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バッテリー駆動のLEDモデル、Trijicon ACOG TA110-C 赤、緑レティクルのレビュー

記事作成日:2019年8月29日

新たに正規にTrijicon製品を取り扱う事が出来るようになった、つぼみトレードカンパニー様より『Trijicon ACOG TA110-C-100491』と『Trijicon ACOG TA110-C-100492』をお借りしたのでレビューしていきます。
また、専用キルフラッシュである『TA66』もお借りしているので、当記事ではキルフラッシュに関しても紹介します。

つぼみアームズでTrijicon ACOG TA110-Cを購入するhttps://tsubomi-arms.net/shopdetail/000000000269

ACOG TA110は3.5倍のプリズムサイトで、ACOG TA11の電池駆動モデル的な製品になります。
ACOG-LEDとも呼ばれている製品です。

正規輸入にあたって、トリチウム搭載機種に関しては日本側の審査(トリチウムの放射線量が安全基準を満たしているかなど)を通すのが非常に困難という事で、現状はバッテリー駆動のモデルのみとなっています。

「え?でもトリチウム製も普通に売られてるじゃん」と思うかもしれませんが、その辺りはお察しください。この界隈の闇の1つだと思います。

尚、つぼみトレードカンパニー様の通販サイト「つぼみアームズ」にてACOG製品を購入して頂くと、このようなベルクロ刺繍パッチがもれなく付いてくるそうです。

『Trijicon ACOG TA110-C-100491』と『Trijicon ACOG TA110-C-100492』はそれぞれこんな感じでクッション材入りのハードケースに収められています。

付属品はACOG本体に加えて単三電池(リチウム電池)、説明書、カタログ、シール、レンズペンです。

レンズペンはこんな感じで何の変哲もない製品です。
Trijiconのロゴとか入ってるのかな〜と思ってたんですが、ロゴは無し。

Trijicon ACOG TA110の外観について

Trijicon ACOG TA110の外観はこんな感じ。
TA01やTA31などの製品を見慣れていると「何か細長いな!」という印象。

あと、手にとった瞬間に「硬さ」が伝わってきます。
何というか…実物光学サイトって何が良いの?って言われると自分はこの「硬さ」を挙げる事が多い気がします。

やっぱりレプリカではこの硬さ(材質の硬さ、塗装の硬さ)は再現する事は出来ないと思います。

上部はこんな感じ。
LEDモデルなので、ACOG特有のファイバーは付いていません。

マウントは20mmレールに対応、側面のノブを回して締め付けるタイプです。
マウントの側面にはTrijiconのロゴが入っています。

対物レンズ側は斜めにカットされています。

防止のつばのような効果を持っており、日光による反射や必要以上に光を取り込む事による視界不良を低減させたり、雨水による視界不良を抑える効果があります。
また、水から取り出した時、スムーズに水が下に流れるような効果もあるようです。

側面には斜めに突き出したような電池ボックスが付いています。
電池ボックスの蓋は指で回す事も出来ますが、脱落防止のワイヤーが結構邪魔なので、コインドライバーを使った方が外しやすいです。

電池は一般的な単三電池を使う事が出来ます。

尚、蓋を閉めると電池ボックス内部は完全に密閉されるので、長期間保管したり長い間使うなら個人的にはリチウム電池をオススメします。(リチウムイオン電池ではない)

例えばこういう奴です

電池ボックスの上部辺りにはネジ穴が左右に付いており、RMR用マウントを取り付ける事が可能です。
RMRマウントに関しては、別途RMRのレビュー記事でご紹介させて頂こうと思っております。

電池ボックスの反対側には輝度調節ノブが付いています。
調節ノブの上面にはこれまたTrijiconのトレードマークである三角形の刻印が入っています。

輝度調節は6段階調節で、電源ONとOFFが交互に繰り返すタイプのノブになっています。
数字の部分が電源ON、棒が描かれている箇所が電源OFFです。

エレベーテーションノブとウィンテージノブにはキャップが付いており、脱落防止の為のワイヤーも備わっています。
ダイヤルはそのまま指で摘んで回す事が出来ます。
クリック感のあるダイヤルで、結構硬いです。

ダイヤルの調整は少し独特で、3クリック回すと100ヤード先で1インチ動きます。
そして、最大で40MOA動かす事が出来ます。

ハウジング下部はこんな感じ。
プリズムが収まっている部分の見た目、良いですよねぇ。
この独特な形状はプリズムサイトの醍醐味だと思います。

接眼レンズ側にもRMRマウントなどを取り付ける為のネジ穴が設けられています。
ACOG製品全体的に言える話ですが、視度調節ノブ(ディオプター)がありません。

その為、自分の視度に応じた微調整を行う事が出来ません。
ちなみに、乱視持ちの私が裸眼でACOGを覗くとレティクルはまともに見る事が出来ず、乱反射しまくった塊が見えるだけです(80MOA位のドットサイトみたいになる)

