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G&G SMC9 ガスブローバック ピストルカービンのレビュー

記事作成日:2021年11月2日

一部で『並行輸入罪』とかいう愛称でも呼ばれている並行輸入品のG&G製品ですが、今回レビュー記事を書く『G&G SMC9 SUB MACHINE CARBINE 9MM』も国内正規代理店経由での販売がされておらず、並行輸入品が多数流通しているモデルの1つです。

去年辺りに友人が並行輸入品を購入したものの、飽きて要らなくなったとの事だったので、引き取りました。
PRIMARY Airsoft製の外部ソースアタッチメントも付いてきました。

内容物は一式揃っていると思います(新品の状態が不明なので本当にすべて揃ってるかは不明)
内容物はカタログ、説明書、SMC9本体、ショートマガジン、ロングマガジン、グリップパネル、BBローダー、クリーニングロッドといった感じです。

説明書はしっかり日本語化されています。
このSMC9は並行輸入品が流通し始めた初期の頃に購入しているハズなので、以前から既に日本への展開を想定していた感じですね。

パーツリストや使用上の注意書きに関しても日本語化されており、パーツに関してはG&Gサポートから購入できるとの旨記載されているので、説明書を見る限りは補修パーツが必要になったらサポートに連絡すれば良さそうです。

もっとも、この手のマニュアルはただ単に原文を翻訳しただけの可能性もあるので、本当に補修パーツを手に入れる事が出来るかどうかは分かりませんがね…。

他の付属品はこんな感じ。
PRIMARY Airsoftのアタッチメントは純正部品では無いので写真からは除外しています。

という訳で、G&G SMC9のレビューをしていきます。
基本的な形状は同社製のガスブローバックハンドガン、GTP9のグリップが付いたピストルカービンといった感じです。

ピストルカービンと言えば、ハンドガンにストックを後付けしただけの物や、ハンドガンにハンドガードやストック部を被せる事でカービン化出来るキットはちらほらありますが、ここまでスマートな形状の製品は少ない気がします。

ストックは折りたたみストックが標準で搭載されています。

マズルには左右に大きな穴が空いた特徴的な形状のフラッシュハイダーが付いています。
マズルのねじ切りは14mm逆。
ハイダーはイモネジで回転止めされているので、イモネジを緩めてからフラッシュハイダーを外します。

ハンドガードは非常に特徴的なデザインのM-LOKハンドガードが付いています。
こちらはSMC9専用品で、斜め上と斜め下、下部に3ポート、側面に1ポートのM-LOKポートが付いており、上部は20mmレールになっています。

反対側も同じレイアウトになっています。

ハンドガード側面に付いている突起はコッキングハンドルです。
左右両方に付いているのと、アクセスしやすい所にあるので使い勝手は良いですが、側面にライト類を付けた途端に操作し辛くなるのでアクセサリーのレイアウトは気をつける必要があります。

レシーバー側はこんな感じ。
ゴテゴテしたフレームからGTP9のグリップが生えている感じです。

エジェクションポートは左右に付いており、写真はエジェクションポートカバーが閉じた状態になります。

ボルトを後退させるとポートカバーがパカッと開きます。

ポートカバーの左右どちらを開くようにするかは、ポートカバー内側に付いている突起(写真左、赤矢印)の位置を変える事で変更可能です。
写真右、青矢印の所(左側のポート)に取り付けると、左側のポートが開くようになります。

架空銃ではあるものの、こういう作り込みがしっかりされているのは個人的にかなり評価が高いです。
デザイン的にもかっこいいですしね。

ボルトオープン状態だとこんな感じ。

エジェクションポートの後ろ側にはセミフル切り替えスイッチが付いています。
ボタンが押されている方の刻印が現在の射撃モードで、写真の状態だとセミオートの状態です。
直感では分かりづらい仕様ですが、慣れれば間違える事は無いでしょう。

