
エレコム製10ボタン 親指トラックボール、IST PRO(M-IPT10MRSABK)のファーストインプレッション
記事作成日:2025年1月24日
仕事用にELECOM製のトラックボール、IST PROを買ってみました。
自宅用にLogicool MX Ergo S(MXTB2)を購入してかれこれ4ヶ月ほど使っていますが、職場は普通のマウス(Logicool MX Master 3)のままなので、自宅と職場で異なる操作感という状態が続いていました。
もう一個Logicool MX Ergo Sを買おうか悩んでいた所で、ELECOMが5ボタントラックボールであるISTをアップデートしたITS PROを発売するというリリースを見かけて、IST PROの発売を待つ事にした次第です。
という訳で、予約していたELECOM IST PRO(M-IPT10MRSABK)が届きました。
結構売れてるのか、初回入荷分は楽天市場やAmazonでは在庫切れでヨドバシカメラも通販分は在庫切れ、実店舗は店によって在庫切れか在庫少になっていますね。

こちらの製品は5ボタントラックボールであるISTのボタン数を倍の10ボタンにし、有線接続も可能にしたモデルになります。
更に、最大6台のマシンで使用可能だったり、電池が単三電池2本になっていたり、後追いで発売予定のリチウムイオン電池に対応していたりと、ボタンが増えた以外にも色々とアップデートが行われています。

付属品について
パッケージを開けていきます。
説明書は特に入っていませんが、内箱の裏面に接続方法が記載されています。
内容物はトラックボール本体とUSBケーブル(USB-A to USB-C)です。



USBケーブルはかなり長め。
PCに繋ぐ側がUSB-A、マウスに繋ぐ側がUSB-Cになっています。

ELECOM IST PRO(M-IPT10MRSABK) の外観レビュー
という訳で、ELECOM IST PRO(M-IPT10MRSABK) 本体を見ていきます。
濃いグレーカラーのボディに銀色のボールがアクセントになっています。
予め角度が付いた状態になっており、自然な手首の角度で握る事が出来ます。


前後はこんな感じ。
マウスの傾斜具合がよく分かると思います。
なお、角度の調整機能は無く、いわゆる親指トラックボールと呼ばれる製品なので右利き専用です。


マウスの先端部にはUSB-C端子が付いています。

左クリック、ホイール(中クリック)、右クリックと普通のレイアウトに加えて、左クリックボタンの脇には2つの大型なボタンが付いており、右クリックボタンの脇にもボタンが追加されています。

左クリック、右クリックボタンはいわゆる消音マウスみたいな感じでクリック音はかなり控えめです。
音はほぼ聞こえないレベルですが、クリック感はそれなりにあります。
マウスの種類によっては押した感触すら無い消音ボタンの製品もありますが、本製品はちゃんとクリック感があります。
右クリック脇と左クリック脇のボタンのクリック音は普通な感じでクリック音、クリック感もしっかりあります。
ホイールはラバーで覆われており、高いグリップ力があります。
ホイールは細かなクリック感があるタイプで、少し重めな操作感。
また、マウスホイールを横に押す事で横スクロールも可能になっています。

なお、ホイールクリック時(中クリック)はかなりしっかりしたクリック感があり、音もしっかり鳴ります。
DPI切り替えトグルはホイールの後ろ側辺りに付いています。
このスイッチは結構固めで操作するには一度トラックボールから手を離す必要があるので、操作性は良くはないです。

トラックボールの上辺りには2つボタンが並んでいます。
ボタンの脇に開いている穴はペアリング時に光るLEDインジケーターです。

これらの2ボタンのクリック感は普通な感じで、音もそれなりにあります。
ボールは36mmの比較的大型な物が採用されています。
ツルツルとしたコーティングが施されており、スムーズに回ります。

支持ユニットにはミネベアミツミ社製高性能ベアリングが3つ採用されており、若干ですがボールを回す時に「ゴロゴロ」というか「ザラザラ」みたな感触が伝わってきます。
音も多少しますが、クリック音よりも静かなので気になる事は無いと思います。


