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KingArms TWS 9mm GBB SBR JASG認定日本仕様を買いました

記事作成日:2021年10月19日

KingArms製のガスブローバックPCC、TWS(Training Weapon System) 9mm GBB SBRを購入しました。
TWS 9mm自体はバレル長が短いSBRと少し長いカービンの2つのモデルが存在しますが、今回購入したのは短い方(SBR)です。

King Arms TWS 9mm GBB SBR【JASG認定】を購入するhttps://www.gunsmithbaton.com/products/detail/3402

今回購入したTWSはGunsmithバトンが販売する、JASG認定モデルになります。
SBRで69,799円、カービンでは71,799円と、結構高価な部類に入るガスガンです。

内容物はこんな感じで銃本体とロングマガジン、説明書、保証書とシンプルな内容。
説明書に関しては基本的な操作方法とCO2マガジンの使用に関する警告が記載されています。

尚、分解図やパーツリストなどが付属しません。

という訳で、KingArms TWS 9mm GBB SBRはこのような銃です。

銃のカテゴリとしてはPCC。
実銃で言うとANGSTADT ARMS UDP-9QuarterCircle10 RANGER (GSF)に近いロアレシーバーの形状になっています。

左がUDP-9、右がQC10

TWSはロアレシーバーがSMG(9mmAR)、アッパーレシーバーがAR15という構成なので、コンバージョンキットを使ってAR15を9mm化したようなセットアップとなっています。

という訳で、KingArms TWSの細部を見ていきます…とその前に、手の取った瞬間に気になったのが「カチャカチャ」音が鳴る所。
どうやらガスチューブが暴れており、カチャカチャ鳴ってしまっているようです。

まず、付属のハイダーは六角形が特徴的なBlack Rain Ordnanceタイプのハイダー。
同社はBlack Rain OrdnanceライセンスのAR15を電動ガンでリリースしてるので、そのパーツの流用なのかな?と思います。

個人的には9mmの銃に5.56mmのハイダーがついてるのは一体…?って感じなんですが、細かい所は気にしない…この銃、色々ツッコミどころ満載なので…。

ハンドガードはM-LOKポート付きのフリーフローティング。
両側面には3ポート+何かのマウント用のネジ穴が付いており、斜めの部分はLVOAみたいな感じの三角形の穴が空いています。

ハンドガード下部も側面と同じでM-LOK 3ポートとネジ穴。
は両端に20mmレールが付いており、中央が窪んでいる握りやすい形状をしています。

この銃の厄介な所の1つとして「ハンドガードを外さないとHOP調節が出来ない」というのが挙げられます。
まあ、この仕様はウエスタンアームズを始め、WAコピーや亜種系の銃(AGM、S&T、GHK、VFCの古いモデル)などと同じではあるんですが…。
現行VFCみたいに改善して欲しかった…。

ハンドガードは根本に付いている4箇所のネジを外し、その後ハンドガードを前に引っ張れば外せます。

シューティングレンジでHOP調節をする度にドライバーを使ってハンドガードを外さないといけないのは面倒なので、ハンドガードはもっと外しやすい製品に交換したい所…。

カチャカチャ鳴るガスチューブがこちら。
一見ピンも挿さっていてしっかり固定されているように見えますが、寸法がガバガバで上下左右自由に動いてしまいます。

HOPダイヤルに覆いかぶさる位に大きなバレルナットが付いているので、HOPダイヤルを操作するには指先を差し込んで爪を引っ掛けるか、マイナスドラーバーなどを引っ掛けて回す必要があります。

続いてレシーバーを見ていきます。
白彫り刻印がかなり目立ちます。

特に特徴的なのがこの「Training Weapon System」の刻印。
トレーニングで使えるんですかね…?
でもCAL. 9mmなんですね…?

