コンパクトなボディと肉抜きハウジングが特徴的なVector Optics Frenzy-S 1x17x21 GEN2(SCRD-73)のレビュー
記事作成日:2024年9月10日
つぼみアームズ様からVector Optics Frenzy-S 1x17x21 GEN2(SCRD-73)をお送りいただいたのでレビューしていきます。
本製品はVector OpticsのFrenzy-Sシリーズ最新作で、非球面レンズとモーションセンサーを搭載、バッテリーがサイドローディング方式になりバッテリー交換がやりやすくなっているのが特徴の製品になります。
またデザインも特徴的で、拘りを感じる仕様となっています。
ベクターオプティクス Vector Optics Frenzy-S 17x21 SCRD-73 【2024年モデル】
付属品の紹介
最近の同社製品ではお馴染みになっている観音開き方式のパッケージの中に、説明書や保証書、ドットサイト本体、ドライバー、ネジ、クリーニングクロスが入っています。
ネジはドットサイトを各種マウントに取り付ける為の物で、取り付け先のマウントに適合するネジを選択します。(現存する全てのマウントに適合する訳ではありませんのでご注意ください)
また、付属のドライバーはライフルの形を模した物で、銃口とマガジン部がトルクスドライバーに、フロントサイトとストックがマイナスドライバーになっています。
本製品はラバー製のカバーが付いており、レンズガードには脱落防止用の紐を取り付ける為のリングが付いています。
カバー単体はこんな感じ。
ドットサイトの形状に合わせた形状になっています。
SCRD-73本体について
という訳で、Vector Optics Frenzy-S 1x17x21 GEN2(SCRD-73)本体を見ていきます。
ハウジングは若干の光沢はありますが比較的マットな黒色をしています。
マウントベースを除いた重量が65gという事もあり、割と軽量な部類のミニリフレックスドットサイトです。
ハウジング上部にはVectorOpticsのロゴが入っています。
ハウジングの左右は肉抜きが施されています。
製品にもよりますが、最近の同社製品にはこういう装飾が多々見受けられますね。
ドットサイトのハウジングに肉抜きがあるのは強度だけではなく汚れや日差しの影響を受けやすくなるのであまり良くないと思うのですが、それ以上に軽量化・見栄えを優先した結果でしょうか…。
左側面には輝度調節ボタンがあり、ここはラバーで出来ています。
ボタンは大型でハウジングから飛び出している為、押しやすいですし、カチカチとしたクリック感があり押し心地は良いです。
ハウジング右側にはVectorOpticsのロゴが入っているバッテリーケースが付いており、ここからバッテリーを交換する事が出来るようになっています。
尚、バッテリーケースを固定している2本のトルクスネジは付属のドライバー(マガジン部)を使って回す事が出来ます。
尚、バッテリー挿入部の内側にシリアルNOが印字されています。
バッテリーはCR1632という少し小型なボタン電池を使用します。
上が+、下が-になるように配置します。
発光部はこんな感じで乱反射防止用の段差が設けられており、この段差も特徴的な窪みが付いています。
これも装飾の1つでしょうか。
ハウジング内に入り込んだ水が抜けるように、ドレーンホールが付いています。
また、ドレーンホールの下側にはレティクルの表記(3 MOA Dot)が入っています。
エレベーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じで、マイナスドライバーを使って回す仕様。
ロック機構は無いですが、それなりに硬いダイヤルでカチカチとしっかりしたクリック感があります。
レティクルの稼働量は上下左右で最大120MOA、1クリック辺り1MOA動く仕様になっています。
調整幅は十分な感じですね。
また、ダイヤルは付属のドライバーのフロントサイト部を使って回す事が出来ます。
ドットサイトの後ろ側はリアサイトの代わりになる構造をしており、ハンドガンのスライドに乗せて使う事を想定している感じですね。
マウントベースとフットプリントについて
マウントベースはこんな感じで側面のネジを締め込んでクランプするローマウントベースです。
20mmレール規格であれば基本的にどのようなレールにも取り付ける事が可能な仕様になっています。
2本のネジを外す事でドットサイトとマウントベースを分離させる事が出来ます。
尚、このネジは付属のドライバーの銃口部を使う事で回す事が出来ます。
マウントベースはこんな感じで四隅に突起が付いているタイプ。
Frenzy-S 1x17x21 GEN2(SCRD-73)のフットプリントはMAGというRMSc/SMS互換になっています。
尚、SHELD RMS系のネジ穴の位置はDocterサイトと互換性があるので、マウントベース側の突起が無いもの、もしくは突起を削ってしまえば多くのマウントベースに取り付ける事が出来ます。
レンズとレンズコーティングについて
Frenzy-S 1x17x21 GEN2(SCRD-73)は歪みが少ない非球面レンズの採用を謳っており、レンズコーティングはマルチコートが施されています。
製品名に入っている通りレンズのサイズは幅21mm、高さ17mmとなっています。
角度によって赤色、黄色、緑色などの反射が確認出来ます。
除いた時の様子について
覗くとこんな感じ。
全体的に少し青みがかかっており上から下にかけて若干のグラデーションが確認出来ます。
レティクルを点灯させるとこんな感じ。
ドットは非常に綺麗で、3MOAの小さなドットが確認出来ます。
輝度に関しても十分な感じで、最大輝度だとレンズのフチまで赤くなるレベルの明るさがあります。
また、最低輝度は蛍光灯下の屋内でうっすら見える程度の輝度なので、薄暗い環境下でちょうど良い程度の輝度でした。
レンズの歪みとパララックス計測
という訳で、いつも通りレンズの歪みやパララックスを見ていきます。
2m先のモニターを覗いてみた所、全く歪みを感じない綺麗な像である事が分かります。
視点を上下左右に動かすとこんな感じで、歪みは殆ど発生していませんし像のズレも生じていません。
レンズはかなり優秀そうですね。
レティクルのズレも許容範囲の円内に十分収まっているので問題無いでしょう。
という訳で、Vector Optics Frenzy-S 1x17x21 GEN2(SCRD-73)のレビューは以上になります。
同社のFrenzyシリーズは1年に何台新機種が出るんだというレベルで数多くのバリエーションを展開しているので、正直「これが良い」というのが言いづらいのですが、本製品の特徴は外見だと肉抜きハウジング、光学サイトの性能としては歪みが少なくパララックスも控えめなレンズという感じでしょうか。