ERA MINIATURE C96 構造再現プラモデル(45%スケールモデル)のレビューと組み立てについて
記事作成日:2024年11月25日
『ERA MINIATURE C96』のクリアカラーとブラックカラーを三山商事株式会社様よりお送りいただいたのでレビューしていきます。
本製品はモーゼルC96の構造を再現しつつ、45%にスケールダウンさせたプラモデルになります。
また、押しバネとネジ以外は全て樹脂で出来ており、板バネすら樹脂の弾性を使った物になっています。
安全対策としてボルト回りは閉鎖されていたり、スケールダウンにあたってデフォルメされている部分もあるので全てのパーツが実銃と同じという訳では無いですが、概ねパーツ構成や可動部の構造は再現されています。
箱を開けるとQRコードが載っており、スキャンするとbilibili動画にアップロードされている組み立て説明動画が表示されます。
動画はなんと1時間12分。
一応組み立て手順説明をしているのですが、ちょくちょく間違っていたり、部品を落としたり、失敗してやり直したりしているシーンも映っているので、実際にこんなに時間が掛かる作業では無いのと、ちょっと分かりにくいです。
付属品についての紹介
内容物はこんな感じで本当にプラモデルです。
ランナーにくっついた部品と、ランナーから外されている状態の部品、スプリングやネジ類などが袋に収まっています。
尚、クリアモデルとブラックモデルの違いは外装パーツの色だけです。
クリアモデルはバレル回り、ロアー、ストックが半透明の水色になっており、グリップが黒色。
ブラックモデルは全体的に黒色のパーツで、グリップとストックが茶色になっています。
また、共に7.63mm弾モデルと9mm弾モデル(Red9)のどちらにでも組み上げられるようになっています。(リアサイト、ハンマー、グリップ、ダミーカートがそれぞれ用意されている)
また、プラモデル本体よりも更にスケールダウンしたC96の無可動キーホルダーが2個同梱されています。
樹脂製で、グリップ底部にボールチェーンが付いています。
2個の違いはバレルの長さです。
45%という小さな製品ですが、刻印や細かな凹凸がしっかり再現されており、チャンバー上部のMauser刻印やその脇の製造番号の再現の外、マズル部にはライフリングっぽい凹凸が付いています。
ロアー側のMauser刻印、反対側の製造工場に関する記載も再現。
ストックにもMauser刻印が入っています。
結構綺麗な刻印になっています。
尚、組み立てに当たっては600〜800番程度のヤスリとニッパー、ピンセット、ドライバー、細い棒などが必要になります。
スケールダウンされているだけ合って部品は細かい物が多いですが、1/144スケールのガンプラ程度の難易度だと思います。
組み立て手順について
という訳で、本製品を組み立てていきます。
とりあえず分かりやすいようにクリアモデルで組み立て方の紹介をしていきます。
尚、バリ取りとかは説明を省略させていますが、基本的にランナー跡やエジェクターロッドの跡とかはヤスリで削ってやる必要があります。
バレルの封鎖について
本製品にはバレルを封鎖させる為のイモネジが付属しています。
一通り組み立てた跡に気付いたので外側から入れたのですが、分解防止という意味も兼ねるなら内側から入れた方が良いのかなと思います。
クリアモデルを組み立てた後で組み立てた、ブラックモデルでは内側からイモネジを入れました。
リアサイトの組み立て
まずはリアサイトの組み立てから。
ランナーから取り外すパーツは4番ランナーの6、5番ランナーの12、7番ランナーの2と4です。
7番ランナーの2は2-500と2-1000の2種類がありますが、距離の目盛が違うだけです。
今回は2-1000を外しています。
まずリアサイトの調整を行うツマミを組み立てます。
ツマミには極小のスプリング(同梱されているスプリングの中で一番小さいやつ)も使用します。
極小スプリングをボタン内側の窪みにはめます。
この状態でボタンがスムーズに押す事ができていれば問題は無いです。
これをリアサイトに取り付け、リアサイトの裏側に板バネ(5番ランナーの12)を差し込みます。
リアサイトをアッパー側に取り付ければ完成。