まあ、デザイン(個人的にはクソダサいと思いますけど)は置いといて、9mmのシミュニッション弾専用と考えればこの刻印は納得です。

ただ、ハンマーピンの上に「Gas Blow Back SBR Made in Taiwan」と書かれてるんです。
つまり台湾製のガスガンじゃねーか…。
Made in Taiwanは生産国なので良いとしても、Gas Blow Backは要らんやろ…。

という訳で、エアガンなのか9mm口径の実銃なのかなんか色々刻印の内容が色々ちぐはぐなレシーバーです。
フラッシュハイダーに至っては5.56mmですしね…。

反対側はこんな感じで、こちら側の刻印はセレクターレバーの刻印のみでシンプルなのですが、エジェクションポートから見える金色のボルトが特徴的です。

このボルトの金色、いかにも「ラッカースプレーで塗りました」みたいな感じで残念感が凄いです。
社外製のボルトが使えるか、現時点では不明ですが普通に黒色のボルトに変えるか、独自仕様な場合は再塗装したい所。

エジェクションポートのサイズはAR15(5.56mm仕様)と同じ。
ポートカバーもAR15系と同じですし、ちゃんと閉じる事も出来ます。

9mm化してもエジェクションポートがそのままという製品は存在するので、コレ自体は不自然では無いのですが、せめてボルトをエキストラクターむき出しの9mm仕様にして欲しかったなと思いました…。

ボルトストップ状態だと写真左の位置(中途半端な位置)でボルトが停止します。
エジェクションポートからHOPパッキンが見えるのですが、独特な形状をしています。

マガジンキャッチはこんな感じ。
ここがQuarterCircle10の9mmARのデザインとよく似ていますね。

マグウェルはこんな感じ。
Glock用マガジンを使用するので、小さいです。

トリガーはこんな感じで、オーソドックスな三日月状。
トリガーガード内側にBATON JASGの刻印と国内用のシリアルNOが入っています。

グリップはA2グリップ。
AR15系ではオーソドックスなフィンガーチャンネル付きの樹脂グリップで、リアルサイズの物になります。

アイアンサイトはトロイタイプのフリップアップサイトが付属。
これも同社が出しているBlack Rain OrdnanceライセンスAR15に付属する物と同じな気がしますが、物凄く安っぽい塗装と印字、そして塗装越しにも分かる巣穴という感じの非常に残念クオリティ。
サイトピクチャーは普通のピープサイトです。

チャージングハンドルはこんな感じでシンプルな形状。
ボルトから剥がれた塗料の破片がこびりついています…。

ストックにはROGERS SUPER STOCK DELUXEをベースに斜めの部分を切り落としたような、独特な形状の伸縮ストックが付いています。

ロックレバーが2つあり、後ろ側のレバーが伸縮用、前側のレバーが完全にロックする為のレバーとなっています。

後ろ側のレバーを押しながらストックを前後に動かし、定位置になったら前側のレバーを押すとストックが完全にロックされます。

前側のレバーはバッファーチューブを左右からクランプする為の物のようです。

独特な操作性だったので動画を撮ってみたんですが、壊れました。
ナイスタイミングすぎる。

ちなみに、ここを壊してる人は他にも居るようなので注意が必要かも知れません…。

バットプレートは滑り止めの凹凸が付いている樹脂パッド。

ストックを外す方法がイマイチよく分からなかったのですが、MAGPUL CTRストックと同じような感じでストック下部の穴に六角レンチを差し込んで引っ張りながら抜きました。

バッファーチューブは一般的なミルスペックサイズの6ポジションです。

TWS 9mm GBBの付属マガジンについて

TWS 9mmにはGlock用ロングマガジンが付属します。

TWSにマガジンを挿すとこんな感じになります。

カタログスペック上の装弾数は33発と、東京マルイのロングマガジンの50発よりも少ないです。
というのも、マガジン底部に長いスペーサーが入っており、装弾数を制限しています。

『スプリング底部のスペーサーを外すと(装弾数は51発まで増えます)、ボルトストップは効かなくなります。』との事なので、ボルトストップを動かせるスプリングレートにする為にスペーサーを入れて、嵩上げしているようです。

Glockのこのサイズのマガジンの装弾数は31発なので、「トレーニングウェポン」と謳うなら31発にすれば良かったのに…。

リップやガスルートパッキンは東京マルイ形状。
マガジンバンパーは無刻印で、中央にガスの注入バルブが付いています。

BB弾はフォロワーを下げる事で、下から入れる事が出来ますし、リップ側から込める事も出来ます。
フルロードにすると写真右の状態になります。
ちなみに、実際は34発入りました。

