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レティクル切り替え機能付きドットサイト、Vector Optics Tempest 1×35 SCRD-07のレビュー

記事作成日:2020年5月6日

Vector Optics製のレッドドットサイト、『MODEL SCRD-07 TEMPEST 1×35 4 RETICLE』をつぼみトレードカンパニー様よりお借りしたので、レビューしていきます。

まずは内容物から紹介。
ドットサイト本体とバトラーキャップ、クリーニングクロス、工具、ネジ2本、取扱説明書、保証書が同梱されています。

取扱説明書はドットサイトの簡単な機能説明しか載っておらず、かなり簡素な物になっています。

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尚、こちらの商品にはつぼみアームズ様の方で90日間の無条件返品保証が付いています。
保証の詳細に関してはつぼみアームズ様のブログをご参照ください。
https://tsubomi-arms.com/blog/914-2/

付属のバトラーキャップはこんな感じで至ってシンプルな形状。
180度程度しか展開しないので、少し視界の妨げになるのが気になる所。

当レビューでは以後バトラーキャップは外した状態で行います。

という訳で、バトラーキャップを外したTempest 1×35はこんな感じの形状をしています。
Aimpoint COMP M4リスペクトみたいな感じの形状をしていますが、COMP M4よりもデカイです。というか長い?

対物レンズ側はこんな感じでロングフードみたいな物が付いています(着脱は出来ません)

フードの内側にはねじ切りもされているので、サイズの合うキルフラッシュがあれば取り付ける事も出来そうです。
尚、対物レンズの外形は約38.8mm、内径は35.4mm程度でした。
別途キルフラッシュやレンズガードなどを購入する再の参考にどうぞ。

バッテリーボックスはドットサイトの左上に配置されています。
バッテリーのキャップは大型かつ滑り止めが付いている為回しやすいですね。
対応するバッテリーは単3電池。

蓋の部分にはOリングが3つも付いてます。
耐水性を高める為でしょうか…。

輝度調節ボタンは電池ボックスの後ろ側。
11段階の調節が可能で、白線と白点が一列になっている状態(写真右側の状態)が電源OFFです。

エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルにはキャップが付いています。

キャップを外すと調節ダイヤルが出てきます。
ダイヤルはマイナスドライバーやコインなどを使って回す事が可能で、カチカチとしっかりしたクリック感があります。

オフィシャルの情報が見当たらなかったので、1クリックで何MOA動くのか不明なのですが、エレベーテーション、ウィンテージ共に60MOAの稼動量があります。

Tempestの特徴の1つであるレティクル切り替え機能は本体左側のノブを使って行います。
この通り、4種類のレティクルを選ぶ事が可能です。
レティクルに関する説明は後述します。

接眼レンズ側はこんな感じで少し絞られています。
外形は約30mm。

付属のマウントベースとライザープレートについて

付属のマウントは20mmレールに対応し、側面のノブを締め込んで固定するタイプです。
ノブには緩み防止用のスプリングワッシャーが入っています。

Tempestには予めライザープレートが装着されています。

この状態でAR15系のライフルに取り付けるとこんな感じの高さになります。
アイアンサイトよりも少し高い位置にドットのセンターが来る高さ、いわゆる1/3 lower co witnessくらいの高さになります。
ただ、実際は1/3 lower co witnessよりほんの少し高い気がします…。

ライザープレートは付属の六角レンチを使って外す事が可能です。
ネジを外し、ライザープレートを外したら同様に付属の短い六角ネジを使って固定します。

尚、マウントベースやライザープレートは取り付ける向きが決められているので、取り付ける再には注意が必要です。

ライザープレートを外した状態のTempestはこんな感じになります。

これでサイトの高さはAbsolute(アイアンサイトと同じ高さにドットサイトのセンターが来る)になりました。

結構大きなドットサイトなので、ライフルにも似合いますが、サブマシンガンでも全然問題なく使えますね。
特にライザーを外した状態でP90に取り付けるといい感じにマッチします。

