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色々とバージョンアップしたPfalcon、iRay PFN640+ V2のレビューと初期型との比較

記事作成日:2025年2月18日

iRay PFN640+ V2を知人からお借りしたのでレビューしていきます。
PFN640+ V2はPFN640+ことiRay RH25 Pfalcon640の後継機種で、外観はほぼ同じですが初期型で不満だった箇所が色々とアップデートしているモデルになります。

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当記事ではPFN640+ V2の外観や基本的な性能に加え、初期型との比較も行っていきます。

付属品の紹介

という訳で、内容物はこんな感じ。
本体とマウント、アイカップ2種、説明書、クリーニングクロス、ゼロイン用ターゲット、工具類・ネジ類、スルーレバー、低頭電池カバー、充電器、USBケーブル、ヘッドマウントです。
※セミハードケースに入っている状態でお借りしているので写真に映っているのは付属品の全てではありません。

基本的な付属品は初期型のPFN640+と同じですが、新たに『取扱説明書』『ゼロイン用ターゲット』『スルーレバー』が追加されているのが大きな違いかと思います。

なぜ初期型には説明書が付属しないのかが謎なんですが、V2では説明書が付属するのはありがたいですね。(初期型はネットで探す必要があった)
説明書は英語で書かれており、基本スペックやボタンの使い方、UIの見方などが写真付きで紹介されています。

ゼロイン用ターゲットはこんな感じで、『Heated Target for Zeroing』と書かれています。
中身はいわゆるカイロで、2~4分程度で発熱し、20〜40分程度持続するようです。(使い方は後述します)

カイロ本体はこんな感じ。
大きさは6x6mmの円形で裏面には粘着テープが貼られている為、ターゲットに貼り付ける事が出来ます。

スルーレバーはこんな感じで、対物レンズに取り付ける事でフォーカス調節がやりやすくなります。
材質は樹脂、対物レンズのフォーカス調整リングにはめ込む仕様です。

尚、付属品の追加だけではなく仕様が変わっている物もあります。

例えばマウントベースの構造は初期の頃から変わりないものの、マウント固定部がQD仕様になっています。
EoTechやVortexなどのメーカーが採用しているタイプのQDレバーが付いています。

尚、マウントに付いているリコイルを低減する為のダンパー機能は健在です。

アイカップも形状が変わっています。
ただの平らだったアイカップがヘッドマウント用に顔の形状に沿った物に置き換わっています。

バッテリーの充電器やケーブルにもちょっとしたアップデートがあり、端子がUSB-Cになっていました。
尚、初期型に付属していたUSBとBNC端子が付いたケーブルは同梱していません。(本体側のコネクタ形状が変更された為でしょう)

尚、AC/DCアダプターは海外仕様なので、日本国内で使う場合これは使えません。
一応100V〜240V対応なので変換すれば使えますが、普通に社外製の国内準拠のACアダプターを使った方が良いと思います。

PFN640+ V2本体の外観レビュー

という訳で、PFN640+ V2本体を見ていきます。
PFN640+は比較的コンパクトなサイズのサーマルイメージャーで、ヘッドマウント、手持ち、ガンマウントと様々な使い方が可能な製品になります。

対物レンズ側はこんな感じ。
25mmのゲルマニウムレンズが付いており、その脇にはバッテリーケースが付いています。

対物レンズの外周を回す事でフォーカスの調節が出来るようになっています。
ここに付属のスルーレバーを取り付けると操作しやすくなります。

フォーカス調整リング
スルーレバー装着時

尚、スルーレバーを取り付けた状態でもレンズカバーの装着は可能です。

対物レンズとバッテリーケースの間にはUSB−C端子が付いています。
ここにUSB-Cケーブルを繋ぐ事で本体の充電や録画データのコピーなどが行えます。

バッテリーは18650及び18700のリチウムイオン電池を1本使用します。
今回はKepPowerの18650電池を使用しました。

ハウジング上部にはボタンが3つ並んでいます。
ボタンはラバーで出来ており、上から電源ボタン、メニューボタン、カメラボタンです。
この3つのボタンを組み合わせて操作します。(同時押しをしたり、長押しをしたり、メニューの状態によってボタンの意味が変わったりします)

