GSCI製ナイトビジョンゴーグル、PVS-14C Echo+の緑管(Green Phosphor)、白管(White Phosphor)のレビュー | エボログ

GSCI製ナイトビジョンゴーグル、PVS-14C Echo+の緑管(Green Phosphor)、白管(White Phosphor)のレビュー

2021年2月10日

GSCI製のナイトビジョンゴーグル、『PVS-14C-EC-ELITE(Green Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)』と、『PVS-14C-ECW-ELITE(White Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)』を、つぼみトレードカンパニー様よりご依頼頂いたのでレビューしていきます。

この2つの製品の違いは中に入っている光電子増倍管の種類の違いです。
共にPhotonis社製のFOMが2000以上のEchoシリーズが搭載されています。
2つの製品の違いは片方が緑管(Green Phosphor:GP)、もう片方が白管(White Phosphor:WP)となっています。
レンズ、ハウジング、付属品類の違いは無い為、外観のレビューに関しては片方のみ紹介していきます。

という訳で、GSCI PVS-14CはNANUK 904というハードケースに入っていました。

尚、このハードケースとは別にOD色のナイロンケースも付属しています。

ナイロンケースは結構容量が大きいですが、ハードケースを突っ込む事は出来ませんでした。
中身のPVS14単体を持ち運ぶ時に使う用のケースなのかも知れません。

GSCI PVS-14Cの付属品紹介

内容物はこんな感じでPVS14本体、電池、レンズガード、アイカップ、レンズペン、クリーニングクロス、サクリファイシャルウィンドウ(接眼レンズ用)ストラップ類といった感じ。

マニュアルも付属しています。
PVS-14C/PBS14シリーズ共用の物で、英語ですが図解付きの説明書となっています。

付属品はGSCIのノベルティグッズみたいな感じでロゴ入り製品が沢山。
例えばクリーニングクロス、レンズペンのような実用性のあるアイテムにもロゴが入ってますし、消耗品である電池もGSCIロゴ入りでした。

対物レンズ保護用のレンズキャップは特にコーティングなどが施されていませんでした。

接眼レンズ保護用に付いてくるレンズには紫色のコーティングが施されていました。

アイカップはPVS-14C本体に最初から付いていますが、補修パーツとしてもう1個付属します。
また、アイカップをロックする為の樹脂製リングも、アイカップとは別に1個予備で付属しています。

なので、付属品としてはアイカップx2、樹脂リングx3といった感じです。

ストラップは完全にノベルティグッズですね。
PVS14に取り付けて使う事も出来るとは思いますが、多分そういう用途じゃ無いのかなと…。(流石にナイトビジョンをぶら下げておくには素材的に頼りない…)

GSCI PVS-14Cの細部を見ていきます

という訳で、GSCI PVS-14Cの細部を見ていきます。
外観はよく見るPVS14形状ですが、細かい所が独特な仕様になっています。

ピンホールキャップが最初から付いており、脱落防止のワイヤーで対物レンズに固定されています。

接眼レンズはこんな感じ。
写真右はフォーカス調整ノブを動かした状態です。

IRライトと照度センサーはこんな感じ。
IRライトは明るさ不足の時に補助光として使う物で、照度センサーは光電子増倍管にダメージを与えるような明るすぎる光を受けた時に働く過大光自動遮断装置で使われるセンサーです。

ゲイン調整ノブはこんな感じです。
大型で回しやすい形状をしており、回転数を把握する為の白いドットがノブの上面入っています。

GSCI PVS-14Cはバッテリーを単3電池とCR123Aの両方に対応しています。
電池の切り替えはバッテリーキャップのサイズを調整して行います。

バッテリーキャップにエクステンションを付けた状態だと単3電池が使えます。
エクステンションを外すとCR123Aが使えるという、変わった仕様となっています。

CR123Aと単3電池仕様でこのような長さの違いが生じます。
左がCR123A、右が単3電池で、CR123Aにした場合半分近く短くなる為、フォーカス調整がしやすくなるというメリットがあります。

今回の動作検証ではCR123Aを使った状態でテストを行います。

ハウジングにはGSCIのクイックリリースマウント、QRマウント用のアタッチメントと、Jアーム固定用のネジ穴と接点が設けられています。

電源スイッチはこんな感じ。
ノブをねじる事で電源のON/OFFが出来ます。
IR照射は電源ON状態でノブを引っ張りながらねじります。

接眼レンズ側はこんな感じで最初からアイカップが付いています。
このアイカップは引っ張れば外す事が出来ます。

接眼レンズ側はこんな感じで視度調節ノブが付いています。
このノブは樹脂で出来ています。

GSCI PVS-14Cのレンズについて

という訳で、GSCI PVS-14Cのレンズ周りを見ていきます。
対物レンズは明るい青色というか、水色っぽい感じのコーティングが、接眼レンズは緑系のコーティングが施されています。

かなり鮮やかなコーティングですが、接眼レンズが緑系なのは少々意外でした。
暗闇で使う製品では波長の低い光を反射する、紫色のコーティングが採用されているケースが多いと思うんですが、スコープなどでよく採用されているような感じの、グリーンマルチコートに近いコーティングでした。

