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Trijicon AccuPoint 3-9×40 TR20-2 ライフルスコープを買いました

記事作成日:2022年6月8日

Trijicon製ライフルスコープ、『AccuPoint 3-9×40 Riflescope TR20-2 MIL-Dot Crosshair w/ Amber Dot, Tritium / Fiber Optics Illuminated』を中古で買ったのでレビューしていきます。

中古ですが内容物は一式付属。
スコープ本体もチューブに多少の擦り傷はあるもののかなり綺麗な個体でした。

という訳で、Trijicon AccuPoint 3-9×40 TR20-2本体はこんな感じ。
TR20は3-9倍率のライフルスコープで、トリチウム/ファイバー発光なので電池収納スペースも無いですし、フォーカス調節機能も無いのでシンプルな外観をしています。

対物レンズ側はこんな感じ。
下部にトリチウムが含まれる旨の記載や規約上の責任を免除する事が書かれています。

内側には乱反射防止用の段差が設けられています。

チューブ径は1インチ。
ハウジングはシンプルなデザインで側面にTrijiconのエンブレムが入っています。

ハウジング下部にはTrijiconおなじみの新約聖書の番号にトリチウム/ファイバー発光に関するパテント番号、シリアルが入っています。
製造は日本(恐らくライト光機製作所)です。

エレベーテーションダイヤル・ウィンデージダイヤルはそれぞれキャップで保護されており、キャップを外す事でダイヤルにアクセスする事が出来ます。

ダイヤルはこんな感じで、回すとカチカチとしたクリック感がありますが、そんなに固くはないです。
レティクルは1クリックで100ヤード先で1/4インチ動きます。
MOAで言うと1クリック 0.25MOAですね。

ダイヤルにも記載がありますがこのダイヤルにはゼロリセット機能が付いており、ダイヤルを引っ張る事で自由に回せるようになります。(ダイヤルを引っ張った状態で回してもゼロインは変わらない)
この状態でダイヤルの0の位置を合わせる事で、ゼロ点を設定する事が可能になります。

ゼロイン可能な状態
ダイヤルを引っ張って自由に回せるようにした状態

工具不要でゼロリセットを行う事が出来るのはかなり手軽で便利そうですが、そんなに多用する機能でも無いのでそこまで大きな恩恵は無いかな…と。

パワーノブはこんな感じでしっかりした凹凸があり、更にラバーで出来ているので操作性は良いです。

倍率の表記は本体側に付いており、パワーノブに現在の倍率を示す矢印が付いています。
倍率の表記は3〜9まで全ての数値が記載されており、倍率を上げるにつれて間隔が狭くなっていきます。

尚、パワーノブの中央は6.5倍位の位置になります。

パワーノブの後ろ側には集光ファイバーが設置されており、ここから光を取り込んでレティクルを発光させます。
今回購入したのはアンバーカラーイルミネーションなので黄色くなっています。

レティクルの輝度は集光ファイバー部のノブを回して物理的に集光ファイバーが光に当たる面積を減らしていきます。

視度調節ノブはこんな感じ。

視度調節ノブを動かすとこんな感じ。(限界までマイナス方向に回した状態でプラス方向に回した状態)

レンズコーティングと覗いた時の様子について

レンズコーティングは対物レンズ、接眼レンズ共にグリーン系のフルマルチコート。
角度によってはパープル系のコーティングも確認出来ます。

覗くとこんな感じ。
3倍率の状態でのアイレリーフは80mm〜90mm程度、最大倍率の9倍にすると70mm〜80mm程度とそんなに長くは無いです。
アイボックスはそこまで広くはないですが覗きにくくはないレベルではあります。
フチは結構太め。

倍率3倍の時の様子
倍率9倍の時の様子

覗いた時の感としては一昔前のスコープ感がありますが、腐ってもMADE IN JAPAN。
とても綺麗で、現行のスコープと比較しても遜色ない像だと思います。(詳しくは屋外での見え方を後述しているので、そちらをご参照ください)

レティクルはこんな感じのシンプルな十字レティクルにミルドットが付いています。
イルミネーションは中央のみで、今回購入したモデルはアンバーカラーなので、琥珀色(オレンジっぽい色)に光っています。
光点は丸ではなく四角いです。

ファイバーとトリチウムで発光させているという事は暗闇でもレティクルは光るのかな?と思い真っ暗闇で覗いてみましたが、発光は確認出来ませんでした。

ACOGと同じ仕様なら暗闇でぼんやりレティクルが光るハズなんですが…古い製品(パッケージのコピーライトが2008年なので、その頃に製造されていると思われる)故に寿命なんですかね。
トリチウムの半減期は約12年、時計などに使われている物に関しては10年程で光らなくなるらしいです。

Trijiconの光学サイトに使われているトリチウムがどの程度で機能しなくなるかは知らないですが、実際にトリチウムモデルなのに集光ファイバーを使わないと発光しない製品は古い物で多いので、今回購入したTR20もそうなのかなと思いました。

まあ、暗闇で使う事は無いので別に良いんですが…。

屋外で覗いてみた様子

という訳で、いつもの河川敷で覗いてみました。

天候は晴れ。
ターゲットとして、撮影地点から250m先の木(赤矢印)を使っています。

尚、集光ファイバーは全部見えた状態(最大輝度)にしています。
光点が小さい事もあって、最大輝度でも全然眩しく無かったです。

まずは3倍の状態。
コントラストが高く非常にクッキリした像で、歪みも無くいい感じです。

6倍にするとこんな感じ。
これくらいの倍率までは3倍とほぼ同じ感覚で覗く事が出来ます。
日陰部分もハッキリクッキリ見えます。

9倍にするとこんな感じ。
アイレリーフが短くなり、フチも大きくなってしまいますが像の違和感は皆無で自然な感じで見えます。
やっぱりスコープはこれくらいのグレードの物を買うと感動しますね。

集光ファイバーを操作するとこんな感じ。
半分位まで絞ると少し発光が暗くなる事に気づけます。

完全にファイバーを塞ぐとこんな感じ。
完全に塞いでも僅かに光は入ってくるのか、中央がほんの僅かに光っています。

パララックス計測

最後に、撮影地点から約23m先の杭を使ってパララックス計測を行ってみます。

倍率は3倍、レティクルを杭の頂点に合わせた状態で視点を上下左右に動かしてみます。

上下左右に動かすとこんな感じ。

数センチ程度のズレは発生するので、真っ直ぐ覗くに越したことは無いですね。
尚、このスコープよりもグレードの高い製品でも似たようなズレは発生するので、別に悪い訳では無いと思います。(許容範囲内かと)


という訳で、Trijicon AccuPoint 3-9×40 Riflescope TR20-2 MIL-Dot Crosshair w/ Amber Dot, Tritium / Fiber Optics Illuminatedのレビューは以上になります。

丁度3-9倍のシンプルなライフルスコープが欲しかったのと、Trijicon製のライフルスコープは持ってなかったので丁度中古で出ていたこのモデルを買ったのですが、良い買い物が出来たと思います。

ただ、近年のエントリークラスのライフルスコープと比べても視界が狭め…というか接眼レンズから覗ける像の大きさが小さいので除いた時の満足感はそこまで高くは無いというのが正直な所。
今回はポイントやら色々使って2万円位で買えたので十分満足でしたが、これが定価の926ドル(約12万円)だともちろん、6、7万円とかでも購入候補に挙がらないと思います。

もっとも、当時(2000年初頭)の同サイズのライフルスコープだと大体こういう見た目をしているので、スペック的に劣るという訳ではありません。
あくまで覗いた時の満足度が最新のモデルに比べて不足しているというだけです。