
SNOW WOLF STEYR AUG A3でリコイル付きファスガン専用機を組みました
記事作成日:2025年3月3日
SNOW WOLF製電動ガン、STEYR AUG A3 ロングバレルを素体にリコイル付きファスガン専用機の二号機を作りました。
尚、本製品は東京マルイ STEYR AUGのコピーになるので、東京マルイ製品でも同様のカスタムは可能であると思われます。

尚、ARES KAC STONER LMGを素体に作ったリコイル付きファスガン専用機の一号機はこちら。
アウターバレルの加工
という訳で、まずはリコイル付きファスガン専用機を作るにあたって一番需要なアウターバレル先端部を埋める作業から。
前回と同様にアウターバレル先端にタップを立てて中央に2.5mmの穴を開けたM10のイモネジをねじ込みました。


続いて、リコイル付きファスガン専用機を組むにあたって最大の懸念であった分割式のアウターバレルの固定方法を変更、元々イモネジ1本で固定されていたアウターバレル先端部をイモネジ6本での固定にしました。



自分が作っているリコイル付きファスガン専用機はアウターバレルに非常に高い負荷が掛かるので、出来れば一本物の強固な物が良いのですが、本製品は分割式アウターバレルなのでその固定部を強固にする形にしました。
また、アウターバレルとレシーバーの固定方法も変更しました。
電動ガンのSTYER AUGは実銃と同様にワンタッチで着脱可能なアウターバレルになっているのですが、これの固定部があまりに貧弱な構造なので、こちらもイモネジ4本での締め込みに変更しました。



ちなみに、純正通りの固定方法だとどうなるのかと言うと、数発のテスト動作で固定部が砕けました。(本当に10発すら保たなかった)

メカボックスのカスタム
続いて、メカボックスを弄っていきます。
ファスガン専用機を作るにおいてのメカボックスカスタムは普通の電動ガンのカスタムに比べると考える事が少ないので楽です。(タペットプレートもノズルも無いですし、シリンダー容量とか気密も気にしなくて良い)
という訳で、まずはシリンダーヘッドの加工から。
シリンダーヘッドのノズル部を排除し、直径10mm、内径9mmの真鍮パイプに置き換えました。
また、ダンパーとしてゴム板を1枚増やし、補強がてらパテで固めました。


パテを使った理由は前回、真鍮パイプが抜けてしまうという問題があった為です。
そこまで強い衝撃が加わる訳では無いですが、このパイプ内でリコイルウェイトが高速で前後する為、摩擦で抜ける事があるようです。
メカボックスに取り付けるとこんな感じ。
尚、シリンダーヘッドに装着している真鍮パイプはアウターバレル基部に付いている真鍮パイプと連結されるようになっています。(これは前回も同様の構造を採用している)
これで一応ある程度の軸は出ます。


続いて、ピストン周りのパーツを用意します。
前回、ピストンをステンレス製の物にして真鍮丸棒を直接打撃する方式を採用しましたが、今回は異なる方式にしようと思います。
ピストンヘッドは余っていたアルミピストンヘッド、ピストンはCNC Production AEG 14.5T ナイロンファイバーピストンを買ってきました。
自分はピストンヘッドにアルミ製品を採用する事が少ないので、こういう時に余剰パーツを消費出来るので良いですね。



CNC Production AEG 14.5T ナイロンファイバーピストン
ピストンヘッドの中央に穴を開け、十分な長さのM4のボルトが貫通させれるようにします。

ピストンヘッドに取り付ける打撃用ウェイトを作ります。
8.5mmの真鍮丸棒を使用し、ピストンヘッド側にM4のタップを、先端側にステンレスピンを取り付けられるような窪みを設けました。


太さ6mm、長さ12mmのステンレスピンを圧入、ロックタイト638も併用してガッチリ固定させます。


この真鍮丸棒をピストンヘッドに取り付けます。
ピストンの重量は70gになり、この真鍮丸棒を使ってアウターバレルに付いているリコイルウェイトを動作させます。


ピストン後退状態と前進状態はそれぞれこんな感じになります。
ピストンヘッドに付いている真鍮丸棒はシリンダーヘッドの真鍮パイプ内を前後する形になっています。
あと、見ての通り加速シリンダーは前後逆向きに取り付けています。


前回作ったリコイル付きファスガン専用機はリコイルウェイト自体がピストンヘッドを貫通する形だったのですが、摩擦が大きく発射サイクルがある程度低くないと安定したリコイルを発生させる事が出来ないという問題があったので、今回はそれを改善させる為にこのような方式に変更しました。
この構造であれば、メカボックスのセンターとアウターバレルのセンターが多少ズレていてもリコイルウェイトの動きを妨げる事は無いでしょう。
前回の構造だと0.2mm程度のズレしか許容が出来なかったのに対し、今回の構造は理屈上0.5mm〜0.6mm程度のズレまでなら許容出来ますし、リコイルウェイトの形状によっては1mm以上のズレでも許容出来るようになるハズです。(あまりにズレすぎると強度に影響が出てきそうですが)
ギアに関してはSHS製の100:300ヘリカルギアを使用します。
余っていたので採用しただけで特に100:300を選んだ深い理由は無いです。
強いていうなら、リコイル付きファスガン専用機はそんなに速い回転速度を必要としない(ハイサイクルには向かない)セッティングなので、ギア比がノーマル以上(18:1以上)であれば何でも良かったです。



