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HTG M4E1 ATOM(先行量産型)の細かな改修と発生した故障について

記事作成日:2026年4月15日

エアヲタ5での検証・給弾周りの調整記事の後、少し時間が空いてしまいましたが、先行量産型のHTG Airsoft M4E1 ATOM Replica Toyの検証は引き続き行っており、相当数動作させています。

HTG Airsoft M4E1 ATOM Replica Toy(先行量産型)

その中で、いくつか気になった箇所がでてきたり故障も発生したので、検証結果と改善について紹介していきます。
※本記事で紹介する内容についてはHTG側にも共有しており、製品版では改良された状態で発売される可能性があります。

当記事で紹介するのは一般販売向けの物では無く、あくまで先行量産分の製品になります。
一般販売向けモデルとは一部仕様が異なっている可能性がありますので、その点ご了承下さい。

ロッキングラグの破損対策

まず以前記事にしたロッキングの破損についてです。
先行量産型のHTG Airsoft M4E1 ATOM Replica Toyに同梱されていた切削版のロッキングラグはテイクダウン状態で動作させると割れてしまうという事が発生しました。

このパーツを組み込み後、テイクダウンさせた状態で動作させていた所、「バキン!」という音を立てたのです。
見ての通り、後ろ側が引っ張られるような形で割れている事から、ボルト後退時にここに負荷が掛かって割れたのだと思われます。

これについて、少し気になった箇所がありました。
まず、このロッキングラグを固定する為のパーツに僅かに遊びがあり、ロッキングラグがガタガタ動く状態になっている点です。
ここのガタツキを抑える事が出来れば、多少なり負荷は軽減するのではと思い、厚さ0.5mmのゴム板(結構硬め)を貼り付けてみました。

これで厚さ3.00mmだった所が3.50mmになり、ロッキングラグにギュッと圧入されるような形になりました。
樹脂や金属などの硬い材質ではなく、クッション性のあるゴムにする事によって衝撃によって割れるという事も抑えられるかなと思い、この素材にしています。

純正は厚さ3.00mm
ゴム板を貼り付けて、3.50mmに

この状態で動作させてみた所、テイクダウンした状態で動作させても何の問題も無くなりました。
尚、気温の問題で割れる可能性があるという話しを伺っていたので、試しに冷蔵庫の中にロアレシーバーを暫く入れておき、冷やした後での動作でも割れる事は無くなりました。

この調整を行った以後、相当数動作させていますが破損するような問題は起きていないのでこれで改善出来たのかなと思います。

HOPダイヤルの緩み対策について

動作検証をしていた所、HOPダイヤルが少し緩むという事が発生していました。
それについて相談した所、追加で2種類のイモネジを提供して頂いたのでそれらを試す事にしました。

上から順に樹脂ネジ、プリコーティング(緩み止め処理)されたイモネジ、純正イモネジです。
純正イモネジは普通のイモネジと異なり、先端が円錐状になっています。

まず、HTG ATOMのHOP調節ネジとアジャスターの構造ですが、イモネジ先端の鋭角な部分がHOPアジャスターの面と接触する事で緩み止めを行うという構造になっています。
しかし、フルオート時に発生するような細かな振動が連続すると少し回転してしまうようです。

まず、樹脂イモネジですが、緩み止めの効果は確かにありましたが、HOP調節時にネジ頭が痛むリスクが高そうな印象があったので、これは無しかなと思いました。

HTG ATOMはチャンバー上部にイモネジが付いており、アクセスがあまり良くはないので、ネジ頭に真っ直ぐ六角レンチを差し込むのが困難というのも、樹脂製ネジ頭の使用が合っていない気がしました。

特にボールポイントなどを不適切な角度で押し込んだりする可能性は十分に考えられるパーツなので、樹脂イモネジの選択は不適切と言えるでしょう。

続いて、プリコーティングされたイモネジについてはこれで全然良いのでは?と思える程度にはしっかりした緩み止め効果がありました。(そのための処理ですし当然と言えば当然ですが…)

