オールマイティに使い勝手の良い、HOLOSUN HM3X マグニファイアのレビュー | エボログ

オールマイティに使い勝手の良い、HOLOSUN HM3X マグニファイアのレビュー

2019年4月15日

HOLOSUNが2019年のショットショーで発表した新作マグニファイア『HOLOSUN HM3X』をつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたので、レビューしていきます。

内容物はマグニファイア本体(スイングマウント付属)にライザープレート、工具、ネジ、クリーニングクロス、説明書になります。

HOLOSUN HM3Xの外観はこんな感じです。
最近のHOLOSUN製品らしいデザインではありますが、かなり特徴的な見た目をしています。

外装はアルミ製で、非常にスリムなボディです。
ハウジングからチューブが伸びているような、よく見かけるマグニファイアの外観ではなく、チューブに光学軸調整ダイアルがくっついているような見た目なのが最大の特徴だと思います。

重量はマウントベース付きで実測303gとマグニファイアの中ではかなり軽量な部類の製品です。
実際、予想以上に軽くて少々驚きました。

カタログスペックを簡単に紹介します。

  • ひとみ径:7.6mm
  • アイリリーフ:70mm
  • 視野(FOV):100ヤードで37フィート
  • 視度調節:±3
  • 透過率:75%
  • 保管温度:-40~70度
  • 動作温度:-30~60度
  • 湿度:0.95%
  • 防水規格:IP67
  • ニトロゲン:99.9%
  • ショック耐性:1000Gで偏差2MOA以内

光学軸調整ダイアルは付属の工具を使って回す事が出来ます。
まあ、普通のマイナスネジですね。

回すとドットサイトのエレベーテーション・ウィンテージダイアルのように、カチカチとしたクリック感があり、ソコソコ堅いです、
これだけの硬さがあれば使っているうちにズレてしまう心配は無さそうです。
まあ、1000Gもの衝撃が加わってもズレは2MOAに抑えられるみたいですからね…。
この辺りはちゃんと実銃用として設計されているだけはあるなと感じます。

ちなみに、HOLOSUN HM3Xのマウントは面白い設計になっており、マウントにも工具が付いています。
一見単なるネジのように見えるのですが、マイナスドライバーになっています。

このマイナスドライバーを使って、光学軸を調整する事も可能です。

HOLOSUN HM3X上下はそれぞれこのようになっています。
マウントベースが20mmピカティニーレール規格なので、同じ20mmでもウィーバーレールや独自規格レールには対応していないので注意が必要です。

HM3Xのスイングマウントの仕様について

HOLOSUN HM3X付属のマウントベースはQD仕様になっています。
ワンタッチで着脱が可能なのは良いですね。

QDレバーのテンション具合は反対側から付属の工具(トルクスドライバー)によって行います。

マウントベースを倒すとこのような感じになります。

ロックレバーやボタンなどは無く、単にマグニファイアを横方向に押すだけで倒れる仕様になっています。

何度かレビューも行っている『Sightmark Flip to Side Magnifire Mount – Locking Quick Detach Mount』と同じような方式ですが、ロック方法が異なっています。

HM3Xのスイングマウントは、板バネの弾性を使ってロックしているようです。(写真赤矢印)
その為か、スイングマウントの動きは少々固めで、倒したり起こしたりするのに慣れが必要かもしれません。

尚、あまりユルユルにする事は出来ませんが、多少の硬さ調整はヒンジに付いているマイナスネジを締めたり緩めたりする事で可能です。
このネジを締めるとスイングマウントが堅くなり、緩めると緩くなります。

こちらのスイングマウントは初期状態の高さはAbsolute Co-witness(1.41インチ)になっています。
付属のライザープレートを使う事でLower 1/3 Co-witness(1.63インチ)の高さまで上げる事が可能になっています。

こちらが付属のライザープレートとライザープレート用の長いネジです。
ネジには予め固形のネジロック材が塗布されています。

ライザープレートを付けるにはまず、チューブ下部に付いている2本のネジを外します。

後はライザープレートをチューブとスイングマウントの間に挟んでネジを締め込むだけです。

ライザープレートとは関係はありませんが、このスイングマウントは左右対称のような構造になっているので、スイングさせる方向を自由に選ぶ事が出来ます。

スイングマウントをスイングさせる方向は、人によって結構好みが分かれると思うのですが、HOLOSUN HM3Xであればどちらにも対応出来ます。

HM3Xのレンズコーティングについて

対物レンズ、接眼レンズ共にしっかりレンズコーティング(恐らくマルチコート)が施されています。
対物レンズ側は手前のレンズが青〜緑系の反射をし、少し奥まった所にあるレンズは薄い赤色のような反射がありました。
ちょっと対物レンズ側のコーティングは薄めかもしれません…。

マグニファイアの仕様上仕方が無いのかもしれませんが、マグニファイアで対物レンズ側にどぎついコーティングが施されている製品は少ない気がしています。

接眼レンズ側のコーティングはこんな感じ。
角度によって緑、青、紫など結構カラフル。

尚、接眼レンズ側に視度調節ノブが付いています。
自分の視力に合わせた視界を得るために、ピント調節をするのに使います。


HM3Xを覗いたときの感想について

HOLOSUN HM3Xを覗いた時に感じた事をまとめると、

  • ソコソコ広いアイリリーフとアイボックスで覗きやすく、ケラレにくい
  • マグニファイアにしては結構縁が薄い
  • 像の歪みが少なく、視点をグイグイ動かしても酔いにくい
  • ちょっと暖色系の像

