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電磁弁ユニット(HPA)、Wolverine Airsoft ReaperとWraith CO2ストックを購入、ARES M45に組んでみた

記事作成日:2019年10月10日

Wolverine Airsoft製の電磁弁ユニット、Reaper(リーパー)と専用ストックのWraith(レイス) CO2 Stockを買ってみました。

何年も前に「電磁弁やります」的な感じで記事を書いたのですが、諸事情によりボツ案になってしまいまして…。
今回、色々条件を考えて再度トライしてみる事にしました。

ただ、申し訳ないのですが諸事情によりあんまり詳しい説明は出来ません。
あくまでインストール方法とちょっとした検証結果の報告程度の内容になります。

『Wolverine Airsoft Wraith CO2 Stock』はこんな感じで、ストックチューブの後ろにCO2カートリッジを入れるタンクみたいなのが付いているのが特徴です。
なお、今回購入したWraithは同社製の電磁弁ライフル「Wolverine Airsoft MTW」用の物になります。

ストックチューブ本体と蓋、レンチ類、写真に写ってませんが予備のOリングが付属していました。

Wolverine Airsoft Reaperの内容物はこんな感じ。
電磁弁ユニットとそこに繋げる配線、ガスチューブ、予備のOリング、ベルクロパッチになります。

Reaperはセミオートオンリーの電磁弁ユニットで、単に通電したらバルブが一定時間開放されるという非常にシンプルな制御のみになります。

つまり、プログラムによる放出時間の調節や、フルオート、バーストなどの制御が一切出来ません。

Reaperに取り付ける配線の中腹辺りにはトリガースイッチを取り付ける為の線が伸びています。
予め皮膜が剥かれ、予備ハンダも付いた状態なので、このままスイッチにはんだ付けすればOKです。

バッテリーコネクタは、よくコンパクト電動ガン/電動ハンドガン用として販売されているLiPoバッテリーのと同じコネクタ(BECコネクタ)です。

電磁弁ユニット全般的にそうですが300mAhもあれば1日十分遊べるので、小さいLiPoバッテリーで十分です。

私は随分前に電動ハンドガン用に購入した小型LiPoバッテリーを使おうと思っています。
一般的な電動ハンドガン用として販売されているLiPoバッテリーの半分位のサイズで、容量も300mAhと非常に小さいです。

Reaperのノズルはこんな感じで、材質は恐らくPOM(ジュラコン)だと思われます。
ガス圧によってノズルが前後する構造なので、圧力が掛かっていない時は簡単に指で動かせる位にノズルはスカスカです。

という訳で、これらのパーツをARES M45に組んでいきます。
なぜARES M45を選択したのか?と言うと、メカボが割れたからなんですよね〜。

ARES M45って非常に面倒くさい仕様で、他のEFCSメカボと互換が無いのです。
更に、普通のVer2系メカボもポン付けする事は出来ず、ロアフレームやメカボックス自体の大幅な加工が必要になるので、今回電磁弁化の素体として使う事にしました。

電磁弁ならメカボックスへの負荷は無に等しいですからね。

それにしても、綺麗に前側だけ取れましたねぇ…。

まず、M45のメカボックスをバラして脱脂、断面にオートウェルドを塗って接着しました。
普通に電動ガンとして使うならこんな補修方法じゃ駄目なんですが、電磁弁なら電磁弁ユニットの位置さえズレなければ良いだけなので、これでOKでしょう。

オートウェルドが硬化するまでの間にトリガースイッチを用意しました。
ARES M45にはEFCSが搭載されているので、電磁弁化するにあたってスイッチを流用する事が出来ません。

なので、余ってたユニバーサル基板とタクトスイッチを使って作りました。
マイクロスイッチの方が良いかなぁ…と思ったんですが、あいにく丁度よいサイズの物が在庫切れだったので、タクトスイッチを使ってます。