相当数動作させてもHOPダイヤルの緩みは発生しなかった為、純正のイモネジ形状に加えプリコーティングを行う事でより良くなると思われます。

チャンバー外側の面取りについて

HTG ATOMのチャンバーはOリングによって固定されているのですが、何度も分解・組み立てを行っている中でOリングに傷が付いている事に気づきました。

HTG ATOMのHOPチャンバー
HOPチャンバーには2つのOリングが使用されている

どうやらチャンバーに付いている溝のフチが尖っており、ここでOリングにダメージが入っているような感じだったので、耐水ペーパーを使って少し削りました。

テイクダウンピン・ピポッドピンの抜けについて

開封レビュー時点でも触れ、HTGから改修対応が既にアナウンスされていますが、やはりテイクダウンピンとピポッドピンはかなり抜けやすい印象がありました。

先日ファスガンで使ってみた所、ほぼ毎ゲーム写真の位置までピンが抜けている状態でした。

恐らくこの状態で使い続けると完全に脱落してしまう事になるので、やはり抜け防止は必要ですね。
これに関しては製品版での改修に期待です。

ローディングノズルの破損について

HTG ATOMは重量弾使用時に弾上がりが悪くなるという事を以前紹介しましたが、給弾ルートを改善する事でこの問題はある程度解決出来ました。
少なくとも0.43g弾でも問題無く給弾が出来るようになったので、普通に使う上では特に気にする必要は無くなったと思います。

それでも、もっと弾上がりが悪い状況で動作させるとどうなるのか?が気になったので、自分が所持している中でもっとも弾上がりが悪い構成で検証してみる事にしました。

組み合わせはこちら。
S&T製のゼンマイ給弾式多弾数マガジンのゼンマイを少しだけ巻いた状態+BLS 0.43g バイオBB弾です。

S&T製のゼンマイ給弾式多弾数マガジンはゼンマイをしっかり巻いておけばちゃんと弾が上がってくれるのですが、ちょっとしか巻いていない状態だと極端に弾上がりが悪くなります。
BLS 0.43g バイオBB弾に関しては、通常は問題の無い弾なのですが今回検証に使用する個体は表面のワックスが消し飛んでいるような状態で、表面がサラサラとした肌触りで強く握ると指先に白い粉末が付着するような状態になっているので、めちゃくちゃ弾上がりの悪い組み合わせでの検証ではもってこいな状態になっています。

ちなみに、東京マルイのスタンダード電動ガンですら給弾不良が発生するような組み合わせです。
スタンダード電動ガンであれば、給弾が出来ずに不発になるだけなのですが、給弾周りの構造がGBBに近いHTG ATOMでは別の問題が発生しました。

この組み合わせをHTG ATOMで試した結果、ローディングノズルが破損しました。
リップ部からチャンバーにBB弾を流す為の棒状のパーツがポッキリ折れてしまいました。

これに関しては意図的に極端に弾上がりの悪い環境を作って検証しましたが、HTG ATOMを使用する際はマガジンやBB弾の弾上がりについては気をつけた方が良いという事が分かりました。

これに関しては、どのような銃でも同じ事が言えますが、ATOMの場合はパーツの破損に直結するので、特に気をつける必要がありそうです。

軸受とセクターギアの破損について

更に動作検証、もとい耐久テストを行っていた所このような現象が発生するようになりました。
シアーの動作が安定していないような動作で、ピストンが後退してもシアーに引っかからずにシリンダーと一緒に前進してしまうという事が発生しました。

HTGの技術部担当の方に確認した所、こうなる原因は下記のものが挙げられます。

  • セクターギアのカットオフカムの摩耗に伴う、シアーの動作不良
  • シアースプリングのヘタリ及び折損によるシアーの動作不良
  • ロッカーアームの摩耗やシアーバーの破断によるシアーの動作不良
  • 電子基板の故障(ブレーキFETや磁気センサーの不具合・故障)による停止位置の不安定化

原因を究明する為に分解した所、セクターギアの軸受が破損している事が分かりました。
HTG ATOMは軸受の9mmのボールベアリングを採用しているのですが、この通り完全に破損しています。

基板を取り外した所。
ボールが外れ、明らかに軸の中心がズレている
メカボックスを開くとボロボロになったボールベアリングが…

どうやら軸受が破損した事によりセクターギアに付いているカットオフカムとロッカーアームと呼ばれるシアーを解放する為のアームへの接触がおかしくなり、シアーの動きをおかしくしていたのだと思われます。

ロッカーアーム

軸受が破損した状態でも一応は動作していた(ギアが回っていた)のが奇跡ですが、残念ながらセクターギアのシャフトは歪み、スパーギアにも若干の擦り傷が発生していました。
軸受の破損が発生していた側のシャフトが斜めになっている事が分かります。

