マウントベース一体型ショートスコープ、Trijicon VCOG 1-6x24mmのレビュー
記事作成日:2019年9月23日
つぼみトレードカンパニー様よりTrijicon製のショートスコープ、『VCOG VC16-C-1600000(レッドレティクル)』と、『VCOG VC16-C-1600040(グリーンレティクル)』、専用のキルフラッシュ付きバトラーキャップである『AC11025』をお借りしたのでレビューしていきます。
つぼみトレードカンパニー様ではTrijicon製品を正規で取り扱う事が出来るようになったので、今後は並行輸入品では無いTrijicon製品の日本国内での流通が増えるのではないかと思われます。
つぼみアームズで注文するhttps://tsubomi-arms.com/blog/trijicon-pricelist/
※PCをお使いの方はスプレッドシートの方が見やすいと思います。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1lmVlWqQWGc6Jpv5gaMMUjcQtes2QM901FGYgBhwqHuE/edit#gid=582796458
という訳で、まずはTrijicon VCOG 1-6x24mmのご紹介から。
尚、2つのVCOGはレティクルのイルミネーション色が違うだけで、外観は同じなので外観の比較はやりません。
こちらは本体にマウントベースが予め装着された状態で販売されている独特な仕様のショートスコープになります。
内容物は取扱説明書、カタログ、Trijiconロゴステッカー、レンズペン、電池です。
Trijicon VCOGの外観はこんな感じ。
マウントベース一体型という事もあり、一体感が凄いです。
反対側はこんな感じ。
対物レンズの下部に電池を入れるスペースがあるという、独特な形状をしています。
マウントベースが一体型だからこそ出来る形状ですね。
電池は単三電池を用います。
今回は動作検証用なのて普通の単三アルカリ電池を使っていますが、蓋を閉めると電池ボックス内部は完全に密閉されるので、長期間保管したり長い間使うなら個人的にはリチウム電池をオススメします。(充電式のリチウムイオン電池ではない)
リチウム電池は少し値段は張りますが、長期保管による液漏れやガスが吹き出すような心配がありません。
VCOGに付属する単三電池もこのリチウム電池です。
付属のマウントベース(TA51)は20mmピカティニーレールに対応しています。
側面のノブを回して締め付けて固定するタイプです。
エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルにはキャップが被さっています。
キャップを外すと写真右側のような感じでダイヤルが出てきます。
ダイヤルは工具不要で調整を行う事が出来、1クリック回すと100m先で1/2インチ、25m先で1/8インチ着弾点が動きます。
アメリカってヤード・ポンド法とメートル法をごちゃまぜに使うの、好きですよね…。
6段階の明るさ調節が出来る、輝度調節ノブも付いています。
一般的なダイヤルを回して明るさを調整していく方式で、電源ONとOFFが交互に配置されています。
この輝度調節ダイヤル、瞬時に電源のON/OFFを切り替える事が出来るので何かと便利なんですよね。
VortexとかSIG SAUERなどのスコープでもこういうスイッチを採用していますね。
ハウジングとパワーノブの間には謎の模様が付いています。構造上の意味があるのかは不明。
コメントにて教えていただいたのですが、こちらの模様は純正RMRマウントを取り付ける時に使う物のようです。
こんなマウントあったんですねぇ…。
パワーノブはかなり広範囲に滑り止めの凹凸が付いています。
また、スルーレバーのような突起が付いており、操作性がとても良いです。
倍率の目盛りが非常に独特で、1倍〜2倍の間が非常に広く、2倍と3倍の間が狭く、3倍と4倍の間が少し広く、4、5、6倍の間は狭いといった感じです。
このバラツキの意図は不明ですが、何か理由がありそうな感じ…。
接眼レンズ側には視度調節ノブ(ディオプター)が付いています。
Trijicon VCOGのレンズとレティクルについて
続いて、レンズとレティクルを見ていきます。
対物レンズ、接眼レンズ共に緑〜青系のマルチコートが施されています。
反射はかなり大人しめな感じ。
今回お借りしたVCOGのレティクルは『Crosshair.223 / 55 Grain Ballistic Reticle w』です。
55グレインの5.56x45mm弾に対応しているレティクル仕様になります。
VCOGのレティクルはFFP(倍率を上げるとレティクルも拡大される)なので、倍率を上げていくとこのようにレティクルも一緒に拡大されます。