ハウジング左右はこんな感じで、特に何も無いですね。

ハウジング底部にはマウント固定用のネジ穴が2つ付いています。
ここに付属のマウントベースを取り付けます。
尚、ACOGなどに採用されているキャリングハンドル規格にも似ていますが、独自規格マウントです。

付属のマウントベースを取り付けるとこんな感じになります。

接眼レンズ側はこんな感じ。
ディオプター左下には3つの穴が空いており、ここがマイクになっています。
マイクが付いている事で、音付きで録画が出来ます。

ディオプターはこんな感じ。
ここを回す事で視度調整を行う事が出来ます。

アイカップを取り付けるとこんな感じ。

接眼レンズはこんな感じ。
レンズコーティングはグリーン系のマルチコートで青系の反射も確認出来ます。

覗いた時の様子とUIについて

PFN640+は非常に大きな接眼レンズが付いており、アイボックスの広さが特徴だと思います。
詳しくは比較時に紹介しますが、初期型の比じゃない位に大きなアイボックスがあり、とても覗きやすい仕様になっています。

画面表示のモードは2種類あり、1つが単体で使用するモード、もう1つがクリップオンモードです。
クリップオンモードにすると画面が一回り小さくなり、レティクルの表示機能が無くなります。

単体使用(ガンマウント)モード
クリップオンモード

また、単体仕様モードはゼロイン調整でレティクルの位置を動かせますが、クリップオンモードの場合は画面の位置が動きます。

メニューは複数の階層になっており、1階層目のメニューでは画面の色、明るさ、コントラスト、画面の明るさの調節、レティクルに関する設定が出来ます。

レティクルは7種類、明るさは6段階、色は白・黒・赤・緑の4色、保存可能な設定は3種類+100m・200m・300mの3種類のゼロイン設定を保存可能です。

メニューから設定したレティクルは本製品を単体使用する場合にのみ表示されます。

2階層目のメニューではWiFi/Bluetooth/マイク/録画機能などのON/OFF設定や距離をmかヤードか、方位計や角度計の表示設定、ストレージの初期化や出荷状態に戻す設定、画素欠陥補正、バージョン情報の確認などが行えます。

尚、クリップオンモードだといくつかのメニューが無くなります。(レティクルの設定とか)

サーマルイメージャーとしての性能について

という訳で、PFN640+のサーマルイメージャーとしての性能を紹介します。
初代の頃から最早モノクロ映像みたいな感じの高解像度な像を得る事が出来た製品ですが、V2でもそれは健在。

録画機能にはマイクが内蔵されている為、音付きで録音が可能です。
とは言え、少し籠もった感じの音でそんなに音質は良くないです。

尚、ズーム機能は付いていますがデジタルズームなので拡大しても荒くなるだけです。
正直あんまりメリットを感じない機能ですね。

1倍率
2倍率
4倍率

尚、色表示を変更するとこんな感じ。
左上から順にブラックホット、レッドホット、カラー、パープル、レッド、グリーンです。

  • ホワイトホット:黒が冷たく、白が熱い
  • ブラックホット:白が冷たく黒が熱い
  • レッドホット:黒→白→黄色→赤の順で熱い
  • カラー:青→緑→赤の順で熱い
  • パープル:ホワイトホットベースで中間色が紫色
  • レッド:ホワイトホットベースで中間色が赤色
  • グリーン:ホワイトホットベースで中間色が緑色

熱源を捉える製品という事もあり、肉眼で視認しづらい状況でも熱源があれば視認可能です。
例えば、日陰かつ茂みの奥に人が立っていても肉眼だとほぼ視認出来ませんが、サーマルイメージャー越しであれば視認可能です。

実際にサバイバルゲーム中の様子を観戦台から撮影した様子はこんな感じ。
同軸で配置しているスマホのカメラには映っていない(映っていても識別しづらい)人もしっかり捉える事が出来ている事が分かります。

また、このように煙で視界不良が起きている状態でも煙の奥が見えます。
熱が透過していれば何でも透けて見えるのが、サーマルイメージャーの強みです。

逆に熱が透過しない物は見えないんですがね…。
窓ガラスとか…。

ボタンの操作性とUIの操作方法について

続いて、ボタンの操作性とUIの操作方法について紹介します。

外観紹介で説明した通り、本製品は本体上部に付いている3つのボタンを使って操作を行います。
操作方法は説明書にも記載されていますが、現在の画面表示状況に応じて動作が変わったり長押しや同時押しをする事で動作が変わったりして直感的な操作性とは無縁のインターフェイスとなっています。

