2万台で買える3倍固定のプリズムサイト、Vector Optics Calypos 3x32SFPのレビュー | エボログ

2万台で買える3倍固定のプリズムサイト、Vector Optics Calypos 3x32SFPのレビュー

2020年3月3日

Vector Optics製のレッドドットサイト、『MODEL SCOC-20 Calypos 3×32』をつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたので、レビューしていきます。

まずは内容物の紹介から。
プリズムサイト、バトラーキャップ、クリーニングクロス、工具、取扱説明書、保証書が同梱されています。
取扱説明書は製品についての簡単な機能説明しか載っておらず、かなり簡素な物になっています。

尚、こちらの商品にはつぼみアームズ様の方で90日間の無条件返品保証が付いています。
保証の詳細に関してはつぼみアームズ様のブログをご参照ください。
https://tsubomi-arms.com/blog/914-2/

付属のバトラーキャップは非常にシンプルな物。
接眼側と対物側の両方に取り付けると写真左のような感じになります。

当レビューでは以後バトラーキャップは外した状態で行います。
という訳で、Vector Optics Calypos 3x32SFP本体はこんな感じで少し大型のドットサイトのような形状をしています。

対物レンズ側はこんな感じ。
チューブの外径は約38.92mmでした。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルにはキャップが付いており、紛失防止用のワイヤーで本体に固定されています。
キャップを外すと真鍮製?と思われるダイヤルが見えてきます。

ダイヤルはマイナスドライバーやコインなどを使って回す事が出来ます。
1クリックで1/2MOAレティクルが動き、最大で90MOA動かす事が可能です。
ダイヤルはカチカチと結構強めのクリック感のある物でした。

輝度調節は11段階、イルミネーション用のバッテリーはCR2032です。
輝度調節ノブはサイト上部に付いています。

例のごとく、Trijicon ACOGでも見られるようなネジが付いていますね。
恐らく組み立てる際にはここからプリズムを挿入し、接眼レンズ部分を取り付け、ネジを閉めるのだと思われます。

いつも開けたくなるんですが、開けると確実に曇り止めのガスが抜けてしまうので、開ける事が出来ません…。

ディオプター(視度調節ノブ)はこんな感じ。

マウントは20mmレールに対応し、側面のノブを回す仕様です。
2箇所に突起がある形状なので、レールとの相性問題が発生する事があります。
ピカティニーレールへの取り付けは問題ありません
でしたが、ウィーバーレールの方は未検証。
また、VSR10のような溝の間隔が特殊なレールへの取り付けも未検証です。

尚、ノブには緩み防止用のスプリングワッシャーが入っています。

レンズとレティクルについて

Vector Optics Calypos 3x32SFPの対物レンズ側と接眼レンズ側はこんな感じで共にマルチコートが施されています。
対物レンズ側から覗き込むとエレベーテーションダイヤルやウィンテージダイヤル、それらを回す事によって動くチューブ状のパーツなどが確認出来ます。

また、接眼レンズ側からは少しだけですが、プリズムの存在が確認出来ました。

Calypos 3x32SFPのレティクルは少し特徴的な形状をしており、下方向に線が伸びた、サークル付きの十字レティクルです。

視野に関してはそこまで広くは無く、フチも結構大きめ。
アイリリーフも6cm程度と、覗きにくい程では無いものの、そこまで長くはありませんでした。

接眼レンズから目を離せばフチが薄くなるのですが、今度はプリズムの角が見えてきて四角くケラレていきます。
そして、この状態だとアイボックスがかなり狭くなってしまいます。

動画でも撮ってみました。
視野の広さや覗きやすさ、ケラレの感じなどは動画の方が分かりやすいと思います。

また、これらの写真を見てお分かり頂けると思いますが、レティクルがかなり小さいです。というか、細い。
上の写真のレティクル部分を拡大するとこんな感じです。

中央の点を使って100〜200ヤードの距離でゼロインした場合、下に伸びている1本目の横線が300ヤード、2本目が400ヤード、3本目が500ヤードとなっているようです。
いわゆるBDCレティクルという奴ですね。