片側のピンを穴に引っ掛けてから反対側を押し込むと組み込みやすいです。
ボルトの組み立て
続いて、ボルト回りを組み立てます。
ランナーから外すパーツは7番ランナーの7と4番ランナーの9、12です。
これらに加えてボルトと長いスプリング、短いスプリングを使用します。
長いスプリングはボルトのリターンスプリング、短いスプリングはファイアリングピンのリターンスプリングになります。
まず、ボルトにエキストラクターを取り付けます。
尚、ボルト前側は整形時に埋められており、ファイアリングピンは貫通しない仕様になっています。
続いて、ファイアリングピンを組み込んでいくのですが、ファイアリングピンのバリはしっかり取っておかないと組み込み時に破損してしまう可能性があるので、しっかり削っておきましょう。
ボルトを組み立てるにはまず、アッパーにボルトを取り付け、2個のスプリングを組み合わせた状態(長いスプリングの中に短いスプリングを入れる)で、ボルト後部の穴から入れます。
その後、丁度良いサイズの棒(今回は六角レンチを使用)でスプリングを圧縮しながら、ボルトのロックパーツを差し込みます。
最後にファイアリングピンを取り付け、押し付けながら90度回します。
ボルトの動作を確認してスムーズに動かす事が出来ていればOKです。
ハンマー・トリガー回りの組み立て
続いて、ハンマーやトリガー回りを組み立てていきます。
この組み立てでは使用するパーツ点数が非常に多いです。
ランナーから取り外すパーツは4番ランナーの13、16、18、21、23、25、26、27、5番ランナーの14、7番ランナーの15、20、24(24は形状違いで24-0と24-1がある)です。
尚、23番は2個用意されていますが、1個しか使いません。
これに加えてランナーに着いていないハウジング、中くらいのスプリングも使用します。
パーツ一覧はこんな感じ。
まず、トリガーをロアー側に組み込みます。
窪みに引っ掛けるだけです。
続いて、4番の13、5番の14を組み合わせて、トリガー前側の穴に差し込みます。
これがトリガー用の板バネになります。
続いてハンマー側。
まず、ハウジングにハンマーを取り付け、4番の23を差し込みます。
続いて、スプリングとプランジャー的なパーツを組み合わせ、ハウジングに差し込みます。
これがハンマースプリング兼ショートリコイル用のリターンスプリングになります。
スプリングを差し込んだら4番の16で蓋をします。
奥まで差し込んだらカチッと音がなってロックされます。
続いて、バレルのショートリコイルさせるのに使用させる三日月型のパーツを組み込みます。
続いて、ハンマーシアーを組み込みます。
次にトリガーと連動してシアーを開放させる為のパーツを組み込みます。
尚、このパーツの丸くなってる先端は少し削って若干小さくしてあげるとスムーズに動くようになります。
続いて、シャーシとのロックパーツを取り付けます。
続いて、セーフティレバーを取り付けます。
取り付け向きが決まっているので、突起の向きを合わせて取り付けます。
最後に、ボルトと噛み合うパーツである、7番の20を取り付け、ボルトと合体させます。
この状態でシャーシに差し込みます。
尚、この際トリガーとトリガー用の板バネががしっかり奥まで入り込んでいる状態である事を確認します。
無理に入れるとパーツが破損する可能性があります。
一旦ハンマーとトリガーの動きを確認。
ちゃんとフルコック状態で保持出来る上にトリガーを引いてハンマーダウンさせる事も出来ました。
マガジンの組み立て
続いて、マガジンを組み立てていきます。
とは言ってもC96は着脱可能なマガジンではないのでフォロワーの取り付けと言った方が正しいかも知れませんが…。
ランナーから取り外すパーツは7番の35と36です。
これに加えて、スプリングを使用します。
明らかにマガジン用のスプリングっぽい形をしているので、間違える事は無いでしょう。
フォロワートップとスプリングを取り付け、マガジンバンパーを取り付けます。
尚、フォロワーのバリはしっかり取ってあげた方が良いですし、少し角を丸めて上げた方がスムーズに動くようになります。
これでホールドオープンさせる事が出来るようになりました。
