
Vector Optics GREZZLY 3-18x56i HD (SCOL-67)のレビュー
記事作成日:2025年5月30日
Vector Optics GREZZLY 3-18x56i HD (SCOL-67)をつぼみアームズ様よりお送り頂いたのでレビューしていきます。
本製品はVector OpticsのミドルローグレードのスコープであるGREZZLYシリーズの製品で、3〜18倍の倍率と56mmの対物レンズ径、イルミネーション付きのSFPレティクルが搭載されている製品になります。


つぼみアームズでの販売価格は38,100円(2025年5月現在)と、ミドルレンジクラスの価格帯の製品となっています。
ちょうどForesterやMarksman以上、Continental以下のグレードといった感じになるでしょう。
ベクターオプティクス Vector Optics Grizzly 3-18x56i HD SCOL-67【2025年モデル】グリズリーファイバーレティクル
付属品について
箱を開けるとこんな感じで、一番上に半透明の用紙にプロダクトデータが印刷されていたり、スコープ本体もカットされたスポンジの中にスコープが収められているので高級感があります。
内容物は説明書類とスコープ本体(バトラーキャップ付き)、ロングフード、スローレバー、コインドライバー、マウントリングです。



マウントリングは30mm径に対応した物で、高さは1.4インチ(36mm)です。


マウントリング本体とリング締め込み用のトルクスレンチが入っています。

Nightforce製風デザインのマウントリングで、Vector Opticsのエンブレムが掘られています。
リング内側は割と綺麗に整えられています。


スコープ本体の外観レビュー
という訳で、Vector Optics GREZZLY 3-18x56i HD (SCOL-67)の外観を見ていきます。
本製品には標準でバトラーキャップ装着されているので、外した状態で紹介していきます。

本製品は結構ずっしりした重量があり、スローレバーとイルミネーション用の電池(CR2032)を入れた状態で776g、そこにロングフードを追加すると832gの重量になります。


対物レンズ側はこんな感じで、内側にはねじ切りと乱反射防止用の段差が入っています。


ロングフードを装着するとこんな感じ。
尚、ロングフードにバトラーキャップを取り付ける事も可能です。


ロングフードを取り付ける事で、スコープの全長は425mm程度まで伸びます。

ハウジング周りはこんな感じ。
チューブ径30mm、ハウジング左側には輝度調節ノブとサイドフォーカスノブ、上と右側にはレティクル調整ノブが付いています。
また、ハウジング底部にはシリアルNOが入っています。



輝度調節ノブにはVector Opticsのエンブレム(廉価グレードに当たるモデルなので銀色エンブレム)が入っています。
ここはバッテリースペースになっており、外して中にCR2032を入れる事が出来ます。


輝度は1〜6の中から選ぶ事が可能で、交互に電源がON/OFFされる仕様になっています。

サイドフォーカスはヤード表記で目盛りは10、15、25、50、100、200、300、500、無限となっています。
尚、10ヤードよりも更に後ろ側に回す事も可能ですが、10ヤード未満でもちゃんとピントが合うようになる訳では無いようです。(そもそもこの目盛りの表記と実際にピントが合う距離が一致してない気がします…)
また、50〜無限までの間は間隔がかなり狭いです。



エレベーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じで、キャップが付いているので外してダイヤルを操作します。


ダイヤルは1クリック1/10MIL動き、最大で上下左右共に28MIL動きます。
カチカチとしたしっかりしたクリック感のあるダイヤルです。


レベーションダイヤルは1クリック1目盛りで、1回転させる事で10MIL動きます。
ウィンテージダイヤルも同様に1クリック1目盛りですが、連番ではなく右左の回転方向ごとに数字が打たれる仕様(0、1、2、3、4、5、4、3、2、1という感じ)になっています。


パワーノブはこんな感じで、3、4、5、6、8、10、12、15、18と倍率の表記が入っています。



6倍と8倍の間、7倍程度の所にスルーレバーの取り付けネジ穴が開いています。

スローレバーを取り付けるとこんな感じ。
スローレバーには滑り止めの凹凸が付いており、しっかり指に引っかかる仕様になっています。


接眼レンズ側はこんな感じで、左にはVector Opticsのロゴ、右には製品名が入っています。


視度調整ダイヤルの回転方向は接眼レンズ上部に+-が書かれており、+方向に回すと飛び出します。



レンズコーティングと覗いた時の様子について
レンズコーティングは対物レンズ・接眼レンズ共にグリーンマルチコートが施されています。
共に少し濃い目な緑色〜黄緑色のコーディングが確認出来ます。


3倍率の状態はこんな感じで、アイレリーフは70mm程度でアイボックスもそれなりな感じ。
極端に覗きやすい訳では無いですが、至って無難なライフルスコープのアイボックスがあると思います。
レティクル形状はシンプルな十字形状(German G4 ファイバーレティクル)です。

最大倍率(18倍率)にしてもアイレリーフはそこまで変わらず65mm程度の距離から覗く事が可能でした。(アイボックスは結構狭い)
ただ、フチは少し太くなりますね。

イルミネーションを点灯させるとこんな感じで、レティクルの中央が光るシンプルな仕様になっています。


尚、輝度は結構高めで屋内だと輝度1の状態でも十分明るく、曇り空の屋外だと輝度2で十分な輝度がありました。
明るい環境でも輝度5で十分イルミネーションが視認出来るので、かなり明るいイルミネーションが採用されていうようです。
逆に薄暗い環境だと輝度1の状態でも少しまぶしいです。
レンズの歪みとパララックス検証(2.5m)
3倍率スコープだとピントが合わず出来ない事も多いのですが、サイドフォーカスを10ヤードにする事で意外とこの距離からでもギリギリピントが合ったのでレンズの歪みとパララックス検証を行ってみます。
レンズの歪みはかなり控えめな感じで、ほんの僅かに魚眼レンズ感がある程度です。

この状態で視点を上下左右に動かしてみるとこんな感じ。
結構歪みはしますが、レティクルのズレは許容範囲内に収まっています。

屋外で覗いてみた様子
という訳で、屋外で覗いてみた様子も紹介します。
ターゲットにしているのは約100m先にある10cm程度の大きさの石です。
尚、レティクルのイルミネーションは点灯させた状態にしています。(輝度設定は4)
3倍率の状態はこんな感じ。
色味は少し浅いですが、色収差に関する大きな問題は起きていないように感じます。

6倍率の時はこんな感じ。
この倍率まで上げると少し色収差が確認出来、特にレンズ周囲のズレが結構激しい印象があります。

12倍率の時はこんな感じ。
今度は色収差は気にならなくなります。

18倍率の時はこんな感じ。
ピントが微妙に合っていないのはサイドフォーカスの調整の問題だと思います…。(この倍率でこの距離の物を綺麗に写そうとすると、かなりシビアな調整が必要)

この状態で視点を上下左右に動かし、パララックスを調べてみます。
結果、わずかに石からは外れていますが、ズレは5cm以下に収まっている感じがします。

という訳で、Vector Optics GREZZLY 3-18x56i HD (SCOL-67)のレビューは以上になります。
この倍率比かつ、対物レンズサイズで38,100円という価格帯としては十分な性能を持っていると思います。
像に関しては価格帯が直接反映されている感じはありますが、パララックスも控えめなので十分実用的なレベルにはなっていると思われます。
また、最近の同社で売りにしているファイバーレティクルのお陰で明るい屋外でもイルミネーションレティクルの視認性が損なわれていないのが大きな特徴かと思います。

ベクターオプティクス Vector Optics Grizzly 3-18x56i HD SCOL-67【2025年モデル】グリズリーファイバーレティクル