例えば、ボタン単体を押した時の動作はざっくりこれ位あります。

同時押し、同時長押しは『電源ボタンとメニューボタン』、『カメラボタンとメニューボタン』の2つの組み合わせがあります。

最低限これらのボタンの操作方法が分かっていれば、本製品の操作は可能になると思います。
正直、理解をするのではなく「触って慣れる」が良いと思います。

ゼロイン用のターゲットについて

付属品であるゼロイン用ターゲットこと、カイロを試してみます。
シューティングレンジのターゲットに貼り付けてみました。

狙うとこんな感じ。
ホワイトホットで覗いている状態です。
ターゲットの中央に白い丸が確認出来ます。

1倍率
2倍率
4倍率

尚、ゼロインモードはメニューのレティクル設定から行えます。
100m用、200m用、300m用のゼロイン設定を保存する事が可能で、ゼロインモードに入ったらX軸とY軸を選択して、何cm動かすかを入力していきます。

録画データの転送方法について

撮影した写真・動画ファイルはUSB-CでPCに繋ぐ事で転送する事が出来ます。
PFN640+ V2をMacに繋ぐと『Infiray』というデバイス名のカメラとして認識する為、写真アプリやイメージキャプチャでの取り込みが可能です。
ただし、リムーバブルディスクとしては認識されないようなので、ストレージには表示されません。
※Windowsだとどうなるのかは未検証ですが、おそらく同じようにカメラデバイスとして認識される物と思われます。

コンピュータ上の表示とイメージキャプチャでの見た目
写真アプリでの見た目

初期型PFN640+との比較

という訳で、初期型とV2で異なっている箇所を紹介します。

まずはスペックの差。
センサーサイズは縦方向がV2の方が32px小さくなっているようです。
ただしフレームレートはV2で60Hzになり、ディスプレイサイズは大幅に向上しています。
尚、微妙な変化ですが、重量が30g軽くなっているようです。

センサー640×512/12um
レンズf25mm
NETD<40mk
フレームレート50Hz
FOV17.5° x 14°
バッテリー18650 1個
ディスプレイ1024x768px, 0.39inch
内部ストレージ64GB
射出瞳径>15mm
射出瞳距離>8mm
視度調整範囲-4〜+4
重量355g
サイズ105 x 65 x 48mm
保護等級IP67
初期型
センサー640×480/12um
レンズf25mm
NETD<15mk
フレームレート60Hz
FOV17.2° x 13.7°
バッテリー18650 1個
ディスプレイ1440x1080px, 0.71inch
内部ストレージ64GB
射出瞳径
射出瞳距離>15~42mm
視度調整範囲-5〜+2
重量325g
サイズ115 x 65 x 48mm
保護等級IP67
V2

前側、対物レンズやバッテリーケース部に関しては特に違いは有りませんが、初期型についていた謎のレンズ(レーザーサイトという情報がありますが、有効化させる方法は不明)の所がUSB-C端子になっています。

右側面もパット見同じですが、脱落防止用のワイヤーが取り付けられそうなリング部がV2では無くなっています。

初期型
V2

左側面はこんな感じで、初期型に付いていた7ピン端子が無くなっています。
V2ではこれがUSB-Cになっているので、左側面の端子が無くなっているのは必然でしょうね。

初期型
V2

スイッチ回りにも違いがあります。
初期型は全てのボタンが同じ高さで、真ん中のメニューボタンだけ少しズレて配置されているだけだったのですが、V2ではズレている上に高さも高くなっています。
これによりボタンの触り心地で区別する事が出来るようになっています。

初期型
V2

UIの操作性は相変わらずの悪さですが、一応工夫はされている感じです。

接眼レンズ側はこんな感じ。
V2ではレンズが大きくなっている他、マイクが追加されています。

接眼レンズの大きさの違いはこの通りで倍以上のサイズになっている他、レンズコーティングも変わっています。
また、ディオプターは初期型がアルミ地肌そのままなのに対し、V2はラバーで覆われています。

