SⅡS/ASG CZ75D Compactフィクスドスライドガスガンを購入、注入バルブの加工を行いました。
記事作成日:2020年2月17日
SⅡS/ASG CZ75D Compact フィクスドスライドガスガンを買ってみました。
こちらは元々ASGから発売されていたCZ75DをSⅡSが国内向けにリパッケージして販売している製品になります。
ちなみに、ASG版では当記事で紹介するフィクスドスライドガスガンに加えてエアーコッキングバージョンも存在します。
ASGが関わっている事もあって、CZからライセンス提供を受けています。
S2S(エスツーエス) 固定スライドハンドガン本体 NO-07 Cz75D Compact
内容物はこんな感じ。
銃本体はASGですがパッケージに関してはSⅡSが作っているようで、SⅡSらしい内容物になっていますね。
銃本体、粘着ターゲット、BB弾、L字六角レンチ、製品カタログ、CZ75Dの取扱説明書です。
製品カタログは2016年の物が入っており、CZ75Dが載っていない…。
取扱説明書に関してはちゃんと日本語になっていますし、図解付きで分かりやすく書かれています。
公所区のBB弾は0.20gで100発入り。
こちらはASG製のもので、独特な形状をしたボトルの中に100発入っています。
調整用の六角レンチはこのBBボトルにセロファンテープでくっつけられていました。
粘着ターゲットはこんな感じ。
保護シートを剥がすと粘着面が出てきます。
BB弾だけじゃなくホコリもしっかり吸着させるので、保管時は保護シートを付けておいた方が良いでしょうね…。
ちなみにこれ、セミオートなら18禁のパワーを近距離から撃ってもしっかり止めてくれる程度には優秀な粘着ターゲットです。
という訳で、CZ75D Compact本体はこんな感じ。
CZ75D、結構好きなんですが全然モデルアップされないですね。
これのフルサイズのガスブロ出てほしいです。
マガジンを抜くとこんな感じ。
ざっくり言うとCZ75を短くしてアンダーレールを付けたような銃ですね。
CZ75からタクティカル要素が増えており、カッコいいです。
続いて、細部を見ていきます。
内側が八角形になっているマズルの奥に銀色のインナーバレルが確認出来ます。
実銃の仕様をよく把握してないんですが、ポリゴナルバレルを再現しているのでしょうか。
スライドの刻印はこんな感じ。
グリップ側にデカデカとASGの刻印が入っていますね。
エジェクションポート部にも刻印が入っています。
尚、フィクスドスライドガスガンですが、スライドを動かす事が出来ます。
スライドを動かすとチャンバーが見えてくるので、チャンバー上部の六角ネジを回してHOPを調節します。
尚、この六角ネジは緩めるとHOPが弱くなり、締め込むとHOPが強くなるのですが、HOPを弱くしすぎるとスライドが閉鎖出来なくなってしまいます。
厳密に言うとこの機構はHOP-UPシステムではなく「SDS(スピン・ドライブ・システム)」と言うみたいです。
その昔、「SCS(スピン・コントロール・システム)」というのがありましたが、それに近い何か…でしょうね。
やってる事はHOP-UPと同じです。
リアサイト、フロントサイトは共にホワイトドット入り。
狙いやすくなっていますが、フロントサイトのホワイトドットが歪な形になっているのが気になりました(個体差でしょうけど)
リアサイトは左右に調節する事が可能です。
側面に付いている六角ネジを回すとリアサイトが左右に動きます。
基本的に殆どの外装パーツが樹脂で出来ているのですが、トリガー、マガジンキャッチ、ハンマーに関しては金属になっています。
トリガーは程よい丸みを帯びており、引きやすい形状。
マガジンキャッチは大きく飛び出しておりマガジンを排出しやすくなっています。
共に操作性の良い形状でした。
ハンマーはリングハンマーで、ダブルアクションもシングルアクションも可能です。