このマガジンはマガジンにガスを入れるにあたって、問題があります。
日本仕様でJASGの認可も通しているのに何故か注入バルブが高圧ガス(台湾ガス)仕様の物が組み込まれており、フロンガスのガス圧だと全然ガスが入りません。
吹き戻しも無いので、とりあえず空の状態から30秒ガスを入れてみた所、2gしかHFC134Aが入らなかったのは衝撃でした。

左が空の状態、右が30秒HFC134Aを入れた状態

当たり前ですが、この状態では1マガジン(34発)を撃ち切る事すら出来ません。
なので、動作テスト前に注入バルブのみ交換する事にしました。

TWS 9mm GBB用マガジンの注入バルブは台湾製品でおなじみのWE互換系ではなく東京マルイ互換です。
ネジピッチもネジサイズも違っているので注意が必要です。

とりあえず東京マルイのシャフトが長い注入バルブに交換、Oリングのままだとガス漏れしてしまったのでパッキンのみTWSのマガジンから移植しました。

これで25gのガスが入るようになりました。
JASGの認可まで取って日本仕様として売るなら注入バルブくらい日本仕様にしておいて欲しいんですけどね…。

という訳で、こちらのマガジンを使って箱出し状態での初速と測っていきます。
使用しているガスはHFC134A、弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。
また、HOPが完全に0の状態だと弾ポロしてしまい動作テストにならなかったので、少しHOPを掛けた状態での計測結果になります。

まずは常温(マガジン温度26度)の状態から。
10発連続で撃った結果とその後のマガジン温度を右に並べています。
最大初速が80.3m/s、最低75.7m/s。

初速が下がったり上がったり少々不安定な感じです。

続いて、マガジン音っっどを34まで上げて計測してみました。
この温度で初動90m/s超えという感じですね。
弾速は右肩下がりで、僅か10発の間に急激に初速が落ちてしまっている感じがします。

最後にマガジン温度を46度まで上げました。
初速は97.4m/sまで上がり、次第に初速が下がっていく感じで最終的に7度程度下がりました。

動作に関してはマガジン温度関係無しに非常に快調で、連射しても動作不良になるような事はありませんでした。

ただし、リコイルがかなり軽いのと、バネなりが凄いです。
動作から察するに作動性を重視する為に非常に柔らかいリコイルスプリングや非常に軽いリコイルバッファーが組み込まれているようです。

リコイルに関しては好みが分かれると思いますが、個人的には物足りないのでその辺りを弄っていくつもりです。
バネなりも改善したいですしね。

あと、トリガープルがかなり重いので、その辺りも改善出来たらと思います。

マガジンの互換性に関して

TWS 9mm GBBは『マガジンはグロックタイプで、各社グロックガスマガジン互換(東京マルイ、VFC、WE等に対応)。』と商品説明にも書かれている通り、既製品のGlock用ガスマガジンを流用する事が出来るのを売りにしています。

という訳で、手持ちのGlockのマガジンで試してみました。

今回試したのは下記5種類。
東京マルイ Glock17(旧)、Glock17(新)、Glock19、Glock26、KJ Works KP-17/KP-13用 CO2マガジン。

Glockのマガジンは東京マルイ製で統一させちゃってるので、意外と海外メーカーのマガジンを持ってないんですよね…。

まず、Glock17(旧)とGlock26のマガジンは問題なく抜き差し、動作させる事が可能でした。

しかし、Glock17(新)とGlock19のマガジンでは挿す事も動作させる事も出来るのですが、ハンマーダウン状態でスムーズに抜く事が出来ませんでした。
強く引っ張れば抜けるのですが、確実に何かに干渉している感じで常用は推奨出来ないです。

どうやら新マガジンにのみ付いている、赤矢印部分の段差にロアレシーバー内のパーツが引っ掛かってしまっているようです。
なので、この部分を削れば新マガジンでも使う事が出来ると思います。

KJ Works KP-17/KP-13用 CO2マガジンに関しては流量を絞っている以外の事はやっていない状態で、問題なく抜き差し・動作させる事が出来ました。
CO2カートリッジがむき出しになってしまうのがちょっと見栄え的に微妙なんですが…。

初速はこんな感じ。(スマホを起動させるの忘れてたので弾速測定器の写真です)

