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Victoptics初のFFPスコープ、S4 4-16×44 FFP ライフルスコープ(OPFF-01)のレビュー

記事作成日:2025年5月28日

Victoptics S4 4-16×44 OPSL16をつぼみトレードカンパニー様よりお送り頂いたのでレビューしていきます。
本製品は安価なグレードの光学機器を多数発売しているVictoptics初となるFFPスコープです。
倍率は4〜16倍、対物レンズ径44mmという少し大きめなライフルスコープで、サイドフォーカスの操作性を良くする為の大型のリング(サイドフォーカスウェル:SCCON-S4)がセットになっています。

つぼみアームズでの販売価格は18,500円(2025年5月現在)と、Victoptics製品らしい比較的安価な価格帯の製品となっています。

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付属品について

内容物はこんな感じで、スコープ本体(バトラーキャップ付き)とロングフード、スローレバー、コインドライバー、マウントリング、説明書や保証書類とサイドフォーカスウェルです。

スコープ本体の内容物
同梱されているサイドフォーカスウェル

付属のマウントリングは単品販売もされている30mmチューブに対応したハイマウントで、高さが1.4インチ(36mm)の高さになる製品になります。

中にはマウントリングとL字レンチが入っています。

シンプルなデザインで、チューブに接する部分には布テープが貼られているという安価な製品でよく見かける仕様になっています。

マウントリング左右はこんな感じで、リングの一方にのみ何かを取り付けられそうなネジ穴が設けられています。
ここに水平器が付いている製品もあるので、それ用のネジ穴だと思われます。

サイドフォーカスウェルはこんな感じで、締め込み用の六角イモネジ(先端が尖っている)を3箇所に取り付け、締め込みます。
これで中央の樹脂パーツが圧迫され、サイドフォーカスノブに固定されるという仕様のようです。
※取り付けは後述

スコープ本体の外観レビュー

という訳で、Victoptics S4 4-16×44 FFP OPFF-01の外観を見ていきます。
尚、本製品にはバトラーキャップが標準で付いているので、こちらは外して紹介します。

本製品の重量はこの倍率比かつこのサイズのスコープとしては結構軽い部類で、スローレバーのみ取り付けた状態で502gしかありません。
このサイズになると600g超えは割と当たり前で、重い製品だと700g近い重量になる製品もあります。

サイドフォーカスウェルやロングフードを組み合わせると重量は重くなっていきますが、それでも600gに届かない重量です。

サイドフォーカスウェルと合わせた重量
サイドフォーカスウェル+ロングフードと合わせた重量

ちなみに、スコープの重量はレンズの枚数に直結します。
そして、レンズの枚数は値段に直結します。
安いスコープ=レンズ枚数が少ない=軽いという感じですね。

対物レンズ側はこんな感じで、内側にはねじ切りが設けられています。

ここに付属のロングフードを取り付けるとこんな感じになります。
ロングフードを取り付ける事で、全長は395mm程度とかなり長くなります。

尚、ロングフードを取り付けた状態でバトラーキャップを取り付ける事も可能です。

ハウジング部はこんな感じで、左側にはサイドフォーカスノブ、上と右側にはレティクル調整ダイヤルが付いています。
尚、チューブ径は30mmです。

サイドフォーカスノブ側の上面にはVictopticsのエンブレムが付いています。

サイドフォーカスはヤード表記で15、20、25、30、50、75、100、200、400、600と無限といった感じで書かれていますが、50〜600までの間隔が物凄く狭いです。

サイドフォーカスウェルを取り付けるとこんな感じになります。
イモネジを締め込む事でかなりガッチリ固定する事が出来るようになります。

この大型な円盤を回す事で、よりスムーズにかつ細かいサイドフォーカスの調整が出来るようになります。

とは言え、本製品はかなりサイドフォーカスのノブが柔らかくスルスル回るので、こんな大型な物が必要か?とちょっと疑問を感じるのと、操作性を良くするよりも何かに引っ掛けたりした際にノブが回ってしまう誤爆の方が問題だと思うので、実用的な物なのかは少々疑問を感じます…。
まあ、不要だと思ったら外せば良いので、これに関しては実際に使う人がどう感じるかだと思いますが…。

エレベーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じ。
タレットロック機構が備わっており、ダイヤルを回す際には引っ張ってロックを解除する必要があります。