起動とシャットダウンの比較はこんな感じで、V2は倍以上早い速度で立ち上がります。
シャットダウンも初期型が電源長押し後に表示されるダイアログの操作が必要だったのに対し、V2では電源長押しだけで出来る上に数秒で電源が落ちます。

更に、V2にはスリープモードが搭載されており、シャットダウン後は電池の抜き差しをしない限り、電源ボタンを押した瞬間に起動するので、起動時間は0秒と言って良いレベルの速度で起動します。

これはかなり有り難い仕様で、サーマルイメージャーはバッテリーの消費が激しいので使わない時はスリープさせ、使う時に電源ONにしたいという事が多々あります。
初期型は起動に時間が掛かるのでこの手間が大きかったのですが、V2ではスリープモードのお陰で電源ON/OFFが瞬時に行えます。

覗いた時の様子はこんな感じ。
初期型のガンマウントモードでは丸型の映像なのに対し、V2ではディスプレイ一杯に映像が表示されています。

初期型
V2

また、アイレリーフに関してはコレくらいの差があります。

初期型のアイレリーフ
V2のアイレリーフ

動画で撮るとこんな感じ。

続いて、熱源の認識性を見ていきます。

こんな感じで、三脚にホッカイロを引っ掛けて離れた所で撮影してみました。

尚、初期型とV2で撮影した画像の解像度が異なるので、比較画像の大きさも異なっています。
ご了承下さい。

まずは30mの距離から。
しっかりホッカイロの熱が認識出来ている事が分かります。
尚、若干コントラストが異なっているのは設定の問題です。

尚、倍率を上げるとこんな感じ。
共にズームはデジタルズームなので解像度は落ちます。

もっと離れて、撮影場所の最長距離で撮影を行いました。
ターゲットまでの距離は96mで、肉眼だと点でしか見えない距離です。

この距離で覗くとこんな感じ。
ホッカイロとの間に焚き火で暖を取ってる人とかも映り込んでいますが、それでも奥のホッカイロはしっかり認識可能です。

倍率を上げるとこんな感じ。
こう見るとしっかりホッカイロが認識出来ている事が分かると思います。

ちなみに、これはめちゃくちゃ細かい違いなのですが、初期型は拡大する時にズームするアニメーションがあったのですが、V2はこれが無くなっておりパッっと切り替わります。
実用的にはアニメーションとか要らないので、V2の方が良いですね。

社外製専用マウントの紹介

最後に、オマケがてら『InfiRay Outdoor RICO MICRO PICTAIL Helmet/Weapon Shoe』と『InfiRay Outdoor Rico Micro MQD Mount American Defense』も一緒にお借りしたのでこちらも軽く紹介しておきます。
iRay USA及びInfiRay Outdoorを社外と言って良いのか分からないですが、オプションパーツとしてこのようなQDマウントが販売されています。

InfiRay Outdoor RICO MICRO PICTAIL Helmet/Weapon Shoeはこのような感じで20mmレールとダブテールが一体型になっているようなマウント形状をしています。
ダブテール部にはiRay USAのロゴが入っています。

PFN640+ V2に取り付けるとこんな感じ。

InfiRay Outdoor Rico Micro MQD Mount American DefenseはAmerican Defense製のQDレバーが上下に付いた製品で、20mmレールと先述したInfiRay Outdoor RICO MICRO PICTAIL Helmet/Weapon Shoeを連結する為の部品になります。

組み合わせるとこんな感じ。


という訳で、色々とバージョンアップしたPfalcon、iRay PFN640+ V2のレビューと初期型との比較は以上になります。

とにかくV2は覗きやすさと作動性(特に起動速度)の向上が凄いです。
UIに関しては改善が見受けられないですが、一応ボタンのデザインが変わっていてちょっと操作性は良くなっているので、改善出来る範囲での改善は行っているようです。

そもそも3つのボタンだけで多機能なサーマルイメージャーを操作する事に無理があるんだと思います…。
UIの操作性を良くするにはハウジングのデザイン自体を変更しないといけないでしょうね。

引き続き、V2のレビューは行います。
次の記事ではタンデム運用(クリップオンモード使用)時について紹介しようと思います。
等倍プリズムサイトやショートスコープ、ドットサイトなどいろいろな光学機器と組み合わせた際の見え方を紹介しようと思っています。

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