Trijicon RMRシリーズ(RM06、RM07、RM09)と専用マウント2種のレビュー
記事作成日:2019年10月28日
つぼみトレードカンパニー様より『Trijicon RM06-C-700672』『RM07-C-700679』『RM09-C-700742』の3製品に加えてTrijicon RMR専用マウントベースであるRM34とRM35をお借りしたのでレビューしていきます。
まずはTrijicon RMRの紹介です。
このRMRは「RMR Type2(Adjustable LED RMR)」と呼ばれるモデルで、電池駆動タイプでも輝度の手動調節が出来るようになっているタイプのモデルです。
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※PCをお使いの方はスプレッドシートの方が見やすいと思います。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1lmVlWqQWGc6Jpv5gaMMUjcQtes2QM901FGYgBhwqHuE/edit#gid=582796458
ウレタンが詰められたハードケースに収められており、中にはRMR本体と説明書、カタログ、電池、ステッカー、工具類が収められています。
今回お借りしたRMRは全てバッテリー駆動のモデルなので、バッテリーが付属してきます。
付属のバッテリーはEnergizer ECR2032。
高級製品なだけあってお高い電池が付属していますが、まあCR2032型のボタン電池です。
ただ、電池にも良し悪しがあり例えば安価な電池だと電圧が不安定だったり、液漏れが起こしやすかったりしてドットサイト本体を破損させてしまう事にも繋がるので、なるべく電池には気をつけた方が良いと思います。
長期保管するなら尚更…。
今回お借りした3機種の違いはレティクルの大きさだけです。
RM06は3.25MOA、RM07は6.5MOA、RM09は1MOAといった感じになっており、用途や好みに合わせてレティクルの大きさを選べば良いでしょう。
簡単に言うとレティクルの大きさが小さくなればなるほど精密射撃に向いていますが、移動しながらの射撃だったりサイティング速度を求められる状況下での使い勝手があまり良くなかったりします。
逆にレティクルが大きくなればなるほどレティクルの視認性が上がるので、瞬時なサイティングがやりやすくなりますが、ターゲットがドットに隠れやすくなってしまうという問題があります。
外観的な違いは「RMxx」と描かれている数字が違うのと、シリアルNO、QRコード的な奴の印字位でしょうか…。
全てレッドレティクルモデルなので、レンズコーティングも同じです。
RMRのレンズコーティングは少々独特な感じで、一般的なルビーコートのドットサイトでも確認出来るような赤や青の反射に加えて…
緑、黄色、紫など多彩な反射が見受けられます。
カラフルで非常に綺麗です。
正直、レプリカか実物かの判定はレンズのコーティングを見れば一発だと思います。
最近のレプリカは形状はもちろん刻印もやたらと忠実に作られていますが、このコーティングまで再現出来ている製品は無いはず…。
両サイドに輝度調節ボタンが付いており、+を押すと明るく、-を押すと暗くなり、両方を同時に3秒程度長押しすると電源のONとOFFになります。
このスイッチが物凄く固くて親指の腹で押すなら力いっぱい押すか、爪を使って押す必要があるレベルに硬いです。
レプリカRMRの簡単にポチポチ押せるようなヤワなスイッチではありません。
思えば、こういうプッシュ式のボタンだと衝撃とかで誤作動起こしちゃう可能性がありますもんね…。
尚、電源を入れた直後は自動調光モードで起動し、この状態で+や-ボタンを押すと手動調光モードになります。
また、電源がONの状態で+と-を1回押す(長押しではない)と、自動調光モードに切り替わります。
エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じ。
マイナスドライバーなどの工具が必要で、1クリックで1MOA動きます。
かなり小刻みに動きますが、そこそこ硬いので横着して爪とかで回さないように…。
裏面はバッテリーを入れるスペースになっています。
対物レンズ側から滑り込ませるような感じで、CR2032型ボタン電池を入れます。
上から押し込むように入れてしまうと端子を曲げてしまう可能性があるので、注意が必要です。
尚、ここにはドットのサイズも書かれていたりします。
見えづらいですが、金色の端子の所に書かれています…。
また、写真の通り、RMR本体にはマウントが付属しません。
その為、別売りのマウントを別途購入する必要があります。
RMR用20mmレールマウントベース RM34のご紹介
まずは最も汎用性の高い、20mmピカティニーレール用のマウントであるRM34を紹介します。
このような形状のマウントベースで、当たり前ですがTrijicon RMR専用となっています。
