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Sightmark製 3倍マグニファイア『XT-3 Tactical Magnifier』のレビュー

記事作成日:2018年8月4日

Sightmark(サイトマーク)製の3倍マグニファイア(ブースター)、『XT-3 Tactical Magnifier with LQD Flipto Side Mount』をつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたので、レビューしていきます。

ご依頼頂いて書いたレビュー記事ですが、あまり気にせずいつも通り、良いこと悪いことを色々と書いていきます。
(当ブログの方針をご理解の上、承諾頂いております)

Sightmark XT-3 Tactical Magnifireの内容物と外観レビュー

内容物はマグニファイア本体、六角レンチ、クリーニングクロス、取扱説明書になります。

こちらの製品は商品名の通り「マグニファイア(ブースター)」と呼ばれる種類の光学機器になります。
マグニファイアとは、ドットサイトと併用して使われる単眼鏡で、倍率の無いドットサイトに倍率を追加する事が出来る製品で、レティクルは付いていません。

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マグニファイアは一般的に2倍〜4倍程度の倍率の製品が多く、共通する仕様・特徴として下記が挙げられます。

  • ドットサイト単体で使う事を考慮し、スイングマウント(横にズラしたり半回転させる事が出来るマウント)や、ツイストマウント(90度回転させる事でマグニファイア部分とマウント部分を分離させる事が出来るマウント)などを使うのが主流
  • ドットサイトと目の間に配置される為、アイレリーフはかなり短く設計されている
  • ドットの位置を調整する為にエレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルが付いているが、このダイヤルはあくまでマグニファイアに映るドットの位置を変えるだけなので、ゼロインには使えない

今回、レビューを行う『Sightmark XT-3 Tactical Magnifire』に関してもこれらの基本的な仕様を踏襲した製品になります。

マグニファイアを使用するメリット

ちょっとレビュー内容からは脱線しますが、私はスコープよりもドットサイト+マグニファイアの組み合わせの方が好きです。

マグニファイアを使用する利点としては、一般的な可変倍率のスコープの場合、1倍から3倍に切り替えるにはパワーノブを回して倍率を変える必要があるのですが、マグニファイアはスイングマウントを倒したり起こしたりするだけで切り替えが出来るので、スコープよりも素早い倍率切り替えが出来るのです。

また、倍率が固定(可変倍率のマグニファイアも存在する)の製品が多く、倍率を変えた時の距離感を覚えやすいというのも利点の1つかと思います。
スコープで色んな倍率を使ってるとどうしても距離感が分からなくなってくるのです…。

ドットサイト+マグニファイアの組み合わせは、ELCAN Spector DRの利点にちょっと似ていると思います。

Sightmark XT-3 Tactical Magnifireの外観を見ていきます

外観はこんな感じ。
マウントリングが取り付けられた状態で梱包されていました。

左右はそれぞれこんな感じ。
左側にはSIGHT MARKのロゴが、右側にはウィンテージダイヤル以外は特に何もありません。

角ばったデザインが特徴的なマグニファイアですね。

前側と後ろ側はそれぞれこんな感じ。

付属のマウントは20mmレイル対応のスイングマウント。

汎用的な30mmチューブ対応のマウントリングの為、マグニファイアの上下位置を調整する事は出来ません。
もし高さを高くしたいのであれば、20mmレイル側にライザーを噛ませる必要があります。

スイングさせた状態だとこんな感じ。
このスイングマウントリングには、ロック解除ボタンのような物は無く、単にマグニファイアを横に押せばスイングされます。

可動部分にボールが埋め込まれれおり、それが窪みにハマってロックされる方式になります。
レバー式と違ってワンタッチでマウントを倒したり起こしたりする事が出来るので非常に操作性が良いです。

以前レビューしたSIG SAUER製の4倍マグニファイア『JULIET 4』のスイングマウントと同様の仕様ですね。

スイングマウントの動きはこんな感じ。
ロックボタンが無いおかげでかなりスムーズに動かす事が出来るのが特徴です。
正直、このスイングマウントだけ買ってノーベルアームズのマグニファイアに取り付けたいレベル。

また、こんな単純な構造でありながら、ガッチリ固定されており、全くガタツキはありません。
というか、実はこの構造のスイングマウントで逆にガタつく個体に出会ったことが無く、ロックするボタンとかレバーに頼らない方が良いのでは?という疑惑が私の中で浮上中…。

