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EVOLT RSに対応した新型H.T.G. 無限ブラシレスモーター(試作機)のレビュー

記事作成日:2026年7月16日

以前、東京マルイ EVOLT専用のH.T.G. 無限ブラシレスモーターをレビューしましたが、こちらのブラシレスモーターはEVOLT RS発売前に作成された製品という事もありEVOLT RSでは安定動作させる事が出来ない物で、EVOLT RS/EVOLT両対応になった新しい無限ブラシレスモーターの開発が進んでいます。

という訳で、今回はEVOLT RSに対応した新型のH.T.G. 無限ブラシレスモーターをお送り頂いたので検証、レビューしていきます。

今回お送り頂いた製品はあくまで試作品であり、今後販売される予定の製品版とは付属品に関する仕様が異なっている可能性があります。
製品版は別途、発売されたらまた記事にしようと思っています。

今回お送り頂いたのは東京マルイ EVOLT(リコイル無し)及び東京マルイ EVOLT RS(リコイル有り)の両方に対応した仕様に変更された製品になります。

内容物はブラシレスモーター本体と専用の磁石、ネジ、L字のモーターコネクタ、熱収縮チューブです。
尚、ネジは2本映っていますが実際に使用するのは1つです。(こちらは停止位置微調整用の物で、製品版には磁石と同様に同梱されない予定との事です)

尚、ブラシレスモーター自体の外観の仕様は従来品から大きく変わっていません。
回転数を変更出来るHモード、Lモードの切り替えスイッチも付いています。

仕様変更箇所は下記の通りとなっています。

  • モータータワーの軸径を9.5mmから9.6mmに変更(これにより従来品と比較して個体差によって発生するギアのうなり音を軽減する事が出来ます)
  • 回転数の変更(変更については現時点では非公開情報)

EVOLT用無限ブラシレスモーターを使用する上で必要な加工について

まず、大前提としてEVOLTに無限ブラシレスモーターを使用するには、下記の加工が必要になります。

  • モーター端子をY字端子からL字の110ファストン端子に変更
  • グリップ底蓋の加工

この加工は以前紹介したEVOLT専用無限ブラシレスモーターと同じなので、詳細は割愛します。

モーターピンを使用できるように、端子をファストン端子に変更する必要がある
モーターに差し込んだファストン端子を逃がす為に、底蓋を削る必要がある

また、モーター位置の調整も必須になります。
モーター位置は純正モーターであるEG1000BR使用時よりも下げる必要があるので事前に下げておくのが良いと思います。

尚、モーター位置調整は最初のうちはなるべくピニオンギアやベベルギアにダメージが入らないようにセミオートで動かして調整、異音が少なくなってきたタイミングでフルオートに切り替えて細かな調整を行う形が良いです。

これらの加工や調整に加え、新型のEVOLT用無限ブラシレスモーターではセクターギアのネオジウム磁石の位置変更も必要になります。

セクターギアの磁石の位置変更と磁石固定用ネジの加工について

東京マルイ EVOLT/EVOLT RSのセクターギアにはカットオフ検知用の磁石が組み込まれています。
新型のEVOLT用無限ブラシレスモーターを使用するにはこの磁石の位置を変更する必要があります。

従来型のモーターではH設定の場合はネオジウム磁石の位置を変更する必要が無かったのですが、新型はこれが必須になります。

ネオジウム磁石の位置は1、2、3の3種類(1が純正の位置)だけだったのですが、本試作機に同梱されているネジ(M2.5x5mmの六角穴付きボルト)を使用する事で、1’、2’、3’の箇所(赤字箇所)にも追加する事が出来るようになります。

という訳で、まずは推奨位置である2のポジションに磁石を取り付けていきます。

このポジションにする事で大きなオーバーランが発生せずに使用する事が出来ますが、MS・LiPoバッテリー スティックタイプ仕様時で若干ローディングノズルが後退した状態でセクターギアが停止するようになります。
尚、ギアの停止位置はHモードでもLモードでも特に変わりはありませんでした。

写真の通り、タペットプレートを動作させる為のパーツが少し後退した状態でセクターギアが停止する為、若干ローディングノズルが引かれた状態になります。
給弾不良が起きたり二重給弾が起きたりするほどの物では無いですが、この状態でマガジンを入れ替えると初弾が装填されずに空打ちになります。

ノズル前進状態
セクターギア停止状態

また、この状態でテイクダウンした後アッパーレシーバーを閉じるとノズルを後退させるタペットプレート的なパーツがアッパーレシーバーに干渉して閉じる事が出来ないので、ギアを逆回転させてタペットプレートの位置を定位置に戻す必要があります。