このマガジンはたいていの銃で少し温めた状態のフロンガスと同じ初速になるように調整しているので、初速も動作も大人しめです。

自分はTWSをこのJK Works CO2マガジンで使う為に買ったので、箱出し状態での初速には満足です。

TWS 9mm GBBをテイクダウンして中身を軽く見ていきます

という訳で、最後にテイクダウンして中身を軽く見ていきます。
まず、テイクダウンピンを抜くのですが、物凄く硬くてゴムハンマーとピンポンチを使って叩いたらすっこ抜けました。
「まさかの電動ガン方式でCクリップでもついてるのか…?!」と思ったのですが、どうやらプランジャーでロックする仕様でした。

なんでこんなピンの形をしているのでしょうか…。
まさかの電動ガン用パーツの流用だったり…?

これでテイクダウン出来ます。

ピボットピンも同じなのかな…?と思って見てみた所、やっぱり同じ仕様でした。
くるくる回るので普通に挿しにくい…どうしてこんな仕様にしてしまったのか…。

ロアレシーバー側を見ていきます

ロアレシーバーの内部はこんな感じで、基本はWA系GBB M4と同じ構造なのですが、マグウェル形状に合わせてバルブノッカーやボルトリリースボタンを延長させるパーツが組み込まれています。

バルブノッカーやボルトリリースボタンを延長させるパーツはこちら。
複雑そうな機構になっているように見えますが、実際は単に延長させてるだけです。

延長パーツの動きはこんな感じ。

ハンマーはローラー付きで、ローラー以外に銀メッキが施されています。
内部パーツ、しかも負荷が掛かる部品に銀メッキが施されているの、あんまり好きじゃないんですがね…。
剥がれた時の掃除が大変…。

リコイルバッファーとリコイルスプリングはこんな感じ。
バッファーチューブにはダンパー用の赤色のゴム板が入っていました。

予想通りリコイルスプリングはめちゃくちゃ柔らかくフニャフニャです。
そして、リコイルバッファーはなんと11g。
樹脂製で限界まで肉薄にしたような見た目をしています。

東京マルイ M4 MWSの純正リコイルバッファーが24gなのでその半分しかありません。

そりゃリコイルも皆無になりますね…。

アッパーレシーバー側を見ていきます

続いて、アッパーレシーバー側に収まっているチャージングハンドルとボルトを取り出して見ていきます。

チャージングハンドルはよくあるGBB用ではなくWA用なので注意が必要です。
レシーバー側にチャージングハンドルをはめ込む溝が無いタイプなので、リアル寸法のチャージングハンドルを取り付ける事は出来ません。

ボルトは金色の塗装が施されたアルミボルト。

リコイルバッファーと同様にこちらも非常に軽く、94gしかありません。
めちゃくちゃ軽いです。

いかにも脆そうなアルミを使っているのですが、ボルトリリースボタンが干渉する部分は別パーツで強化されているようです。
ただし、この補強パーツも軽い動作テストをしただけでかなり削れてました。

何発程度持つのか不明ですが、100発も撃ってない状態でコレなので耐久性に不安が残ります。

ガスルートパッキンと接触する面は平ら。
ガスルートパッキン側がマルイのように少し弧を描いているタイプなので、なんでこの組み合わせにしたのだろうか…と疑問に思いました。

普通にVFCやWEなどの製品で採用されている、平らなガスルートパッキンを使った方がロスが少なくて良いと思うのですが…。

ウエスタンアームズっぽい形のノズルですが、マグナブローバックでは無いようです。

ローディングノズルを引っ張るとこんな感じ。

という訳で、KingArms TWS 9mm GBB SBR JASG認定日本仕様を買ってみたので開封レビューを行いました。

既にこの銃はバラバラにされているので、近日中に分解レビュー記事も投稿する予定です。

とりあえず箱出し状態で使うなら最低限、注入バルブを日本仕様に交換した方が良いでしょう。
もしくは純正マガジンの使用を諦めるか…ですね。

後は好みに合わせて弄っていけば良いと思います。
個人的には不満点だらけなので、その辺りを弄っていくつもりです。

King Arms TWS 9mm GBB SBR【JASG認定】を購入するhttps://www.gunsmithbaton.com/products/detail/3402