T1サイズを一回り大きくしたドットサイト、Vector Optics SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)のレビュー
記事作成日:2024年7月30日
つぼみアームズ様からVector Optics SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)をお送りいただいたのでレビューしていきます。
本製品は最近の同社製品で種類が増えてきている、Aimpoint micro T1/T2サイズを一回り大きくしたようなサイズのドットサイトで、レンズ径が25mmとなっているのが特徴です。
レティクルは赤色の3MOAシングルドット、自動消灯で使用されるモーションセンサー(3分間放置で自動消灯)も付いています。
また、IP67の防水・防塵性能も備わっています。
つぼみアームズでの販売価格に関しても18,800円とお買い求めしやすい価格帯となっています。
Vector Optics Scrapper 1x25 Ultra Compact Enclosed Red Dot Sight ベクターオプティクス
付属品について
パッケージは観音開き方式で、内容物はドットサイト本体とローマウントベース、クリーニングクロス、工具類、説明書と保証書になります。
付属の工具はこの2種類。
銃の形をしたドライバーと片側がトルクス、もう片側がマイナスになっているL字レンチです。
銃の形をしているドライバーは様々なレンチがセットになっている物で、銃口部、フロントサイト部、マガジン部、ストック部がドライバーヘッドになっています。
ドットサイトの外観レビュー
という訳で、Vector Optics SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)本体を見ていきます。
全体的に角張ったデザインでレンズが飛び出していないのが特徴です。
こういう構造なので被せるタイプのレンズガードを取り付ける事は出来ません。
そもそもレンズのサイズ自体が25mmと大きいので、フレームに両面テープで貼り付けるようなタイプが良いでしょうね。
対物レンズ部には保護レンズは無く、奥まった所にハーフミラーレンズが付いています。
こういうタイプの製品だとハーフミラーレンズの前にレンズが付いている製品も少なくはないのですが、本製品には付いていません。
ハウジング上部には輝度調節ボタンが付いています。
ボタンはラバーで覆われており、▲▼ボタンのどちらかを押すと点灯、点灯中に▼ボタンを長押しすると消灯します。
尚、輝度は可視光8段階+NVモード2段階の10段階です。
ハウジング左側面にはVector Opticsのロゴが入っています。
ハウジング右側には電池ボックスが付いています。
電池ボックスの飛び出し量はそこまで大きくはないです。
電池はCR2032を1つ使用します。
尚、電池は付属しないので別途用意する必要があります。
エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれマイナスドライバーを使って回す仕様です。
尚、カチカチとしたクリック感があるダイヤルで、レティクルの稼働量は上下左右共に120MOAとかなりの調整幅があります。
また、1クリック辺りのレティクルの稼働量はカタログスペック上では1cmと記載されていますが、恐らく100m先での稼働量が1cmという事でしょう。(流石に100ヤードで1cmという単位がごちゃ混ぜという事は無い…と思いたい)
最大調節幅がMOAで記されているのに1クリック辺りの稼働量がcmなのは違和感でしか無いです。
レティクルの調整には付属の工具(L字レンチのマイナスドライバー側)が使えます。
尚、銃の形をした方のドライバーは少しサイズが合っていませんが、一応回せます。
接眼レンズ側には保護レンズが付いています。
斑点のような汚れはチューブ内部に付いている物で、アルマイトのムラのような気がします。
マウントベースについて
ドットサイト本体には予めハイマウントベースが付いています。
マウントベースは側面のネジを締め込んでクランプする仕様、ピカティニーレールに取り付ける事が出来ます。
ウィーバーレールや独自規格のレールへの取り付けは出来ない可能性があるので注意が必要です。
マウントを外すとこんな感じ。
T1サイズを一回り大きくした仕様なだけあって、マウントの寸法もT1サイズによく似ていますが少し大きい(前後に長い)です。
T1ドットサイト用のマウントベースと比較するとこんな感じ。
フットプリントの形状自体は同じなので、双方向に互換性がありますが、全長が異なっている事が分かります。
