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高倍率ライフルスコープ MTC Optics King Cobra F1 6-24×50のレビュー

記事作成日:2020年11月16日

MTC Optics製のプリズムサイト、『King Cobra F1 6-24×50』をつぼみトレードカンパニー様よりご依頼頂いたのでレビューしていきます。

内容物はスコープ本体とレンズカバー、バトラーキャップ、クリーニングクロス、説明書になります。

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レンズカバーは対物レンズが透明、接眼レンズが黄色くなっているよくあるタイプの製品ですが、バトラーキャップは独特な形状の物が付属しています。
バトラーキャップの機能については後述します。

という訳で、MTC Optics King Cobra F1 6-24×50はこのようなスコープです。

対物レンズが50mmと大きく、チューブ径は30mmです。
見た目はサイドフォーカス付きの普通な感じのライフルスコープです。

対物レンズ側はこんな感じ。
上部には倍率と対物レンズ径の記載があります。

エレベーテーションノブとウィンデージノブにはカバーは付いておらず、そのまま摘んで回す事が出来る仕様にします。

ノブは1クリック回す事で100mで1cm着弾点が動く仕様(1クリック0.1MIL/0.1MRAD)で、最大で11.6 MIL動かす事が出来ます。
尚、1回転で60cm動きます。

このメーカーの光学サイト、全体的に色んな所で色んな単位が出てくるんですよね…。
MILとMOAが混在してる物もありますね。

このノブは共にゼロロック(ダイヤルロックやクリックストップとも言う)機能が備わっており、ノブを引っ張る事でロックを解除し、回す事が出来るようになります。
不意にダイヤルが回転してゼロインが狂う心配はありません。

また、ゼロリセット機能も搭載されています。
ノブの上部についている六角ネジを外せばキャップが外れるので、0の位置を合わせて戻します。

左側面には輝度調節ノブとサイドフォーカスノブが付いています。

輝度は6段階で調節が可能。
また、電源のONとOFFが交互に配置されているタイプのノブになっています。

尚、イルミネーション用の電池はCR2032電池を使います。
側面のロゴが書かれている部分が蓋になっており、それを回転させて入れる形です。

サイドフォーカスは15ヤード〜300ヤード、無限(それ以上)となっています。

パワーノブはこんな感じで、6、7、8、10、12、14、16、18、20、24と、結構飛び飛びで記されています。

接眼レンズ側の側面にはメーカーロゴと製品名が記されています。

視度調節ノブはこんな感じで、限界まで伸ばすと右側のようになります。

付属のバトラーキャップについて

接眼レンズと対物レンズに付属のバトラーキャップを取り付けるとこんな感じになります。
よくある被せて取り付けるタイプではなく、ロングフードを取り付ける時と同じような感じで、ねじ込んで取り付ける専用品のバトラーキャップですね。

バトラーキャップは90度刻みでロックが掛かり、最大で270度に開く事が可能です。
このようにスコープのチューブに対して並行に開く事が出来るバトラーキャップになります。

また、ねじ込み式の為360度どの方向に開く事も可能です。

対物レンズ側のバトラーキャップは普通な感じなのですが、接眼レンズ側にはレンズが付いています。
このレンズは虫眼鏡のような感じで倍率が付いています。

このバトラーキャップに付いているレンズ、何に使うのかと言うとこのようにエレベーテーションノブの回転数を見るのに使うようです。

中々ユニークな機能ですよね。
バトラーキャップにメモ帳が付いていたり、レティクルの見方や弾道計算の式が書いてたりする物は知っていましたが、こういう製品は始めてみました。

レンズとレティクルについて

レンズコーティングは接眼レンズ、対物レンズ共にグリーンマルチコートが施されています。
対物レンズは少し薄い緑色というか、黄緑色みたいな反射、接眼レンズは緑〜青系のコーティングになっています。

レティクルはFFPで非常に細いです。
このレティクルの名称は「MTC SCB2」というもので、正確な照準を実現する為にシンプルな線とミルドットが付いています。

アイレリーフは8cm程度と結構短めでアイボックスもそこまで広くはありません。
もっとも、この倍率比のライフルスコープだとこれくらいの製品が多いと思います。

レティクルの中央には10ミル四方の正方形があり、ネズミなどの小さく高速で移動するターゲットを狙う時に便利だそうです。
また、下方向のミルドット(線が長い部分)は1ミル刻みになっており、ドロップダウンレティクルとして使う事が出来ます。

24倍まで拡大するとこんな感じでレティクルが拡大されます。
そして、結構像が暗く、フチもかなり太めになります。
同時にアイボックスとアイレリーフがかなりシビアになり、ピンポイントな場所でしか覗く事が出来なくなります。

イルミネーションを点灯させると、中央の正方形部分のみが光ります。

最大輝度で屋内で丁度良い感じの明るさなので、屋外だと視認するのがキツそうな印象を受けました。

あと、拡大して気がついたのですが、下側に伸びている線が少し長いようです。

外で覗いてみました

という訳で、屋外で覗いてみました。
当初思っていた通りイルミネーションは見えなかったのでイルミネーション無しでの撮影になります。

ターゲットとしているのは約250m先の木。
まずは6倍から。
色味に関してはかなり自然な感じで浅くもなく、高コントラスト系でも無い無難な感じ。

レティクルが非常に細いせいか、ごちゃごちゃしている所や暗い所を背にすると視認性が落ちてしまう感じがあります。
その分、ペーパーターゲットに対してより精密な射撃をするのには向いているレティクルなのかもしれません。

倍率を上げていくとこんな感じ。

10倍まではあまり明るさや覗きやすさの変化は感じられないのですが、12倍を超えた辺りからかなりアイレリーフとアイボックスがシビアになり、像も暗い感じになってきます。

総評

エアライフル用の高倍率スコープという点もそうですが、かなり競技寄りの特性を持った製品のような印象を受けました。

サイドフォーカスで15ヤード(約13.7m)からフォーカスを合わす事が出来る仕様なので、近い距離から遠い距離まで狙う事が可能ですし、レティクルに付いているミルドットをうまく使えばドロップ弾道で狙う事も出来るでしょう。

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