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AF S004 SIG SAUER MCX Rattler LT SBRの分解レビュー

記事作成日:2025年5月27日

先日購入してレビュー記事を書いたAF S004 SIG SAUER MCX Rattler LT SBR 6.5インチ(Eshooter Kestrel V2 BASIC搭載機)を分解していきます。

という訳で、開封レビューで行った分解であるハンドガードを取り外した状態から分解スタート。
まず、テイクダウンを行う為に結束バンドを切って配線を取り外します。
これでアッパーレシーバーとロアレシーバーを分離させる事が出来ます。

アッパーレシーバーの分解

まずはバレルASSYを取り外してアッパーレシーバー側の分解を行っていきます。

フラッシュハイダーは14mm逆ネジで固定されており、外す事でクラッシュワッシャーとOリングを取り外す事が出来ます。
尚、フラッシュハイダーにはイモネジなどは付いておらず、単に回すだけで外せます。

ガスブロックは底部の2本のイモネジを緩める事で取り外す事が出来ます。
ピン類は全てモールドなので、注意が必要です。

ガスブロックは見えない所もそれっぽく再現がされています。
ピンを外す事で流量調節ノブを外す事が出来ます。

アウターバレル基部は側面からネジを締め込み、レシーバー自体で圧迫する仕様になっています。
実銃やVFC/SIG AIR版は専用のクランプパーツが付いていますが、本製品ではオミットされているようでより簡易的な固定方法になっています。
2本のネジを外す事で、アウターバレルを取り外す事が出来ます。

チャージングハンドルとダミーボルトはこんな感じで、本製品専用設計になっています。
形状もVFC/SIG AIR版とよく似ていますが、若干違う感じです。

ダミーボルトはこんな感じで、2本のリターンスプリングが付いています。

チャージングハンドルはこんな感じ。
比較的リアルな形状になっていますが、ダミーボルトを引っ掛ける為の窪みが設けられているので、リアルサイズのチャージングハンドルとは互換性はありません。

ケースリフレクターとボルトカバーはこんな感じで、ケースリフレクターはアッパーレシーバーにネジ止めされており、これを外すと取り外せます。

バレル・チャンバー周りの分解

続いて、バレル周りを分解していきます。

本製品のチャンバーは樹脂製のドラム式で、SHSやAce1Armsなどから出ている物と良く似ていますが、同じ物かどうかは不明。(これらの製品もロットによって微妙に形が違うので、尚更分かりづらい)

分解するとこんな感じ。

HOPパッキンは少し硬めで60度程度の物、突起の形状はシンプルな形状をしています。
押しゴムは細めなシリコンチューブで、柔らかいです。

インナーバレルにはHOPパッキンのゴムの色が映っており、茶色く変色しています。
HOP窓の形状やCクリップの溝などは至って普通のシンプルな形状をしています。
尚、マズル部のテーパーは少し深めで角度のある仕様でした。

インナーバレル長は200mmです。

ロアレシーバー側の分解

次はロアレシーバー側を分解し、メカボックスの取り外しまで行っていきます。

まず、ストックを外します。
ストックはロアレシーバー後部の20mmレール部に固定されている為、側面のネジを緩めれば取り外せます。
ストック固定部の20mmレールはロアレシーバー側とは別パーツになっており、色も黒色になっています。
また、レールとレシーバーの隙間には後方配線用として使えそうな凸型の隙間が開いています。

20mmレールは2本のネジで固定されており、下側のネジはピストンスプリングガイドの固定にも使われています。
ピストンスプリングガイドはQD仕様になっており、この状態で取り外す事が出来ます。

続いて、グリップを外していきます。
このグリップの底蓋は本来前側にネジ、後ろ側にはピンが入っているはずなのですが、本製品は前側のネジしか付いていませんでした。(仕様なのか個体差による物なのかは不明)
また、このネジはタップネジなので、何度も分解・組み立てをしているとどんどん緩くなっていってしまう可能性があるので、注意が必要です。

そもそも使っていると蓋が開いてくる可能性があるので、箱出し状態で使うならピンを追加した方が良いでしょう…

尚、底蓋の材質は樹脂で出来ており、モーター位置調整調整用の真鍮ネジが付いています。(このネジ穴にはインサートが埋め込まれています)

モーターはラベル無しの物で詳細は不明ですが磁力はかなり低く、ピニオンギアを指で摘んで回してもスルスル周ります。
尚、ピニオンギアはD型です。

グリップはネジ2本で固定されています。

メカボックスには逆転防止ラッチを解除する穴が設けられているので、分解を進める前に逆転防止ラッチを解除しておいた方が良いでしょう。

続いて、メカボックスをロアレシーバーから取り外していきます。
メカボックスを取り外すにはまず、メカボックスと干渉するパーツを外していく必要があります。

まず外したのはマガジンキャッチボタン。
これはボタン部に付いている+ネジを外すだけで取り外せます。

VFC/SIG AIR版はリアルな固定方法になっており、マガジンキャッチボタンを外す前にボルトリリースボタンを外した方が良いですが、本製品は気にしなくて良いです。

続いてボルトリリースボタンを外します。
左側のボルトリリースボタンを外すにはまず、ボタンを固定しているピンを抜いた状態で、ボルトストップの突起を押し下げます(右側のボルトリリースレバーを押せば良いです)。
そうすると、左側のボルトリリースボタンを取り外す事が出来ます。

1. 左側のボルトリリースボタンのピンを抜く
2.右側に付いているボルトリリースレバーを押し下げる
3. 左側のボルトリリースボタンを引っ張れば外れる

続いて、トリガーピンを外します。
トリガーピンは右側に抜け防止のローレットが付いているので、左側から叩いて抜く必要があります。
尚、個体差の影響なのかは不明ですが、かなりローレットの意味が無い程度にはユルユルでした。

