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NovelArms Absolute MPS1 1倍プリズムサイトのレビュー

記事作成日:2025年10月21日

NovelArms製のマイクロプリズムサイトシリーズは2024年3月に『Absolute MPS3』、2024年8月に『SURE HIT MPS1』、2024年10月に『SURE HIT MPS3』と数カ月期間を置いて発売されていきましたが、1倍率仕様の上位機種である『Absolute MPS1』だけはかなり遅くなったようで2025年9月に発売されました。

本製品は1倍率のプリズムサイトで、ハウジングが小型ないわゆる「コンパクト プリズムサイト」というカテゴリーに属する製品になります。

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付属品について

箱を開けるとこんな感じで、大量の付属品と共に入っています。
内容物はプリズムサイト本体(レンズカバー付き)にキルフラッシュ、各種ライザープレート、手回し式のマウントベース、取り付け用ネジ、L字六角レンチ、説明書、クリーニングクロスです。

説明書には写真付きで使用方法が記載、保証書も入っています。

キルフラッシュやライザープレートなどの詳細は後述します。

Absolute MPS1本体の外観レビュー

という訳で、Novel Arms Absolute MPS1を見ていきます。

対物レンズ・接眼レンズを保護する為のラバー製のレンズカバーが付いており、カバーにはNovelArmsのロゴが入っています。

Absolute MPS1本体はこんな感じで、予めオフセットのマウントベースとQDマウントが付いています。

対物レンズ側はこんな感じ。
レンズサイズ(20mm)に対してハウジングの外径がかなり大きく、二重構造みたいな形になっています。
外側にはキルフラッシュを取り付ける為のネジ切りがされており、内側には反射防止の凹凸が付いています。

ハウジング左側はこんな感じでラバーで出来た輝度調節ボタン(△▽の突起)が付いています。
また、輝度調節ボタンは+側(△側)に小さな突起が付いています。
MPS1と斜め下側に入っています。

輝度調節は12段階(うち2段階はNVモード)となっています。

なお、ボタンは若干下側に向いていました。
こういう仕様なのか個体差なのかは分かりませんが、触った時にちょっと違和感がありますね。

はジング上部は少し凹んでいます。
デザインの為の物なのか構造上必要な物なのかは分かりませんが、MPS3ではこの窪みが接眼レンズ側に入っています。

ハウジング右側はバッテリー収納スペースになっており、CR2032が入っていました。

エレベーションダイヤル・ウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じ。
それぞれ「U」と「R」、回転方向を示す矢印が印字されており、1クリックで1MOAレティクルが動きます。
最大の調節幅は上下左右共に80MOAあります。

しっかりしたクリック感のあるダイヤルで、コインドライバーやマイナスドライバーなどで回す事が出来ます。

ハウジング底部にはシリアルNOが記載されています。

接眼レンズ側はこんな感じ。
視度調整ノブはかなり大幅に動かす事が出来るようです。

マウントベースについて

冒頭で紹介した通り、マウントベースは後ろ側に大きくオフセットされた物が付いた状態になっています。(丁度マウント1つ分オフセットされている)
レールへの固定部はQDマウント仕様です。

分離させるとこんな感じ。
マウントベース部とライザープレート部でそれぞれネジが付いています。

パット見のフットプリントはキャリングハンドル規格のように見えますが、若干異なっています。
というより、あえて互換性を無くすような設計になっており、中央に突起が付いているのが本製品の特徴で、Absolute MPS3でも同様の仕様になっていました。

その為、キャリングハンドルへ取り付ける場合は突起を削る必要があります。
この突起さえ無ければACOGマウント(ミニACOG用)とかにも取り付けられそうなんですがね…。

付属のマウントベースやフットプリントについて

本製品には2つのマウントベースと4つのライザープレート、取り付け用のネジが付属しています。
マウントベースはQDマウントとナットを回して締め込むタイプの2種類、ライザープレートは3段階の高さ+オフセットされているプレートの4種類です。
ネジは4種類で各2本ずつ、一番短いネジは予め使われているものも含めると6本になるので計12本のネジが同梱されています。

この大量の付属品がAbsolute MPSシリーズの特徴です。

このライザープレートの組み合わせでマウントを様々な高さにする事が出来ます。
説明書に記載されているようなレイアウトの他、長いネジさえ用意すれば複数のライザープレートを重ね合わせてかなりの高さを稼ぐ事も出来るようになります。

説明書に記載されている物が全てでは無く、別にオフセットされているプレートを使わずにマウントの高さを上げる事も出来ます。

ちなみに、フットプリントに前後の向きは無いので、前後逆に取り付ける事も出来ます。

なお、ライザープレートやマウントベースの固定に使用するネジは、「このライザープレートの時はこのネジ」と大まかに決まっていますが、取付時にはマウントベースやライザープレートを装着した状態でねじ山の先端がどの程度飛び出すかで使うネジを決めれば良いと思います。

写真の量飛び出していれば「使えるネジ」で、飛び出し量が少ないとそもそもハウジングを固定出来ず、逆に飛び出し量が多すぎると限界まで締め込んでも隙間が出来てしまいしっかり固定する事が出来ません。

