
HTG ATOM M4E1とE&C E-BOLT 633-EBSの内部パーツや構造の違いを比較していきます
記事作成日:2026年2月17日
ほぼ同時期に発表されたHTG ATOMとE&C E-BOLTは内部構造も似通っている事から、内部に関しては共通なのでは?という噂がされていました。
実際、テイクダウンした際の見た目はかなり良く似ており、自分はこれらの銃がどの程度互換性があるのか、どのような違いがあるのかに興味があったので両方の電動ガンを購入、分解を行っています。


というのも、HTG ATOMもE&C E-BOLTもAAFの系譜となる製品で、元々ジェルブラスター(水弾銃)として存在していた製品の発展型とも言える製品となっています。
その為、構造が似ているのは必然という訳ですね。
蛇足ながら、KWAがShotshow2026にて発表した『E-BOLT』はE&C製品と同じ名前ではあるもの内部構造が全く異なり、メカボックスの形状を見る限りAAFの系譜でも無さそうなので、完全オリジナルとも言える製品となっています。
という訳で、当記事ではHTG ATOMとE&C E-BOLTのパーツ構成的な違いを比較していきます。
尚、外装に関しては基本的に触れませんが、内部パーツの固定に使われるような外装パーツに関しては触れていきます。
また、当記事で紹介HTG ATOMは一般販売向けの物では無く、先行量産分の製品になります。
一般販売向けモデルとは一部仕様が異なっている可能性があり、付属の試作パーツではなくアップグレードパーツとして同梱されていたパーツを組み込んだ状態での比較となります。
その点、ご了承下さい。
HOP-UPとバレル周りの違いについて
一番大きく異なっているのはバレル周りの構造です。
HTG ATOMのインナーバレル・チャンバーはテイクダウンするだけで取り外す事が可能な仕様になっていますが、E&C E-BOLTはチャンバー周りがリアルな構造になっており、インナーバレル・チャンバーの取り外しにはハンドガードやアウターバレルの取り外しが必要になります。


バレル・チャンバーへのアクセスのしやすさは圧倒的にATOMですね。
尚、この構造故にHOP調節の方法も異なっています。
HTG ATOMはエジェクションポートから六角レンチを差し込んでHOP調節を行う仕様、一方E&C E-BOLTはハンドガードのM-LOKスロットの隙間からHOP調節ダイヤルを回して行う仕様となっています。


ハンドガードを外してしまえばE&C E-BOLTの方がHOP調節は楽ですが、ハンドガードを付けた状態であればATOMもE-BOLTも面倒くささはそんなに変わらないですね。
M-LOKスロットの穴は指を通せないので、結局どちらも工具を必要としますし、操作性に難があります。
先述の通りチャンバー周辺のアウターバレルの構造が大きく違っている為、一切の互換性は無いと分かると思います。
アウターバレルの構造が違っている上に、HOP-UP機構の構造も違っているという事は、チャンバー形状も大きく違っている事が想像出来ると思います。
HTG ATOMのチャンバーと、E&C E-BOLTのチャンバーはこんな感じ。
形も大きさも、全然違いますね。
尚、HTG ATOMはアルミの削り出し、E&C E-BOLTはダイカストという違いもあります。


という訳で、チャンバー周りは別物、アウターバレルも別物という事でフロントまわりのパーツの互換性は無いと思って良いでしょう。
尚、インナーバレル及びHOPパッキンに関しては共にGBB互換形状ですが、長さが違っています。
ATOMのバレル長は375mm、E-BOLTのバレル長は262mmと、E-BOLTの方が短くなっています。

また、ATOMはインナーバレルに付いている位置決め用の溝が妙に幅広な仕様になっており、E-BOLTは通常サイズという違いがあります。
HOP窓の形状もこの通り、かなり違っている事が分かりますね。(ATOMの方が窓が大きい)


インナーバレルに関してはE-BOLTの方が汎用性が高そうに思えます。
ATOMの方の規格が分かれば、互換品を探す事も出来るかも知れませんが、現時点では分かりません。
また、HOPパッキンに関しては、ATOMとE-BOLTで品質が全然違っていますが、共に一般的なGBB用のHOPパッキンと互換性があります。
形状的な違いはATOMには位置決め用の突起が付いていますがE-BOLTには付いていないので、もしE-BOLTのHOPパッキンを交換する場合は、突起の無い物を選択するか、切り落とす必要があります。


アッパーレシーバーのハンドガード基部の違いについて
アッパーレシーバーに関しても双方共に大きく異なるパーツでした。
まあ、チャンバー構造が異なっているので必然とも言えますが…。
見ての通り、バレル基部の形状が全然違います。
HTG ATOMの方が肉厚で、どちらともスタンダード電動ガンとは全く形状が異なっている事が分かります。