ただ、付属の接眼レンズ用サクリファイシャルウィンドウは紫色系のコーティングが施されているので、サクリファイシャルウィンドウを取り付けた場合はちょうど良くなるのかも知れません。
写真右がサクリファイシャルウィンドウを取り付けた状態の接眼レンズです。

AN/PVS14A2で使ってるオプションパーツがどこまで流用出来るか調べてみた

そんなに沢山持っている訳では無いですが、私が使っているAN/PVS14A2で使ってるオプションパーツがどこまで流用出来るかを調べてみました。

まずJアーム。
こちらは普通に取り付ける事が出来ましたし、跳ね上げ時の電源カットも機能したので問題なく使う事が可能です。

続いて、増幅管をグリーンレーザーから保護する為のレンズフィルター、LIFは問題なく取り付ける事が出来ました。

私が対物レンズ保護に使っている、HAKUBAのレンズガードはネジピッチが合わず取り付ける事が出来ませんでした。

対物レンズにかぶせるタイプのレンズガードは流用する事が出来ました。
GSCI PVS-14Cがコーティング無しのレンズなので、透過率を気にするのであればコーティングが施されている物に変えるのも良いかも知れません。

アイカップはアタッチメント部分を含めて一式であれば交換する事が出来ましたが、少し固定が緩い気もします。(簡単に外れる訳では無いですが、ガチガチという訳でも無い感じ)

尚、アイカップを接眼レンズに固定するアタッチメントの形状はGSCI PVS-14CとAN/PVS-14A2では全くの別物で、GSCI PVS-14Cは視度調節ノブに被せる形、AN/PVS-14A2はネジ固定です。

この仕様故に被せて固定するタイプである、Wilcox製のアンバーフィルターなどは取り付ける事が出来ないかも知れません。

尚、GSCI PVS-14Cの接眼レンズ側にはネジ切りが付いていないので、ACTのアンバーフィルターを取り付ける事が出来ませんでした。

AN/PVS14A2とGSCI PVS-14Cの外観を比較していきます

という訳で、AN/PVS14A2とGSCI PVS-14Cの外観比較をしてみます。
共に同じPVS-14ですが、色々違っている箇所があります。

まず、そもそも長さが違っており、GSCI PVS-14Cの方が全長が若干長いです。

ゲイン調節ノブとIRライト、照度センサーの形も違っていますが、特にゲイン調節ノブの形が大きく違っていますね。
GSCIの方はノブが大型で操作しやすいのと、ノブに印が付いているので回転量が把握しやすい仕様となっています。

もっとも、暗闇では見えないんですけど…。

接眼レンズ側と対物レンズ側の形状も結構違っています。
特に接眼レンズ側の形状は別物ですね。

対物レンズ側のコーティングはこんな感じの違いがありました。
AN/PVS-14A2の方が濃い青、GSCI PVS-14Cは明るい青・水色っぽい感じと彩度の違い?はあれど似たようなコーティングです。

接眼レンズ側はAN/PVS-14A2が紫色、GSCI PVS-14Cが緑色という感じで、全く別物のコーティングが施されている事が分かります。

先程も紹介しましたが、GSCI PVS-14C付属の接眼レンズ用保護レンズには紫系のコーティングが掛かっており、これを取り付けると濃い青色のコーティングの奥に緑系のコーティングが見えているという状態になります。

こうやって比較してみると、色々な違いがあるようです。

覗いた時の様子を見ていきます

色々と紹介してきましたが、最後に覗いた時の様子を紹介します。
レンズカバー、レンズフィルターなどは全て外して撮影を行い、カメラ側はマニュアルでF値、シャッター速度、ISO感度などの設定を固定にして行っています。

暗闇での見え方(IR有り、無し)

まずは深夜にカーテンを全部閉めて照明を落とした状態の室内です。
写真左がIR消灯、右がIR点灯の上体、ゲインは共に最大です。

PVS-14C-EC-ELITE(Green Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

かなり緑色の強い感じで、IR点灯時はかなり明るくなります。
IRの明るさに関しては中央が非常に明るく、周囲が少し大人しめで明るさにムラがある感じです。
尚、IR消灯時でもノイズが少なめな印象で、ノイズによるチラツキが少ないので眼が疲れにくい印象がありました。

ただし、若干魚眼レンズのような感じになっており、少し周囲が歪んでいたり、周囲のボケが強かったです。

PVS-14C-ECW-ELITE(White Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

緑管と同様にノイズが少ないです。
また、緑管よりも少し像がクッキリしているかな?という印象がありますが、若干の魚眼レンズ感はこちらも同様ですね。

AN/PVS-14A2 OMNI7

こちらはIR消灯状態のノイズが結構多いです。
このノイズの影響もあって、非常に暗い環境下における細部の視認性はGSCI PVS-14Cの方が高いような気がしました。
IRを点灯させるとGSCI PVS-14Cに比べると大人しめの明るさで、明るさのムラも少ない感じがしました。
像の歪みもほぼありません。

