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Vector Optics SCRD-12 Maverick T1タイプ ドットサイトのレビュー

記事作成日:2017年12月19日

Vector Optics(ベクターオプティクス)製のT1タイプドットサイト、SCRD-12 Maverick(以後、Vector Optics Maverick)を、つぼみトレードカンパニー様よりレビューのご依頼を頂き、製品をお借りしたのでレビューしていきます。

ご依頼頂いて書いたレビュー記事ですが、あまり気にせずいつも通り、良いこと悪いことを色々と書いていきます。
(当ブログの方針をご理解の上、承諾頂いております)

Vector Opticsとは?

まず始めに、少しだけVector Opticsというメーカーについて紹介します。

Vector Opticsは中国の実物光学メーカーで、コストパフォーマンスに優れた、低価格な製品を多く製造しており、光学サイトを初めて使われる方から中級者まで幅広いニーズに応えられる製品をリリースしているメーカーになります。
また、メーカーとして実銃対応を謳っており、廉価ながら耐衝撃性、防水性、防塵性等の実銃性能を備えた光学サイトを製造しています。

今回ご紹介するVector Optics Maverickも、実銃対応を謳っている製品になります。

Vector Optics Maverickの外観レビュー

パッケージはこんな感じでちょっと凝った感じのデザインです。
パッケージには「TAC VECTOR OPTICS」と書かれていますが、こちらは昔使っていた会社名らしく、今はほとんどVector Opticsの名前を使っているとの事です。

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内容物はドットサイト本体(QD仕様のハイマウントベース付き)、ローマウントベース、ゴム製レンズカバー、六角L型レンチ、トルクスL型レンチ、クリーニングクロス、取扱説明書(英語)になります。

尚、今回レビューするに際してお借りしたVector Optics Maverickの説明書は英語版ですが、当ブログに貼っているバナー(下記)や、こちらからご購入された商品に関しましては、つぼみトレードカンパニー様が販売している商品になりますので、日本語訳された取扱説明書が付属致します。

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Vector Optics Maverickには購入日から5年の保証が付いています
こちらの保証期間はもちろん、つぼみトレードカンパニー様が販売する製品でも有効です。

Vector Optics Maverickの本体はこんな感じで、いわゆる「T1タイプ ドットサイト」と呼ばれる小型なドットサイトになります。

本物のAimpoint T1よりも少し対物レンズ側が長いですね。

チューブ部分の側面にはVector Opticsのロゴが印字されています。

こちら、ロットによっては「TAC Vector Optics」のロゴになっている場合があるようです。

光量調整ダイアルは本体右側についており、光量は11段階の調節が可能になっています。

光量1だと真っ暗闇でぼんやり光る程度で、光量を11にすると屋内では眩しい位の光量になります。
ナイトゲームや屋内などの暗所から明るい昼間まで、幅広く使う事が出来る調整幅になっていると思います。

電池は一般的なCR2032型を使います。
本体に電池は付属しないので、別途用意する必要があります。

キャップの内側には耐水用と思われるOリングが付いています。

エレベーテーションダイアルウィンデージダイアルはこのように保護キャップを外して回すタイプになります。
マイナスネジで回転方向の印字が付いており、「カチカチ」としっかりとしたクリック感のあるダイアルでした。

電池ボックス同様、こちらにも耐水用と思われるOリングが付いています。

尚、蓋を裏返してドライバー代わりにダイアルを回す仕様では無いので、ゼロイン調整の際には別途マイナスドライバーを用意する必要があります。

付属のマウントベースについて

付属のマウントベースはQD仕様のハイマウントベースです。
QDレバーはこのような形状になっており、レバー中央のボタンをスライドさせるとロックが解除され、レバーを動かせるようになります。

QDレバーのテンションは、反対側のナットを回す事で調整する事が出来ます。

こちら、ロットによっては六角形のナットではなく取っ手が付いているタイプのナットになっている場合があるようです。

マウントベースは底部から4本のトルクスネジで固定されており、付属のトルクスレンチを使って外す事が出来ます。

マウントは上写真の通り、T1規格のマウントになります。

付属のローマウントを取り付けるとこんな感じになります。
尚、マウントのネジはハイマウントとローマウントで共用です。

尚、Vector Optics Maverickはこのマウントで少し注意が必要です。
私がレビューのためにお借りした個体では、ドットサイトとマウントの間に隙間が出来ているのです。

