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G&P製電動ガン、SMG 9mm(GP293)の分解レビュー

記事作成日:2022年2月17日

先日レビュー記事を書いたG&P SMG 9mm GP293を分解していきます。

まず、アッパーレシーバーとロアレシーバーを分離させるのにピポッドピンを抜きます。
イクダウンすると給弾ルート内に残っているBB弾が溢れてきます。

開封レビューでも軽く説明しましたが、この銃は給弾ルート内に付いている突起の影響で銃本体内にBB弾が残ってしまい、テイクダウン以外の方法で完全に弾抜きする事が出来ません。(銃を逆さにしてもこれらのBB弾は撃ち出せませんでした)

赤矢印部分の突起にBB弾が干渉してBB弾が落ちてこない。

この問題は調整時に改善できればやろうと思います。
この突起外すだけだとは思いますが…。

続いて、アッパーレシーバーからインナーバレル・チャンバーを抜きます。
チャンバーをメカボックスに押し付けるスプリングはインナーバレルを通すタイプです。

チャンバー上部に付いている物よりもこのタイプの方がちゃんと真っ直ぐチャンバーをメカボックスに押し付ける事が出来るので個人的にはこっちの仕様の方が好きですね。

尚、当記事でアウターバレルやハンドガードなどの分解は行いませんが、固定方法は一般的な電動ガンと同じでした。
フロントサイト下部のイモネジを緩めて、ピンを2本抜けばフロントサイトは外れますし、デルタリングを外せばアウターバレルを外せます。

インナーバレル・チャンバーについて

チャンバーはG&Pが「GP083」という製品名でカスタムパーツとしても販売している金属製のチャンバーを加工している物が入っていました。(給弾ルート部の下側が切除されてます)
HOPダイヤルの仕様がスタンダード電動ガンのM4/M16タイプで、今の時代にこのチャンバーを敢えて使う利点は特に無い気がしますね…。

懐かしさのあるチャンバー

このチャンバーはギア周りの分解が面倒なので、HOPアームなどは分解せずにバレルクリップだけ外してインナーバレルを分離させました。

HOPパッキンは結構柔らかめで東京マルイ純正相当の硬さでHOPの突起も東京マルイに近い形状の物です。
ただこのパッキン、見て分かる通り外側も内側もオイルでギトギトでした。

このままだとHOPが全然掛から無さそう…。

クッションゴムにはちょっと固めのシリコンチューブが入っていました。
いい感じの硬さ。

インナーバレルは長さ275mm程度の真鍮製。
HOP窓の形状は90度にカットされているシンプルな形状で、オイルの影響かパッキンの色素が付着して黒ずんでます。

また、インナーバレルの内側にもべっとりオイルが付着しており、一度掃除しないといけないタイプのバレルですね…。

ロアレシーバー側の分解

メカボックスを取り外す為にロアレシーバー側のパーツを外していきます。

まず、ストックを外してストックチューブ内のネジを外します。
これでストックチューブやエンドプレートなどを外す事が出来ます。

ストックチューブ周りのパーツはこんな感じで、基本的にはすべて一般的なスタンダード電動ガン用と互換性がありそうです。

ボルトリリースボタンはダミーですが、一応押すと動くようにスプリングが仕込まれています。

続いて、グリップの底蓋を外します。
グリップ側には金属インサートが付いているタイプで、モーターのコネクタはよくあるピン式ではなくO端子がブラシホルダーにネジ止めされる仕様となっています。
G&Pってこの固定方法好きですよね。

O端子のネジを外してモーターを取り外します。
小さなネジが使われているので、モーター側に落下しないように気をつける必要があります。

モーターについて

G&P SMG 9mm GP293は箱出し状態の作動性が割といい感じだったので、それなりに良いモーターが入っているんだろうなと当初から思っていたのですが、カスタムモーターとしても販売されているG&P M120 ハイスピードモーターが入っていました。
シャフトはロングサイズ。