といった感じ。

特に覗きやすさと縁の薄さは「あ、これは良いマグニファイアだわ」と感じる大きな要因となりました。
適当な構え方で覗こうとしても、それなりに覗けます。

アイリリーフに関してはカタログスペック上だと70mmとなっていますが、実際はもう少し長い気がします。
少なくとも100mm程度離した状態から覗いてもなんとか許容範囲内といった所でしたし、逆に近づいて覗こうと思えば50mm程度の距離でも覗けました。
それ以上近づくとケラレていきます。

ドットサイトと組み合わせるとこんな感じになります。
HOLOSUN HS503G-ACSSとHOLOSUN HM3Xの組み合わせです。

HOLOSUN HS503G-ACSSは、マウントベースがLower 1/3 Co-witness(1.63インチ)になっているので、HM3Xにはライザープレートを入れています。
尚、HOLOSUNのT1型ドットサイトは標準のハイマウントで運用した場合、すべてLower 1/3 Co-witnessの為、HS503G-ACSSと同じように高さはピッタリと合います。

覗くとこんな感じ。
HOLOSUN HS503G-ACSSにはPrimaryArmsのACSSレティクルが採用されているのでこういったマグニファイアとの相性が非常に良いと思います。

写真だとレティクルの周囲がボワーッと滲んでしまっていますが、実際はもっとくっきり見え、レティクルに付いている目盛りを使ってしっかり狙う事も可能です。

HM3Xのスイングマウントの動きや、視点を動かした時の見え方を動画で撮ってみました。
こっちの方が雰囲気を掴みやすいと思います。

他のドットサイトとも組み合わせてみます。

HOLOSUN HS510Cだとこのような感じになります。
HS510C標準のマウントはAbsoluteの高さになっているので、マグニファイア側のライザープレートは外しています。

続いて、HS510Cの後継機っぽいHE512T-RDだとこのような見た目になります。
これもマウントがAbsoluteなので、マグニファイアのライザーは無しです。

最後にT1型よりも一回り大きなチューブ型ドットサイト、HE530C-GRだとこのような見え方になります。
このドットサイトもマウントはAbsoluteなので、マグニファイアのライザーは入れていません。

蛍光灯の色温度の問題でレンズが赤っぽくなっています

屋外で覗いてみた感想について

HM3Xを屋外で見てみました。
場所はサバイバルゲームフィールド 東京サバゲパークのシューティングレンジです。

30m先に設置されたターゲット(写真左赤丸部分)です。
ドットサイトはEoTech 552.A65です。

覗くとこんな感じ。
屋外で覗いた感想としては、像は鮮明で肉眼に比べて若干コントラストが高めの像である事が分かりました。
しっかりピントは合いますし、歪みも控えめなので長時間覗いたり覗きながら移動しても酔ったり疲れたりはしないですね。

視界の広さも申し分ない感じで、30mでここまでの視野があればマグニファイアとしては十分な性能だと思います。

屋内でも撮影しましたが、前後と上下左右に視点を移動させるとこんな感じになります。

アイリリーフ、アイボックスの広さはマグニファイアという製品の都合上そこまで凄く広い訳ではありませんが、動画を見て頂けると分かる通り、不便を感じない程度の広さは確保出来ていると思います。

屋外で覗いていて少々気になったのはチューブ内部で乱反射を起こしてしまっているのか、それともレンズに光が反射しているだけなのか、日光下で覗いていると太陽との角度によってはレンズフレアのようなキラキラした物が視界を遮るという問題もありました。

スモークレンズ越しで見ていると気にならなかったので、普段スモークレンズのグラスを着用してサバイバルゲームをしている私としては大きな問題では無かったのですが、クリアレンズを使っている方は少々注意した方が良いかもしれません。
尚、太陽の角度によっては起きない事もありますし、日陰ではそもそも発生しないようです。

HM3Xの総評

2万円半ばという価格帯を考えると十分過ぎる性能を持った製品だと思います。
視界についてレビューした際にも書いたレンズフレアのような現象が少々気になった程度で、視野の広さや像の綺麗さは文句なしのクオリティだと感じました。

また、スイングマウントが左右どちら向きにも取り付けが可能だったり、光学軸調整ダイアルを回す為の工具がマウントベースに付いているなど、粋な計らいがあって面白い製品だと感じました。

最近は2万円〜3万円程度の価格帯で結構良いマグニファイアが各社から登場しているので、それぞれの特徴を紹介するのも難しくなってきているのですが、HOLOSUN HM3Xの特徴を一言で表すと「オールマイティ」だと思います。

何かの性能がずば抜けている訳では無く、全部が平均値〜平均よりちょい上くらいなのですが、バランスが取れており扱いやすい製品だと感じました。

恐らくこれ以上にバランスの良い製品を求めるならば、EoTech G33になると思います。