッテリーの先端+配線が飛び出てしまうのです。

その為、バッテリーを入れた状態ではストックを最後まで縮める事が出来ず、これくらいの位置(1段階後ろ)が限界になります。

また、ストックチューブの形状にも問題があります。
これは新情報です。

PTWのストックと長さやネジピッチ等が異なる事を紹介したり、「一部ストックが付かなかったりする」事は紹介しましたが、実際は基本的に殆どのストックが付かない構造である事が分かりました。
左がSTWのストックチューブ、右がPTWのストックチューブなのですがストックチューブ下部の形状が全然違います。

STWは何故か滑らかなラインを描くように成形されているので、一般的なストックを付けるとこの滑らかなラインの部分と干渉して付きません。
解消方法はこの謎の滑らかなラインをフライス盤的なもので削り取るか、ストック側を加工して広げるかのどちらかになると思います。

ただし、この滑らかなカーブのお陰で強度が保てている可能性も十分に考えられるので、削り取った事によってストックチューブが脆くなってしまう可能性も考えられます…。
私自信、この部分をどうしようか悩んでいます。

ちなみに、私の手元にある製品だとG&PがWA用として出しているストックチューブのみ対応していました。
もちろん、ガスブロ用のストックチューブなので、配線を通すための溝を掘る必要があるのと、ケツの部分に穴を開ける加工が必要になりますが…。

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続いて、こちらも新情報。
HOPダイアルを固定する為のOリングですが、めちゃくちゃ熱に弱いのか今日1日屋外で使っただけで即効ひび割れを起こしました。
一応シリコンオイルを塗布しておいたのですが、全然意味なかったっぽいです…。

まだかろうじて弾性は残っていますが、完全に千切れるのも時間の問題でしょうね…。
そもそも最初から外した時に歪な形してましたし…。

これ以降は情報の整理というか、まとめです。

  • アウターバレルはPTWと互換あり、DAYTACのフリーフローティングアウターバレル等への交換も可能
  • インナーバレルやチャンバーASSYは完全独自仕様で、マルイ方式のチャンバーパッキンが使用可能
  • ピストンASSYはアルミ製、基本的にSYSTEMA互換
  • 電装系は旧型PTWタイプ(2006年や2005年等)で、5ピン仕様
  • FETに付いているFETは平型の20A
  • ギアは基本的にSYSTEMA互換ですが、ベベルギアとピニオンギアのみゼロールベベルギアという弧を描くような歯の形になったギアが採用されている
  • モーター低トルク、低サイクルなのでレスポンスに不満を感じる。ただし、発熱は少なめ。
  • ストックチューブはSYSTEMA互換が無いので要注意

こんな感じでしょうか…。

純正の状態で使うのはこれが最後です。
これからは色々とSTWを弄っていきます。

とりあえず、内部に関してはHOPが勝手に緩んでしまうという問題以外は気になる問題は無かったので、チャンバーのみSYSTEMA純正に交換(パーツは余ってますし…)、それ以外はA&K純正のまま使おうと思っています。
その為、基本的には外装カスタムになります。