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VFC/SocomGear XCR-L Microのメカボックス(シリンダー、ギアボックス)を分解していきます

記事作成日:2017年2月19日

VFC/SocomGear XCR-Lはいわゆる「分割メカボックス」になっており、メカボックスがシリンダー部とギアボックス部で分離した構造になっているのが特徴です。
そんなシリンダーとギアボックスの分解レビューをしていきます。

ちなみに、フロント部・バレル周りの分解レビューはこちらから
ファーストインプレッション(外観のレビュー)はこちらから

という訳で、とりあえずアッパーレシーバーを外した状態はこんな感じ。
レシーバーの外し方とかはファーストインプレッションの方を参照下さい。

順番は別に決まっている訳では無いのですが、とりあえずセオリー通りに行きましょう。
まずはグリップを外します。

モーターはミドルサイズで、ラベルすら貼られていないシンプルな黒いモーターが入っています。
ブラシは一般的な電動ガン用モーターと同じレイダウンタイプです。

トルクはお世辞にも良いとは言えませんが、普通に使えるレベルです。(使い込んだEG1000位のトルク?)
7.4Vより11.1Vで回した方が良さそうな感じのモーターです。

ピニオンはOタイプで、ギアのエッジが丸くなっているタイプの物です。
ちゃんと調整してやればベベルギアとの当たりは良さそうなピニオン形状をしています。

グリップは一見A2グリップのように見えますが、通常電動ガン用のA2グリップとは構造が異なります。
故に、互換はありません。(実質グリップを社外製に交換する事は出来ません)

↑メカボックスに固定する為のネジの位置も普通のものとは異なっていますしメカボックスと接触する部分の寸法も全然違います。

で、私がグリップを先に外そうと思った理由として、私はてっきりグリップを外したら逆転防止ラッチを解除する為の穴が出て来るのかと思っていたのですが、出てこない…。
というか、逆転防止ラッチの側に穴は開いてるんですけど、穴が小さすぎて逆転防止ラッチがうまく解除出来ないのです…。

仕方がないので、ピストン部を外していく事にします。
あんまりやりたくないんだけどなぁ…。

ピストンを外すにはまずノズルの下部当たりについているロックを解除します。
結構硬いですが、マイナスドライバー等を使ってテコの原理でグイッと押し上げると外れます。

続いて、シリンダーを少し手前に引っ張りながら上に持ち上げると「カポン!」と外れます。
外れるのですが…。

工エエェェ(´д`)ェェエエ工

まあ、ピストン後退状態で外したら無茶な負荷が掛る事は分かってるんですよ・・・わかってるんだけど…何でタペプレ折れるん?
何度もガチャガチャやってて折れるならまだしも一発で折れるとは…。(後述しますが、XCR-L Miniに入っているタペプレは正直かなり折れやすいと思います)

と、まあ気を取り直して分解を続けます。
幸いXCR-LのタペットプレートはVer.2互換(M4系互換)なので。

ピストン部を分解するとこんな感じ。
まあ、特に変わったようなパーツはありません。

ノズルは30mmちょっとある、結構長めのノズル。
エアシールノズルになっていました。
まあ、見ての通り専用品です。

折れてしまったタペットプレートはこんな感じ。
今までポリカーボネートだったのに突然普通の樹脂(ABSとかそういうのじゃ無さそう)が採用されています。
ぶっちゃけ強度はポリカーボネートより低いと思います。
どうやら、硬度が高いらしく、少ししならせるとポキっと折れてしまいますし、曲がった所は元には戻りません。(板バネみたいにビヨーンとなるのが理想)
正直分解時に折れなかったとしてもタペットプレートは要交換ですね…。

シリンダーヘッドは樹脂製で、Ver.2互換。
シリンダーもVFCでおなじみの硬そうな材質の加速シリンダーでした。

ピストンもおなじみポリカーボネート製で、ラックギアの最後の1枚が金属歯になっています。
ピストンヘッドはアルミ。

ピストンスプリングもVFCでおなじみの何故かピストンスプリングガイド側が絞られているタイプです。
何の意味があるんだろう?スプリングが暴れないようにかな?

ピストンスプリングガイドはこんな感じ。
金属製でベアリング付きの物になります。

続いて、ギアボックスを分解していきます。
XCR−Lのギアボックスはロアレシーバーに沢山のネジによって固定されているので、少し外すのが面倒です…。

側面にあるネジ4本とセレクターレバー、レシーバーの内側についている2本のネジを外す事でギアボックスは外れるようになります。

取り出したギアボックスはこんな感じで、かなりコンパクトにまとまっているのがわかると思います。
VFCは「Ver.2改」とか言っていますが、マルイ系のVer.2とは似て非なる物と思って良いと思います。
むしろVer.6とVer.2を足して2で割ったような構造です。(Ver.6メカボックスのレイアウトをVer.2に近づけたといった感じでしょうか?)

反対側はこんな感じ。

まずはトリガーとカットオフレバーを外します。
これらのパーツもXCR-L専用品なので壊さないように注意しましょう。

ギアボックスの中身はこんな感じ。
こうやって見ると本当に余分なスペースが一切ありませんね。

尚、ギアグリスは程よい粘度の物が量が塗られており、シム調整もしっかりされていて海外製品とは思えないほどの高い組み立てクオリティだと思います。
まあ、VFCは昔からギアボックスの組み立てはマトモでしたが、このXCR-L Miniではさらに改良が進んでいました。

なんと!
ついに、VFCが長年使い続けていた半自動シム調整が無くなっているのです!

VFCのメカボックスを初めて分解した人で、驚いた方も多いのでは無いでしょうか…。
「何でセクターギアとスパーギアにバネが入ってるんだよ・・・」と。

スパーギアはバネの変わりに金属製の筒が付いていました。

半自動シム調整がなくなってホットした私なのですが、同時に疑問が出てきました。
「何で半自動シム調整辞めたし」

ベベルは相変わらずですね。
5枚ラッチです。

逆転防止ラッチは至って普通な感じ。
スプリングの形状が少し特徴的ですが、この程度なら既製品を加工して使う事も出来そうです。

ちなみに、ギアの歯に関しては相変わらず普通の18:1ギアとは少し異なるようで、普通のギアと組み合わせると非常に噛み合わせが悪くなります。
なので、もしギアを社外製品に交換する場合は全て交換した方が良いですね。

尚、ギアの精度や強度は十分にあるので、普通に使うのであればそのままのギアでも大丈夫だと思います。


という訳で、これにてVFC/SocomGear XCR-L Miniのメカボックスの分解は以上になります。

XCR-Lを弄るにあたって気をつけないといけないのはまずタペットプレートですね。
ちなみにこのタペットプレートですが、自分の周りでも分解しようとした人が何人か折ってました…。

また、Ver.2改と呼ばれているXCR-Lのメカボックスですが、実質Ver.2と互換があるのは「シリンダー・ピストン周り」「タペットプレート」「ギア」位です。
メカボックスの外装はもちろん、ノズル、カットオフレバー、スイッチ等は全て専用品になります。

そして、割と気付かず買ってしまう人も多い気がするグリップの互換性。
外見だけでは互換が無いという事が分からないですからね…。

とは言っても、基本的な位構造は普通のM4系と同じなので、加工すれば付くとは思います。
もちろん、モーターの角度や位置にも大きな影響を及ぼすはずなので、ちゃんと動作可能な状態になるかは別問題ですけど…。


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