レンズのコーティングと視界について

対物レンズはグリーンマルチコートが施されているレンズの奥にルビーコートが施されているレンズが配置されています。
接眼レンズにもマルチコートが施されています。

視界はこんな感じで全体的に青みがかった感じ。
最近当たり前のようになってきている「安いのに超クリアなレンズ」に慣れていると少し物足りなさを感じる仕様ですが、1万円を切る価格帯である事を考えるとまあ及第点かな?といった印象があります。

また、対物レンズ側は35mmと比較的大口径ではあるものの、実際の視界はT1系(22mm)より少し広いかな?程度の広さで、非常に視野の広いドットサイトという訳では無さそうです。

4種類の切り替えが出来るレティクルについて

冒頭でも紹介しましたが、Tempestは4種類のレティクルを切り替える事が出来ます。
まず、王道系のドット(写真左)とドット+サークル(写真右)です。

ドットのサイズは3MOAですが、サークルの方はスペックが不明。
見た感じ30MOA位かな?といった所です。

続いて、十字とドット(写真左)と十字付きサークル+ドット(写真右)です。
こちらもレティクルのサイズは不明。

レティクル切り替え可能なドットサイトとしてはありふれたデザインの物ですが、全てにおいて色ムラも無く綺麗に表示されています。

レティクル切り替えの様子を動画で撮ってみました。

レンズの歪みとパララックス計測

続いて、いつもの計測です。
2.5m先の網目の模様を表示したディスプレイを見ています。
レティクルは十字にしています。

ほんの僅かにレンズの周囲が歪んでいる程度で、ほぼ歪みは無いと言って良いでしょう。

この状態で視点を上下左右に動かします。
これでレティクルが中央の円の外に行かなければパララックスのテストは合格といった感じ。

上下方向に関してはほぼドットが移動せず、ちょっと感心したんですが、下方向に視点を動かした時はドットが歪んでしまうようです。
右方向に動かすとドットの右側が切れました。
左方向は普通に左に動くだけで問題は無さそう。

パララックステスト的には十分過ぎる結果になったものの、レティクルが歪んでしまったり見えなくなってしまう事があるのが少々気になりました。

恐らく投影機の位置と対物レンズの構造による問題だと思われます。
もっとも、ここまで激しく視点を動かさなければ普通に使えるので、気にするような事では無いのですが…。

屋外で覗いてみました

近所の河川敷で覗いてみました。
天候は晴れですが、1月中旬の非常に寒い時期で、太陽が少し傾いている状態です。

約20m先の杭を見ています。
レティクルの輝度は11段階中9で十分視認できる明るさでした。

輝度を11まで上げるとギラギラと眩しい位でした。
レンズの青みが強いぶん、レティクルの視認性が高いのだと思われます。

逆光の状態だとこんな感じ。
ある程度の角度まではフードが太陽光を防いでくれるのですが、角度が浅くなってくるとこのように対物レンズのルビーコートに反射した光と思われる赤い光が視界内に入ってきます。

ただし、レティクルはしっかり視認可能なので使えないような事は無いでしょう。
少し鬱陶しいですが、こればかりは仕方がないかと思われます…。

気になる人はキルフラッシュを取り付ける事である程度は軽減出来るでしょう。

Vector Optics Tempest 1×35 SCRD-07の総評

という訳で、Tempest 1×35のレビューは以上になるのですが、こちらのドットサイトの特徴は『低価格』『レティクル切り替え機能付き』『ライザープレート付属(サイトの高さが調節出来る)』の3点かと思われます。
1万円を切る価格なので扱いは入門機種といった所でしょうか…。

私がサバイバルゲームを始めた頃はレティクル切り替えのドットサイトにロマンを感じていました。
実際、レティクル切り替え機能欲しさにそういった製品を手にする事も多かったですね。

結局「自分が欲しいレティクルはこういう形状だな」というのが分かってからはあまり買わなくなりましたが、色んなレティクルを試す事が出来るというのは自分に合ったレティクル形状が分からないユーザーからすると非常に便利な機能だと思っています。

そういう点においても入門機種になるのかな?と感じました。

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