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排莢式GBB RARE ARMS AR15を分解、内部を見ていきます

記事作成日:2020年7月20日

先日レビューを行ったRARE ARMS AR15を分解していきます。
テイクダウンして確認出来る中身に関しては箱出し状態のレビュー時に紹介しているので、その辺りは割愛します。

という訳で、まずはアッパー側から見ていきます。

バレル〜チャンバーの分解

最初にバレルの分解をしていきます。
フラッシュハイダーは14mm正ネジでアウターバレルに付いており、クラッシュワッシャーと緩み防止用にOリングが付いていました。

続いてガスブロックを外します。
ガスブロックは底部の2本のイモネジで固定されており、これを緩める事で外す事が出来るのですが、アッパーレシーバー内側にゴムのキャップのような物(赤矢印)が付いており、引っこ抜く時に少し抵抗があります。

続いてバレルナットを外します。
バレルナットは特にネジロックなどは塗布されていませんでしたが、治具が無いと外すのが難しいレベルにはガッチリ固定されていました。

M4用分解治具は、こういう安物でも良いのであると便利です。

続いて、アウターバレルからチャンバー周りを外していきます。
アウターバレルは独自仕様のアルミ製で、樹脂製のチャンバーがピンで固定されています。

チャンバーを外し、バレル左右のイモネジを緩め、HOPダイヤルを外す事でHOPパッキンとインナーバレルを抜く事が出来ます。

アウターバレル下部には実銃への転用防止と思われる大きな穴が設けられています。

HOPパッキンも独自仕様だと思われます。
GBB用のような肉厚なパッキンで、HOPの突起は面の長掛けタイプ。

直押しなのでパッキンの分厚さは重要になりますし、面の長掛けというのはどうしてもつまづきHOP仕様になってしまうこの銃と相性が良さそうです。

インナーバレルはアルミに黒色のアルマイトが掛かった、長さ220mmの物でした。
Cクリップを固定する溝が設けられていますが、それ以外は通常電動ガン互換ですね。
尚、バレルクリップの溝にイモネジが当たり固定する仕様になっていました。

一応チャンバーの構造を確認しておきます。
カートリッジはこのようにチャンバーに入り込みます。

ボルトが閉鎖されると、このようにBB弾が収まっているカートリッジの先端部分が突き出します。
そして、この突き出したカートリッジがHOPパッキンの中に入り込むようです。

この構造から、BB弾の保持位置は割とこれが限界かな?という印象があります。
つまづきHOPになるのは仕方が無さそうです。

続いて、アッパーレシーバーのエジェクションポートカバーを外しました。
これは普通に外せますね。
というか、これ実物互換なんじゃないですかね。

ちなみに、ボルトフォアードアシストノブに関しても普通に外す事が可能ですし、機能もするのでこちらも実物を取り付ける事が出来そうな感じがします。
加工が必要になる可能性も大いにありますけど…。

ボルト周りの分解

ボルトの分解は上部のネジを外し、後部のピンを抜き、ピストンのリターンスプリングを固定している蓋を外します。

これでピストン部分を外す事が出来ます。
ボルトの構造をリアルに再現している事もあって仕方がないとは思うのですが、外径が16.5mm程度しか無いんですよね。(東京マルイ M4 MWSは約19mm)

シリンダー容量自体は少し大きめのガスブローバックハンドガンの1.5倍程度しか無いので、動作を改善するにはいかにして少ないエネルギーを効率よく使うかが重要になってきそうです。

ピストンの後ろ側(気密取り用のOリングが2つ付いている方)のピンを抜くとフローティングバルブとフローティングバルブスプリングを外す事が出来ます。

フローティングバルブの穴は非常に大きめの真鍮製です。
Oリングが付いているので、バルブ閉鎖時の気密はバッチリ確保出来そうな仕様になっていますね。

ここで気になったのはどうやって初速を抑えているのか?という点。
フローティングバルブの穴がここまで大きいと初速はかなり出るはず…。
ただ、それは次のパーツの分解で分かりました。

ロッキングラグ側もピン1本で固定されています。
尚、ロッキングラグ部分はアルミで出来ていますが、エキストラクターのような負荷が掛かる部分はスチールで出来ています。

ちなみに、ロッキングラグは回転しません。

ここまで分解して、フローティングバルブを抜けたガスがノズルから吐き出されるまでのガスルート上がかなり絞られている事が分かりました。

ここが国内仕様と海外仕様で違っている部分じゃないかな?と思います。
海外仕様を知らないので断言は出来ませんが…。

という訳で、アッパー側の分解はこんな感じです。
続いて、ロアレシーバー側の分解です。

ストックチューブ周りの分解

これは特段変わったことは無く、普通のGBB M4と同じ手順で分解する事が出来ました。
しかし、ストックチューブナットはバレルナットと同様かなり硬かったので治具を使いました。