タレットロック状態
タレットロック解除状態

ダイヤルは1クリック辺り1/10MIL稼働、上下左右共に最大15MIL動かす事が出来ます。

ダイヤルはカチカチとしたクリック感があり、目盛りは0.1MIL刻み、1周で6MIL動きます。
尚、エレベーションダイヤルとウィンテージダイヤルの目盛りは同じです。

ダイヤルはゼロリセット機能付きで、コインドライバーで外す事が可能です。
ゼロイン後、目盛りの0を合わせる事でゼロを動かしても簡単に元に戻す事が出来ます。

パワーノブはこんな感じで、4、5、6、8、10、12、14、16と倍率の表記が入っています。
ノブの操作はかなりスムーズというか軽いです。

8倍と10倍の間辺りにスローレバーを取り付ける為のネジ穴が空いており、ここに付属のスローレバーを取り付ける事で、パワーノブの操作がかなりやりやすくなります。

接眼レンズ側はこんな感じで、左右にはVictopticsのロゴ、上面には4-16×44 FFPと視度調整ダイヤルの回転方向が記載されています。

視度調整ダイヤルはこんな感じで、回すと飛び出します。
また、接眼レンズ側の先端は窄んでいる特徴的なデザインになっています。(Vector Optics ForesterシリーズやVictoptics S6などで採用されているタイプのデザイン)

レンズコーティングと覗いたときの様子について

対物レンズ、接眼レンズのコーティングは共にグリーンマルチコート。
共に黄緑がかった明るい緑色ですが、接眼レンズ側は特に黄緑が強いですね。

本製品のレティクルは先述の通りFFPレティクルが採用されています。
レティクルの名前はVIS-FMIL。
形状はこの通り、非常に細かなミルハッシュ付きの物BDCレティクルになります。

4倍率と16倍率のレティクル形状
ミルハッシュの見方

覗いた時の様子はこんな感じ。
こちらは最低倍率の4倍率状態で、見ての通りフチはかなり細い事が分かります。
また、アイレリーフ・アイボックスも結構広めでアイレリーフは130mm程度と等倍ショートスコープ並のアイレリーフがあります。
レティクル形状はVIS-FMILという細かな目盛りが付いたBDCレティクルが採用されています。

FFPなのでレティクルは倍率を上げる事で拡大していきます。
また、倍率を上げる事でアイレリーフ・アイボックスは狭くなりますが、実用的ではないほど狭くはならず、結構高倍率な状態でも覗きやすい部類のスコープになっています。(流石に最大倍率状態だと結構狭い)

8倍率の状態
16倍率の状態

屋外で覗いた時の様子とパララックス検証

高倍率スコープは外で覗いてみないとなんとも言えない事も多いので、外で覗いてみます。
ターゲットにしているのは約100m先にある石です。

まずは倍率4倍率の状態。
色味に関しては比較的自然な感じですがちょっと肉眼よりも暗い像です。
また、中心付近の色収差は控えめですが、周囲は若干の色収差が発生している事が確認できました。
特にフチの方は結構激しい色収差が確認出来ます。

続いて8倍率の状態
中央が拡大される事もあり、色収差は控えめな感じ。
少し倍率を上げて使う事で、綺麗な像を視認出来るようになる感じですね。

最後に16倍率の状態です。
この倍率になると中央でも若干色収差が発生している事が確認出来ます。

ついでにこの距離でパララックス検証を行います。(倍率は4倍率の状態)
ここを基準に視点を上下左右に動かして、どの程度レティクルがズレるのかを見ていきます。

ケラれるギリギリまで動かした時の様子はこんな感じで、ちょうどターゲットの石から少しレティクルが外れてしまう感じです。

ターゲットの石のサイズがどの程度なのか分からないのですが、恐らく10cm程度だと思われます。
そう考えると100mで5cm〜6cm程度のズレが発生する可能性がある感じですね。

色収束の問題やパララックスの問題は価格帯による物でしょうね。


という訳で、Victoptics初のFFPスコープ、S4 4-16×44 FFP ライフルスコープ(OPFF-01)のレビューは以上になります。

光学性能としては価格帯的にそこまで良くはないですが、2万円を切る価格帯で最大16倍の倍率、しかもFFPのレティクルが採用されているのはかなり珍しいのでは無いでしょうか。
また、個人的にはオマケのような物に感じますが、大型なサイドフォーカスウェルが付属するのも面白い製品だと思います。

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