なお、ライザープレートを一切付けず、手回し式のマウントベースを取り付けた状態の見た目はこんな感じ。
ドットサイトのローマウントベース状態並に低くなります。

レンズコーティングについて

対物レンズのコーティングは青っぽい感じ、接眼レンズ側のコーティングはよくあるグリーンマルチコートの濃い緑〜黄緑色系のコーディングが施されています。

対物レンズ側から斜めに覗き込むとプリズムの構造と固定用と思われるネジなどが確認出来ます。

覗いた時の様子について

覗くとこんな感じ。
プリズムサイトはドットサイトと違って構造がスコープのようにレティクルが印刷されたレンズが付いているので、イルミネーションを点灯させていない状態でもレティクルが見えます。

なお、カタログスペックのアイレリーフは118mmとなっていますが、この距離以外でもちゃんと覗けます。
ケラレるギリギリな状態だと250mm程の距離で覗いても問題はありませんでしたし、近づけると60mmの距離でもギリギリケラれず覗けます。

アイボックスも広めで結構覗きやすい印象がありました。

レティクル形状はこんな感じで、ホロサイトで採用されている事でおなじみのサークルレティクルになっています。
中央のドットは1MOA、サークルは65MOAとなっています。
ドットは1MOAと極小ですがサークルの線は少し太めで2〜3MOA位ありそうな気がします。

電源OFF状態
イルミネーションON状態

なお、最大輝度にするとレンズ全体がぼんやり赤くなる程度の輝度があります。

キルフラッシュについて

本製品にはキルフラッシュが付属します。
キルフラッシュの目は程よく細かめで、レンズの反射を抑える為の効果がある他、被弾対策にも出来そうな目の細かさがあります。(とは言え、被弾したらキルフラッシュが変形しますが…)

キルフラッシュを取り付けるとこんな感じになります。

キルフラッシュを取り付けた状態で覗くとこんな感じになります。
若干薄暗くなる外、キルフラッシュの模様が視認できます。

視点を上下左右に動かしたり前後に移動させたりするとこんな感じ。
覗き込む角度によって模様がグイグイ動くのがかなり気になりますが、1倍サイトだと仕方ないですね。

レンズの歪みとパララックス比較について

いつもどおり、2.5m先のモニターを覗いてレンズの歪みやパララックスを見ていきます。

まず、レンズの歪みに関しては特に気になるような歪みは確認でませんでした。
中央からフチの方まで、方眼状の模様がしっかり見えています。
ただし、この距離で見ると若干拡大したように見えます。(1.1倍位)

視点を上下左右に動かすとこんな感じ。
アイレリーフが広くてアイボックスも広いのは良いのですが、それなりにパララックスはあるようです。
とは言え、許容範囲である円と重なる程度なので、そこまで大きな問題にはならないでしょう。

Absolute MPS3との外観比較

最後に、軽くAbsolute MPS3との外観比較を行っていきます。(写真左側がMPS1、右側がMPS3)
MPS1は1倍率、MPS3は3倍率という倍率の違いがありますが、ハウジングサイズはMPS3の方が小さく感じられます。
というか、実際MPS3の方が圧倒的にスリムです。

それ以外の違いとしては、エレベーション・ウィンテージダイヤルのレイアウトがMPS1は接眼レンズ側、MPS3は対物レンズ側に寄っていたり、バッテリー収納スペースがMPS1はハウジング右側、MPS3は左側に付いているなどの違いがあります。

なお、重量(マウントベース無し、電池入り)はMPS1が177g、MPS3が172gと若干MPS1の方が重いです。
この辺りはハウジングのサイズが影響しているような気がします。

MPS1
MPS3

対物レンズ側はこんな感じ。
MPS1のハウジングが大きく感じられるのはここの大きさが明らかに違っているからでしょうね。
また、レンズコーティングが異なっている事も分かります。

ちなみに、長さは若干MPS1の方が短いです。

フットプリントは同じです。
双方共にマウントベースに互換性があります。

とは言え、付属するライザープレートの種類なども同じなので、特段マウントベースを組み合わせるメリットは無いと思います。
付属するライザープレートを全部使い、長いネジを用意すれば物凄い高さには出来ますが…。

他の細かな違いとしては接眼レンズ側、視度調整ノブのデザインがMPS1とMPS3で違っていたりします。
わざわざ変える必要がある物でも無いと思うので、これは設計時期の違いでしょうかね。
MPS1の視度調整ノブのデザインは最近のNovel Arms製スコープで採用されている、Vortexっぽいデザインになっていますね。


という訳で、Novel Arms Absolute MPS1のレビューは以上になります。

これでようやくNovel Arms製のコンパクト プリズムサイトシリーズが全部出揃いましたね。
今後も機種が増えるかも知れませんが…。

そのうち、Absolute MPS3とSURE HIT MPS3の比較を行ったような感じで、Absolute MPS1とSURE HIT MPS1の比較記事も書いてみようと思っています。(少し先になると思いますが…)

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