セクターギア停止状態のタペットプレート位置
赤矢印方向にギアを回し、タペットプレートを定位置に戻す必要がある

この問題を解決するにはM2.5x5mmの六角穴付きボルトを使用する必要があります。
今回は試作品の検証用として同梱されていますが、先述の通りこのネジ及び磁石は製品版では同梱されないので、微調整を行いたい場合は個別に別途用意する必要があります。

尚、純正の固定ネジがタップネジなのに対し、六角穴付きボルトはミリネジの為ネジ山を彫りながら取り付ける事になります。
そのため純正ネジと六角穴付きボルトを何度も交互に組み替えたりしているとネジ穴がどんどん駄目になっていくので、基本的に何度も組み替えるような事はしない方が良さそうです。

六角穴付きボルトに置き換えると、ネジ頭の先端が若干飛び出します。

この飛び出し量(約0.5mm)分ネジ頭を削る必要があります。
削ったネジをセクターギアに取り付け、六角穴に同梱されている磁石を取り付けます。

尚、磁石を取り付ける際には極性に気をつける必要があります。
元々取り付けられている磁石と同じ向きに取り付けないと、検知エラーを起こしてカットオフされなくなってしまいます。
※EVOLTの安全装置として一定時間カットオフ検知が行われなかった場合、ギアが停止するので、エラーになるまで回り続けます。

この通り、磁石の大きさはかなり小さく、ネジやセクターギアに引っ張られてしまうので取付時にクルッと回転してしまわないように気をつけながら取り付ける必要があります。

尚、ネジ頭に取り付けた磁石を取り外すには極性を合わせたより磁力の強いネオジウム磁石を別途用意する必要があります。
取り付けた磁石を取り外せないとネジ位置を変更する事すら出来なくなります。

ネオジウム磁石の位置ごとの動作について

という訳で、まずは出荷状態の磁石位置(磁石位置の変更無し)での動作から試します。

テイクダウンさせた状態では丁度セクターギアがピストンのラックギアから離れ、ピストンが解放された瞬間に停止するような挙動でした。
無負荷状態という事もあり、オーバーランしてこの位置で停止しているように思えます。(ピストンを引いている最中に停止しているように見える為)

その為、ピストンの負荷が追加されるとギアの停止位置が変わります。
この動画の通り、テイクダウン状態であればギアの停止位置は問題無いのですが、アッパーレシーバーを閉じて動かすとピストン後退途中でカットオフされてしまう事になります。
そのままバックラッシュして停止するので、

  1. ギア回転
  2. ピストン引き始めでカットオフ検知
  3. バックラッシュしてカットオフ検知前の位置にセクターギアが移動

の動きを繰り返すのでBB弾を発射させる事が出来ない動きが繰り返されます。

EVOLTでの動作
EVOLT RSでの動作

この通り、ギアの停止位置がおかしい以前にBB弾を発射させる事も出来ない状態になるので、磁石の取り付け位置の変更は必須と言えるでしょう。

推奨位置である『2』に取り付けた様子は先述したので、今回は1’、2’、3’の位置のうち、『1′』の所に取り付けた様子を紹介します。
丁度ラックギアと接触する歯の中央に付いているネジの箇所です。

今回、色々と検証してみた結果従来品のEVOLT専用ブラシレスモーターではHモードの際には純正位置(1の位置)、Lモードの際に2の位置に磁石を取り付けていましたが、新型では『1』と『2』の間に取り付けるのが良さそうです。

この状態のギアを組み込み、動かしていきます。
セクターギアの停止位置はセクターギアがラックギアに接する前に停止します。

上記がEVOLT、EVOLT RS並びに複数のバッテリーやバッテリー残量が減った状態のバッテリーなどで動作テストを行い、全環境で安定動作させる事が出来たネオジウム磁石の位置になります。

尚、他の位置についても触れておきます。
まず2及び2’の位置だとノズルやピストンを引いている途中(引き始めの状態)でセクターギアが停止してしまいます。
この状態だとノズルが若干引かれた状態で停止し、2’の位置ではピストンが若干引かれ、ボルトが半開きになった状態で停止します。
『2』の位置は先述の通り、ノズルが少し引かれるだけなので大きな問題はありませんが、マガジン交換後の初弾が空打ちになる場合があります。

2’の位置に磁石を取り付けた様子
2’の位置に磁石を取り付けた際の停止位置

続いて3及び3’の位置の紹介です。
この位置でもピストンは後退状態で停止しますが、タペットプレートは前進状態で止まります。
もしEVOLTをプリコッキング状態で運用したいなら、逆転防止ラッチを取り付けた上でこのポジションで使うのが良いかも知れませんが、詳しい検証は行っていないので他の問題が起きるかも知れません。

