電子制御(FCUやFET搭載)の銃にSBDを取り付ける際に注意しなければならない事
記事作成日:2015年7月16日
少し前に「SBDとPicoAABを取り付けたらグリップから煙が出た」と言ってる人を見かけたので何となくネタにしてみます。(最近、銃を弄る暇が無くてネタがない・・・)
そもそもFCU搭載の銃には物理トリガーは基本的に存在しないのでトリガースイッチの消耗問題はまず起こり得ません。
※バッテリーコネクタに取り付けるようないわゆる「バーストコントロールユニット」のような製品等を除く
FETに関してもトリガースイッチは単にFETのスイッチをON/OFFさせる為の物でしか無いので流れてる電流は大した量ではなく、スパークが起きないのでスイッチの摩耗はかなり抑えられます(もちろん、長く使うと摩耗してくるが・・・)
このようにFCUやFET搭載の銃でSBDを取り付けるのは無意味とも思われがちですが、SBDを取り付ける事によって多少なりモーターブラシの消耗を軽減させる事が出来ます。
モーターのブラシからもスパークは起きるので、SBDによってこれを軽減させる事ができる訳です。
ただし、FCUやFETを搭載し、電子制御化されている電動ガンにSBDを取り付ける時には注意点があります。
それが、アクティブブレーキ(モーターブレーキ)の有無です。
最近ではPicoAABやNanoHARD辺りのアクティブブレーキを搭載したFETをよく見かけますね。
また、FCUだとBigOutのDTMやBTCのChimeraにもアクティブブレーキが付いています。
通常、モーターというのは通電がカットされてもしばらくは回転を続けてしまうものです。
それを通常とは逆方向の電流を流す事によってモーターを強制的に停止させてしまうのがこのアクティブブレーキの基本的な原理になるのですが、これがSBDに大きな影響を与えます。
モーターは言ってしまえばただの”コイル”なので+も-も存在しません。
単に回転方向に影響を及ぼすだけです。
(実際、電動ガンのUZIとかは+-が逆になってますし・・・)
ただし、SBDはその名の通り「ダイオード(一定方向にしか電流が流れない素子)」なので、+と-がちゃんと存在し、逆方向の電流を流すのは想定外の動きになります。
多くのSBDは素子に線(白やグレーが多い)が引かれている方が+です。
+と-を逆にすると、素子に大きな抵抗が掛かり、最終的にはSBDが燃えます。(発火というより煙を出してダイオードが破損する程度なので、火事になる規模ではない)
「最終的に」とは言っても割と即死です。
という訳で、SBDを取り付けた状態でアクティブブレーキを掛けるとこの電気の逆流によってSBDが破損してしまう可能性がある訳ですね。
ただし、全てのFETやFCUにアクティブブレーキが付いている訳ではなく、中には大丈夫な製品もあります。
FETだとBATONのFETのようなシンプルなFET(FETと抵抗だけで作られてる安価な製品)がそうですね。
自作FETで調べて出てくるFETの殆どがアクティブブレーキは付いていません(BATONのFETも自作FETレベルの製品)
ちなみに、NanoHARDはアクティブブレーキのON/OFFが切り替えれるようです。
FCUだと例えば、ARESのEFCSです。
これにはアクティブブレーキは付いていません。
また、アクティブブレーキが付いているFCUでも設定によってOFFにする事が可能な物もあります。
それがBigOut DTMやBTC Chimera辺りです。
共にアクティブブレーキの量を段階で調整する事ができ、無効化する事も可能です。
逆にアクティブブレーキが無効に出来ないFCUとしてはSYSTEMA PTWやASCU辺りが挙げられます。
このように、FETやFCUにも色々な種類があるのでちゃんと自分が使ってるFET/FCUのスペックは把握しておかないといけないですね。
そもそもSBDが何のためにあってどういう原理なのかを分かっていればこういう事は起きないと思うのですがね・・・。
ちなみに、私は何度かSBDの+と-を逆にハンダ付けしてしまい燃やした事があります。