マグニファイアの中央からマウント下部までの距離は43mmほどでした。

スイングマウントは20mmレイルに対応しており、QDレバーが付いています。
写真左がロック状態、写真右がQDレバーを解除した状態です。

20mmレイルに取り付けた時にガタツキがあったり、逆に取り付ける事が出来なかった場合は、QDレバーの反対側にあるノブを回す事で幅を調節する事が出来ます。

ちなみに、QDレバーのロック解除方法は赤矢印の方向にレバーを動かします。

マグニファイア上部にはエレベーテーションノブ、右側にはウインテージノブ、接眼レンズには視度調整ノブが付いています。
全て無段階調節仕様です。

尚、各ノブは多少の衝撃では緩んでしまうような事は無く、リコイルを強化している東京マルイ M4 MWSに乗せて撃ちまくってもズレる事はありませんでした。

対物レンズと接眼レンズのコーティングは青紫色のコーティングが施されていました。

Sightmark XT-3 Tactical Magnifireとドットサイトとの相性(高さ)について

冒頭で述べた通り、マグニファイアはドットサイトと併用して使う為のものです。
その為、マグニファイアにはドットサイトとの相性が存在します。
その相性とは『ドットサイトの高さ(レンズの位置)』です。

マグニファイアやマウント側にライザー等を使った高さ調節を行える機能が備わっている場合はこの相性問題がかなり緩和されるのですが、先述の通りSightmark XT-3にはマグニファイア自体の高さを調節する機能がありません。

「マグニファイアの中央からマウント下部までの距離は43mmほど」とスイングマウントの説明の際に書きましたが、正直イメージが掴みづらいと思います。
その為、手持ちのドットサイト数機種で検証してみました。

HOLOSUN HS403A

HOLOSUNのマイクロT1型ドットサイトの中で一番安いモデルです。
こちらは電池ボックスの位置の問題から、Aimpoint Micro T1とマウントベースに互換がありませんが、オーソドックスなT1型ドットサイトだと思います。

取り付けるとこんな感じ。

マグニファイアがドットサイトよりかなり下に来てしまいました。
ズレてしまい、見栄えはちょっと悪いですが、この状態でも視界に影響はありませんでした。

HOLOSUN HS510C

HOLOSUNのリフレックスドットサイトです。
マグニファイアは単なる単眼鏡なので、当然リフレックスサイトと組み合わせて使う事も可能です。
ただし、ドットサイト本体の幅が広く、「ドットサイト」「マグニファイア」「バックアップサイト」の3点を全部付ける事が出来ず、バックアップサイト(MAGPUL MBUS)を取り外す必要がありました。

上下位置は丁度よい感じで、視界への影響もありませんでした。

Vector Optics SCRD-26 Nautilus

Vector Optics製のちょっと大型なドットサイトで、こちらもHS510Cと同様バックアップサイトを外す必要がありました。

若干マグニファイアがドットサイトの中央よりも下寄りになっていますが、ドットサイトのレンズ径が大きい為、マグニファイアの視界にドットサイトの淵が被るような事はありません。

Vortex Razor AMG UH-1

Vortex製ホロサイト、Razor AMG UH-1です。
マウントは専用品で本体と一体型のような形になっており、サイト側の高さを調節する事も出来ません。

取り付けるとこんな感じ。

マグニファイアがドットサイトの接眼レンズよりもかなり下側に来ており、マグニファイアを除くとちょっとだけ視界の下の方に黒い影(ドットサイトの淵)が映り込みます。
とは言え、影の大きさもそんなに大きくないので、全然普通に使えます。

Vortex SPARC AR

VortexのマイクロT1型ドットサイトです。
こちらもマウントが専用品の為、Aimpoint Micor T1とは互換がありませんが、付属のライザープレートを使う事で若干位置を高くする事が出来ます。

取り付けるとこんな感じ。

位置はほぼバッチリです。
あえて言うなら、ほんの数ミリマグニファイアが上に来ていますが、そんなに気にならないレベルだと思います。
当然、視界への影響も無し。問題なく使えます。

Novel Arms COMBAT AIM T1 + ACE1ARMS GEISSELE レプリカ マウント

Novel ArmsのマイクロT1系ドットサイトにレプリカのガイズリーマウントを組み合わせたものです。

若干マグニファイアがドットサイトより上に来ています。
HS403Aとは逆のパターンで、視界に影響はありませんでした。

Sightmark Wolverine 1×28 FSR

最後に同社製ドットサイト、Wolverine 1×28 FSRとの組み合わせです。
尚、FSRには純正のライザープレートを取り付けてドットサイトの位置を高くしています。

