
コンパクトな1倍プリズムサイト3種の覗いた様子比較(Vector Optics Paragon X-Micro / Primary Arms SLx1 / Novel Arms Sure Hit MPS1)
記事作成日:2025年3月19日
小型なプリズムサイトの種類も増えてきたので、手持ちの3機種を比較していきます。
今回比較するのは下記3種類。
Vector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)、Primary Arms SLx1、Novel Arms Sure Hit MPS1です。
いわゆる、Aimpoint micro T1/T2サイズの1倍プリズムサイトを比較していきます。
スペック(カタログスペック)の比較
まずはカタログスペックを比較していきます。
尚、単位がヤード・ポンド法になっている部分はメートル法に置き換えています。
Vector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10) | Primary Arms SLx1 | Novel Arms Sure Hit MPS1 | |
---|---|---|---|
倍率 | 1倍 | 1倍 | 1倍 |
対物レンズ | 18mm | 17mm | 20mm |
アイレリーフ | 95mm | 50.8〜177.8mm | 85mm |
レンズコーティング | フルマルチコート | フルマルチコート | フルマルチコート |
視野角 | 14.96° | 14.53° | 14.81° |
全長 | 60.96mm | 62.992mm | 66.0mm |
重量 | 178.602g | 198.447g | 156g |
レティクル調整単位 | 1MOA | 1MOA | 1MOA |
レティクル最大調整幅 | 100MOA | 120MOA | 90MOA |
輝度 | 赤緑8段階+NV2段階 | 8段階+NV3段階 | 8段階+NV2段階 |
屋外での見え方について
続いて、屋外で覗いた時の様子(カタログスペックでは無く実際に覗いた際の状態)を比較していきます。
撮影場所はサバイバルゲームフィールド yaNexのシューティングレンジで、40mのターゲットを狙う形で撮影を行っています。


尚、マウントの高さはバラバラですがアイレリーフが分かりやすいように、接眼レンズの位置をなるべく同じ位置にしています。
カメラの焦点距離はAPS-Cレンズで18mm固定(35mm判換算で27mm程度)にしており、カメラ側の設定(ISO/シャッタースピード/絞りなど)も変えていません。



アイレリーフ・アイボックスの比較
まずアイレリーフ・アイボックスについて比較していきます。
アイレリーフの長さはVector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)が一番長く、次にPrimary Arms SLx1、最後がNovel Arms Sure Hit MPS1といった感じでした。
アイレリーフ・アイボックスに関しては動画の方が分かりやすいと思うので、動画で紹介します。
Vector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)はこんな感じ。
かなり遠くの位置から覗いても問題無い製品である事が分かります。
Primary Arms SLx1のアイレリーフ・アイボックスはこんな感じ。
こちらもかなり広い範囲で覗く事が出来る事が分かります。
Novel Arms Sure Hit MPS1のアイレリーフ・アイボックスはこんな感じ。
上記2機種に比べるとアイレリーフが短めでアイボックスは狭い印象があります。
アイレリーフ・アイボックスは広ければ広い方が良いという訳では無いのですが、広い方が好きというケースも多いので参考になればと思います。
視野角の差について
適切なアイレリーフの距離で覗いた時の視野角の差はこんな感じで、Vector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)が一番広く、次にNovel Arms Sure Hit MPS1、最後がPrimary Arms SLx1でした。
このように並べると見えている像が結構違っている事が分かると思います。

例えば右端に20m先のターゲットが映り込んでいますが、Vector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)はターゲットの全身が見えていますが、Primary Arms SLx1では全く見えず、Novel Arms Sure Hit MPS1ではターゲットの半分が見切れているような状態になっています。
左側の木の位置も異なっている事が分かると思います。
正直視野角の広さはかなり好みが分かれると思います。
視野角が広いと違和感の少ない自然な像になりやすいですが、逆に広すぎると魚眼レンズのような感じで歪んでしまう事が多いです。
ただし、1倍プリズムサイトでそこまで極端に視野角が広い製品は見たことが無いです。
逆に視野角が狭いと情報量が減る分射撃に集中しやすかったりします。
肉眼とサイト越しの像のズレについて
続いて、自然な像とプリズムサイト越しの像でどのような違いがあるのかを比較してみます。
適切なアイレリーフで覗いた位置からそのままカメラを上げて撮影した写真と重ね合わせてみます。
まずはVector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)です。
今回比較している製品の中では一番視野角が広い製品で、若干のズレはあるもののサイト越しの像と肉眼でのズレはかなり抑えられていると思います。

続いて、Primary Arms SLx1ですが、像がかなりズレている事が分かります。
得に上下のズレがかなり激しく、肉眼で見ている像よりも下方向に像がズレている事が分かりました。

尚、上下のゼロインの問題かとも最初は思ってエレベーションダイヤルを回したりしてみたのですが大きな変化は無く常にズレていました。
ちなみにこのプリズムサイトは両目照準すると結構ズレが気になる製品です。(そんなこんなで、最近あんまり使ってなかったりします…)
最後にNovel Arms Sure Hit MPS1です。
像のサイズ(と言うのが正しい表現かは分かりませんが…)はVector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)と良く似たズレ具合で、上下に関してはちょっと像の方が下にズレている感じです。

明るさや色味の比較について
最後に像の明ると色味の比較を行っていきます。
撮影日は曇り空で、そこまで明るさは無い状態です。
明るさ・色味共に若干の変化しか無いですが、一番像が明るいのはVector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)で、次がPrimary Arms SLx1、最後がNovel Arms Sure Hit MPS1(この2機種はほぼ同じ)といった感じでした。
逆に色味が一番良いというか自然なのはPrimary Arms SLx1で、次がNovel Arms Sure Hit MPS1、最後がVector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)でした。
色味に関してはVector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)が明らかにおかしく、全体的に白っぽくなっています。(色飛びしてるというより、かすれた感じの色味に感じる)



という訳で、Vector Optics Paragon 1×18 X-Micro(SCPS-M10)、Primary Arms SLx1、Novel Arms Sure Hit MPS1の3機種比較は以上になります。