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Bushnell HOLO Sight VS Vortex Razor AMG UH-1【20年越しのホロサイト対決】

記事作成日:2018年6月29日

Vortex Razor AMG UH-1買ったら絶対やろうと思ってたネタです。

という訳で、1997年製造のBushnellホロサイトと、2018年製造のVortex Razor AMG UH-1を比較していきます。

※Razor AMG UH-1は本体やパッケージに製造年らしい記載が見当たらなかった為、商品購入ページのスクリーンショットです

Bushnell HOLO Sightは恐らく世界で初めて製品化されたホロサイト、Vortex Razor AMG UH-1は2018年現在世界で一番新しいホロサイトです。
その差、実に21年。

尚、Bushnell HOLO Sightにはいくつかのバリエーションが存在しており、私が所有しているのはリフレックスドットサイトのような形状のもので、恐らくこれが一番最初に作られた製品かと思われます。

その後、EoTechのホロサイトのような凸みたいな形をしている製品(Bushnell HOLO Sight GenII)が出たり、ショットガン専用の宇宙船みたいなデザインの製品(Bushnell HOLO Sight XLP)が出たりしています。

何でBushnellはホロサイトの開発をやめちゃったのでしょうかね…。
EoTechに技術を売ったという話を聞いたことがありますが…。

という訳で、左側がBushnell HOLO Sight、右側がVortex Razor AMG UH-1です。
この2機種を比較していきます。

恐らく一番普及しているホロサイトであろうEoTech製品もあればよかったのですが、経年劣化問題が深刻化する前に手放してしまったので、今は比較が出来ません…。

外観の比較

側面から見るとこんな感じ。
長さは圧倒的にBushnell Holo Sightの方が長く、Bushnellが約15cm、Vortexが約9.5cmです。
しかし、高さはVortex Razor AMG UH-1の方が高く、Bushnellが約5.5cm、Vortexが約7cmです。

長さの違いは歴然ですね。
Bushnell Holo Sightはこれ単体でARのアッパーレシーバーを専有しますが、Vortex Razor AMG UH-1はまだリアサイト(バックアップサイト)や、マグニファイア等を取り付けるスペースを残しています。

裏面はこんな感じ。
共に20mmレイル用のマウントが付いていますが、Bushnellは側面からのネジ締め込みなのに対し、VortexはQDレバーが付いています。
この辺りは時代を感じさせますね…。

重量はBushnellが263g、Vortexが370g(共に電池込み)と、Vortexの方が100g程度重いという結果に。
Bushnellはレンズ部分やマウント部分以外は樹脂で、金属パーツが少ないのに加え、ガラスパーツも少ない為に大きさの割には軽いのだと思われます。

ボタン、ダイヤル類

Bushnell HOLO Sightは本体左右にボタンが別れており、左側には光量上下ボタン、右側には電源ON/OFFとバッテリーのアイコンが描かれたボタン(何の意味があるのか不明)が配置されています。
Vortex Razor AMG UH-1は接眼レンズ側の下部に光量上下ボタンが配置されており、このボタンの同時押しによって電源OFF、電源OFF状態でどちらか片方のボタンでも押された電源ONになります。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれこんな感じ。
Bushnellの方はエレベーテーションが左側、ウィンテージが後ろ側に付いており、Vortexは共に左側に配置されています。

また、ダイヤルではありませんが、VortexにはUSB端子も備わっており、LFP123Aを充電する事が出来ます。(CR123Aは充電電池ではないので、充電出来ません)

これらのダイヤルを回すとBushnellの方はホログラム板を取り付けている基部パーツの角度が変わります。
Vortexの方も同様に、本体内部に配置されているホログラム板の基部が動く(のだと思われます)

レンズ(ホログラム板)と、レティクルについて

対物レンズ側はこんな感じ。
Bushnellの方は対物レンズというより、これ自体がホログラム板(ホログラムを投影する板)になっているんですがね…。

まず、レンズの色に関してはBushnellが若干黄ばんだ感じ(茶色?)の色で暗い一方、Vortexは青いです。
もっとも、Bushnellのレンズ…というか、ホログラム板に関しては経年劣化による変色の可能性もあるので、元からこういう色だったのかは不明ですが…。