レティクルのサイズ感やBDCレティクルの仕様から、実銃における中〜遠距離用の光学サイトとして設計されているのかもしれません。
こなら小さなターゲットを狙う時でもレティクルが邪魔になりにくいですね。

尚、レティクルの名称は「Etched VEP-CDB」と言う名前みたいです。

イルミネーションを点灯させるとこんな感じになります。
屋内だと11段階中4〜5段階位で丁度よい明るさで見る事が出来ました。

レンズの歪みとパララックスについて

いつもの検証をやっていくのですが、3倍固定という特性上、2.5m先のディスプレイをうまく見る事が出来ませんでした。
写真左がレティクルにピントを合わせた状態、写真右がディスプレイにピントを合わせた状態です。

右側の写真を見て頂けるとレンズの歪みは特に無さそうである事が分かります。

この状態で視点を上下左右に動かします。
適切な位置で覗き込んでおけばプリズムの角が見える事無く、普通のスコープのようにケラレるのでこのような見え方になります。

結果は結構ズレてしまう事が判明。

実際、銃に取り付けた状態で構えていても少しレティクルがグニグニ動く事が分かる程度のズレがあったので、精密射撃には適していない可能性があります。

数センチしか無いようなバリケードの隙間を抜いたり、薄い人を狙ったりするのは難しいかもしれないですね。

屋外で見てみました

という訳で、屋外で覗いてみました。
場所は近所の河川敷で夕方ごろに撮影しています。(冬に撮影しているので日が傾くのが早いです…)

写真左は20m程度先の杭を見ています。写真右は250m程度先を見ています。
レティクルは11段階中10段階目で丁度良かったですが、やっぱりレティクル小さいですね…。

慣れればどうという事は無いと思いますが、レティクルの細さも相まってちょっと視認性が悪い気がします…。

20m位の距離が離れればピントがしっかり合いますね。
250m先もしっかりピントが合ってるので、特に問題は無さそう。

続いて、逆光の状態でも撮影してみました。
元々太陽光の影響を受けにくい倍率付きスコープというのに加え、フチが太い(目を対物レンズに近づけないといけない)分、太陽光の影響はかなり少なくなりますね。

フチの太さはデメリットでもあり、メリットでもある感じ。

銃に取り付けた時の相性について

Calypos 3x32SFPのマウントの高さはAbsoluteなので、AR15系に取り付けた場合、このような感じでアイアンサイトと視界が被ってしまいます。
その為、アイアンサイトが付いていない製品か、フリップアップアイアンサイト、オフセットアイアンサイトなどと組み合わせるのが良いでしょう。

尚、レールが低い場合は少しだけフロントサイトが映り込んでしまう事もあります。
この辺りは銃との相性に関わるので、注意が必要ですね。

こんな感じでレンズの前側に障害物が無い銃と組み合わせるのが良いと思います。

Vector Optics Calypos 3x32SFPの総評

Calypos 3x32SFPはなんと言ってもその安さだと思います。
2万円という低価格帯故にプリズムサイトの入門機種として、もしくはコストパフォーマンスを重視する層に向けてオススメ出来る製品だと思われます。

これよりも安い値段になると、数千円のより信用性に欠けるノーブランド品になってしまうのでは無いでしょうか?
※数千円クラスの物だと「プリズムサイト」と書かれていてもそもそもプリズムではない場合があります。

プリズムサイトの魅力としては、ドットサイトに近いコンパクトなサイズを実現しつつ、光学性能を担保しているという点でしょうか。
これはスコープでは実現出来ない事だと思います。

また、取り付ける銃によってはスコープを乗せると見栄えがイマイチで、ドットサイトが良い、でも倍率が欲しい…という事があると思います。
そういう時にこういうコンパクトなプリズムサイトが選択肢に入ってくるのだと思われます。

ただし、Calypos 3x32SFPの場合は低価格帯ゆえに視野やアイリリーフが狭めだったりレティクルが非常に細く、視認性が良くない(これは一概にデメリットとは言い切れないが)というのがあるので、完璧な製品を求めるなら注意が必要でしょう。