IRレーザーの見え方について

IRレーザーを使用した際の見え方を比較してみます。
こんな感じでナイトビジョンの脇にSOTAC DBAL-A2を固定して撮影しています。
レーザーは5m先に照射、NV側のIRは消灯しています。
先程の検証と同様にカメラの設定は固定しています。

PVS-14C-EC-ELITE(Green Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

レーザー光のハローが少ない(小さいので視認し辛い)印象です。
そしてノイズは少ないですね。

PVS-14C-ECW-ELITE(White Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

レーザーを照射している周囲に大きめのハローが確認出来ました。
緑管に比べると全体的に明るい気がします。
こちらもやはりノイズは少なめ。

AN/PVS-14A2 OMNI7

少しノイズが出ていますが、全体的に明るく、ハローが小さく目立ちにくい感じでした。
レーザー光の反射で部屋全体が明るくなっています。

解像度のテスト

テスターを用いた解像度テストを行います。
テスターの設定はGEN3、HIGHとLOWの両方で計測しました。

PVS-14C-EC-ELITE(Green Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

全体的にすこしボヤっとしていますが、グループ2のエレメント6まではハッキリ見えている感じです。
グループ3のエレメント4位まではギリギリ行けてそう。

LOWだとグループ1のエレメント3位が限界でしたが、この状態でもノイズのチラツキが少なかったです。

PVS-14C-ECW-ELITE(White Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

こちらも緑管と同様に、グループ3のエレメント4位までは問題無い感じですが、少しボヤッとしてますね。

LOWも緑管と同じような結果で、グループ1のエレメント3位が限界。
相変わらずノイズが少ないです。

AN/PVS-14A2 OMNI7

全体的にクッキリしていますが、グループ3のエレメント4がギリギリ位な感じ。
ノイズによるチラツキがある為、静止画だと文字が潰れ気味ですが、肉眼だともう少しハッキリ見えていました。

LOWはノイズが激しすぎて結構キツいです。
Green Phosphor Echo+よりも低く感じられ、目を凝らしてグループ1のエレメント2位が限界な感じ。

ノイズの少なさも含めて、暗い所だとECHO+の方が良いのかも知れません。
ノイズが少ないのは大きな強みだと思います。

夜の森の中を見てみます

最後に夜の森を見ていきます。
満月が出ている環境で、雲も少ないので肉眼でもそれなりに見える、比較的明るい状態で撮影しています。

PVS-14C-EC-ELITE(Green Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

全体的に少しぼんやりしていますが、十分な明るさがありノイズも少なめ。
中央付近は割としっかり見えているので定点観測をする文には違和感は少ないのですが、ヘルメットマウントに装着した状態で周囲を見渡す度に首を振った際に、周囲のボケが気になります。

PVS-14C-ECW-ELITE(White Phosphor Echo+, Autogated + Manual Gain – FOM 2000+)

ぼんやり具合は緑管と似たような感じ。
フォーカスや視度調整を弄ってもあまり改善せず、レンズ周囲の歪みも緑管のモデルよりも大きかったので、もしかしたらレンズ性能の個体差による物なのかも知れません。

AN/PVS-14A2 OMNI7

全体的に明るく、クッキリしていますが、少しノイズが出ています。
歪みはほぼ無く、視野も若干広い感じです。

この辺りの差については動画で見ていただいた方が分かりやすいと思ったので、動画にもしてみました。(動画はiPhoneで撮影)


という訳で、GSCI PVS-14C Echo+ Green Phosphor White Phosphorのレビューは以上になります。

Photonis社製の光電子増倍管はマルチアルカリ光電面を採用しており、第三世代ナイトビジョンのヒ化ガリウム素子を採用している製品に比べると若干暗い感じが否めませんが、ノイズの少なさ故に非常に暗い環境化での視認性が若干高いのではないか?という印象があります。

実際、ノイズが少ないお陰で長時間覗いていても目があまり疲れませんでしたし、物体の認識もしやすかったです。

ただし、像を見比べてみるとAN/PVS-14A2に比べて若干魚眼レンズっぽい感じの歪みが確認出来たり、全体的にぼんやりした像になっていたりと少し残念なポイントもあります。
恐らく像の精度に関してはレンズ性能の問題では無いか?と思います。
特に魚眼レンズのように見えてしまう問題に関しては確実にレンズが問題だと思います(光電子増倍管自体で像が歪む事は理屈上無いと思うので…)。

尚、GSCI製品の大きな利点は製品に7年もの保証が付いているという事だと思います。
保証の内容に関して詳しく確認してみた所、下記のような保証内容でした。

  • 経年劣化による不具合:保証対象内
  • 光電子増倍管の突然死:購入から1年以内であれば保証対象内、1年後からは保証対象外
  • ブラックスポット:保証対象外(初期不良対応も対象外)
  • 増幅管の焼け、レンズ破損などの物理的な損傷:保証対象外

今回レビューを行ったPVS-14Cだけでも光電子増倍管の種類ごとに沢山のバリエーションがありますし、PVS-14型のナイトビジョン意外のラインナップもあるので、ご興味がある方は是非、商品一覧ページを確認してみて下さい。
https://tsubomi-arms.net/shopbrand/gsci/