バレルナット固定部はこんな感じ。
HTG ATOMは相性問題が起きにくくなるようにねじ山が作られているようです。(ただし、VFC用とされているバレルナットの取り付けが出来なかったので、相性問題は何かしらありそう…)
E&C E-BOLTはミリピッチ(トイピッチ)となっています。


ストックの違いについて
意外な所として、ストックが違っています。
というより、HTG ATOMもE&C E-BOLTもどちらとも特殊な形状のストックになっており、共に専用品なのではないかと思われます。
HTG ATOMの方はロアレシーバーにねじ込まれる、リアルな固定方法に近い構造ですがネジピッチはミリピッチになっています。
E&C E-BOLTは一見スタンダード電動ガンと同じような形状をしていますが、30度ほど回転してストックチューブをロックした後キャッスルで突っ張るという特殊な固定方法が採用されています。


この特殊な構造により、HTG ATOMのストックチューブはスタンダード電動ガン形状でありながらねじ切りがちゃんと付いている物、E&C E-BOLTは固定部の窪みや配線逃がしの溝が30度程傾いているのが特徴です。


一般的なスタンダード電動ガンのストックはメカボックスと固定されている事が多いのですが、ATOM、E-BOLT共にメカボックスとは干渉しない固定方法になっています。
これに理由があるのかは分かりませんが…。
チャージングハンドルの違いについて
HTG ATOMとE&C E-BOLTのチャージングハンドルは形状が異なっています。
E&C E-BOLTはガッツリ肉抜きがされている事が分かります。


見て分かる通り、共に専用の形状をしていますね。
尚、ATOMのメカボックスにE-BOLTのチャージングハンドルを取り付ける事は出来ましたが、E-BOLTのメカボックスにATOMのチャージングハンドルを取り付ける事は出来ませんでした。


E-BOLTのメカボックスにATOMのチャージングハンドルを取り付けようとすると、ボルト上部の構造と干渉して、チャージングハンドル前側が浮いてしまいます。
メカボックスの違いについて
HTG ATOMとE&C E-BOLTのメカボックスは似ているように見えて実は全然違っています。
まず、メカボックスが削り出しかダイカストかという違いがありますし、形状もよく見ると色々違っている事が分かると思います。
まず、メカボックス左側はこんな感じ。
切削とダイカストという違いの他、形状もちょっと異なっている事が分かります。
基本的な形は同じですが、大きな違いは給弾ルート周りの形状でしょうか。


メカボックス右側はこんな感じ。
こちら側は左側以上に形状の違いが出ている気がします。
給弾ルート周りの形状は相変わらずですが、電子トリガー基板の上の形状が異なっており、E&Cの方はボルトリリースボタンがアンビ対応かのように貫通しています。(今後、アンビモデルも出てくるのかも)
また、メカボックスを固定しているネジの位置も微妙に違ったりしています。


まず軸受ですが、HTG ATOMは9mmのボールベアリング、E&C E-BOLTは8mmのボールベアリングが付いています。


また、ボルトストップ〜弾切れ検知機構、給弾ルートにも大きな違いがあります。
ボルトストップ〜弾切れ検知機構はこんな感じ。
HTG ATOMの方がかなりシンプルな構造をしており、弾切れ検知用の棒が薄いです。
また、E&C E-BOLTに付いているボルトのダンパー機構がHTG ATOMには搭載されていません。


給弾ルートの形状はこんな感じの違いがあります。
HTG ATOMはPOMの削り出しの一体構造、E&C E-BOLTはモナカ構造の成形樹脂でその形も大きく異なっている事が分かります。


セクターギアのカットオフカムによってシアーが解放される(ピストンが前進する)という構造は同じなのですが、部品の細かな形状が異なっています。
HTG ATOMの方はカットオフカムが接触する部分に肉盛りがされている事が分かります。


ギアにも違いが散見されます。
まずギア比は共に18:1で、タペットプレートに引っかかる棒が無い、検知用の磁石が組み込まれているなどの違いは共通です。
違いは材質とセクターの歯の枚数。
HTG ATOMはスチール切削、E&C E-BOLTはMIM成形です。
セクターギアの歯数はATOMが16枚、E-BOLTが17枚と、ATOMの方が1枚歯が少なくなっています(1枚セクカ状態)


セクターギア検知用のネオジウム磁石の位置はほぼ同じで、共に引き始めの歯の近くに設置されています。
また、シム調整に関しても大きな違いがあり、HTG ATOMは結構ぴったりな感じで調整されていますが、E&C E-BOLTは結構緩く、セクターギアの検知ミスが発生しない程度のシム調整しか行われていません。(恐らくテンプレートシム調整)
トリガーに関しては同じ形状ですが、削り出しかダイカストかの違いがありますね。