例えばハイマウントだとこんな感じ。
こちらはマウントの窪んでいる部分に隙間が生じています。

この隙間自体は使用上問題が無いので、あまり気にしなくていい話しかもしれませんが、ローマウントだとそもそも溝にキッチリはまりませんでした。

このローマウントのズレの原因は、20mmレイルに挟み込む為のこのパーツが左右で厚みが異なる事に起因する物でした。
この通り、マウントベースに取り付けると、このパーツが斜めに付いてしまい、片側が飛び出してしまうのです。

この飛び出している部分がドットサイト側と干渉し、綺麗に取り付ける事が出来なくなっていました。

厚みはそれぞれ、左側が4.25mm、右側が5.13mmと、約1mm異なっていました。

その為、ドットサイトとマウントを接続するネジを適当に締めていくとドットサイトが傾いて付いてしまいます。
改善策としては傾きを調整する為に片側をアルミテープ等で盛って付けるか、削る等の加工を施す必要がありそうです。

また、このズレの問題で若干ネジもマウント側に寄って入り込んでしまっているようで、このように端の方が削れてしまっていました。

この手の問題は個体差の可能性が高いと思いますが、マウントの寸法には念のため注意が必要かもしれません。

尚、こちらの件をつぼみトレードカンパニー様に問い合わせた所、万が一このような初期不良があった場合は無償で交換する形の対応になるとの事でした。
また、今後つぼみトレードカンパニー様側での検品作業も厳しめにチェックするとの事でした。

レンズとレティクルについて

対物レンズは綺麗なルビーコードが施されています。
ルビーコートは紫外線を遮断し、主に逆光の時の見やすさを向上させる作用があります。

また、内側にはネジ山が付いている為、社外製のレンズガードやキルフラッシュ等の取り付けも可能ではないかと思います。(対応機種等は不明です)

レンズは比較的クリアな方ですが、若干青みがかっています
一般的に「クリアなレンズ」と謳われている、数万円を越すようなドットサイトと比較すると青みが気になってしまう程度の青さです。

尚、対物レンズはうっすら緑色に反射するマルチコートが施されています。
マルチコートは光の反射を防ぎ、像をくっきりさせ、視認性を向上させる役割があります。

ドットはこのような感じに見えます。
ターゲットは約2m50cm先に置いてある、直径2cmの円が描かれたディスプレイです。

ドットは比較的小さめで、3MOA位の大きさだと思います。
綺麗な円形のレティクルで、くっきり見えます。

しかし、若干ですが視界は魚眼レンズのように歪んでおり、レンズ内に映る線と外側の線の位置がズレている事が分かります。

続いて、上下左右に視点を動かしてパララックス(視差)を見ていきます。
上方向へ動かした時のズレは控えめですが、下や左右に動かした時は少し大きめに動くようです。

とは言え、対象との距離(約2m50cm)を考えるとこの程度のズレで収まっているのはかなり良い結果であると思います。
数十メートル程度の距離で使う分には全く問題のないレベルのズレだと思います。

というわけで、Vector Optics Maverickのレビューは以上になります。

Vector Optics Maverickの総評

こちらのドットサイトは通常価格7,980円と、いわゆる低価格帯の製品になります。
それを踏まえた上で、レンズやドットの綺麗さ、視差の少なさ等を考えると非常にコストパフォーマンスの優れたドットサイトではないかと思います。

ただし、当記事でも紹介している通り、マウントの精度がイマイチであったり、レンズの歪みが見受けられる等の粗さも目立ちます。

その為、こちらのドットサイトは5000円程度のドットサイトを持っている方が、ワンランク上のドットサイトを求める時に最適な製品ではないか?と思われます。

いきなり1万円を超えるドットサイトに手を出すのは難しい。
でも、もう少し良いドットサイトを使いたい…そんな需要に応えられる製品だと思いました。


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