ただ、タクトスイッチをトリガーで直押しするとクリック感が出ないのと強く押し込んだ時に破損させてしまう可能性があったので、スイッチ部分にシリコンの板を貼り付けました。

このシリコンの板があるか無いかでタクトスイッチから伝わるクリック感が大きく変わるのです。

こんな感じでカチカチとしっかりしたクリック感があり、音も鳴ります。
シリコンが無いとこんなにクリック音が鳴らないですし、クリック感も無くなっちゃうんですよねぇ。

ちなみにトレポンとかでもちょっとオススメ。
トリガーの加工が必要になるので、実装面倒ですが…。

オートウェルドが固まったらメカボックスを切ります。
ガスチューブとか配線類を逃がす事が出来れば良いだけなので、多分「こう切らないといけない」みたいなルールは無いと思いますが、私は斜めに切りました。

それにしても、電動工具って偉大ですねぇ。
こんなの手作業じゃ面倒くさくてやってらんないですよ。(バリ取りだけは手作業でやりましたが)

これでReaperを取り付ける下準備は完了したので、取り付けていきます。
そのままだと若干ガタがあったのでReaperにシールテープを巻きました。

この状態で蓋を閉めればガチガチに固定出来ていました。

とりあえず問題無さそうだったのでこの状態で動作チェックを行います。

電磁弁ユニットの動作が確認出来たら続いて、ストック側を用意します。
今回はARES M45の折りたたみストックを活かしたかったので、Wraith CO2ストックをこんな感じで取り付けてみました。

ちなみにネジピッチはMTW用のストックがドンピシャで、無加工でポン付けOKでした。

続いて、個人的に電磁弁銃の調整で一番面倒くさい部分(?)と思っている箇所の調整を行います。
それがCO2カートリッジを閉める蓋の位置調整。

12gカートリッジは若干の個体差があり、Wraith CO2ストックも若干は許容してくれる構造になっているのですが、この蓋の位置がドンピシャに出ていないと下記のような問題が起きてしまいます。

  • カートリッジに開く穴の大きさが中途半端で初速が不安定になる
  • 蓋がしっかり閉まらず、ガスが漏れ出してしまう
  • ものすごい力を掛けないと蓋が閉まらず、疲れる

基本的にこの位置を出すのに何本かCO2カートリッジが犠牲になるはずなので、少し多めに買っておくと安心です。
あと、失敗した時にイラッとするので、心に余裕が必要です。

位置が決まったら再度動作チェック。

ちなみに、一応ストックを折りたたむ事が出来るのですが、後にガスを入れると一定時間放置でホースが抜けてしまう事が判明…。

しかし、諦めずにこの折りたたみストックを何とか生かすことが出来ないか?と試行錯誤していたのですが、CO2カートリッジが10本以上犠牲になりました…。

結局「ストックチューブにねじ切りしてユニオンコネクタ的なの付けないと駄目じゃね?」となり、一旦折りたたみストックネタはボツになり、ストックをロアレシーバーに直付けする事に。

とまあ、色々と問題はありましたが動作自体は問題無さそうだったので、グリップを取り付けます。
ARES M45はグリップも専用品なので、他のM4系グリップが使えません。

なので、勿体ない気もしますが、純正グリップを加工、穴を広げて配線を通しやすくしました。

続いて、最後の作業。ノズルの長さ調節です。

デフォルトだとこんな感じでノズルを限界まで後退させても給弾ルートにノズルが飛び出してしまっていたのです。

他のM4系でもノズル長の調整が必要になるかは不明ですが、ARES M45に関しては少なくとも2mm程度ノズルを短くしないとそもそも給弾させる事が出来ませんでした。

チャンバー無しの状態だとこんな感じ。
給弾ルートとノズルががっつり被っているのがお分かり頂けると思います。

ちなみに、Reaperはトリガーを引いている間はノズルが後退しているので、このように輪ゴムをトリガーに引っ掛けておく事でノズルを常時下げておく事が可能です。
これ、調整する時に便利です。