今みたいにカスタムモーターの選択肢が豊富では無かった時代は王道のカスタムモーターで、特にハイサイクルカスタムをする際は定番モーターの1つだった印象です。
最近だとあえてこのモーターを選択する理由は無い気がしますが…。

モーターと一緒にこのようなCリングみたいな物が落ちてきたのですが、本来どこに組み込まれている物なのかイマイチ分からず…。
もしかしたらグリップの底蓋とエンドベルの間(モーター位置調整ネジの所)に挟み込んでおく物かも知れません。

G&P M120 ハイスピードモーターは昔使った事があるものの相当前の話なので当時の事を全然覚えてないんですが、特に変わりは無い気がします。
ピニオンギアはOタイプでエッジが立ってるタイプ、ブラシはレイダウン型です。

モーターを外したらグリップ内側に付いている4本のネジを外し、グリップを取り外します。
ちなみに、モーターに繋ぐ端子がO端子になっているおかげでグリップを外す時にコネクタが引っかかるという事が無く、外しやすかったです。

L字に折り曲げられたモーターピンって結構グリップの穴を通す時に引っかかるんですよね…。

最後にロアレシーバーからマガジンキャッチ、トリガーピン、テイクダウンピンを外します。
これでロアレシーバーからメカボックスを取り外す事が出来るようになります。

メカボックスについて

メカボックスはこんな感じで普通にVer2メカボックスですね。
シリンダー前側が少し肉厚になってたり、逆転防止ラッチを解除する穴が付いていたり、モーター側に配線の逃しが付いていたりと特徴的な部分がちらほら見受けられますが、これもG&Pからカスタムパーツとして販売されている強化メカボックスと同じような気がします。

尚、軸受は全て8mmのボールベアリングが組み込まれています。

逆転防止ラッチを解除してからメカボックスのネジを全て外します。

赤矢印の穴から逆転防止ラッチが解除可能
ネジは全て六角皿ネジ 

メカボックスを開けるとこんな感じ。
逆転防止ラッチを解除してもタペットプレートは前に行ってくれなかったようです…。

グリスの粘度と色はアレ(俗に言うエイリアングリス)ですが、べっとりこびり付いている訳ではなく、そこまで汚くは無いです。
ただ、この少量のグリスでもそれなりにそれなりに臭いが…。

尚、メカボックスの左側に関しては飛び散ったグリスがちょっと付着している程度で綺麗な状態でした。

逆に右側はグリスが結構付着していました。
まあ、以前分解したCYMAの電動ガンに比べると可愛いもんですがね…。

メカボックス内部のパーツについて

続いて、ギアボックスに組み込まれているパーツを取り外して中身の細部を見ていきます。

ギアセットについて

まず、組み込まれているギアセットはこんな感じ。
ギアの歯の枚数が少々特殊で、計算した所23.4:1という一般的な電動ガンの18:1よりもトルクの高いギア比になっている上に、セクターギアが普通のギアより2枚少ない、13枚仕様となっています。

こういうギアセットも同社製のカスタムパーツで出てたりするんですかね。(ハイトルク系セクカギア)
こんな変なギアは初めて見た気がします。

特に面白い仕様としてはベベルギアのシャフト部には樹脂みたいなパーツが埋め込まれていたり、セクターギアには丸くて大きな金属製セクターチップが組み込まれていました。

中央の白い部分が樹脂素材
巨大なセクターチップ

セクターギアに付いている大きなセクターチップは同社製のカスタムギアでは定番ではあるのですが、これによってタペットプレートの破損を招くケースがあると聞きます。

それにしても、モーターはハイスピード系、ギア比はハイトルク系、セクターギアは13枚(2枚セクカ状態)と、中々変なバランスのセッティングですね…。
どういう意図でこういう仕様になってるんでしょう…。

尚、シムに関しては大小、厚み、大きさなど様々なものが組まれていました。
銀色が0.4mm、銅色の大きいやつが0.4mm、銅色の小さい奴が0.2mmといった感じでした。
ちょっとバリもあったりしてあまり良いシムとは言えないですね。