スパーギアの方はギアの交換が必要な損傷では無いものの、セクターギアは使い物にならない状態になっています。

ちょっと趣味嗜好の話しが絡んでくるんですが、個人的に電動ガンの軸受にボールベアリングを採用するメリットは無いと思っています。
1秒間に何百回転もするようなベベルギアならまだしも、1秒間に多くても2〜30回転しかしないセクターギアにボールベアリングを採用しても恩恵は殆ど無いと思っています。

また、恩恵が無くとも強度が十分に確保されているならボールベアリングで全然良いのですが、中華製ボールベアリングは品質が安定せず、このような軸受の破損が発生する事が度々あるので、もし採用するなら信頼性の高いちゃんとした軸受メーカーの製品(それこそNSK、NTN、MNBなどの日本産が理想)である事が重要だと思っています。

また、経験上RetroArmsのボールベアリング(ドイツ製)もこのような破損は起きたことが無いですし、聞いたことも無いので、信頼できるメーカー品なら問題が無いと思っています。

その為、個人的には軸受に関しては中華製ボールベアリングを使う位ならメタルかPOMなどの一体成型やスチールなどの粉末焼結(ソリッドブッシュという形状)の方が信頼性が高いと思っています。

という訳で、補修パーツとしてソリッドブッシュのスチール製軸受を提供して頂き、組み込みました。

尚、製品版では軸受の仕様変更を検討しているという事です。

また、セクターギアに関しても変形してしまったので、こちらも補修パーツを提供して頂きました。
ギアセットを頂きましたが、今回交換するのはセクターギアのみです。

軸受もギアも交換する事になったので、セクターギアのシム調整を行います。
特にボールベアリングからソリッドブッシュに変更する事によってセクターギアの遊びは大きく変化します。

これでギアの交換は完了です。
尚、ギアや軸受にはG.A.W. Gグリースを塗布しています。

ラックギアの破損について

セクターギアの破損に伴い、ピストンがシアーに掛からずシリンダーとピストンが同時に前進するという問題が発生していましたが、これの問題はラックギアにも発生していました。

ラックギア前側に付いている左右の突起が折れてしまっていました。
これによりラックギアが本来の停止位置よりも少し前側まで飛び出すようになってしまい、恐らくこのまま動作をし続けているとメカボックスを変形させたり、そのまま給弾ルートやノズルなどの破損に繋がる可能性がある状態でした。

どうやらラックギアのこの部分はシリンダーとピストンが同時に前進する事による衝撃で割れてしまうようで、今回はセクターギアの軸受の問題が根本的な原因でしたが、シアースプリングが弱くなったり、ロッカーアームやシアーバーの動きがおかしくなった場合でも発生する可能性があるようです。

という訳で、もしピストンとシリンダーが同時に前進するような状況になったら使用するのをやめ、修理した方が良いでしょう。
尚、ピストンとシリンダーが同時に前進する際は明らかに動作音がおかしいので、気づく事は可能です。

自分は検証の為、動作の再現をする為に動かしすぎて割れたのだと思います。

補修パーツとして、先述したセクターギアや軸受と併せてシアースプリングと、ロッカーアームのテンションを強める為の4mmステンレスボールをお送り頂きました。
シアースプリングに関しては念の為交換を行いましたが、ロッカーアームのテンションを強める為の4mmステンレスボールは一旦使わない形にしました。

引き続き動作検証を進めていき、ロッカーアームの戻りに問題が起きているような感じだったら追加してみようと思っています。

という訳で、これらのパーツの組み込みを行い、再度正常に動作するようになりました。

動作はこんな感じ。
軸受、セクターギア、ラックギアなどの破損したパーツの交換を行い、元通りスムーズに動作するようになりました。

ギア周りの修理後の動作テストと燃費について

修理後、相当数の動作とファスガンで使ってみましたが、特に問題無く使えています。

尚、1300mAh(14.34Wh)のLiPoバッテリーで1日使ってみた結果バッテリーの消費は26%程度でした。
ブラシレスモーターが組み込まれている事もあり、燃費はかなり良いですね。


という訳で、中間報告…という訳では無いですが、数カ月間で色々検証した事と起きた事などを紹介しました。

引き続き何をすればどう壊れるのかというのを検証してみる事にします。
色々と普通の電動ガンとは異なる種類の製品なので、検証のしがいがありますね。