尚、このベアリング特有のフィーリングが気になるのでベアリング式が嫌いという人も居ますが、個人的にはそんなに気にならないかなといった印象。
ちなみに支持ユニットの仕様はISTと同じなので、人工ルビーに交換する事が出来ます。
ベアリング式が苦手な場合は人工ルビーに交換する事で、普通のトラックボールと同じようなフィーリングになる物と思われます。
マウス底部脇には電源スイッチと接続先切り替えダイヤルが付いています。

接続先切り替えダイヤルは1回転する仕様で、USBレシーバー(ELECOM Bridge G1000 USBレシーバー – M-GR10BK)とBluetoothが2つ、カスタム(任意の接続方式)2つ、有線接続の6種類が選択出来ます。
直、Bluetoothの規格はBluetooth 5.3 Class2、プロファイルはHOGP(HID Over GATT Profile)に対応しています。


裏面はこんな感じで、ペアリングボタンとバッテリー収納スペース、USBレシーバー(ELECOM Bridge G1000)の収納スペースがあります。

ELECOM Bridge G1000はこんな感じの小型なUSBレシーバーです。
このレシーバー1つで最大3台のデバイスを接続可能、パソコンやタブレットに挿したまま複数の機器を使い分ける事が出来ます。


バッテリー収納スペースには予め単三アルカリ乾電池が2本、絶縁された状態で入っています。
絶縁テープを引っ張って剥がす事で、使えるようになります。
尚、アルカリ乾電池の他に単三電池型のリチウムイオン電池を使用する事も出来ます。


後追いで発売予定のリチウムイオン電池を接続する為のコネクタも付いています。
最初からリチウムイオン電池仕様だったら良かったんですが…。(発売されたら買おうと思います)


まあ、単三電池でも18ヶ月持つみたいなので、単三電池の方がコストパフォーマンスは良さそうですが…。
Logicool MX Ergo Sとの比較
という訳で、Logicool MX Ergo S(角度を付けた状態)と比較していきます。
サイズ感は若干Logicool MX Ergo Sの方が太いですが握った感じそこまで大きな違いは感じられませんでした。
ただ、手のひら部全体がラバーで覆われているLogicool MX Ergo Sの方が握り心地は良いですね。


また、傾斜も若干異なっていますが、これもそこまで大きな違いは感じられませんでした。
ボタンの押しやすさというか、誤爆のしにくさはELECOM IST PROの方が良い気がします。
トラックボールの位置はELECOM IST PROの方が低いです。
個人的にはLogicool MX Ergo Sの位置の方が操作しやすいんですが、慣れの問題のような気がします。

握った際の差はこんな感じ。
正直、表面の肌触りとかを除けばほぼ同じ感じです。
先述の通り、トラックボールの位置が若干違うのが気になる程度です。


ペアリングとトラックボールの設定について
という訳で、こちらのマウスをMac OSに接続していきます。
直、Windowsの他Chrome OSやAndroid、iPadOSなどにも対応していますが、自分はMac OSでしか使わないのでMac OSでの使用感についてのみ紹介します。
また、接続方法もBluetoothになります。
まず、Bluetoothの接続設定にした状態で裏面のペアリングボタンを押します。
これでMac OSのシステム環境設定>Bluetoothで認識されるので、『接続』を押します。
正常に接続されると『ELECOM IST PRO』という名前がデバイスに表示され、バッテリー残量の確認が出来るようになります。


これで普通に使えるようになりますが、各種カスタマイズを行うなら専用アプリをインストールする必要があります。
Windows/Mac OS用にリリースされている『エレコム マウスアシスタント 6』をダウンロード・インストールしました。

直、アプリインストール後は再起動を求められるので、再起動します。
OSの再起動後にアプリを起動してみるのですが、何度クリックしても起動せず、でもアクティビティモニター上には表示されるので「あれ?」となっていたら、メニューバーにアイコンが出現している事が分かりました…。

アプリケーションのウインドウはこのメニューバーアイコンから『開く』を押して表示させるようです。
素直にウインドウを表示して欲しい…。
なんか問題起きてるのかと思って2回再起動したり、アプリを終了させた後で再度開き直したりとかしてみたのですが、毎回メニューバーにアイコンが出現するだけでした。
ともあれアプリが起動するとデバイスの認識が行われ、IST PROが表示、各種ボタンの設定が出来るようになります。