尚、トリガープルに関してはダブルアクションは結構重くて5回計測して最大3.73kg、最低3.19kg、平均3.37kgでした。
ただし、ハンマーが落ちる直前が分かりやすいのでそこまで酷いトリガーフィーリングではなく、比較的撃ちやすい方だと思います。
シングルアクションに関しては1キロ未満。
最大0.96kg、最低0.82kg、平均0.92kgでした。
シングルアクションは少し力を掛けるとストンとスムーズにハンマーが落ちてくれます。
スライドストップは一体成型で動かないのですが、セーフティレバーはライブです。
カチッ!としっかりしたロックが掛かるのですが、結構硬いです。
グリップはラバーで出来ており、程よい丸みとしっかりしたグリップ感があり、とても握りやすいです。
本当、ここまでよく出来ているのにフィクスドスライドガスガンとエアーコッキングしか無いのが残念で仕方がない…。
マガジンはこんな感じ。
リップというか装填口と放出バルブはそれぞれこんな感じ。
マルシンのフィクスドスライドガスガン(8mm MAXIとか出してた時代のやつ)と仕様がよく似ています。
フォロワーを一番下まで下げると「カチッ」と音がして、ロックされます。
この状態で弾をジャラジャラ流し込んで一杯になったら写真右側、赤矢印の所にあるレバーを押せばフォロワートップのロックが解除されます。
装弾数は15発。
マガジン自体はそこそこ太いんですがシングルスタックですね。
マガジンバンパーはラバーで出来ており、簡単に外す事が出来ます。
特にロック機構などは無さそうなので、不意な脱落に注意が必要です。
注入バルブはマガジン底部にあります。
海外製品で一般的な高圧ガス用の注入バルブになっている為、国内で主流のフロンガスを注入しようとすると入りにくい仕様で、そのままだと20〜30秒近くガスを注入していても1マガジン連続で撃っていると途中で息切れを起こしてしまう程度の状態でした。
注入バルブは一般的なバルブレンチを使って外す事が出来ます。
CZ75D Compactの注入バルブの構造とフロンガス対応加工について
注入バルブを分解するとこんな感じになっています。
サイズを見る限り、WE系より一回り小さく、マルイより一回り大きいという何とも微妙なサイズで、どのメーカーの注入バルブと互換があるかは不明。
対応製品を探すのも面倒なので、今回はこの注入バルブを加工して国内仕様に変える事にします。
普段は加工が面倒なので国内用の注入バルブを買って済ましちゃうんですが…。
これでガス充填時に「シューッ」とガスが入っている感じの音が鳴るようになり、満タンになると吹き戻しが発生します。
ただ、このままだと気化室が確保出来ない状態になっている為、満タンにしてしまうと生ガスを吹いてしまうので入れ過ぎ注意です。腹八分目な感じで。
空の状態とガスを充填した後の重量はこんな感じ。
23gものガスが入りました。
正直、フィクスドスライドガスガンでこんなに沢山のガスは要らないので、更に分解して気化室を確保する為の加工を施しても良い気がしました。
まあ、そういうのは追々…。
ちなみに、銃本体が368gなので、ガスを満タンに入れた状態だと本体とほぼ同じ重量という事に…。
SⅡSは海外製品を国内用としてリパッケージして売っている事が多いのですが、注入バルブ位は国内仕様にしておいて欲しいですね…。
初速と飛び具合について
HFC134Aを充填して常温での初速を見ていきます。
マガジン温度は23度で、弾は東京マルイの0.20g樹脂弾です。
15発連続で射撃をしたのですが、とにかく初速のバラツキが激しい銃で最大で54.24m/s、最低で37.58m/sでした。(全てダブルアクションで計測)
- 52.8m/s
- 53.91m/s
- 48.72m/s
- 54.24m/s
- 52.42m/s
- 46.34m/s
- 39.2m/s
