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フルチタン箱型ドットサイト、HOLOSUN HE512CTシリーズ(レッドドット、グリーンドット)のレビュー

記事作成日:2019年2月15日

HOLOSUN製ドットサイト、HE512CT-RDとHE512CT-GRをつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたのでレビューしていきます。

こちらの製品は2018年最新モデルで、例のごとく外装は全てチタン合金で造られています。
また、レッドドットレティクル仕様とグリーンドットレティクル仕様の両方がモデルアップされています。
また、パッケージが専用のハードケースになっています。

内容物はドットサイト本体に取扱説明書、クリーニングクロス、電池(CR2032)、ドライバーです。

HOLOSUN HE512CTを購入するhttp://www.holosun.jp/shopdetail/000000000010

付属のドライバーはこんな感じで片側はトルクスドライバー、反対側がマイナスドライバーになっています。

付属の説明書は英語表記ですが、図解付きで使い方の説明が書かれており分かりやすいです。

HE512CT-RDとHE512CT-GRを見ていきます。
尚、RDもGRも外観は基本的に同じです。

まず、左側には輝度調節ボタンが配置されています。
この時点でデザインが非常に特徴的である事が分かります…。

輝度調節ボタンにはいくつかの機能があります。

  • 消灯状態で+か-をクリック→点灯
  • 点灯状態で+-同時クリック→消灯
  • 点灯状態で+クリック→輝度を上げる(手動調光状態に限る)
  • 点灯状態で-クリック→輝度を下げる(手動調光状態に限る)
  • 点灯状態で+長押し→自動調光モード、手動調光モードをトグル切り替え
  • 点灯状態で-長押し→レティクル形状変更

尚、輝度調節は10段階+NV2段階になっています。

反対側はこんな感じで、ウィンテージダイヤルと電池スロットが付いています。

上下はこんな感じ。
上部には2個のソーラーパネルが設置されており、こちらは自動調光モードの明るさセンサーにもなっています。
マウント側は軽量化の為なのか、割とスカスカです。

このドットサイト、『貨物列車』とか『キャンピングカー』とか、なんかそんな愛称が付けられてるみたいですが、何となく言いたいことは分かります。

対物レンズ側と接眼レンズ側はこんな感じ。
RDとGRの違いが大きく出ているのはやはりここですね。
共に対物レンズには赤いコーティングが施されているのですが、GRの方は一部角度から見ると緑色に反射します。

尚、接眼レンズ側からドットサイトの内側を覗き込むと、このように凹凸が付いている事が分かります。
この凹凸はサイト内部における光の乱反射を防ぐ為ではないか?と思われます。

エレベーテーションダイヤルとウィンテーダイヤルはそれぞれこんな感じ。
付属のドライバーを使って調整する想定だと思います。
1クリックで0.5MOA可動し、最大で±50MOA動かせます。

電池スロットはQD式。
ロックレバーを展開し、90度回転させる事で、電池スロットを抜く事が出来ます。

ところで何で電池スロットはQDなのに、20mmマウントはネジ式なんでしょうか…。
普通逆でしょ…。

電池スロットは金属製で、電池が収まる部分にゴムパッキンが付いています。

電池はCR2032。
-側が上に来るように配置する必要があるので、要注意です。
一応、電池の向きに関しては説明書に書かれているのですが、電池スロットにも何か表記を付けて欲しい所…。

前モデル(?)のHS510Cと比較してみる

かなり形が違うので、これを前モデル(旧モデル)と言って良いのか分かりませんが、HOLOSUN HS510Cと比較してみます。
そう言えばHS510CがHOLOSUN製ドットサイトで初めてチタンを用いた製品ですね。(チタンなのはレンズフード部分のみですが)

510Cの時はチタン板をプレスしてフレームを作っていたのですが、HE512CTは鋳物になっているのか、同じチタンでも表面の質感が全然違います。

別のアングルから見るとこんな感じ。
サイズ感は確かによく似ているんですが、そもそもHE512CTはカテゴリとしては多分リフレックスサイトじゃ無いんですよね…。
かと言ってチューブサイトかと言われるとそれもまた違う気がする…。

Leupold LCOのようなドットサイトと同じ位置づけになると思うのですが、私は勝手に「箱型ドットサイト」とか呼んでます。
レンズ、ボディが丸型じゃなくて接眼レンズと対物レンズが付いたドットサイトの事ですね…。
こういう形のドットサイトに正式名称みたいなのあるんでしょうか。