ボタンの設定は『DPI切り替え』『電源』『接続先切り替え』『ペアリング』の4つ以外は全てカスタマイズが可能になっています。
マウスホイールの上下ですらカスタマイズが可能で、それも含めると12個の操作をカスタマイズ出来るという事になります。


結構色々とプリセットされた機能が用意されていますが、Mac OSの設定でよくある「Exposé」や「Mission Control」、「Launchpad」などOS独自のショートカット・機能の設定は登録されていませんでした。
その辺りは「キーボード入力」や「ファイルを指定して実行」を使用して設定する必要がありそうです。

マウスポインタの速度は3種類+ボタンホールド状態で動作する『ポインタ速度一時切り替え』の4種類の設定が可能、スクロール設定は上下と左右でそれぞれ速度の設定が可能となっています。
DPIは最低100、最大で12000の範囲で調整が可能(100DPI刻み)ですが12000にするとカーソルが瞬間移動するレベルの移動量になります。


尚、『レポートレート設定』と『ハードウェアモード』は有線接続でのみ可能なようです。
『レポートレート設定』はポーリングレートの設定を行う物で、精度と反応速度を上げる為の物になりますが、普通にPCを操作するのには使わないかなと思います。


マウスボタンにはキーボード入力を割り当てる事が出来る事が出来るのですが、実際にキーボードを入力して登録するという仕様上、OS側で制御を奪われるキーボードショートカットを入力する事が出来ません。

例えば、Mac OSはF11キーを単推しする事でデスクトップを表示させる事が出来るのですが、F11キーの入力が無効化される為、そのままだとF11を設定する事が出来ません。
その場合は一旦キーボードショートカットを無効化してからアプリの設定を行い、その後キーボードショートカットのの設定を元に戻します。
これでOSに制御を奪われるキーボードショートカットを設定出来ます。

他にも複数のプロファイルを用意する事で、起動しているアプリケーションに応じて設定を切り替える事が出来たりします。
多機能マウスではよくある機能ですが、個人的にはそんなに使わない機能ですね…。

という訳で、最終的な設定はこんな感じになりました。
左、中、右クリック、左右スクロールはそのままで、上下スクロールを逆に、右クリック脇を『Mission Control』、左クリック脇上を『デスクトップ表示』、左クリック脇下を『アプリケーションウインドウ』、ボール上のボタン上下でPageUp、PageDownにしています。

という訳で、エレコム 10ボタントラックボール、IST PRO(M-IPT10MRSABK)のレビューは以上になります。
この記事を投稿・公開している時点でもこのトラックボールを使い続けており、普通に職場でも使っています。
Logicool MX Ergo Sで不満だった1つがカスタマイズ可能なボタンの少なさだったのですが、本製品は必要以上のボタン数があるので、この点とても満足です。
ただ、アプリケーションの出来栄えは正直イマイチな感じがしますね…。
Windows/Mac OS両方に設定アプリが提供されている製品で、Mac OS用設定アプリの出来がイマイチなのは、同社製品に限った話では無いですが…。
バージョン6はついこの間リリースされたばかりなので、今後のアップデートに期待…といった感じでしょうか。
使っていて少し気になった点としては、暫く操作をしない状態が続くとスリープモード的な物に入るのか、接続が切れます。(エレコム マウスアシスタント 6からも認識がされなくなる)
再度ボールを動かしたりクリックしたりすると再接続されるので、大きな問題は無いのですが再接続されるまでに0.5秒程度の時間が掛かるようなので、瞬時に操作を再開出来るという訳では無いようです。
Bluetooth接続が原因かも知れませんが、少なくとも今まで使っていたLogicool MX Master 3及びMX Ergo Sでは起きていない現象なので、IST PROの仕様ではないかと思われます。
とりあえずまだマウスを使って数時間程度なので、暫く使ってみてLogicool MX Ergo Sとの比較を行ったりしようと思います。
