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カールツァイス製ライフルスコープ、ZEISS Conquest V6 2-12×50を買いました

記事作成日:2022年5月10日

ビクトリーショーのサイトロンジャパンブースで外装傷あり中古品が88000円で売られていたので、衝動買いしました。
国内のショップで新品で買おうとすると25万円程度する上に中古品をあまり見かけない機種なので、多少の傷有りでも88000円は全然アリな価格かなと思います。

内容物はこんな感じでスコープ本体とレンズカバー、クリーニングクロス、説明書類です。
中古品なので内容物がこれが全てかどうかは不明です。

レンズカバーを外すとこんな感じ。
レンズカバーの前後にカールツァイスのロゴ(ZEISS)が入っています。

という訳で、ZEISS Conquest V6 2-12×50を紹介していきます。

外観の傷についてですが、対物レンズ側に擦れによる塗装ハゲとマウントリングを取り付けた際の塗装ハゲ(傷のようなレベルでは無い)、ウインテージノブの保護キャップに傷が付いている程度でした。
他にもちょこちょこエッジ部の塗装ハゲは見受けられますが、全部普通に使っていたらそのうち傷ついてしまうような物ばかりでした。

塗装ハゲ
マウントリングの痕
削れたような傷跡

という訳で、細部を見ていきます。
対物レンズ径が50mmと割と大型なライフルスコープで、外径は56.26mmでした。

チューブ径は30mmです。

ハウジング左側にはサイドフォーカスノブっぽいデザインの輝度調節ダイヤルが付いており、無段階で輝度を調節する事が出来ます。

イルミネーション用のバッテリーはキャップを開けてCR2032を入れます。
尚、このキャップはボタンにもなっています。

輝度の調節方法はかなり独特でノブを引っ張るとカチッと音がなり、イルミネーションがONになります。
この状態でノブを回すと輝度を調整する事が出来ます。
イルミネーションを消灯させるには浮かせたキャップを元に戻します。

イルミネーション消灯
イルミネーション点灯

尚、このイルミネーションには結構色々な機能が搭載されています。


輝度の保存

輝度は保存されるので、消灯させた後に点灯させると消灯させる直前の輝度で点灯します。

バッテリー残量低下警告

バッテリーの残量が少なくなってくると、イルミネーションが点滅します。
また、バッテリー残量警告表示を消す事も可能で、点滅を消すにはイルミネーション点滅状態でノブ消灯状態にして直ぐ(2秒以内)に再度点灯させる事で、バッテリーが完全に0になるまで常時点灯のまま使う事が出来ます。

自動消灯・自動点灯

3時間ノブの操作が無かった場合、イルミネーションは自動的に消灯します。
また、加速度センサーが入っているようで、
スコープ左右の傾きが45度、上下の傾きが70度以上になるとこれも消灯します。
また、イルミネーションの電源が入っている状態であれば、スコープが水平に戻ると再度点灯します。

この機能は無効化させる事が可能で、スコープを180度回転させた状態(逆さまにした状態)で調整ボタンを3回続けて押します。
これで傾き検知機能のON/OFFを切り替える事が出来ます。

背中に銃を背負っていたり、マズルダウン中の時に自動的に消灯して節電、構えた時に点灯といった感じで、いかにもハンティング向けの機能を持った製品だなという印象があります。


エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルは共に樹脂製の保護キャップが付いています。
このキャップを外す事でダイヤルにアクセスする事が出来るようになります。

ダイヤルのデザインはこんな感じ。
カチカチとしたしっかりしたクリック感があり、1クリックの可動量は100mで1cm、最大可動量は100mで250 cmとなっています。

アメリカ系の光学サイトばかり使っているので、久しぶりに光学サイトでメートル法を見た気がします。

こちらのノブはゼロリセット機能付きで、ゼロイン調整後にツマミを引っ張って三角形を中央に戻す事でリセットの位置を設定する事が可能です。

ゼロイン調整して三角形の位置がズレている状態
ツマミを引っ張るとノブがフリーに動かせる
三角の位置を中央に合わせてツマミを離す

ハウジング下部にはCEマークとリサイクルマークが入っています。
EU圏のメーカーなだけあって、割と目立つ形でこういうマークが入れられているのでしょうか…。

パワーノブはこんな感じで2倍から12倍までの数値と0.5倍刻みで目盛りが付いています。

チューブ側に目盛りや数値が書いており、ノブに今の倍率を示す点が打っているタイプのノブです。

尚、ノブの回転方向は反時計回りです。

2倍側
12倍側

また、今の倍率を示す点の所に滑り止めの大きな突起が付いており、別売りのファストレバー(ズームレバーリング)を取り付ける場合はこの突起に引っ掛ける形で取り付けるようです。