ちょっと話が脱線しましたが、種類が違くても似ている所は似ています。
例えば高さ、長さはほぼ同じで、レティクルの位置はAbsoluteです。

対物レンズの大きさも同じ、レンズはほんの僅かにHE512CTの方が透明度が高い気もしますが、気の所為かもしれません…。(HE512CT-RDとの比較)
もしかしたらHS510Cで少し気になっていた覗き込む角度によって現れるグラデーションがHE512CTではあまり気にならないのが、透明度が高かいと感じる所以かもしれません。
尚、HE512CTは接眼レンズが付いてたり、フレームが長いせいで縁が太く感じます。

重量はHS510Cが208g、HE512CTが250gなので、HE512CTの方が重いですね。
確実に外装がごっつくなったのが原因でしょう…。

レンズの色とレティクルについて

という訳で、レンズの色とレティクルを見ていきます。
例のごとく、HOLOSUNのレンズは透明度高いんですよ…。

まずはHS512CT-RDから。
真っ白のA4用紙を覗いています。若干の青みはありますが、グラデーションも無く綺麗。

レティクルは65MOAサークル+2MOAドット、2MOAドット、65MOAサークルの3種類用意されています。

レティクルを切り替えるには輝度-ボタンを3秒間長押しします。

続いて、HE512CT-GRです。
HOLOSUN製グリーンドットレティクル仕様の宿命とも言える紫色化現象が発生しています。
そして、中央から外側にかけて広がるグラデーション…。

これは今までのレビュー記事でも紹介している通り、グリーンレティクルのレンズを私の部屋で撮影すると赤みがかった色に映ってしまうのです…。

どうやら、光の色温度によってレンズの色が変化するらしく、蛍光灯の色温度が4000K半ばくらいで見え方が変わり、色温度が高いと赤く見えるようになります。

屋外ではレッドドットと同じようにクリアなレンズになるので、屋外で使う分には気にする事は無いでしょう。

また、明るさとかではなく色温度が原因なので、このような現象も起きます。
壁を見ている方は紫色なのですが、PCのモニタを見ている方はクリアです。

グリーンレティクル仕様の方でもレティクルは65MOAサークル+2MOAドット、2MOAドット、65MOAサークルの3種類用意されています。

あと、超くだらない事に気づいたんですが、レッドドットレティクルとグリーンドットレティクルを重ねるとイエロードットレティクルが作れます。

レンズの歪み、パララックス計測

最後にいつもの検証。
レンズの歪みとパララックスを見ていきます。

2.5m先のディスプレイを見ています。
とりあえず、気になるほどの歪みは無さそうです。

こういう湾曲したレンズを持つ製品だとこの時点で激しい歪みを伴う製品も多いのですが、HE512CTは大丈夫そうですね。

続いて、この状態で視点を上下左右に動かして、レティクルがどの程度ズレるかを見ていきます。
ディスプレイの中央に描かれた直径2cmの円からレティクルが出なければ合格点(個人的な判断基準です)になります。

ギリセーフ…?
まあ、HE512CTはレンズが大きいのでここまで極端にレティクルを動かしたら大きくズレてしまうのも仕方がないかと思われます。

HE512CTの特徴とおすすめポイント

HE512CTの特徴と言えばなんと言ってもこの形でしょう…。
このドットサイトを知ってる人からすると「買ったの!?」ってなると思いますし、知らない人からすると「ナニコレ!?」ってなると思います。

あまりに特徴的な形過ぎてどちらからも注目される製品だと思います。
それ故に似合う構成を見つけるのが非常に難しいかもしれません…。

SF系の銃とかだと割と愛称良いかもしれません。
後は本体が結構ごっついというか、太ましいので銃側もごっついと相性良いかもしれませんね。
私は持っていないので試せていませんが、もしかしたらLMGとかとの相性も良いかもしれません。

ドットサイトの性能としては透明度の高い、視野の広いレンズを持ち、レティクル形状も3種類に変更が出来る。
更に自動調光が付いてたり、最大5万時間のバッテリー寿命と、「やりたいことは一通りやった」感のある仕様になっています。

実銃での仕様実績も豊富なメーカーの新作なので、耐久性も問題は無いでしょう。

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