あと、ボルトが抜けないように抑えておくピンにテンションを加えているスプリングが異様に細く…というか、これテイクダウンピン用のスプリングを間違えてこっちに入れちゃったんじゃないですかね。
根本がガッツリL字に曲がっていました。

リコイルバッファーはこんな感じでかなりリアルな形状をしています。
重量は82gとよくあるハードリコイル系のバッファーに比べると軽いですが、ずっしりした重量感があります。

バッファー末端のゴムは硬質シリコンで、これもリアリティが高いです。
ただ、振ると中からカラカラ音がするので、気になってバラしてみました。

すると、中から錘とゴム板各3つずつ出てきました。
意図していたのか意図していないのかは不明ですが、この錘がカタカタ音が鳴っていたようです。
気になるようであればゴム板を足せば良いと思います。

ちなみに、リコイルスプリングは開封レビュー時にも紹介しましたが、かなり硬い物が入っています。

トリガー・ハンマーユニット(トリガーボックス)の分解

続いて、トリガーやハンマーなどが収まっているユニットを取り外します。
と、その前にボルトリリースボタンとセレクターレバーを外しました。

共に普通のGBB M4と同じ外し方ですね。
ボルトリリースボタンに関しては実物と形状がよく似ているので、小加工で実パーツを組み込む事が出来そうです。
セレクターレバーは不明ですが、内部の構造が実物と大きく異なっているので、これは流用出来ない可能性が高そうな気がしています。

続いて、ハンマーピンとトリガーピンに当たるピンを外し、トリガーボックスを固定しているネジを外します。
尚、分解前にハンマーダウンをさせておいた方が良いと思います。

これでトリガー周りが収まっているユニット(トリガーボックス)がごっそり外れます。
尚、ここから先は細かいパーツが多くて独特な構造をしているので、一番楽しい箇所である反面、組み立てが面倒くさそうな箇所でもあります。

まず、このRARE ARMS AR15の面白い所として、気温ごとにガスカットのタイミングを調整する事が出来るという事です。
このようなパーツが付属しており、これがボルトによって押し下げられる事でガスカットが行われるようです。

付属のガスカット用パーツは20度以下の気温で使う為の物で、別途28度以下用の物が付属してきます。
重ね合わせると後退したボルトに押される突起の位置が違っている事が分かります。

純粋に20度以下用は沢山のガスを消費し、28度以上の物はガスの消費が少ないという事が分かります。

初速の調整にも使えますが、どちらかと言うとこれは動作のスムーズさに影響を及ぼすパーツだと思われます。
というか、初速と動作を犠牲にして常に28度以上用のパーツを組んでいれば燃費が良くなるんじゃないかな…と思いました。

続いて、トリガーボックスをバラしていきます。
まず、上部の小さなネジを2本外します。
これでトリガーボックスが上下で真っ二つになります。

まずは下側から見ていきます。
こちらはトリガーとガスルートになっています。
トリガーは見ての通り非常に特殊な形をしていますね。
また、トリガーの上にあるバーがシアーです。

ガスルートはZ字のような感じに折れ曲がっており、横穴を塞ぐ為のネジが側面に付いていました。

続いてトリガーボックスの上側。
こちらは放出バルブとハンマーが収まっており、ガスルート上には放出された冷たいガスによって作られた氷がバルブ側に流れ込まないようにメッシュが付いていました。

よく考えられた構造になっていますね。

ガスルートパッキンは前側にハマっており、その奥には放出バルブが付いています。

それにしてもこの銃、ガスルートがクネクネ曲がってて忙しいですねぇ…。
赤矢印のような感じでガスが流れているようです。

放出バルブはこんな感じで当然ながらこちらも独自な感じ。
CO2用なので入っているOリングはプラスチックのような硬さがあるシリコン製でした。

最後に、ハンマーを外しました。
ハンマーを外すにはまずフルオートシアー的なパーツを外します。
このシアーを固定するピンは貫通していないので、磁石を使って外します。

ハンマーは小さなピンで固定されているので、これを抜けば外せます。
ハンマースプリングは写真右のような形をしており、ガスブローバックハンドガンのインナーハンマーで使われているような形をしています。

実際、ハンマーの大きさもめちゃくちゃ小さいですしね…。

という訳で、これで一通りRARE ARMS AR15の分解が完了しました。

後は組み立てながらの調整ですね…。
色々独自構造な部分が多いので、骨が折れそうですが、まったり進めていこうと思います。

間違いなく気分転換にはもってこいな銃ですね。これ。