- 51.3m/s
- 45.27m/s
- 50.34./s
- 49.71m/s
- 47.81m/s
- 37.58m/s
- 48.6m/s
- 50.13m/s
こんな状態で、16.66m/sもの初速差が発生しています。
上がったり下がったりしているのでガス圧の低下という訳では無さそう。
尚、シングルアクションでも殆ど変わらずダブルアクションが原因という訳では無さそう。
また、ターゲット1の秋葉原店でも箱出し状態で撃ってきましたが、とにかく飛びが酷かったです。
まず、HOPを最低にしても0.25gで鬼ホップ。
10m先のマンターゲット胴体に狙うと頭に当たるレベルです。
かと思って下を狙うとまっすぐ飛んだりドロップしたり。
HOPを強くすると天井めがけて飛んでいく感じ。
逆にHOPのネジを外すと今度は全くHOPが掛からずに全然飛ばないという。
また、上下のブレだけではなく左右のブレも激しく、狙った所の2つ隣の的に当たったりする事も度々起きてました。
1マガジン(15発)中2発位はまっすぐ飛ぶ感じで、それ意外は四方八方に散弾してしまう状態でした。
なぜこんな事になってしまうのかはマガジンやチャンバーの構造を見れば一目瞭然です。
というか、構造については軽く事前に調べていたので初速や飛びが酷い事は承知の上で買ってるんですがね…。
軽く分解して構造を見てみる
SⅡS CZ75Dの分解はスライド後部のネジを2本外し、スライドを前に動かしてやるとスライドを外す事が出来ます。
スライドストップの機能がオミットされているのでこの仕様は仕方がない感じですかね…。
そうするとスライド後部のパーツとスライド、スライドのリターンスプリング、スプリングガイドを外す事が出来ます。
バレル類はシャーシ側に固定されているようですね。
ちなみにスライドの内側は手作業で削ったのか?と思われる跡が残されています。
リューター突っ込んでバリ取りでもしたんでしょうか…。
エジェクションポートの周りだけやたらとゴリゴリ削られた跡が残ってました。
マガジンを入れるとこんな感じ。
ノッカー、放出バルブ、チャンバーが横並びになっているという超シンプルな発射機構である事が分かります。
動画にするとこんな感じ。
チャンバーはこんな感じでマガジンとの機密を保つ為のパッキンの奥にHOPの突起が付いています。
もうお分かりですね。
旧マルシン製品含む昔のフィクスドガスガンでよくあったスーパー躓きHOPなんです…。
実質チャンバーのようなパーツは存在せず、放出ガスによってマガジンから放たれた弾がインナーバレルにぶつかり、HOPの突起で逆回転が加えられ、インナーバレルを加速していく構造です。
そもそもBB弾の保持位置はコンマ数ミリすらズレが許されないのですが、当たり前のようにマガジンの保持位置は安定しませんし、BB弾もかならず一定の高さで保持される訳ではありません。
故に、基本的にBB弾にはインナーバレルにぶつかった際に変な回転が掛かっており、更にその先にあるHOPパッキンによって新たな回転が加えられるせいで回転が不均一になります。
偶然何らかの理由によりインナーバレルにぶつからなかった時に素直な弾道になったり、BB弾が強くバレルにぶつかったりHOPパッキンに強く引っかかってしまって初速が低下したりと撃つたびに挙動が変わるのがこの方式の最大の欠点です。
その反面シンプル故に低コストかつ壊れにくいという利点もあるんですが…。
どうやって弄っていくかについては更に分解を進める必要がありますが、マガジン内での弾の保持位置の微調整に加え、バレルとHOPの形状をタナカのVer2リボルバーのような形状にするのか手っ取り早いかな?と思ってます。
そうすれば少なくとも20m位はソコソコ狙える弾道にできるでしょうし…。(ハンドガンなら20mの人に安定して当てられるなら十分だと思ってる)
元々弄る目的で買ってる銃ですからね。これは。