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SYSTEMA トレーニングウエポン 89式小銃を分解していきます

記事作成日:2019年9月26日

中古ですが、SYSTEMA トレーニングウエポン 89式小銃を手に入れたので分解していきます。
尚、既にチューナーの手が加わっており純正と所々違っている場所があります。
ご了承下さい。

外装で言うと、ハンドガードが東京マルイの通常電動ガン89式のハンドガードに交換されており、アッパーレシーバーの刻印がリアル仕様、ロアレシーバーが無刻印になり、セラコートが施されています。

という訳で、分解開始。
まずはハンドガードを外してテイクダウンします。

ピポットピン、すっこ抜けるんですね…。

アッパーレシーバー側(シリンダー・チャンバー・バレル)を見ていきます

という訳で、まずはアッパー側から見ていきます。

PTW 89式は色々と独特な構造になっていますが、シリンダーは普通に抜けます。
見ての通り、89式専用品です。

偏心ノズル。
スタンダード電動ガンならよくある構造ではあるのですが、トレポン方式だと違和感が凄い。

スプリングガイド側はなぜか角ばっています。
専用治具でもあるのでしょうか…。

PTW M4とぜんぜん違う形状ではあるものの、一応ゲロスパナのようなPTW M4用分解治具を使う事が出来ます。

という訳で、まずはスプリングガイドを外しました。

スプリングガイドが非常に独特な形をしていますね…。

続いて、ピストンヘッドを外すのですが、ここで注意が必要です。
PTW M4やTW5だとそのままシリンダーヘッドを外す事が出来るのですが、PTW 89式の場合は偏心ノズルのせいでそのままシリンダーヘッドを回そうとしても回りません。

このように一旦ピストンを後退させ、ノズルのくわえ込みを解除する必要があります。

これでシリンダーヘッドを外す事が出来ます。

ピストンはRetroArms製に交換されていますね。
ピストンヘッドは純正。この形状、やっぱり違和感が凄い。

尚、SYSTEMA PTWと言えばこの可動するピストンヘッドが特徴的というか、これによってノズルの後退時間を稼ぐ仕様だったのですが、PTW 89式は偏心ノズルという形状の為か、この機能が備わっていません。

そのため、給弾が従来のPTWシリーズよりもシビアになっているんだとか何とか。
実際、重い弾の給弾が悪いらしいですね。

シリンダーヘッドはこんな感じ。
半透明のクッションが付いています。

という訳で、ピストンの分解はこれで完了。

次にインナーバレルを外します。
インナーバレルはシリンダーを外せばスコンと抜ける…訳ではなく、そのままだとアッパーレシーバーに干渉して抜けません。
少し斜めにしながら引っ張り出してやると抜けました。

インナーバレルやチャンバーはPTW M4と同じ感じ。
マズルは段付きテーパーになっています。

ちなみに、ボルトハンドルやアウターバレルも外そうと思ったのですが、ネジが多そうだったのでやめました。
というか外装パーツに関しては当記事では分解しない事にしました。
一応写真だけ撮ったので載せておきます。

チャージングハンドルまでネジ固定とは…。

アウターバレルは4本のネジによって固定されているようです。
ガチガチですね。

ロアレシーバー側(ギアボックス、モーターなど)を見ていきます

続いて、ロアレシーバーを見ていきます。
まず、色々外せそうなパーツから外していきます。

セレクターレバーは2本の皿ネジを外し、コの字状のパーツを外せば落ちてきます。

マガジンキャッチはM4と同じ感じで外す事が出来ます。

ボルトストップははめ込まれてるだけなので、引っ張れば外れるはず…なんですが、やたらと硬かったのでグイグイ引っ張ってたら「パキッ!」と音を立てて外れました。
注)こちら、だいぶ後になって知ったんですが、前オーナーがメカボックスのパーツを破損させてしまっており、このような外し方になっていただけのようです。
本来、どのタイミングで外すのが適切なのかは不明です…。

本来の構造だと、こんな感じでは抜けない?気がします…。

大変心臓に悪い。

続いて、ストックです。
ストックは奥まった所から2本の六角ネジで固定されているので、これを抜く必要があります。

長さ25cm以上の六角レンチがあると便利です。
必要な太さは5mm。

いや、普通こんな長さの六角レンチ持ってないでしょ…。
わざわざ買いましたよ…。

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2本のネジを外したらストックがスポッと抜けるので、後はストックの基部を外すだけ。
尚、この89式は基部のネジが3本ですが、実際はもっと多いみたいです。(前オーナーがれ忘れてたらしい)
おかげで多少分解しやすくなってる…?感じでしょうか…。