電装系パーツの違いについて
続いて、電装系パーツ(ETU、モーター)を見ていきます。
HTG ATOMもE&C E-BOLTも、何なら元祖と言えるAAFも電子制御が行われています。
HTG ATOMに搭載されている電子トリガーデバイスは『ATOM電子制御システム』としか述べられておらず詳細は不明ですが、E&C E-BOLTにはEshooter製の電子トリガーと、メーカー名が明確になっていますし基板上にもロゴが印刷されたシールが貼られています。
共に同じ形状の基板が組み込まれており、基板は全部で3枚構成でそれぞれの基板がピンヘッダーとピンソケットで繋がっています。
構成は下記の通り(基板ごとの名称が分からないので、基板1、2、3の番号で紹介していきます)
- 基板1:バッテリーの配線、モーターの配線が繋がっており、セレクターレバーの検知スイッチが付いている基板
- 基板2:IC素子が付いている基板
- 基板3:トリガー用の検知スイッチとボルトリリースボタン用の磁気センサーが付いている基板
基板1はこんな感じ。
この面にはMOSFET3枚と8ピンのソケットが確認出来ます。


裏面にはセレクタープレート位置検知用のスイッチが付いており、セミオート用とフルオート用の2つの検知スイッチが付いています。


基板2と基板3は2ピン+4ピンで接続されており、抜けないようにする為かオレンジ色のOリングで固定されています。
この基板でトリガー検知、ボルトリリースボタン位置検知、セクターギア検知を行っています。


見ての通り、基板1、2、3全て基板のレイアウトも使用されている素子も同じ(素子上の表記が確認出来る物は)なので、この基板の出元なり設計は同じなのでは?と思います。
しかも電子トリガーの設定方法も同じなので、中身のプログラムも同じ物では?と思います。
モーターはこんな感じで、HTG ATOMにはHTG Basic 無限ブラシレスモーター 28K(28000RPM)が組み込まれています。
一方E&C E-BOLTには19000RPMのハイトルク・ブラシモーターが組み込まれています。
共にスタンダード電動ガン用の一般的なモーターなので、これに関しては汎用規格の部品になります。


ただし、モーターの交換はギアとボルトの動作タイミングが狂うので、気をつける必要があります。
普通の電動ガンのピストンとギアの動きでも同じですが、ボルトの前進速度よりもギアの回転速度が早いとギアクラッシュに繋がってしまいます。
吸気系(ノズル、シリンダー、ピストン周り)の違いについて
最後に吸気系パーツの違いを見ていきます。
まずはノズルを抑えているロッキングラグ的なパーツから。
このパーツの役割は同じですが、形状が大きく異なっている事が分かります。
また、材質はHTG ATOMがPOM削り出し、E&C E-BOLTは成形樹脂です。


ローディングノズルの形状も大きく異なっており、HTG ATOMの方がリップから弾を押し出すパーツが薄くなっている他、ノズルの長さはATOMの方が長く、内径が若干狭くなっています。
逆にE-BOLTの方はノズルが短く、内径が広いですがかなり先端部が肉薄になっているので強度に不安があります。
こちらの材質もロッキングラグと同じでHTG ATOMがPOM削り出し、E&C E-BOLTは成形樹脂という違いがあります。


尚、HTG ATOMのノズル内側には気密を取る為のOリングが付いている、いわゆるシーリングノズル仕様になっていますが、E&C E-BOLTのノズルはOリング無しです。


また、HTG ATOMのノズルはボルトに固定されているのに対し、E&C E-BOLTのノズルはスプリングテンションで押し付けられる構造になっているという違いがあります。
どっちが良いかというのは正直分からないですが、E&C E-BOLTはノズル自体がダンパーの役割を担っているようです。

ボルトはこんな感じで、HTG ATOMはアルミ、E&C E-BOLTはスチールという材質の違いがありますが、ATOMでもスチールボルトの開発は進んでいるので、追々アップグレードパーツとして出る可能性はあります。
細かい所ですがボルト前側の削り込みがE&C E-BOLTには付いていなかったり、長さがほんの僅かに違ったりと、細かい形状の違いが存在します。

ボルトの材質が異なるせいで、重さが大きく違っています。
ATOMのボルトが41g、E-BOLTのボルトは109gと倍以上の重量差があります。


ボルト前側(ローディングノズルと接触する部分)の形状はこんな感じで、似てはいますがちょっと違う感じ。
ボルト上部のガイドレール固定部の形状も違っていますね。(この形状の違いにより、チャージングハンドルの互換性が無くなっている)