SHS 100:300 ノイズレス CNCヘリカルギア3点セット Gen.3
尚、AOEはこんな感じでした。
シリンダーヘッドにゴム板を貼り付けているので、AOEは程よい感じになっている事は分かっていましたが、一応確認しておいた方が良い箇所ではありますからね。

適当にシム調整を行い、グリスアップ。
尚、軸受は純正のまま特に変更は行っていませんし、純正状態で既にしっかり固定されていたので接着も特に行っていません。


また、今回モーター側に逆転防止機構が組み込まれているブラシレスモーターを採用する予定なので、逆転防止ラッチの取り付けは行いません。
一旦純正モーターを使って動作確認を行います。
それにしても、元々サイクルの遅い机モーターと、回転速度が低くなる100:300ギアを組み合わせるととんでもなくゆっくり回ります…。

動作に問題も無かったので、モーターを変更します。
今回採用したモーターはH.T.G. Basic 無限モーターのショートです。
本製品にはシャフト部にワンウェイベアリングが採用されており、メカボックス側の逆転防止ラッチを不要とするモーターになります。
また、専用コントローラーを使用する事でトルクと回転速度を調整する事が可能な製品です。


HTGベーシック MUGEN 無限 ブラシレスモーター ショート 電動ガン用モーター 【回転数/起動トルク自由設定/逆転防止機構標準搭載(特許使用)】電子トリガー対応
今回はとりあえず出荷状態の設定(トルク64K/回転速度60%)で7.4V運用を行います。
尚、本モーター単体のレビューは追って別記事で行おうと思っています。
という訳で、無限モーターに置き換えます。
尚、元々はんだ付けされいた配線をモーターコネクタに変更しています(このままだとストックに取り付ける際にコネクタが干渉してしまったので、コネクタの固定方法は後で変更しました)


ギアの動作が問題無い事が確認出来たので、ピストン周りのパーツを取り付けます。

尚、ピストンスプリングは純正比110%位の硬めのスプリングを使用しました。
リコイルユニットの組み立て
最後にリコイルユニットを組み立てていきます。
まずはピストンヘッドとリターンスプリングを用意しました。
今回は前回よりもリコイルウェイトを増やしている事もあり、スプリングレートを高めにしたかったので線形の太いPX4用のリコイルスプリングを用意、ピストンヘッドもPX4用に合わせてシャフトの長さを調整しています。


尚、ピストンヘッドはOリング無し仕様を採用。
色々試しましたが、Oリングが無くても十分なエアー量は稼げるのと、こちらの方が作動性が良いんですよね。
ピストンヘッドの打撃を受け止めるのは前回同様6mmメタル軸受を使用しています。
なんだかんだこれが便利なんですよね…。


リコイルウェイトの重量は201gと、前回作った物が186gなので、それよりも15g重くなっています。
リコイルウェイトの外径は前回同様8.5mm、長さはAUGのバレル長を活かして430mmにしています。(ピストン側に100mm程度のウェイトが付いている為、前回と同じ構造にすれば530mmまでは伸ばせた)

リコイルウェイトの先端部は軽く面取りをした程度、後ろ側には補強用のステンレスピンを入れつつ、多少メカボックスとアウターバレルのセンターがズレても正常にリコイルウェイトが稼働するように外径を少し細くしています。(根本の外径は8mmにしている)



アウターバレルにリコイルウェイトを取り付けるとこんな感じ。

最後の組み上げと動作の様子について
メカボックスをストックに収めます。
尚、ヒューズは純正の20Aのままで、バッテリーコネクタはXT30にしておきました。
あと、給弾ルートは邪魔になるので外しましたがマグウェル内側の板は入れたままにしています。
この板が無いとマガジンがちゃんと固定されなかったので…。


フロント側とストック側はそれぞれこんな感じ。

ストックにフロント部を取り付けます。
尚、チャージングハンドルを引くとメカボックスとアウターバレルのつなぎ目が確認出来ます。


では動作させていきます。
バッテリは7.4V 2000mAh 25C LiPoバッテリーです。
ミニSサイズのバッテリーで本製品のストックにピッタリ収まります。

動作の様子はこんな感じ。
セミオート対応のリコイル付きファスガン専用機を作ったのは初めてでしたが、意外とセミオートでもしっかりリコイルを感じる事が出来て良い物が出来たと思います。
フルオートだと本体の軽さも相まってかなり揺れて面白いです。
ファスガン専用機 リコイル付きステアーAUGの動作7.4V LiPo pic.twitter.com/gkh1T3ZEPn
— エボログの中の人 (@Evolutor_web) March 2, 2025
ただし、問題はアウターバレルの強度ですね…。
固定が貧弱なのでいつ壊れるか…といった所です。
もっとも、STONER LMGもいつ壊れるかと思いながら作ったんですが、今回はSTONER LMGよりも不安要素が多いので…。
まあ、壊れたら壊れた時に考えれば良いかなと思っているので、そんなに大きな問題としては捉えていませんが…。