
スカウトスコープの紹介とライフルスコープとの見え方比較
記事作成日:2025年7月4日
スカウトスコープ、もっと普及して欲しいので久しぶりにスカウトスコープネタの記事を書きます。
という訳で、今回は特性の異なるスカウトスコープ2種と、至って普通のライフルスコープの比較になります。

今回比較するのはLeupold VX-Freedom 1.5-4×28 IER Scout Duplex、Burris Scout Riflescope 2-7x32mmという2種類のスカウトスコープ。
Leupold VX-Freedom 1.5-4×28 IER Scout Duplexはスカウトスコープの中でもアイレリーフが少し短めな機種(それでもライフルスコープよりもかなり長いです)、Burris Scout Riflescope 2-7x32mmはスカウトスコープらしい、かなり長いアイレリーフを持っています。


ライフルスコープは無難な倍率比の機種として、Trijicon AccuPoint 3-9×40 Riflescopeを選びました。

すべての製品で倍率比が大きく異なる製品ですが、今回は同じ倍率で覗いた時の様子を比較しながら紹介していきます。
スカウトライフルとスカウトスコープについて
という訳で、まずはスカウトスコープとは何なのかという所から。
スカウトスコープというのは一言で言うと、『極端にアイレリーフの長いスコープ』です。
一般的なラインナップでは無い機種ではありますが、割といろいろなメーカーから発売されている製品です。
特に民生向けのスコープを主軸に製品展開をしているメーカーなら1、2種類は出していますね。
逆にOEMに頼っているメーカーのラインナップではあまり見かけない気がします(OEM元がスカウトスコープを作ってないからかも)
スカウトスコープというのは、”スカウトライフル”用のスコープになります。
ちょっと歴史の話をすると、スカウトライフルというのは1980年代初頭にジェフ・クーパーによって定義された汎用ライフルの概念的なカテゴリで、
- .308ウィンチェスター(7.62×51mm)弾を使用するボルトアクション カービン銃
- 全長39インチ(991ミリメートル)以下
- 銃身19インチ(483ミリメートル)以下
- 重量7ポンド(3キログラム)以下
- アイアンサイトと光学サイトの両方を備えている
などの特徴があります。
このスカウトライフルに乗せる為のスコープが、スカウトスコープです。
とは言え、別にスカウトライフル以外に乗せても言いと思いますが…。
スカウトスコープのアイレリーフが極端に長い理由は、ライフルのレシーバー上部へのアクセスのしやすさを担保する為とされています。
一般的なボルトアクション カービン銃はマガジン装填方式ではなくクリップ装填方式を採用している為、レシーバー上部に光学サイトを設置してしまうと装填がし辛く(出来なく)なってしまいます。
この手の製品はマガジンを用いる製品でもクリップ装填に対応してたりします。

https://www.alloutdoor.com/2015/01/27/brass-stacker-mosin-scout-rifle/
https://www.alloutdoor.com/2014/05/19/updating-guns-accept-optics/
スコープがエジェクションポートよりも前側に付いている為、普通のスコープではまともに覗けないような距離にスコープが配置される事になり、かなりユニークな見た目になります。

https://hi-luxoptics.com/blogs/further-information/hi-lux-optics-2-7x-ler-scout-scope-features-drop-compensating-308-win-reticle
https://www.alloutdoor.com/2014/05/19/updating-guns-accept-optics/
Kar98K用のスコープであるZF41などのスコープもジャンルで言うとスカウトスコープに近いです。(この時代にはスカウトライフルという定義が無かったので、厳密にはスカウトスコープとは言えないと思いますが…)
スカウトスコープのメリットについて
これには一定のメリットもあり、若干フロントヘビーになるお陰で結構取り回しが良くなるんですよね。
特に銃本体が軽いと、スカウトスコープを取り付ける事により銃のバランスがかなり良くなります。


自分も何度かスカウトスコープを装着したボルトアクションライフルを使っていますが、単純な構えやすさだけでもライフルスコープを普通にレシーバー後方に取り付けるよりも良いと思います。



肉眼で索敵し、サッと構えて撃つ。
アイアンサイトでの照準に近い感覚で狙うことができるのが、スカウトスコープの面白い所です。
スカウトスコープのデメリットについて
スカウトスコープにはシンプルなデメリットがあります。
それが、極端に視野角が狭く、像が小さいという点です。
比較については後述しますが、接眼レンズがかなり前側に付いている為、単純に像が小さく見えます。
スコープの用途の1つとして、狙うだけではなく索敵に使うという使い方があると思いますが、そういう目的ではかなり使いづらい製品で、基本的には肉眼で索敵を行い、見つけた所を狙うという運用方法になります。

スカウトスコープとライフルスコープの比較
という訳で、スカウトスコープとライフルスコープを比較していきます。
例えば、40m先のマンターゲット大のターゲットを狙うと、ライフルスコープだとこのような感じで見えます。(倍率は3倍)
アイレリーフは実測で70mm程度とライフルスコープとしては無難な距離があり、見え方も至って普通な感じです。

同じ距離からスカウトスコープでターゲットを覗くとそれぞれこんな感じになります。
Burris Scout Riflescope 2-7x32mmはアイレリーフが実測で250〜300mmもあり、Leupold VX-Freedom 1.5-4×28 IER Scout Duplexは200mm程度あります。
見ての通り、かなり遠くにスコープが配置されている事が分かります。


像のサイズを合わせるとこんな感じ。
左からTrijicon(ライフルスコープ)、Leupold(スカウトスコープ)、Burris(スカウトスコープ)です。
順に視野角が狭くなっていっている事が分かります。

このように、広範囲を見渡すことができるライフルスコープとは全然違い、ピンポイントのみ拡大されるのがスカウトスコープの特徴です。
という訳で、スカウトスコープについて紹介してみました。
おもしろい製品なので、スコープ集めてる人なら1台は持っておいて損はないと思います。
自分は今のところ30台程度のスコープを持っていますが、うち2台はスカウトスコープですし、意外とサバイバルゲームやファスガンでの登場頻度が高いです。
普通に使いやすいんですよ…。