ノズルは最終的に純正の状態から3mmほど短くなりました。(2mmだとチャンバーパッキンを若干巻き込んでしまっていた)

ノズル長の調整が終わり、ちゃんと弾が出るようになったので、初速の調節を行っていきます。

まず、基準値を決める為に0.5MPa(約5気圧)程度までしか圧力を上げる事が出来ない、改正銃刀法適応後に発売されているサンプロジェクト製のグリーンガスレギュレーター『Newメーター付グリーンガスレギュレーター』を取り付けて初速チェックを行う事にしました。

このレギュレーターの最大出力で初速を確認します。

結果、初速は0.20gで68m/s半ば程度とかなり低め。
まあ、バレル長が140mm程度しか無いので仕方がないかもしれませんが…。

尚、初速はかなり安定しており、±1m/s未満に抑えられています。
単に組んでノズル長合わせるだけでこんなに初速が安定するのは凄いですねぇ。
普通の電動ガンの半分以下の手間で済んでいる気がします。

撃つとこんな感じで、1発撃つと0.1MPa程度下がります。
そして、連射するとどんどんガス圧が下がっていく事が分かります。
また、トリガーを戻す時(ノズルが前進する時)にもガスを消費しているようで、0.05MPa程度メーターが動きます。

これは初速にも大きな影響を及ぼしており、実際連射すると一瞬で初速が大幅に低下します。

もちろん、これはこのレギュレーター側の問題でもあるので、全ての環境において同じ挙動になるという訳ではないのですが、激しい指切りセミ連射には向かないような気がします。

という訳で、これを基準値としてWraith CO2ストックの放出量を調整します。
放出量の調節はストック上部のイモネジを回す事で行います。
緩めると出力が上がり、締めると出力が下がります。

限界までネジを緩めるとガスが漏れてしまいますし、チューブが圧力に負けて抜けてしまうので、このCO2ストックの限界まで上げたいならストック側の加工が必要になるような気がします。

ちなみにガス漏れが発生しない程度(実質限界まで)上げても、0.20gでの初速が85m/sとかなり大人しめでした。
そして、その場合は新品のカートリッジが20発ちょいでガス欠にになる程の燃費の悪さだったので、初速と燃費のバランスが全く取れてませんでした。

初速を稼ぎたいならバレルで調整ですね。
伸ばしたり、タイト入れたり。

ざっくり初速と燃費のバランスをまとめるとこんな感じでした。

  • 初速85m/s:20発程度
  • 初速80m/s:35発程度
  • 初速75m/s:55発程度
  • 初速70m/s:80発程度
  • 初速65m/s:85発程度
  • 初速60m/s:95発程度
  • 初速55m/s:110発程度
  • 初速50m/s:120発程度

そんな検証をやってるうちにどんどんCO2カートリッジが無くなっていきました。

初速や燃費の検証の為に消費されたCO2カートリッジ

こういう検証をやる場合はCO2カートリッジは多めに持っておくと良いですね。

一通り検証も終わり、当初の予定通り初速もこんな感じで0.5MPaの時と同じ程度に調整しました。

この状態で70発程度は撃てますが、70発を少し超えた辺りから初速が低下し初め、80発目に達する頃には50m/s台まで落ち込みます。
初速が低下した場合は発射音で分かります。

そして、80発を超えた辺りでガス欠といった感じですね。
丁度1〜2ゲーム毎にガスを交換する必要がありそうです。

という訳で、ガスとバッテリー取り付けから射撃までの一連の流れを動画に収めてみました。

という訳で、ReaperとWraithの組み込み、調整は一旦以上になります。

まあ、調整はまだ少し続きますが…。
というのも、ARES M45のパーツをいくつか追加で購入しており、それが近々届く予定なので、それを組んで最終調整をしようと思っている為です。