尚、本製品はハンマーピンもモールドではなくピンが刺さっているような見た目になっていますが、これはダミーピンでメカボックスとは干渉していないので抜く必要はありません。(このピンはレバーに埋め込まれているだけで貫通はしていない)

その次にセレクターレバーを外しました。
セレクターレバーは左側にのみプランジャーが付いているタイプです。
外すと小さなプランジャーが落ちてくるので、注意が必要です。

最後にテイクダウンピンを抜けば、メカボックスが取り外せます。

メカボックスの分解

メカボックスはこんな感じで、アンビセレクターレバー+ボルトストップ対応のVer2亜種系です。

ボルトリリースボタンはボルトストップ一体型になっています。

アンビセレクターレバーはこのような歯車を連動させて動く仕様です。

尚、セレクタープレートはこの時点で取り外す事が出来ます。
Eshooter Kestrel V2 BASICのスイッチを押す為の物なので、銅板は付いていません。

ピストンスプリングガイドを取り外します。
スプリングガイドはスラストベアリング無しの一体成型の物、ピストンスプリングは等ピッチで比較的柔らかめな物が付いています。

スプリングを外したらメカボックスに付いているネジを外します。
ネジは全てトルクスでサイズはT9と、少し小さいネジ頭のトルクスネジが使われているので注意が必要です。

メカボックスを開くとこんな感じ。
グリスはほとんど塗布されていませんでした。(多少は塗られていますが、かなり少ない)

ケーブルを固定する為のパーツが付いています。
最近、このパーツが純正で付属しているのを度々見る気がします。

ギアを取り外してみた所、シムはベベルギアに1枚だけ入っているのみ
最近の電動ガンはシム調整がそれなりに行われている物がほとんどなのですが、本製品は全然入っていないですね。

尚、シム無くても大丈夫な訳ではなく、結構がガタガタでしたし、実際セクターギア検知用のスイッチに擦れた跡が残っています。

ギアはこの、海外製電動ガンおなじみの粉末焼結ギア。
ギア比は18:1です。

トリガーはこんな感じの、至って普通な電動ガン用トリガーが付いています。

続いて、電子トリガー部(Eshooter Kestrel V2 BASIC)を外します。
まず、ケーブルを抑えているパーツを外し、Eshooter Kestrel V2 BASICの基板を固定しているネジを外します。

Eshooter Kestrel V2 BASICの基板はこんな見た目をしています。

セクターギア検知、トリガー検知、セレクタープレート検知は全て物理的なスイッチが付いています。
光センサーや磁気センサーなどの非接触型のセンサーは付いていません。

2ピンのコネクタが付いているのですが、これに関しては利用用途はよく分かりません。
トレーサー内蔵のチャンバーを光らせるのに使えたりしそうですが、そういうオプションパーツがあるのかは不明。
もしくは普通のKestrelV2に付いている、マガジンキャッチの判定用スイッチ用を繋げたりとかでしょうか…。

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タペットプレートとノズルはこんな感じ。

ノズルは全体的にザラザラとした樹脂製で、後方吸気用形状になっています。
シーリングノズルでは無いですし、内径もちょっと広く緩いので、気密はあんまり取れてい無さそうなノズルです。

タペットプレートは至る所にバリ取りをしたと思われる、削られた跡が残っています。
カッターナイフで削いだような感じで、雑にエッジが削られています。

前側はそれなりにL字にはなっていますが、綺麗な90度では無さそうで羽の所も少し歪んでいます。
細かいことを気にしないなら普通に使っても良いタペットプレートではありますが、個人的には使いたくないですね…。

シリンダーとシリンダーヘッドはこんな感じ。
シリンダーは真鍮製の加速シリンダー、シリンダーヘッドはノズルやタペットプレートと同じ材質と思われる樹脂製です。

シリンダーヘッドはこんな感じ。
結構硬めのゴム板が貼り付けられています。

ピストンは最後の1枚だけ金属歯になっている樹脂ピストンで、ラックギアも全部に付いています。
ピストンヘッドは後方吸気タイプになっています。

ピストンを分解するとこんな感じで、中にスラストベアリングが入っている事が分かります。
尚、ピストンヘッドの固定はタップネジです。


という訳で、AF S004 SIG SAUER MCX Rattler LT SBR 6.5インチ(Eshooter Kestrel V2 BASIC搭載機)の分解は以上になります。

VFCコピーと思いきや結構独自な箇所も多数存在…というかMCXの特徴が現れる箇所はほとんど独自でした。
特にアウターバレルの固定方法、レシーバー後部の20mmレール、グリップの仕様など、独自性満載です。

電動ガンとして考えると、正直箱出しでガンガン使うには向いていないと思います。
そもそもEshooter Kestrel V2 BASICのセクターギア検知スイッチとセクターギアが擦れている時点で論外なんですが、それ意外にもモーターの底蓋の問題やそもそもモーターが非力すぎるというのがあったり、ノズルやタペットプレート、ピストンなどの品質もそんなに高くは無いので内部パーツはそれなりに調整・交換はした方が良いと思います。

外装は割としっかりしていますし、メカボックスも特殊な事はやっていないので、カスタムする前提の素体としては十分だと思います。

この後調整を行っていきますが、今回は電磁弁化しようと思うので普通の電動ガンの調整とは別物になると思います。
なにせMCXの電動ガンを既に2丁持っているので3丁目作った所であんまり面白みは無いので、今回は電磁弁にしようと思います。