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SPINA OPTICS 1x18x20 3MOA ACRO風だけどACRO非互換なドットサイトのレビュー

記事作成日:2024年12月24日

ACROライクなドットサイトが各社から出てきていますが、メーカーによって特殊な仕様になっている事があり、情報も少ないので結構買うのはギャンブルなんですよね…。
今回購入したSPINA OPTICS 1x18x20も商品名に「ACRO」と入っているタイプの製品です。

内部に関しては大抵どこぞのOEMなので価格帯も似ていて性能もほぼ同じなのですが、ハウジングはオリジナル仕様になっている事が多いです。(全く同じデザインで複数メーカーから発売されている物も少なくはないですが…)

という訳で、今回はSPINA OPTICS 1x18x20のレビューをしていきます。
これも1つのベースモデルから生まれたOEM製品だと思いますが、筐体のデザインが特徴的だったので買ってみました。
尚、同社からはNovelArms SURE HIT ARP2に非常に良く似たデザインの製品も発売されています。

ちなみに箱は無地のオレンジ色でメーカー名すら入っていません。

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付属品について

内容物はドットサイト本体(ハイマウント付き)とマウント変換プレート2枚、L字レンチ2つ、クリーニングクロス、固定用ネジ3種です。

マウント変換プレートはRMRとGlock MOS対応の物です。
FOR RMRと書かれている方はRMRマウントにSPINA OPTICS 1x18x20を取り付ける為の物、FOR MOSと書かれている方はGlock用MOSプレートです。
尚、MOSプレートは実銃のMOS規格対応なのでVFCや東京マルイなどのメーカーのMOSへの取り付けは出来ないと思います。

厚みは共に結構薄め。
ネジ頭の厚みを稼いだり、強度を出すのに必要なレベルの高さしか無い感じです。

尚、これらのプレートの重量はRMR用が14g、MOS用が13gとなっています。

L時レンチはマイナスとトルクス、ネジは3種でそれぞれ3つずつ入っており、M3.5×0.6のナベネジ、#6-32×0.2″のナベネジ、M3x0.5の低頭ネジです。

製品の外観レビュー

という訳で、SPINA OPTICS 1x18x20の外観を見ていきます。
角張ったデザインと側面の装飾が特徴的で、ハイマウントが予め付いている状態になっています。

一応、IP67防水、1500Gの耐衝撃性能を持っている製品のようです。

ドットサイト本体の重量は74g、マウントベースの重量は47gと、全体で121gの重量があります。

接眼レンズ側はこんな感じで、保護レンズの奥側にハーフミラーレンズが付いている構造になっています。

左側面にはラバーで出来ている輝度調整ボタンが付いており、押下するとクリック感があります。
輝度は可視光8段階、NVモード2段階の10段階で調整が可能です。

本体右側には電池ボックスが付いており、蓋を空けてCR2032を1個入れます。
尚、電池は付属しないので別途用意する必要があります。

上部はこんな感じ。
左側面に付いている装飾と同じ物が上面にも付いています。

エレベーションダイヤルとウィンテージダイヤルはこんな感じ。
マイナスドライバーで回す仕様で、カチカチとしたクリック感があります。

調整可能範囲は上下左右45MOA、1クリック辺りの稼働量は1MOAです。

接眼レンズ側はこんな感じ。
対物レンズと同様に保護レンズが付いています。

付属のマウントベースについて

マウントはこんな感じで前後が大きく抉られており、中央には穴が開いているデザインです。
本製品は2本のネジを使ってこのマウントに固定されていますが、一般的なACROは1本固定なので少々特殊な製品のようです。

底部はピカティニーレールの窪みにはまる突起が2つ付いています。
一応、ピカティニーレールとウィーバーレールの両方に対応しているようですが、こういう仕様なので特殊なピッチになっている20mmレールへの取り付けは相性問題が起きる可能性があります。

マウントベースを外すとこんな感じ。
固定ネジが2本になっているだけではなく、フットプリント側の突起も2つあるのでこのマウントベースはACRO互換では無っぽい事が分かります。

マウントの互換性について

ACROタイプと言いつつフットプリントがACRO互換じゃない製品は結構多いので一応確認してみます。
比較対象はAim-O製 Aimpoint ACRO P-2スタイルドットサイトで、レプリカ品ですが一応リアル寸法のAimoint ACROマウントに取り付ける事が出来る製品なのでサイズ感は同じだと思います。

ドットサイト側のフットプリントと付属のマウントベースはこんな感じ。
結構違う事が分かります。

右がレプACRO、左がSPINA OPTICS製品
右がレプACRO、左がSPINA OPTICS製品

溝の数や位置もそうですがそもそも幅が異なっています。
ACROのレール幅よりもSPINA OPTICSのマウントの方が幅広になっています。

右がレプACRO、左がSPINA OPTICS製品

という訳で、本製品もしっかりACRO互換では無かったです。

ちなみにACROより幅広だけどACROっぽいマウントベースを採用しているHOLOSUN SCRD-RD-MRSとも比較してみましたが、このマウントとも違うサイズでした。

HOLOSUN SCRD-RD-MRS
SPINA OPTICSのマウントと並べた様子
レール部を重ね合わせた様子

という訳で、この3機種はフットプリントの雰囲気が似てるだけで全部互換性が無いという事が分かりました。

レンズコーティングとレティクルについて

対物レンズ、接眼レンズの保護レンズは緑色系のコーティングが施されており、接眼レンズの奥にルビーコートが施されているハーフミラーレンズが付いています。

発光モジュールは下側に付いており、チューブ内側には乱反射防止用の細かな凹凸が付いています。

覗くとこんな感じでほんの僅かに青色のグラデーションが確認出来る程度なので、透明度はかなり高いです。

レティクルを点灯させるとこんな感じ。
レティクルのサイズは3MOAで実際かなり小さいレティクルです。

明るい屋内で視認出来る限りの最低輝度と最大輝度はこんな感じ。
輝度はかなり高くする事が出来るのでこれだけあれば屋外でも問題無く使えるでしょうし、輝度調整の幅が広く、殆ど視認できなくなる輝度まで低下させる事が可能でした。

レンズの歪みとパララックス計測

という訳で、いつもの計測を行っていきます。
2m先のディスプレイを覗いてみた所、若干歪みがある事が分かりました。

視点を上下左右に動かすとこんな感じ。
許容範囲の円内にはしっかり収まっていますが、上方向の歪みが割と気になりますね。
逆に下方向はほぼ歪みが無い事が分かります。

銃に取り付けた際の見た目について

銃に取り付けるとこんな感じ。
小型なドットサイトなので、SMGやPDWなどの小型な銃との相性が良いと思います。

別アングルから。


という訳で、SPINA OPTICS 1x18x20 ACROライクドットサイトのレビューは以上になります。

予想通り…ではあったのですが本製品はACROサイズの製品なだけで、ACROのフットプリントとは互換性が無い製品でした。

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