さすが同じメーカー、完璧にツライチです。

しっかし、Wolverine FSRはデカイなぁ…。
あと、昔個人的に買ったメーカーのレビュー依頼を受ける事になるとは思ってもいませんでした。

Sightmark XT-3 Tactical Magnifireを覗いた時の見え方について

まずはドットサイトを通さずに、3m先のディスプレイを見てみます。
中央の丸が2cm、その周囲に4.5cm刻みで縦線と横線が描かれています。

ほんの僅かな歪みが計測されましたが、気になるようなレベルではありません。
コントラストが高く、色も十分に綺麗な像です。

続いて、ドットサイト越しで見てみます。
ドットサイトは組み合わせ検証の際にツライチだった『Wolverine 1×28 FSR』を使っています。

Wolverine 1×28 FSR自体、かなり透明度の高いレンズが使われており、「ほぼ透明」と言っても過言ではないほどにクリアなレンズの製品なのですが、マグニファイア越しで見ると若干レンズの青みが強くなって見えますね…。

NovelArms 3倍マグニファイアとの比較

同価格帯の製品ではありませんが、NovelArmsの3倍マグニファイア(新型)と比較してみます。
個人的にNovelArmsの3倍マグニファイアはコストパフォーマンスNo1で、このマグニファイアの性能を超える製品であれば3〜4万円くらいまでなら出しても良い!位に思いながら色んなマグニファイアを覗いているのですが、中々いい商品には出会えず…。

大幅に価格は上がりますがEoTech G33は良いな〜と思った位。
そんなNovelArms3倍マグニファイアと比較していきます。

一応補足しておくと、NovelArmsの3倍マグニファイアには新型と旧型が存在し、私が持っているのは新型の方で、今回の比較も新型との比較になります。
旧型とは形状も仕様も大きく異なっているので要注意。

マグニファイア本体の長さはNovelArmsが約9.8cm、Sightmarkが約10.3cmと共にほぼ同じ位の長さですが、ドットの位置を調節するダイヤルの部分がSightmarkの方が太く、マウントもゴッツいので、かなり大きく見える気がします。

重量はNovelArmsが335g、Sightmarkが356gと、Sightmarkの方が若干重い感じ。
とは言っても僅か21gの差なので、ほぼ同じと言って良いレベルだと思います。

他にNovelArmsとSightmarkの違いを挙げると

  • スイングマウントのロック方法がNovelArmsはボタン式、Sightmarkは単に横に押せば倒れるシンプルな仕様
  • レンズコーティングはNovelArmsが対物・接眼共に緑色系のコーティングですが、対物の方は薄い(ほぼ透明で、その奥に緑色が見えるような気がする)く、Sightmarkは対物・接眼両方青紫色のコーティング。

といった感じでしょうか。

ドットサイト(Wolverine 1×28 FSR)と組み合わせて見た時の像の比較。

※カメラの設定は変えずに撮影(マニュアル撮影)

ほんの僅かにSightmarkの方が明るかったです。
恐らく、コーティングの違いによる透過率の変化によるものではないか?と思われます。

また、淵の太さが若干Sightmarkの方が細く、アイレリーフも1cmほど長かったです。

よく「Novel Armsのマグニファイアはアイレリーフが短すぎて分厚いゴーグルを付けてると覗けない」という話を耳にしますが、もしかしたらSightmarkのマグニファイアであればそういった問題は軽減されるかもしれません。
私はシューティンググラスユーザーなので、あまり気になった事は無いのですが…。

ただし、アイボックスやアイレリーフの広さに関してはNovel Armsとどっこいな感じで、非常に狭いです。

Sightmark XT-3 Tactical Magnifierの総評

総評としては、端的に『かなり良い』と言えます。
正直な所、ようやくNovelArmsを超えるマグニファイアで比較的安価な製品に出会えた…というか、私の理想としているマグニファイアに出会えた感があります。

XT-3とほぼ同価格帯であるVortex VMX-3Tはとても綺麗な像で視野は広いものの像が歪んでしまうのがしっくり来なかったのですが、このXT-3なら全然普通に使えそうです。
形もカッコいいですしね。

総評ではありませんが、こちらの商品は普通にサバゲーで使っていきたいと思い、お借りした当商品をそのまま購入させて頂きました。
今回は本当に良いものに出会えたと思っています。


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