3’の位置に磁石を取り付けた様子
3’の位置に磁石を取り付けた際の停止位置

尚、EVOLT RSの場合リコイルウェイトがロッドで押し下げられている状態で動作を停止する事になり、EVOLTにはプリコッキング解除機能なども無いので、テイクダウンが出来なくなりかなり面倒くさい事になります。(モーターを外してギアを逆回転させてからテイクダウンする必要がある)

その為、EVOLT RSではこの位置に磁石を設置するのは推奨されないでしょう。

無限ブラシレスモーター使用時の発射サイクルについて(EVOLT/ EVOLT RS)

という訳で、セクターギアの磁石位置を変更し、無限ブラシレスモーターを組み込んだEVOLT及びEVOLT RSを動作させていきます。

検証に使用したバッテリーは下記2種類。

  • 東京マルイ MS・LiPo 7.4V 800mAh スティックタイプ
  • ReVoltage 7.4V 1200mAh 45-90C

尚、ReVoltageに関しては変換コネクタを使用しています。

東京マルイ EVOLTの動作について

冒頭でも紹介した通り、モーターには2つのモードが付いており「Hモード」と「Lモード」です。

Hモードは回転数が高く、Lモードは回転数が低いという訳です。

Hモード
Lモード

まずは東京マルイ MS・LiPo 7.4V 800mAh スティックタイプでの動作から紹介します。

Hモードでの発射サイクルは24.4発、Lモードでの発射サイクルは18.7発と、EG1000BRと比べるとHモードでは大幅なサイクル向上、Lモードでは秒間1発程度のサイクル向上といった感じで、Lモードに関してはEG1000BRに非常に良く似た発射サイクルという結果になりました。

Hモード
Lモード

続いて、ReVoltage 7.4V 1200mAh 45-90C使用時の動作です。

こちらのバッテリーはMS・LiPoのスティックタイプよりも出力が高い為、発射サイクルは高くなります。
まず、Hモードでの発射サイクルは25.7発、Lモードでの発射サイクルは19.7発という結果になりました。

Hモード
Lモード

従来のEVOLT専用ブラシレスモーターではHモードの回転数が非常に速く、柔らかいピストンスプリングを組み込んだり高CレートのLiPoバッテリーを使ったりするとピストンクラッシュの可能性があったのですが、本製品ではかなり控えめな発射サイクルになっているので、その辺りの問題も少なそうですし、特にLモードは純正モーターと近い挙動になるのも良いと思います。

尚、純正モーターに近い回転数とは言っても、ブラシレスモーター特有の立ち上がりの素早さは健在なので、セミオートのキレはかなり良くなっているので、ブラシレスモーターのメリットを体感出来る仕様にはなっています。

東京マルイ EVOLT RSの動作について

続いて、EVOLT RSの検証を行います。

こちらもまずは東京マルイ MS・LiPo 7.4V 800mAh スティックタイプでの動作から紹介します。

Hモードでの発射サイクルは21.6発、Lモードでの発射サイクルは17.6発と、EVOLTの時と同様にEG1000BRと比べるとHモードでは大幅なサイクル向上、Lモードでは秒間1発程度のサイクル向上といった感じで、Lモードに関してはEG1000BRに非常に良く似た発射サイクルという結果になりました。

Hモード
Lモード

続いて、ReVoltage 7.4V 1200mAh 45-90C使用時の動作です。

こちらのバッテリーはMS・LiPoのスティックタイプよりも出力が高い為、発射サイクルは高くなります。
まず、Hモードでの発射サイクルは23.2発、Lモードでの発射サイクルは18.8発という結果になりました。

Hモード
Lモード

動作の様子はこんな感じ。
ブラシレスモーター特有の立ち上がりの良さEVOLT RSの少しもっさりした動作も無くなりキビキビ動くようになります。
リコイルバッファーの移動速度も上がっている事から、リコイルもかなり強く感じられるようになり撃っていてより楽しい仕様になったと思います。

Hモード
Lモード

尚、具体的にどの程度立ち上がりが変わっているのかという比較を行います。
まずHモードに関してはモーターの回転数が大幅に上昇しているという事もあり、回転数の大きな変化の無いLモードでの比較を行います。

EVOLT RSの動作音をオーディオスペクトラムに起こしたのがこちら。
上のスペクトラムが純正モーター+MS・LiPoバッテリー スティックタイプ使用時の様子、下が無限ブラシレスモーター+MS・LiPoバッテリー スティックタイプ使用時の様子です。

上:純正モーター、下:無限ブラシレスモーター(Lモード)

約0.02〜0.025秒(20〜25ミリ秒)程、ピストンの打撃音が速く鳴っています。
「たったこれだけかよ」と思うかも知れませんが、コンマ1秒でも速く弾を出したいシーンにおいてはかなり大きな差かと思われます。