ボルト後ろ側、シリンダーになっている部分の形状はこんな感じで、シリンダー部の内径がほんの僅かに異なっています。
ATOMのシリンダー内径が約21.6mm、E-BOLTが約22mmと、E-BOLTの方がほんの僅かに大きかったです。

ボルト底部に引っかかるラックギアはこんな感じ。
ボルト以上に分かりやすい形状の違いがあり、長さが明らかに異なっています。
ATOMが長さ86.6mm、E-BOLTの方は長さ87.5mmと1mm程度長さが違っています。
また、形状も違っておりエジェクターロッドの位置も違っている事から全く異なる金型で作られている事も分かります。

ラックギアの歯にも違いがありました。
セクターギアの歯の枚数が違っている事にも影響しますが、ATOMは16枚歯仕様で1枚ラックギアが少なくなっています。
また、ATOMのラックギアは2枚目と3枚目が全部削られていますが、E-BOLTの方は3枚目が1/3程度削られているだけです。

ラックギアの長さが異なる事もあって、互換性にも問題が起きています。
ATOM用のラックギアはE-BOLTのボルトにに取り付けれませんが、E-BOLT用のラックギアはATOMのボルトに取り付ける事が出来ました。

しかしこれは、単に「取り付けられる」というだけでE-BOLT用のラックギアはATOMに取り付けるとボルトとラックギアはスカスカなのでこの組み合わせは推奨はされないでしょうし、実際に使った場合にどのような問題が起きるかは分かりません。


ピストンも見ていきます。
ピストンもかなり違っている事が分かります。
形状はもちろん、材質はATOMがPOM削り出し、E-BOLTはPA66のナイロン成形です。

ちなみに、ピストンの重量はATOMが18g、E-BOLTが15gと少しE-BOLTの方が軽いです。


ピストンヘッドの形状はこんな感じで、ATOMは側面吸気方式のピストンヘッドが採用、E-BOLTは後方吸気方式でピストンヘッドに特徴的なデザインの分厚いゴムが貼り付けられています。

E-BOLTに付いているゴムはダンパーの役割を担う物で、ATOMについていない理由は、ATOMのダンパー用ゴムはボルト内側に貼り付けられている為です。
尚、ATOMのピストンヘッドの直径は21mm、Oリングは外径約22mm、太さ約2.4mm、E-BOLTの方は直径21.3mm、Oリングは外径約22mm、太さ約2.4mmでした。
サイズはほぼ同じ感じですね。
ピストン後部、シアーに引っかかる部分の形状はこんな感じで、若干E-BOLTの方が分厚いです。

ピストンスプリングとボルトのリターンスプリングの違いについて
HTG ATOM、E&C E-BOLT共にピストンスプリングとボルトのリターンスプリングの硬さは非常に重要なパーツで、この2つのスプリングレートのバランスが崩れると、ギアクラッシュに繋がったり、ピストンがシアーに引っかからなくなる、プリコッキングが解除出来なくなるなどの問題が発生するようになります。
ピストンスプリングはこんな感じで、スプリングの大きさはほぼ同じですがATOMの方がスプリングは長いです。
尚、ATOMのピストンスプリングは自由長167mmの外径8.96mm、E-BOLTは自由長164mmの外径9.22mmです。
ATOMのスプリングの方が長く、硬いです。

ピストンスプリングに関しては、自由長が違っているだけなので、共に互換性があります。
ただし、ATOM、E-BOLT共にピストンスプリングのみを交換すると不具合が発生する可能性があるので、要注意。
特にスプリングレートを下げると不具合はより起きやすくなり、最悪の場合ピストンクラッシュなど致命的な問題が発生するようになります。
ボルトのリターンスプリングはATOMよりE-BOLTの方が明らかに硬く、ボルトの前進速度はE-BOLTの方が速くなっているという事が分かります。
こちらも硬さの違いだけで互換性がありますが、先述したピストンスプリングとの組み合わせが重要になるので注意が必要です。

という訳で、『HTG Airsoft M4E1 ATOM Replica Toy』と『E&C 633-EBS GEISSELE SMR MK16 URG-I 9.5インチ』の内部比較レビューは以上になります。
これらの検証からHTG ATOMとE&C E-BOLTで互換性のあるパーツはかなり少なく、似たような形ではあるものの別の設計になっている事が分かると思います。
ただ、全く互換性が無い訳ではなく、少なくともピストンスプリング、ボルト用リターンスプリング及びそのスプリングガイドは互換性があるとは言えるでしょう。
他にも加工を前提とするならギア周りも互換はあると言えますし、スタンダード電動ガンの規格にも準拠するので、既製品を流用する事も出来そうです。
尚、HTG ATOMの分解レビューとE&C E-BOLTの分解レビューも併せてご確認下さい。
