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使った後や使わなかったLiPoバッテリーの保管前にやるべき事とニッカド・ニッスイとの違いについて

記事作成日:2020年2月12日

サバゲー終わった後、使いすぎちゃったバッテリーや全く使わなかったバッテリーって、相当バッテリー管理に気をつけていないと必ず出てくると思います。

そんなバッテリーの保管前に行うべき事ですが、ニッカドバッテリー時代はバッテリーを放電させてから保管するのが当たり前でした。

東京マルイ ニッカドバッテリー

これは中途半端に充電が残っている状態から追加充電するとバッテリーの容量がどんどん減っていってしまう、メモリー効果と呼ばれる現象が発生してしまっていた為です。
その為、昔は充電器と一緒に放電器を買うのが一般的でした。

東京マルイ 放電器

一方ニッケル水素バッテリーでは自然放電という使って無くても勝手に放電してしまう現象が起きる為、ニッケル水素バッテリーに関しては放電せず、逆に満充電の状態で保管する事が推奨されています。

東京マルイ ニッケル水素バッテリー

追加充電を行うのがタブーだったのに、追加充電が当たり前になったのです。
ニッカドバッテリーが廃止になり、ニッケル水素に移行していった時は凄く紛らわしかったです。

かくいう私もニッカドからニッ水に移行した時、そういう事を知らずに放電器を使って放電して保管してしまっていた事がありました。(過放電によりバッテリーは無事死亡)

では今主流になりつつあるLiPoバッテリーではどうなのか?というと、これがまた面倒くさくて1セルあたり3.8V程度で保管する事を推奨しています。

はい、「セル」という単語が新たに出てきました。
まあ、ニッスイやニッカドもセルという物はあったのですが、エンドユーザーは気にする必要がなかったのです。
こういったバッテリーは複数個の二次電池を繋げて1つにした物なのですが、二次電池1個の事をセルと言います。

LiPoバッテリーは電圧は1セルあたり下は3.3V、上は4.2V位まで変化します。(個体差はあります)
死にかけだと3Vを下回る事もありますが、この場合は多くの充電器でエラーを吐いてしまい、充電する事が出来なくなります。
2V後半ならなんとか復活する可能性がありますが、基本的に2V台まで落ちるとそれはもうセルが完全に死んでますし、復活したとしても一時しのぎだったりします。

「LiPoバッテリーが怖いな」「電圧の管理とか面倒くさいな」と思う人の多くはこういう「何ボルトでうんぬん」みたいな説明のせいじゃないかなと思うのですが、意外と簡単なんですよ…。

まず、こちらにサバゲーで使わなかったMAX充電状態のLiPoバッテリーがあります。
こちらは11.1V LiPoバッテリーです。
チェッカーを見ると全体で12.47V、各セルも4.15〜4.16Vと非常に電圧が高い状態になっています。

この状態で長時間保管しているとバッテリーが膨張し、最悪の場合発火してしまう恐れがあります。

このバッテリーを充電器にセットし、設定をストレージモードにします。
電流値と電圧値はバッテリーに表記されている物を設定。

YOKOMO YZ-114 PLUS

後はSTARTを押すだけで、バッテリーのセルの電圧を3.8Vまで下げてくれます。
尚、放電を行うので動作中は冷却FANが回転します。

数十分放置したら完了です。
アラームが終了を知らせてくれるので「放電しすぎてないかな…」とか常に監視する必要はありません。

ただし、バッテリーの充放電中は何が起きるか分からないのでなるべく近くに居るようにしましょう…。(昔、簡易充電器で充電してる時に煙が出た事があります)

これで完了です。
各セルがしっかり3.8V台まで下がり、元々12.47Vあった電圧が11.54Vまで下がりました。

使いすぎた状態のバッテリーに関しても同様です。
例えばこれは1セル当たりが3.7V台まで落ちています(まあ、この程度ならこのまま保管しても全然大丈夫な状態なんですが…)