これは注意が必要だと思います。
普通のスコープなら「何かぼやけるな」と思ってもディオプターを使えば何とかなったものが、ACOGではどうにもなりません。
まあ、言ってしまえばドットサイトと同じですね…。

銃(M4)に乗せるとこんな感じで、レシーバーとほぼ同じ長さがあります。

レンズコーティングと覗いた時の見え方について

という訳で、レンズを見ていきます。
対物レンズはこんな感じでマルチコートなんですが、赤レティクルと緑レティクルで異なるコーティングが施されているようです。

赤レティクルは青と緑色の反射、赤レティクルの方は青と黄色の反射がありました。

接眼レンズ側は共に暖色系の反射です。
こちらもマルチコートで、何となくEoTech G33の反射にちょっと似てるかな…?といった印象。

覗いた時の視界はこんな感じです。
レティクルの線はかなり細いので、レティクルにターゲットが隠れて見えなくなるという問題は起きにくいでしょう。

非常にシンプルなレティクル形状をしていますが、これはTrijiconが掲げている「Bindon Aiming Concept」というコンセプトによるものです。
これは両目照準を行った際、脳内で右目と左目の像を合成させる必要があるのですが、その合成させる作業をやりやすくする為のレティクルをTrijiconは研究しているようです。

一般的には太い十字レティクルよりも細い十字レティクルの方が合成させやすかったり、ドット+サークルの組み合わせが合成させやすい…など、色々な事が言われています。
両目照準に最適化されたスコープと言えば、ステアーAUG A1に付属しているキャリングハンドル型の1.5倍率スコープ(レティクルが黒いサークルになっている)が有名では無いでしょうか?

うんちくはさておき、このシンプルな矢印のような形をしたレティクルは、近距離におけるレティクルの視認性の向上に加えて長距離を射角を付けて狙う際の使い勝手の良さを両立した設計になっています。

イルミネーションを点灯させるとこんな感じになります。
赤レティクル、緑レティクル共に先端の「↑」と+4の数値の所までが光ります。

この先端部分しかレティクルが点灯しない理由も、先程紹介した「Bindon Aiming Concept」による物のようです。

いつもはパララックス計測を行う所なのですが、4倍固定でフォーカスも無しだと2.5mの距離でピントを合わす事が出来ないのでそういう検証は行っておりません。
ピントが合っていない、ボケボケの状態で検証しても意味が無いですし…。

という訳で、パララックス計測は無しで、屋外で覗いてみる事にしました。
場所はいつもの河川敷。天候は晴れ(少し雲が多いですが)

堤防の上から、約150m先を覗いてみます。

視野に関しては歪みが起きない程度に十分に広く、そして覗きやすいです。
アイレリーフは4cm〜8cmと長くはないですが十分な広さはありますし、アイボックスも結構広め。
像はかなり自然な感じで肉眼とほぼ同様の見え方をしています。

芝生を何度も見比べていると、ほんの僅かに暖色系が強いかな…?とも感じましたが、微々たるものでしょう。
色の再現度はかなり高いと思われます。

続いて、レティクルを点灯させてみました。
輝度は6段階中3〜4で十分な明るさで、4だと逆光の状態でちょうど良い感じの明るさでした。

ちなみに、輝度を6にするとこんな事になります。
明るすぎて色が飛んじゃってます。

これは赤道付近の物凄く明るい地域でもちゃんとレティクルが視認出来るようにする為の措置だと思います。

日本であればここまでの明るさは不要でしょうね…。

視点を上下左右、前後に動かしてみました。
何となくアイレリーフとアイボックスについて分かる気がします。(音無し)

ついでに、対物レンズ側から覗いてプリズムを見てみました。
乱反射防止の為と思われる凹凸の奥の方にプリズムが確認できます。
まあ、実際見えているのはほんの一部だけですがね…。

これも動画に撮ってみました。(音無し)
スコープと違ってプリズムサイトはこういう事が出来るのが面白いですよねぇ。

Trijicon TA66 キルフラッシュについて

Trijicon ACOG TA110と一緒にお借りしたTA66の紹介です。
こちらはTrijicon純正でACOG 3.5×35専用(TA11、TA110専用)のキルフラッシュです。

こちらのキルフラッシュは単純に対物レンズ側にカチッと嵌め込むだけです。
こういう固定方法故に少しぐらつきます。

取り付けた状態の全体図はこんな感じになります。
長細かった本体が更に長細く…。

取り付けた状態の視界ですが、ほんの僅かに暗くなり、モヤモヤしたモノ(ピンぼけしたキルフラッシュ)が映り込むようになりました。

キルフラッシュを付けた状態でも屋外で見てみました。

やっぱり少し暗くなり、薄暗いモヤモヤしたものが居ますね。

このモヤモヤしたものは動画を見るとより分かりやすいと思います。(音無し)

キルフラッシュに関しては取り付ける事によって、対物レンズの反射や破損を防ぐ事が出来るものの、このように視界に影響を思してしまうのは仕方がないですね…。

尚、フード側の内径が40mmなので、ちょど良いサイズのポリカプレートを買ってきてはめ込むという使い方も出来る気がします。

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