次はモーターの底蓋を外します。
底蓋は4本のネジと1本のピンによって固定されています。

底蓋を外したらモーターのエンドベルが見えます。
全くゆとりのない配線。

“ギアボックスを外すため”にはこの配線を外す必要があります。
“モーターを外すため”じゃないんですよ。
慎重にはんだごてを当てて配線を外します。

「やった〜これでモーターが外せる〜」じゃないんですよ、モーターを外すには次にギアボックスを外す必要があるんです。

という訳で、ギアボックスを外すのですが、PTW 89式のギアボックスはロアレシーバーにはめ込まれてるだけです。
メカボックスを固定するネジが無いんですよ。

ただ、結構ガッチリハマっているので隙間という隙間からマイナスドライバーを突っ込んでグイグイやります。

SYSTEMA的には「ゴムハンマーで叩け」って言いそうな箇所ですが、一体何打撃しないといけないんですかねぇ…。
PTW M4のギアボックスもそうですが、ハンマーで叩いて出すのが面倒くさいので自分はグイグイ押し出す派です。

ある程度出てきたら手で掴んで引っ張ると楽です。

抜けました。

ここまできてようやくモーターを外す事が出来ます。
モーターはロアレシーバーの内側から4本のネジで固定されています。

何なんだこの構造は…。
何なんだこの構造は…。
何なんだこの構造は…。

PTW 89式のモーターは7511KUMIベースの専用モーターです。

ピニオンギアはPTW M4などと互換があると思いますし、エンドベルも同じでしょうね。
ちなみにシルバーブラシが付いていました。

PTW M4用のモーターとの大きな違いはモーターヘッド辺りでしょうか。
7511を持ってないので490との比較ですが…。

PTW89式のモーターはどことなくTW5のモーターを長くしたような感じ…でしょうか…。

個人的に7511はあまり好きじゃないというかむしろ嫌いなモーターなんですが、トルク全振りにしたい理由があったのだと思います。
硬いバネを引かせたい…とか…そういう理由であって欲しい…。
でないと、何のためにトルクの為にありとあらゆる物を犠牲にしている7511を採用したのか。

ギアボックスはこんな感じ。
ちょっとだけTW5感があります。

今まで英語(KUMI)だった社長の名前が漢字(久美)になって笑いました。
表札かな…。(フォントが)

ギアボックスを開けていきます。
まず、側面から見えるネジを4本外します。
ネジは4本中1本だけ短かったです。

続いて、蓋を開けるのですが、ギアボックスの左右にコントロールケーブルが飛び出しているという構造故に非常に面倒くさい。
まず、右側のコントロールケーブルを剥がして緩くした状態で慎重に開きます。

ある程度開いたらコントロールケーブルをECUから外します。
小さな端子で壊れやすいので端子を抜く角度には気をつけたほうが良いでしょう。

PTW 89式のECU(CPU)はこんな感じ。
使われてないコネクタ(黒い6ピンコネクタ)があったりするのは何なんでしょうか…。
ROM書き換え用とか…?

基板にプリントされている通り、89式専用品です。

SYSTEMA89CPU

続いてFETを外します。

PTW 89式のFETはSYSTEMA PTW リコイルモデルや10アニバーサリーモデルで採用されている、コンパクトなレイアウトになっています。
FETは2台。

絶縁テープや熱伝導シートなどは無かったんですが、大丈夫なんでしょうか…。(リコイルモデルのFETには、ロアレシーバーとFETの間に熱伝導シートが貼られていた)

セレクターレバー検知スイッチはオムロン製のマイクロスイッチが2つ搭載されていました。

セレクターレバーと連動して回るドラムとラックギアはこんな感じ。
ドラムに付いている凹にスイッチが逃げる事で現在のセレクターレバーの状態を検知し、セーフティー状態はラックギアがトリガーに干渉して引けなくする…といった挙動になっているようです。

面白い構造ですねぇ。

ギアはPTW M4と同じ感じですが、セクターギアはDSGに交換されていました。
ギア比に関してはMAX2と同等だと思われます。

トリガーはこんな感じ。
タクトスイッチを押す部分がこんなに尖ってて良いんでしょうか…。

という訳で、これでSYSTEMA トレーニングウエポン 89式小銃の分解が完了です。

何というか…。
アッパー側は全然手を出していいと思いますが、ロアー側は手を出しちゃいけない奴ですね。

SYSTEMAは、PTW リコイルモデルで「メインスプリングをただ交換するなどの愚挙は、海よりも深い後悔を伴うこととご理解ください。」と言ってましたが、PTW 89式に関してはロアレシーバーの分解で海よりも深い後悔を伴うと思います。

はぁ…これを組み立てる気力が起きない…。
暫く放置で良いかな…。

個人的なトレポンの魅力って、スタンダード電動ガンに比べて分解・組み立てが簡単に行えて調整や内部のカスタムが楽という事だったのですが、トレポン89式は見事にその魅力が消え失せている気がします。

得にギアボックス周りですね…。
トレポンはピニオンギアの適切な位置を出す為に何度も分解・組み立てを行わないといけないのですが、それが物凄くやりづらいんです…。

何でモーターをロアレシーバー内側からのネジ止めにしちゃったんでしょうか…。
構造上PTW M4みたいにできなくとも、TW5みたいな感じで単にグリップに差し込むだけで良かったのに…。