これも同様に充電器にセットし、ストレージモードで実行します。
そうすると、1セル当たり3.8V台になるように充電を行い、セルの電圧を調整してくれます。

尚、保管時はセーフティバッグに入れるのが王道ですが、「土鍋派」とか「スチール缶派」とか「むき出し派」とか色々な流派があるので、深くは触れません。
自分は1ヶ月とかの長期保管をする場合はセーフティバッグに、しょっちゅう使う奴はむき出しにしてます。

とまあ、ニッカドやニッスイに比べて少し手間は掛かりますが、基本的に機械に任せておけばうまいことやってくれるので、楽なんですよ。

簡易充電器について

尚、多くのエアソフトガンショップで売られているバランス充電器はこういった機能が付いていない「簡易充電器」とか呼ばれる物で、セルごとに均等に充電をする事しか出来ない物が殆どです。

メーカーにも寄るとは思いますが、「バランス充電出来ます」と謳っていても実際は電圧が狂っていたり、セルごとに均等に充電するという機能しか持っていないので、一度狂ったセルは狂ったまま充電を続けてしまう事が、経験上ありました。

たまに「充電器とチェッカーと放電器が必要」という説明をしている人を見かけますが、個人的には「マトモな充電器を1個買ってください」と言いたいです。

自分もLiPoバッテリーデビューした直後はそういった事を知らずに簡易充電器を使っていましたが、考えて見てください。
簡易充電器でも2000円位はするじゃないですか。
チェッカー買えば更に1000〜1500円位。放電機で1000〜1500円。
これで4000〜5000円位の値段になるんです。

そのお金があればもっと良い充電器が買えて、バッテリーの寿命をより長くし、より安全に使う事が出来るのです。
(チェッカー程度は出先で電圧チェックする時に買っておいた方が良いかもしれませんが…)

もちろん、簡易充電器を否定する訳ではありません。
簡易充電器はコンパクトでフィールドに持っていって現地で充電する時に使えるという便利さがあります。
ただし、バッテリーのパフォーマンスを落とさない為にも、良い充電器を1個持っておくと便利です

また、簡易充電器を買うにしてもせめて手動で電流値設定が出来るやつを選びましょう…。(自動認識系はマジで信用できないです)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
割とまともの簡易充電器、G-FORCE G3


というのも、本来のLiPoバッテリー用の充電器には少なくとも下記機能が搭載されているはずです。

・バランス充電モード
・通常充電モード
・ディスチャージモード
・ストレージモード

追加で、「ファストチャージ」「オートチャージ」などのモードがある充電器も存在します。

充電器、チェッカー、放電機の機能を網羅出来ているので、別々に買う必要がなくなります。更に簡易充電器に比べて安定性が高く、充電に関しては明らかに速く終わります。

各モードの説明

軽く充電器に付いているモードについて説明しておきます。

バランス充電モード

LiPoバッテリーを最も安定した形で充電する為のモードです。
時間は掛かりますが、セルの電圧をきっちり安定させてくれるので、時間があるなら基本的にはこのモードを使って充電するのが良いと思います。

通常充電モード

少し急いでる時に使えるモードです。
バッテリーの使用頻度が多い場合は普段は通常充電モードを使い、たまにバランス充電モードで充電するという使い方がストレスが少なくて良いかもしれません。

ファストチャージ

めっちゃ急いでる時に使うモードです。
基本的に満充電にはならず、セルごとの電圧も少し不安定になりがちですが、充電が速く終わります。

オートチャージ

バッテリーの設定不要のモードです。
当たり前ですが一番宜しくないモードで、一部の簡易充電器はこのモードに近い状態で充電されています。

ディスチャージモード

放電する為のモードです。
任意の電圧まで下げる事が出来ます。

ストレージモード

バッテリーを保管する時に使用するモードです。
今回、記事で紹介しているのはこのモードを使ったやり方です。

ニッケル水素やニッカドにも対応した充電器だと他にも色々なモードがあるので説明書をよく読んで使いましょう。