ピストン、シリンダー周りのパーツについて

ピストンスプリングは不等ピッチでちょっと固めな物が入っています。
スプリングガイドは金属製でワッシャーが1枚入っています。

ピストンはポリカーボネイトのような材質(LandArms/E&L製ピストンの質感に似ている)でラックギアは13枚歯仕様。
最後の2枚が金属歯になっています。
ピストンヘッドは独特な形状をした後方吸気ピストンヘッド(SP006Nという製品名で販売されている)が付いています。

ピストンにもしっかり緑グリスが付着
こうい変わった形の吸気穴ってたまに見かけますが普通の丸穴と何が違うのか…

ラックギアは最初の1枚と最後の1枚が少し高くなっており、セクターギアにしっかり噛み合ってくれる仕様。
ラックギアの2枚目が完全に無く、バウンド対策も行われているようです。
特に問題の無さそうなピストンなので、13枚歯で銃を組みたい時に使えそうです。

仕様だけで言うと、ANGELのちょっぱやピストンに似ていますね。

ピストンを分解するとこんな感じで、ピストンヘッドは3分割になっており、前からのネジ止め式。
内側には錘が入っており、これがピストンを固定する為のナットの役割も兼ねています。

分解前にピストンの重量を計測するのを忘れていたので分解後に計測しました。
重量は27gとピストン内の錘の影響もあっていい感じの重量になっています。

シリンダーは真鍮製のフルシリンダータイプ、シリンダーヘッドはアルミ削り出しというだけでそれ以外は無難な形状をしています。

こちらのシリンダーは内径の広い部分と通常の部分の二段階に分かれているタイプで、この内径差によって加速シリンダーのような効果を持たせる仕様の物になります。

昔からある手法ではありますが、最近あまり見かけなくなった気がします。
ただこれ、綺麗な加工ならまだしもこのシリンダーに施されている加工はかなり雑な手作業感のある加工なんですよね…。
雑に工具を突っ込んで回したような…全然均等に削れてない…。

タペットプレートとノズルについて

タペットプレートとノズルはそれぞれこんな感じ。

タペットプレートはL字の部分に補強が入っているタイプ、ウイング部分はシンプルな三角形です。

ノズルは前方吸気非対応な形状で、内側にはOリングが入っているアルミ削り出しのエアシールノズルです。
特に悪いノズルでは無いと思うんですが、ノズル外周の段差は無くて良いんですかね…。(チャンバー側には段差があり、このノズルと組み合わせると結構ガバガバ)

トリガーはスタンダード電動ガンのVer2メカボ用と互換がありそうですが、トリガースプリングが異質な感じというか、角度が異様にきついです。
トリガープルが重く感じられたのはこのスプリングの影響でしょうね…。

スイッチ周りもスタンダード電動ガンのVer2互換な印象。
この銃には後でFCUを組み込もうと思っているので、この仕様はありがたいですね。
仮にポン付け出来なかったとしても、小加工で組み込みは完了しそうです。

カットオフレバーはこんな感じで、内側にCクリップみたいな物が組み込まれています。
グリップ内部にも同じような物が入ってましたが、G&Pはこのリング大好きなんですかね…。

スイッチはこんな感じ。
一般的なVer2用スイッチですが、セレクタープレート側の接点の無いシンプルな形状の物です。
裏面には謎の水色の塗料が付着していました。

セレクタープレート周りはこんな感じ。
これも特段なにか言う事は無い、無難なものですが、セレクタープレートは接点の銅板を取り付ける事が出来る設計になっていました。


という訳で、これでG&P製電動ガン、SMG 9mm(GP293)の分解レビューは以上になります。
基本的にはG&P製のカスタムパーツとして単品販売されている部品が多様されている感じですね。
全体的に古い仕様のパーツが多いですけど…。

アッパーやフロント周りに関してはカスタム時に少し手を加えたい部分もあるので、その時に軽く触れようと思っています。

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