グリップはまんまGTP9です。
元々GTP9のグリップを移植できるコンバージョンキットという売り方をしていましたからね。

結局、SMC9はSMC9としての完成品でしか発売されていない気がします…。

トリガー周辺の形状はGlockみたいな形をしており、トリガー自体もセーフティ付きです。
トリガーガードの形状なんてGlockそっくりです。
マガジンキャッチはUSPやVP9のようにレバーを押し下げるタイプになっていますが、グリップの根本から少し離れている位置にあるので、肉を挟みにくいレイアウトになっています。

ボルトリリースレバー(スライドストップ)はアンビで左右に同形状の物が付いています。
レバーの下に付いている丸いボタンはセーフティボタンです。

グリップはこんな感じ。
グリップのチェッカリングもGlockっぽい感じです。

グリップ後部に「PUSH」と書かれた部分があるのですが、ここを押すとHOP-UP調整用の工具を取り出す事が出来ます。

この工具をマズルに差し込んで回す事で、HOP調節を行う事が出来ます。
スマートな工具収納方法で、分解せずにHOP調節が出来るのはかなり良いです。
また、回転方向は工具に書かれているので、操作時に特に困る事は無いでしょう。

グリップパネルは下部に引っ張ると外す事が可能です。
パネルはラバー部分とHOP調節用工具、その工具の収納スペースの3つに分割する事が出来ます。

写真左が元々SMC9に付属しているグリップパネル。
右がラージサイズのグリップパネルです。

レシーバー後部、下側にはグリップを着脱する為のロック機構が付いています。
ちなみに、緑色のパーツがチラ見していますが、こちらはガタとり用のゴムです。

PUSHと書かれた部分を押しながら後ろにずらす事で、ロックを解除する事が出来ます。

続いてトリガーガード内側、写真赤矢印のレバーを下げる事でグリップを外す事が出来ます。

コンバージョンキットというだけあってワンタッチでグリップの着脱が出来るのが面白いですね。

SMC9の内部に関しては後日投稿する予定の分解レビュー記事の方で紹介しますが、ざっくりボルト側とグリップ側はそれぞれこんな感じになってます。

ストックは折りたたみ可能ですが長さ調節は出来ません。
長さはグリップから約29cm程度と、少しストックを伸ばした状態のM4系と似たような長さがあり、個人的には長くもなく短くもない丁度よい長さだと思います。

PTWストックや伸縮ストックを縮めた状態で使うのが好きな人からすると少し長く感じられるかもしれません。

ストック基部には大きなスリングスイベルが付いています。

ストックを折りたたむとこんな感じ。
ヒンジは樹脂ですが、ガタツキも歪みも無くガッチリしており頼りなさは感じられませんでした。

バットプレートはラバーが付いており、しっかり肩にフィットし、安定感が高いです。

純正マガジン(ノーマルマガジン、ハイキャパシティマガジン)の紹介

SMC9のマガジンは同社製ガスブローバックハンドガン、GPT9と互換性があり、ショートマガジン(ノーマルマガジン)とロングマガジン(ハイキャパシティマガジン)の2種類がラインナップとして存在します。

左から準に純正ショートマガジン、純正ロングマガジン、純正ロングマガジンにPrimary Airsoft製の外部ソースアタッチメントを取り付けた状態です。

純正マガジンとショートとロングではこのような違いがあります。
ショートマガジンの装弾数は23発、ロングマガジンが50発なので、ショートとロングでは倍以上の差があります。

リップ、ガスルートパッキン、放出バルブ周りの仕様はショートとロングで代わりありませんが、マガジンバンパーの形状が異なっています。
注入バルブは共にマガジン底部に付いており、海外仕様の高圧ガス用が付いている為フロンガスが入りにくいです。