グリップの組み立てについて
残るパーツも少なくなってきました。
続いて、グリップを組み立てていきます。
使用するパーツはグリップとピン、ネジ、ワッシャー、ナットです。
グリップは通常モデルとRed9用の物の2種類が用意されているので、好みな方を選んで取り付ければ良いです。
グリップにワッシャーとナットを取り付けます。
共にローレット加工が施されており、圧入して取り付けます。
続いて、内側にピンを取り付けます。
グリップ根本に長いピンを1本、短いピンは下側に2本です。
尚、短いピンは中央が少し開いた状態になっていないとストックが取り付けられないので、写真赤印部にしっかり隙間が開いている事を確認する必要があります。
問題無ければネジを取り付け、グリップの組み立ては完了です。
グリップ底部にランヤードリングを取り付けます。
ストックの組み立て
最後にストックを組み立てていきます。
外すパーツは5番ランナーの残り、金属部品は細かなネジやピンなどを使用します。
まず、5番ランナーの41と42を合体させます。
かなりキツイですが、奥までグッと押し込んでやる必要があります。
その後、ストックにネジ止めします。
この際、使用するネジは長い物を使います。
続いて、5番の49をストック後部にネジ止めします。
バットプレートの内側に取り付けるパーツも組み立てていきます。
最後にヒンジの取り付けです。
まず、バットプレート側、ストック側にヒンジを少し緩めた状態で取り付けます。
その後、ピンを差し込みヒンジを連結、ネジを締め込みます。
バットプレートを閉じた際にしっかりロックが出来る事を確認します。
結構しっかり「カチッ」とロックされます。
ちゃんとC96をストックに収納する事も出来ます。
ダミーカートについて
ダミーカートは9mm弾仕様と7.63mm弾仕様の2種類が各8発用意されています。
今回は7.63mm弾の方を外しました。
組み立て後の外観レビュー
一通り組み立てが終わったので、外観を見ていきます。
ダミーカートを装填するとこんな感じになります。
ちゃんとチャンバーにも弾が装填されますし、エキストラクターにリムが引っかかり、排莢もされるようになっています。
とは言え、かなりぎこちない動作でちゃんと装填されなかったり排莢されない事も多いですが、素組みとしては十分では無いかと思います。
ERA MINIATURE C96のプラモデルその1
— エボログの中の人 (@Evolutor_web) November 15, 2024
外観と装填 pic.twitter.com/7HJ6GwRBNB
ERA MINIATURE C96のプラモデルその2
— エボログの中の人 (@Evolutor_web) November 15, 2024
排莢とホールドオープン pic.twitter.com/tqNu42T34r
尚、ストックの装着はこんな感じで行えます。
ERA MINIATURE C96その3
— エボログの中の人 (@Evolutor_web) November 15, 2024
ストックの装着 pic.twitter.com/XXCtsbnaF2
クリアモデルなので各部の動きがよく分かりますし、明るい所に向けて見るとX線で見た時みたいな感じで透けて見えるので面白いです。
ちなみに、ブラックモデルもこれはこれでいい感じです。
ストック使用時はこんな感じ。
ストックやグリップが単なるベタ塗りの茶色ではなく木目っぽくなるように色ムラがあるのが良いですね。
ちなみに、アイアンサイトの細かな形状も再現されているので、サイトピクチャーもC96のそれです。
刻印もそうですが、この小ささでよく再現してると思います。
クリアモデルとブラックモデルを並べるとこんな感じ。
なお、ブラックモデルはRed9仕様で組んでみました。
単体で見てると普通のモデルガンなんですが、本当小さいんですよね…。
左は付属の無可動キーホルダー、真ん中が本プラモデル、右がACTION製モデルガン Red9です。
本プラモデルにストックを取り付けてようやくリアルサイズに近い長さになります。
という訳で、ERA MINIATURE C96 構造再現プラモデル(45%スケールモデル)のレビューと組み立てについては以上になります。