尚、発射サイクルに関する検証結果を一覧でまとめると下記の通りです。

EVOLTの検証結果まとめ

  • MS-LiPo(Hモード):24.4RPS
  • MS-LiPo(Lモード):18.7RPS
  • ReVoltage(Hモード):25.7RPS
  • ReVoltage(Lモード):19.7RPS

EVOLT RSの検証結果まとめ

  • MS-LiPo(Hモード):21.6RPS
  • MS-LiPo(Lモード):17.6RPS
  • ReVoltage(Hモード):23.2RPS
  • ReVoltage(Lモード):18.8RPS

従来品のEVOLT専用 H.T.G. 無限ブラシレスモーターの今後

EVOLT RSに対応した新型H.T.G. 無限ブラシレスモーターの発売に伴い従来品のEVOLT専用ブラシレスモーター(htg-motor-008)の発売がどうなるのかと言うと、特に変わらず販売が続けられるとの事です。

従来品のEVOLT専用ブラシレスモーター
EVOLT専用ブラシレスモーターの型番はhtg-motor-008

本記事で紹介している新型モーターはあくまでEVOLT RS用として販売される物になり、バリエーションとそれぞれの特徴は下記の通りになります。

  • EVOLT専用無限ブラシレスモーター(htg-motor-008):Hモードでは調整不要、Lモードは磁石位置変更必要、サイクル高め、EVOLT専用でEVOLT RSは非対応
  • 新型の無限ブラシレスモーター(本記事で紹介している物):Hモード、Lモード共に磁石位置の変更が必要、サイクル低め、EVOLT/EVOLT RS両対応

尚、EVOLT専用無限ブラシレスモーター(htg-motor-008)は技術的にはEVOLT RSへマグネットを本記事で紹介している『1’』の位置に変更し、Lモードで使用することで動作は可能ですが、ピストンの摩耗が著しく早くなるため、この使用方法は推奨していないとの事です。

本記事で紹介している新型のブラシレスモーターは、『EVOLT RS向けに最適化し、あわせてEVOLTでローサイクルを楽しみたいユーザーにも対応したモデル』という位置付けとなるようです。


という訳で、EVOLT RSに対応した新型H.T.G. 無限ブラシレスモーター(試作機)のレビューは以上になります。

従来品と違い、ギアボックスを空けて磁石を入れ替える事が必須になった為、組み込み難易度は上がっているものの、EVOLTメカボックスの分解・組み立てが行えるならそこまで難しい作業では無いと思います。
むしろコネクタ交換の方が難易度としては高いでしょう。

という訳で、こちらの製品も近々製品版が発売される予定のようで、製品版が発売されたらまた記事にしようと思います。

オマケ1:EVOLT RSのメカボックス取り外しについて

EVOLT RSは配線がストックチューブに固定されており、配線を取り外すにはリコイルバッファーを取り外し、ストックチューブに固定されている配線を外す必要があるのですが、単純にメカボックスをロアレシーバーから取り外すだけであれば、ストックチューブ側の分解は不要です。

グリップやセレクターレバーなどを外した状態で、ボルトリリースボタン、ハンマーピン、底部のネジを外し、そのままメカボックスを浮かせ、基板を外せばメカボックスをロアレシーバーから取り外す事が出来ます。

1. メカボックスを浮かせる
2. 基板が外せる程度に取り出す(配線はストックチューブに繋がった状態)
3. トリガースイッチを外し、基板を固定しているネジを外す

オマケ2:NKG BCMグリップ+7.4V 450mAh LiPoバッテリー仕様時について

検証用の構成ではなく、自分が使っているEVOLT RSの構成でも試してみました。
グリップは2026年7月現在で発売されている唯一のEVOLT専用社外製グリップである『NKG製 東京マルイ EVOLT用BCM GUNFIGHTER MOD.3タイプ グリップ』、バッテリーはストックチューブ末端の小さな窪みにセルの半分程度を収納出来る小型なLiPoバッテリー、『Crazepony 7.4V 450mAh 80C/160C』です。

NKG製 東京マルイ EVOLT用BCM GUNFIGHTER MOD.3タイプ グリップ
Crazepony 7.4V 450mAh 80C/160C

尚、NKG製 東京マルイ EVOLT用BCM GUNFIGHTER MOD.3タイプ グリップはグリップ内部のクリアランスが予め広く取られている為、配線を逃がすための加工は必要ありません。

モーターの設定はLモード(低サイクルモード)にしています。
動作の様子はこんな感じ。

発射サイクルは毎秒17.4発程度になりました。
尚、燃費はEG1000BRよりも大幅に向上しており、試射で3マガジン程動かしましたが、それでもバッテリー残量は80%でした。(EG1000BRの時は50%を切っている)