サイトピクチャはこんな感じ。
レティクルの明るさは正直どちらもほぼ同じ、レティクルのクッキリさに関してはVortexの方が上で、Bushnellの方は若干レティクルの周囲がボヤケています。

また、視点を動かした際に特に分かりやすいのですが、Bushnellのレティクルの周囲にはパーティクルのようなキラキラした細かい点が映り込みます。

尚、Bushnellのレティクル形状がかなり特徴的なデザインをしていますが、私がこういうレティクルを選択している為です。
Bushnellのホロサイトはホログラム板を交換する事で、このようにレティクル形状を切り替える事が出来るのです。

恐らく今まで製品化されてきたホロサイトの中では唯一、Bushnell HOLO Sightにのみ付いている機能では無いでしょうか…。
普通のホロサイトは本体内部にホログラム板が配置されている為に、簡単な交換は出来ないですしね…。

ホログラムの投影機について

Bushnell HOLO Sightはいわゆる「レンズ」みたいなものが殆どありません。
レンズのように見える物は先述している通りホログラム板で、ここにレーザーが照射されてレティクルを表示させるという仕組みです。

EoTechのホロサイトのように、レンズや反射板を使って複雑にレーザーを屈折させるような構造とは大きく異なりますね。


※Wikipediaから画像を拝借(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%85%A7%E6%BA%96%E5%99%A8

また、ホログラム板は一方方向からしかレティクルが見えない構造になっている為、レーザーが照射されている状態で反対側から覗いてもレティクルやレーザー光は見えません。

かなり角度を付けた状態で斜め前から見ると、ホログラム板に反射したレーザー光が見えます。

一方、Vortex Razor AMG UH-1はこんな感じ。
対物レンズ下部からレーザーが照射され、真上のホログラム板に辺りレティクルが表示される仕組みです。

ところで、ホログラム板ってこんな凄い斜めになってても良いんですね…。
コーティングが施されている所を見る限り、うまいこと反射・屈折させている感じもします。

ただし、Razor AMG UH-1に関しては技術的な情報が公開されていないのか、イマイチどういう理屈でホログラムが投影されているのかよく分かりません…。
レーザーが照射される所の対面(本体上部)には反射板のようなものもあり、これがどういう意味なのかも分からない…。

尚、こちらも対物レンズ側から覗いてもレティクルやレーザー光は見えません。
もっとも、ホロサイトならその構造上、当たり前の仕様なんですがね…。

Bushnell HOLO Sightと大きく違う点としては、Razor AMG UH-1は斜め上の角度から見ても殆どレーザー光は見えません。
この通り、4つの点がうっすら見える程度です。


という訳で、20年前のホロサイトと、最新のホロサイトの比較は以上になります。

ドットサイトだと20年前と今では色々出来る事が変わっており、レンズの透明度、歪みの少ななさ、レティクル形状等パット見で分かる所はもちろん、バッテリー寿命や耐久性等の見えない所も大幅に向上しているのですが、ホロサイトだとそこまで劇的な変化を感じられないのは気のせいでしょうか…。

確かにこのように比較をしてみるとレティクルは鮮明になっていますし、余分な反射を抑え込む技術やレーザーの出力を下げてもしっかりレティクルが見えるようにする技術も上がっているのかもしれません。
しかし、Bushnell HOLO Sightと全く同じ物を今の時代に出しても全然普通に使えるレベルの製品だと思います。

個人的にはこの辺りがホロサイトの面白い所だと思っています。
ドットサイトは目まぐるしい変化を遂げているのにも関わらず、そんなに変わらないホロサイト…。

蛇足ながら、私は乱視が酷いくて裸眼でホロサイトを覗くと80MOA位にレティクルが膨らみつつパーティクルが凄くキラキラしてヤバイです。

↑ちょっと違いますが、だいたいこんな見え方になります。

乱視の人はホロサイトを覗く時、絶対に乱視補正眼鏡なりコンタクトを付けて覗きましょう…。
でないとまともにレティクルが見えません。


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