RMRを固定する為のネジが付属してきます。
こちらには予め固形のネジロック剤が塗布されていました。
20mmレールへの取り付けは側面からナットを締め付けるタイプになっています。
Trijicon RMR RM06を取り付けるとこんな感じになります。
こちらのマウントの高さはいわゆる「Absolute」と呼ばれる高さで、ドットサイトの中心がピープサイトでサイティングした時と同じ高さになっています。
汎用的な20mmレールに対応していますし、M4系に限って言うとアイアンサイトを使うのと同じ感覚で覗けるのがこのAbsoluteマウントの利点だと思います。
Trijicon ACOG用RMRマウント、RM35のご紹介
続いて紹介するのはACOG用のマウントであるRM35です。
こちらのマウントベースは3.5倍、4倍、5.5倍のTrijicon ACOGに対応する製品です。
付属のネジは3種類、2本ずつ。
写真左側の皿ネジがRMR取り付け用、写真右側のボルトがTA110用、小さなイモネジは正直何用なのかよく分かっていませんんが、恐らく他の機種でマウント固定の為に使うのだと思われます。
こちらのマウントベースを先日レビュー記事を書いたTrijicon ACOG TA110に取り付けてみます。
TA110は本体の接眼レンズ付近と中央付近の2箇所にこのRMRマウントを取り付ける事が出来る仕様になっています。
まずは接眼レンズ側に取り付けた状態です。
この位置だと、ちょうどリアサイトの真上位にドットサイトが来る事になるので、非常に目に近い距離でドットサイトを覗く事になります。
ACOGにドットサイトを乗せる場合はこの位置が多いと思うのですが、この位置にRMRを置いてしまうと構えた時に帽子やヘルメット、NVGなどのヘッドギア系と干渉してしまい、構え辛くなってしまう事があります。
その為、このように前側に配置する方法が好まれる事があります。
この辺りは装備だったり好みによって切り替えれば良いかなと個人的には思っています。
個人的にはこの位置の方が好きですね。
位置的に違和感が無く、とても狙いやすい。
レティクルとパララックスについて
続いて、レンズの透明度とレティクル形状について紹介します。
RMRのレンズは小型で湾曲しているという事もあって、グラデーションが割とはっきり見えてしまっています。
レンズの中心部〜下側は透明度が高いのですが、上側と左右は結構はっきりと青みがかっているのが確認できます。
それと、冒頭でも述べましたが、RM06、RM07、RM09の3機種はレティクルの大きさ以外の違いがありません。
RM09は1MOAドット、RM06は3.25MOAドット、RM07は6.5MOAドットといった具合で、写真で撮るとそれぞれこんな感じの違いになります。
1MOAレティクル(RM09)はやはりかなり小さく、逆にRM07の6.5MOAはかなり大きく感じられます。
続いて、いつものパララックス計測です。
個体はRM06(3.25MOA)、2.5m先のディスプレイを見ています。
レンズの大きな湾曲故に、像の歪みも結構大きいです。
レンズの中央から少し外れるとグニッと歪んでしまっていますね。
パララックスについては許容範囲内で、ちゃんと円の中に収まっていました。
また、真っ直ぐ覗いた状態で結構歪みがあるのにも関わらず、視点を動かしてもあまりその歪みは変わらないのは意外な感じでした。
ちょっと上下の視点移動は苦手っぽいですが、視点を動かす事によってグニグニ歪まないのは良いですね。
移動しながらの射撃を行う際に酔いづらいです。
ちなみにRMRはMVGにも対応しています。
NVG(PVS14)越しに覗くとこんな感じになります。(ドットサイトはRM06)
中央にぼんやりした影と明るい点が見えるのが分かると思います。
ぼんやりした黒い影はRMR本体とマウントで、明るい点はレティクルです。
屋外で覗いてみた
最後に、Trijicon RMR RM06を屋外で覗いてみました。
場所は近所の河川敷。天候は晴れ(炎天下)です。
やっぱり全体的に青いですねぇ。
まあ、RMRってずっとこんな感じですし、仕方がないのかなとも思います…。
そもそもレンズの透明度は良い面と悪い面があり、透明度が高いレンズの良い面としては片目照準を行った場合の視認性が高い事、悪い面としてはレティクルの輝度を上げないと視認性が落ちてしまうという事です。
逆にレンズが青いと非常に明るい環境下におけるレティクルの視認性が向上しますね。
製品によっては意図的にレンズを青くしている事もあるので、こればかりは青いのが悪いとは言い切れない所があります。
尚、ドットサイトの輝度に関しては十分な余裕があり、最大輝度にするとこんな感じでハレーションを起こす位に眩しいです。
日本国内で使うなら最大輝度は不要でしょうね…。
もっと赤道近くの非常に明るい地域で使う時にはこれ位の輝度が求められるのかもしれません。
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