Vector Optics SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)にT1マウントベースを取り付けるとこんな感じで、ドットサイトの前後に段差が生まれてしまいます。
社外製のマウントベースに交換する場合は注意が必要です。
付属のローマウントベースはこんな感じで、こちらも側面からネジを締め込んで固定する仕様になります。
尚、ローマウントベースの方はピカティニーレールだけではなく20mmレールであれば取り付ける事が出来る仕様になっています。
ハイマウントベースとローマウントベースを並べるとこんな感じ。
Vector Optics SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)にローマウントベースを取り付けるとこんな感じ。
レンズコーティングと覗いた時の様子について
対物レンズ側はルビーコートが施されており角度によってはオレンジ色や黄緑色の反射が確認出来ます。
また、対物レンズには緑系のコーティングが施されています。
覗くとこんな感じで、左上から右下にかけてのグラデーションが確認出来ます。
また、水平に覗くと左上に赤色の反射も確認出来ます。
この赤色の反射は光源(照明)の位置にもよって変わってきますが、逆光の状態だと結構この赤色の反射がきになる位置に映り込みます。
尚、グラデーションが左上から右下に掛けて発生しているのはレンズの傾きによる影響でしょう。
本製品は右下に発光モジュールが付いている為、レンズが左上から右下にかけて傾いています。
レティクルを点灯させるとこんな感じ。
屋内だと10段階中3か4段階目で丁度よい明るさでした。
全体的に輝度が高めで、明るい環境下であれば特に問題は無いですが、逆に薄暗い状況だと丁度よい輝度にするのが難しいかも知れません。
ハイマウントの高さについて
付属のハイマウントの高さは見た目上結構低いですが、カタログスペック上1.42インチの高さになっています。
実際に1.41インチ(Absolute Co-wingness)のマウントベースが付いている製品と並べるとこんな感じで、同じ程度の高さでした。
ハウジングが大きい分マウントの高さが無くてもそれなりの高さを稼げる感じですね。
こういう仕様なので、社外製のマウントと組み合わせる場合は高さにも気をつける必要があります。
先述の通り、段差は生まれる物のT1用マウントベースを取り付ける事自体は出来ますが、高さは合わないです。
例えばT1用の1.41インチマウントを買っても1.41インチにはなりません。
レンズの歪みとパララックス計測
という訳で、いつも通り2m先のモニターを覗いて歪みのチェックを行いました。
まっすぐ覗く分にはそこまで気になるような歪みはありません。
視点を上下左右に動かすとこんな感じ。
基準の円から若干はみ出す感じですが、25mmというレンズの大きさを考えるとまあギリギリ許容範囲内かなと思います。
ただ、レンズの歪みがソコソコ気になるレベルで起きるので、サイトを覗きながら歩いたりすると気になる感じですね。
HOLOSUN HS403Aとサイズ比較
とりあえずT1系ドットサイトであるHOLOSUN HS403Aとサイズの比較をしてみます。
ハウジングのサイズはほぼ同じで、全体的に太くレンズが大きい事が分かります。
覗いた時の様子はこんな感じ。
レンズの大きさの違いがよく分かると思います。
SCRAPPER 1×20 MICRO(SCRD-69)とのサイズ比較
同社製のコンパクトチューブサイト、SCRAPPER 1×20 MICRO(SCRD-69)と比較してみます。
Vector Optics SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)はSCRAPPER 1×20 MICRO(SCRD-69)と同じモデルなだけあって、デザインの方向性がよく似ています。
SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)はSCRAPPER 1×20 MICRO(SCRD-69)をそのまま大型化したような見た目です。
覗いた時の様子はこんな感じ。
という訳で、T1サイズを一回り大きくしたドットサイト、Vector Optics SCRAPPER 1×25 MICRO(SCRD-74)のレビューは以上になります。
レンズ越しの視野の広さが欲しい人には向いている製品ですね。
Vector Optics Scrapper 1x25 Ultra Compact Enclosed Red Dot Sight ベクターオプティクス