視度調節ノブの前側には光沢感のあるリングが付いており、ここに倍率の表記や製品名、生産国、シリアルNOなどが印刷されています。

Made in Germany

視度調節ノブのフチはラバーで覆われています。

視度調節ノブを一番縮めた状態
視度調節ノブを回して最大まで伸ばした状態

レンズコーティングと覗いた時の様子について

ZEISS Conquest V6のレンズコーティングの詳細は不明ですが、独自の紫色系の多層コーティングが施されています。
像のコントラストを高めたり暗い環境でも鮮明な像を映し出す為のZEISS Tコーティング、雨や汚れの防止として同社のカメラやメガネのレンズにも採用されているLotuTecコーティングも施されているようです。

経験上、赤系のレンズコーティングが施されているスコープは高コントラストな物が多い印象があります。
※ルビーコートが施されているドットサイトもどきみたいな昔のスコープを除く

覗くとこんな感じで、レティクルはシンプル。
非常に細い十字レティクルで、上方向にのみ太いラインがありません。

アイレリーフは非常に長く、140mm程度あります。
アイボックスもライフルスコープにしては十分に広く、非常に覗きやすいスコープです。

イルミネーションは中央のみ。
光点は非常に小さく、レティクルサイズは100mで3.3mmとなっています。

尚、イルミネーションは夕暮れ〜夜間用という事もあり最大輝度でもそんなに明るくはないです。
昼間は視認出来ない程度の輝度になっていますが、無段階調節が出来る為、暗い環境で「もうちょっと明るく」「もうちょっと暗く」みたいな微調整に困る事は無いでしょう。

倍率を6倍、12倍と上げていくとそれぞれこのような感じになります。
倍率を上げる事でアイボックスは狭くなるものの、アイレリーフに関しては全く変化を感じないレベルに同じですし、明るさの低下もありません。

6倍
12倍

アイボックスも狭くなるとは言っても、十分覗きやすいレベルは保てています。
それにしても、12倍でアイレリーフ140mm程度あるって中々凄いと思います。
高倍率でもめっちゃ覗きやすい。

屋外で覗いてみました

いつもの河川敷に行って覗いてきました。
天候は晴れ。雲ひとつ無い青空です。
ターゲットとして、撮影地点から250m先の木を使っています。

尚、イルミネーションは炎天下だと視認する事が出来ない程度の輝度だったので、イルミネーション消灯状態で撮影しています。

2倍の状態だとこんな感じ。
いやぁ、やっぱり綺麗ですねぇ。とは言っても、写真だと全く伝わらないのが残念で仕方がない…。

スコープのレンズ性能がカメラのレンズ性能を上回っている場合、写真では像の綺麗さを伝える事が出来ないので文字での説明になりますが、とにかくコントラストが高く、近くの草木はもちろん遠くの方まで色々な物がハッキリクッキリ見えます

幅広い距離でピントが合っている感じです。
これがパララックスフリーのスコープの良い所でもあります。

倍率を上げていくとこんな感じ。
自然な感じで倍率が上っていき、あたかも自分がその場を移動しているような見え方をします。

続いて、約23m先の杭を使ってパララックス計測を行ってみます。

ZEISS Conquest V6 2-12×50はマニュアルでフォーカスを調節をする事が出来ず、マニュアルを読む限り100m未満は低倍率を使うようにとの事だったので最低倍率の2倍で覗いています。

レティクルを杭の頂点に合わせた状態で視点を上下左右に動かしてみます。

結果、視点を移動させる事によって数センチズレる事が分かりました。
とは言え、他の高価なスコープでもこれくらいのズレは起きるので、まあこういう物なのでしょう。(そもそもこんなに極端に視点をズラして狙う事は無いと思います)

という訳で、前々から欲しかったZEISSのスコープ、しかもミドルハイエンドのConquest V6をお手軽な価格で購入出来たのは良かったです。