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通常電動ガン Ver2メカボックス用強化トリガースプリング、『チュプリングSTD』を組み込んでみた (・8・)

記事作成日:2018年3月2日

以前、ちゅんちゅん工房(チュンチュンワークス)製のSYSTEMA PTW(トレポン)用強化トリガースプリング、『チュプリング』の記事を書きましたが、今度は通常電動ガン用のチュプリング、その名も『チュプリングSTD』のレビューになります。

尚、当記事で紹介するチュプリングSTDはプロトタイプ段階の為、量産段階では少し仕様が変わっている可能性もあります。

という訳で、左が通常のスプリング、右がチュプリングSTDです。
Ver2メカボックス用のトリガースプリングで、スプリングレートの仕様としては純正比140%になります。

PTW用チュプリングと同様、明らかに線径が太いです。
一般的な通常電動ガン用のトリガースプリングが0.9mmなのに対し、チュプリングSTDは1.1mmの線径があります。

チュプリングSTDは、電子トリガーを搭載した銃のトリガープルを重くするのに使う想定で作られています。
と言うか、物理スイッチを付けたままチュプリングSTDを入れるとトリガープルが重すぎてトリガーを引く指が疲れてしまうと思います…。

トリガーストローク数ミリ程度の超ショートストロークなトリガーですら、しっかり意識して引かないといけない位の重さがあります。

という訳で、そんなチュプリングSTDを2丁の電子トリガー銃に組んでいきます。

SIG MCX × 陽炎2型B改 × チュプリングSTD

まず最初に不知火 陽炎2型B改を組み込んだVFC/Cybergun SIG MCXにチュプリングSTDを組みました。
陽炎2型B改は、トリガーの検知が非接触の光センサーになっているので、トリガーが軽いだけではなくスイッチを押した感触すらありません。

※赤矢印の黒いパーツがトリガーを検知する光センサー

とりあえず普通に組み立ててみた所、下記の問題がありました。

  1. トリガーの軸にスプリングを取り付ける際、かなり強引に押し込む必要がある。(スプリングのリングになっている部分の内径より軸の外径の方が若干大きく、干渉している)
  2. トリガースプリングの厚みのせいで、メカボックスが閉じられなくなった。

共にスプリングの線径が太くなった事に起因する問題で、1の問題はグリスを塗布しつつ押し込む事で解消されるのでそこまで致命的な問題では無いのですが、2の問題は割と致命的です。

解決策としては、このようにトリガー側にスプリングを逃がす溝を作ってやり、メカボックスとの干渉を防ぐしか無いと思います。

メカボックス側を削る場合、ただでさえ厚みの少ないトリガーの軸受となる部分を削る事になり、耐久性に問題が生じてしまう恐れがある為、あまり現実的では無いでしょう。

尚、個体差チェックの為に手元に転がっていた数種類のトリガーならびにメカボックスで試しましたが、全てメカボックスと干渉する問題が起きていました。

という訳で、トリガーを加工しつつ組み込んでいきます。
スプリングが物凄い硬いので、ちょっとでも気を抜くとトリガーが吹っ飛んでいきそうです…。(トリガーを抑えてる指が痛い)

正直、写真撮影なんてせずにさっさとメカボックスを閉じたい気分でした。

尚、私のMCXのトリガーはこんな感じになっています。
トリガーのストローク量を調整しているので、このように横並びだと分かりづらいですが、左が無負荷状態、右がトリガーを引いた状態です。

画像を重ね合わせると、トリガーがどの程度動いているのかが分かります。
こんな僅かなトリガーストロークですら物凄く重いです。

グリップをしっかり握り込んで引かないとガク引きしてしまう程度には重いです。
トリガーの加工は必要ですが、それによって得られるトリガープルはとても良いです。

以前レビューしたPTW用チュプリングよりもチュプリングSTDの方が断然重いです。

RetroArms × BTC Chimera MK2 × チュプリングSTD

次に試したのはRetroArmsのトリガーとメカボックスを組み込んだ電動ガン、『キメラM4』です。
FCUはBTC Chimera MK2が組み込まれています。

RetroArmsのトリガーとメカボックスでも同様に干渉してメカボックスが閉じれくなってしまう問題があったので、トリガーを加工するのですが、RetroArmsのトリガーは他のトリガーよりも深めに削られているのか、溝の深さはMCXのトリガーよりも浅めで大丈夫でした。
まあ、それでも写真の通り加工は必要なんですがね…。

尚、RetroArmsのトリガーとメカボックスはとてもよく考えられた設計がされており、メカボックスに取り付ける際にトリガーが吹っ飛ぶ心配がありません。
これがめちゃくちゃ便利なんですよ…。

尚、この銃のトリガーストロークはこんな感じ。

重ね合わせるとこんな感じ。

MCXと同様かなりトリガーストロークが短いですが、しっかりとした重さがあります。

チュプリングSTDの総評

とにかくトリガープルが重すぎて普通の電動ガンのトリガーの感触に慣れていると「え?大丈夫これ?壊れてない?」と疑問を抱くレベルのトリガープルです。

PTW用チュプリングのレビューを書いた時にも述べましたが、単にスプリングを曲げているだけなので、ガスブロのシアーを落とすような重さや感触とは異なりますし、そういった製品と比較するとやはり物足りなさは感じてしまいますが、それでもしっかりとした重さが伝わってきます。

これだけトリガープルが重いと、PTW用チュプリング以上に好みが別れてしまうかもしれませんが、個人的にはとても良い重さだと思います。

通常電動ガンを電子トリガー化する事による『フニャフニャトリガー化』は今まで本当に嫌だったので、このような製品と出会えてよかったです。

一応、ポン付けできず、トリガーに加工を要するという問題はちゅんちゅん工房の中の人には連絡済みで、工場の方にも相談して頂いているのですが線径を1.1から1.0に落とすと200g程度柔らかくなってしまうとの事でした。

ポン付け出来る事を取るか…それとも圧倒的なトリガーの重さを取るか…。
私なら間違いなく後者ですね。

加工と行っても単に削るだけで、細いヤスリかリューターがあればできる加工ですし…。

尚、トリガーの軸に組み込みし易いように仕様を変えるのは出来そうとの事なので、引き続き試作をするとの事でしたので、今後のバージョンアップに期待です。