アイレリーフに関しては約70mm〜100mm程度、6倍まで倍率を上げると80mmちょいになるので、だいたい80mm〜90mm位の距離で覗くのが良さそうです。
アイボックスに関しては広すぎず狭すぎず、無難でちょうど良い感じです。
広すぎると今度は像に影響が出てきますからね。
尚、写真を見ていただければ分かる通り、等倍だとフチは結構薄いのですが、拡大していくと太くなっていってしまいます。
レティクルを点灯させるとこんな感じでレティクルの中央の十字とサークル部分のみが点灯します。
屋内では6段階中3段階目位で丁度よい明るさでした。
輝度1の状態は暗い所でちょうど良い明るさ、5や6は明るい屋外用で使うのに最適な輝度でしょう。
Trijicon VCOGの像の歪みとパララックス検証
いつものパララックス検証を行います。
2.5m先のディスプレイを1倍ので覗いています。
まず、像の歪みに関しては若干の歪みはあるものの、遠くの物を見る分にはあまり気にならないかな?といった程度の歪みです。
等倍で覗きながら移動しても酔わない程度の歪みには抑えられている感じです。
続いて、この状態で視点を動かしてどの程度レティクルがズレるのか(パララックスが起きるのか)を見ていきます。
結果はかなり凄い事に。
結構ギリギリまで動かしているんですが、個人的に設けている円の中に余裕で収まっています。
視点を動かすと像もグニッと動いてしまいますが、狙った所は狂わないこの仕様、とても素晴らしいと思います。
Trijicon VCOGを屋外で覗いてきました
やっぱり遠くを見る為の物は遠くを見ないと気づけ無い事もあるなと感じているので、屋外で覗いてきました。
場所はいつもの河川敷、季節は夏、少し雲は出ていますがほぼ炎天下での撮影です。
まずは普通に等倍で覗いてみました。
狙っている場所は約約150m先のパイプです。
像の色はかなり自然な感じで、肉眼とほぼ同じ色で見る事が出来ます。
個人的にこの覗いたと時の見え方ってかなり需要だと思うんです。
色味は暖色系が好き、寒色系が好き、コントラストは高い方が良い、自然な方が良いなど色々な好みがありますからね。
尚、等倍の状態だと肉眼よりも若干像が小さく見えました。
0.9倍とかそんな感じでしょうか…。
倍率を上げるとこんな感じになります。
写真左側が3倍、右側が6倍になります。
レティクルを点灯させるとこんな感じになります。
輝度は共に6段階中5段階で、緑が若干薄暗いかな…といった感じがしますが、炎天下でも問題のない明るさです。
ただ、HOLOSUNなどドットサイトのグリーンレティクルは緑風景の所でも視認性はそこまで悪くなかったのですが、VCOGのグリーンレティクルは草木に溶け込んじゃってますね…。
という訳で、Trijicon VCOG 1-6x24mm本体の紹介は以上になります。
キルフラッシュ付きバトラーキャップ『AC11025』の紹介
続いて、一緒にお借りしたAC11025というバトラーキャップ付きキルフラッシュの紹介をしていきます。
こちらはTrijicon VCOGの専用アクセサリーになります。
対物レンズ側と接眼レンズ側用のバトラーキャップがセットになっています。
対物レンズ側に付いているキルフラッシュの網目は割と粗めな感じ。
こちらのパーツは対物レンズのねじ切りを使って固定します。
接眼レンズ側のバトラーキャップはシド調節ノブの溝に引っ掛けて取り付ける構造をしているのですが、無傷で外す事が出来ない可能性があったので装着は断念。
恐らく「カチン!」とハマったらそう簡単には外れない奴だと思います…。
当然ながら、キルフラッシュを取り付ける事によって視界に影響が及びます。
特に1倍〜2倍位の間はかなりキツくて、黒いモヤモヤした物が写り込んでしまいます。
2倍を超えるとあまり気にならなくなるのですが、それでも「なにか写り込んでる」という見え方には変わらず。
4倍を超えたらこの違和感はほぼ無くなります。
屋外でも見てみました。
キルフラッシュのおかげでレンズの反射はほぼ無くなります。
しかし、黒いモヤモヤが映り込むせいで視界は少し暗い…。
動画で見ていただけると分かりやすいと思ったので、動画を撮ってみました。
1倍の状態では黒いモヤモヤが目立つのですが、倍率を上げていくとあまり気にならなくなる様子が確認出来ると思います。
低倍率で起きるこの問題はキルフラッシュの宿命ですね…。
正直「倍率を上げて(ごまかして)使う」以外の解決策って無いような気がします。
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※PCをお使いの方はスプレッドシートの方が見やすいと思います。
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