共にフォロワーを押し下げると「カチッ」とロックが掛かり、BB弾を込めやすくなります。
この仕様は便利で良いですね。

純正マガジンの容量を調べていきます。
ガスが吹き出さない高圧ガス用の注入バルブが付いている為、HFC134Aではガスが満タンになったのか分からないので、とりあえず30秒チャージする事にしました。

まずはショートマガジン(ノーマルマガジン)から。
空の状態が291g、ガスを30秒入れた状態で293gと2gしかガスが入りませんでした。

全然入らないですね…。
一応これでも作動はしますが、本来持っているハズの容量に対してガスの持ち具合が微妙な印象。

ロングマガジン(ハイキャパシティマガジン)だと空の状態で580g、ガスを30秒入れた状態で645gとノーマルマガジンと比較して驚くべきき量のガスが入りました。
65gも入るとは…。

これ、国内用のバルブに交換したらどれだけ増えるんでしょうねぇ…。
ただ、このマガジンの注入バルブって専用品らしいんですよね…。

注入バルブを外そうと思ったのですが、普通にバルブレンチで回すだけだと外れ無さそう(途中でネジが噛み込んだように回せなくなる)だったので一旦断念。
外し方が判明すれば外そうと思います。

PRIMARY Airsoft SMC9/GTP9 HPA/M4 ADAPTERについて

Primary Airsoftの外部ソースアタッチメントを純正マガジンに取り付けた状態だとこんな感じ。
こちらのアタッチメントはロングマガジンには対応していません。

マガジン側は純正マガジンを流用するので相性問題は起きないのがこの製品の利点ですね。
スタンダード電動ガン用のM4マガジンを挿し、外部ソースに接続する事でハンドガンでは実現不可能な作動の安定性と、キャパシティを実現します。

また、M4マガジンを抜き差しした時に弾が溢れない(弾ポロしない)ようにする為のロック機構も付いています。
弾抜きする時は青い部分に付いているレバーを押す事で、給弾ルート内のBB弾を排出する事が出来ます。

外部ソース用のカプラーはCPS15が付いていました。
CPS15用のカプラーが手元に無いので外部ソースでの動作を検証する事が出来ません。

HFC134Aでの初速を見ていきます

という訳で、純正マガジンで初速を見ていきます。
仕様ガスはHFC134A、BB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。

まずは常温(24度)です。
初速は少々不安定ですが、65.5m/s〜74m/s程度でした。

ハンドガンのエンジンとは言えどもボルトも小型な影響か動作は非常に快適です。
フルオートに関してはガスの気化が追いつかないのか生ガスがエジェクションポートから吹き出しますが、しっかり動作します。

マガジン温度を温めてみます。
とりあえず35度だと50m/s半ばまで初速が一気に下がりますが、かなり安定します。

ガスの残量が少なかったり、ガス圧が高すぎてバルブが叩けていないという訳でも無いので、この初速の変化に関してはGTP9/SMC9に搭載されている独特な仕様のフローティングバルブの特徴だったりするのかも知れません。

マガジン温度を40度まで上げるとまた下がります。
尚、リコイルに関してはマガジン温度を上げても劇的に増える訳ではなく、かなり軽めです。

この特性を活かしたカスタムをしていくか、それともフローティングバルブを東京マルイ方式に変えてしまうかは悩みどころですね…。

とりあえず、この辺りは分解した時に考えていこうと思います。


という訳で、G&G SMC9のレビューは以上になります。

SMC9自体は2019年に発表され、SHOTSHOW会場で見て「面白い銃出るんだな〜ちょっと欲しいな〜」とか思ってたんですが、一向に正規品が出ず、気づいたら3年経ってました。
多分友人から提供されなかったら所持してなかったでしょうね…。

SHOTSHOW2019で撮影したSMC9

SMC9は海外のみ展開という訳ではなく、実は国内で開催されているイベントのG&Gブースでも何度か展示がされたことがある製品なので、何故未だに国内販売されないのかは謎ですね…。

ハンドガンであるGTP9は直ぐに発売されたんですけどね…。