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NORTHEAST(東北製作所)製ガスブローバックSMG MP2A1(UZI)のレビュー

記事作成日:2022年6月27日

ついに発売されたNORTHEAST MP2A1 GBBが届いたのでレビューしていきます。
尚、こちらは予約して購入したファーストロットで、予備マガジンも3本購入しています。

箱からかなり拘りを感じますし、説明書や分解図もしっかり作り込まれていますね。

説明書と分解図は別紙になっており、説明書はしっかり日本語化されていました。
しっかり説明にイラストも使われており、分かりやすい説明書です。

NORTHEAST MP2A1の外観レビュー

という訳で、NORTHEAST MP2A1本体はこんな感じ。
MP2A1はUZIのドイツ向けモデルというだけで、基本的にはIMI UZIと同じです。
そこまで詳しいわけでは無いですが、UZIとの違いは表面処理や刻印が違っている程度らしいです。(表面処理に関してはロット差とかも)

NortheastのMP2A1はハンドガードとグリップ、セレクターレバー以外の外装パーツは全て鉄です。
全体的にかなりずっしりしており、実銃に近い重量感になっています。(ボルトのみアルミ製という事もあってか、実銃よりかは少し軽い)

また、おそらく塗装で防錆処理はされていると思いますが、湿度には気をつけた方が良いと思います。
気づいたら錆びてる…なんて事は全然有り得そうです。
特にこれから梅雨シーズンに入りますので…。

細部を見ていきます。
まず、マズルはこんな感じで無駄に14mmネジが用意されていません。素晴らしい。

下部には着剣ラグも付いています。

ハンドガードはこんな感じで、当時の樹脂パーツ特有と思われるテカリや色ムラがしっかり再現されていて素晴らしい出来栄えのように思えます。
昔見た無可動実銃もこんな感じだったよな〜と眺めながら思っていました。

ハンドガードの根本部にはスリングスイベルが付いています。

コッキングハンドルはこんな感じ。

エジェクションポートはこんな感じ。
コッキングハンドルを引くとボルトが後退して停止します。(UZIはオープンボルトの製品なので、ボルトオープン状態で発射可能状態)

尚、セレクターレバーがセーフティ状態だったり、グリップセーフティが押されていない状態ではボルトを後退させる事は出来ません。

フロントサイトとリアサイトはそれぞれこんな感じでシンプルですが割と狙いやすいんですよね。
フロントサイトは専用工具で上下調節、リアサイトは100m用と200m用の2種類のピープホールを選ぶ事ができ、左右位置の調整が可能です。

サイトピクチャーはこんな感じ。
実銃の世界はこれで100mとか200m狙うんですよねぇ…。

トリガー周りはこんな感じでトリガー、セレクターレバー、グリップセーフティが並んでいます。
セレクターレバーの刻印はドイツ仕様でSがセーフティ、Eがセミオート、Dがフルオートとなっています。
正直MP2については詳しくないのですが、S・E・Fじゃないんですね。

尚、トリガーの動きが少し独特で、ボルト閉鎖状態(ハンマーダウン状態)でもセミオートの時はカチカチ音がなります。(シアーが動く音?)

ハンドガードと同様にグリップの樹脂の質感もかなり良い感じになっています。
この絶妙な光沢感と色ムラ、とても良いです。

写真や言葉だけだと安っぽいプラスチックと似たような感じに捉えられてしまうかも知れませんが、それとは大きく違う物を感じます。

マガジンキャッチはこんな感じでグリップ底部に付いています。
マガジンを差し込むと一切のガタツキ無くロックされますが、抜き差しする時に少し抵抗を感じます。

尚、マガジンキャッチスプリングは結構固めです。

マグウェルはこんな感じで、程よく口が前後に広がっており割と入れやすいのと、しっかりプレスで作られている事が分かる形状をしていますね。

レシーバー後部には色々と刻印が入っています。
こちらの刻印もセレクターレバーと同様にドイツ仕様(MP2A1仕様)になっています。

UZIおなじみのストックはこんな感じ。
スムーズに伸ばしたり折りたたんだり出来ますし、スチールなので安心感もありますがガチガチに固定されるわけではなくちょっとガタつきます。

ストックを下から見るとこんな感じで結構スカスカ。
まあ、折りたたみの形状からしてこうなりますよね…。

バットプレートは気持ち程度の滑り止めが付いています。

NORTHEAST MP2A1用マガジンについて

NORTHEAST MP2A1のマガジンは専用品で、現時点ではリキッドチャージタイプの32連モデルしか発売されていませんが、パッケージを見るとCO2や25連モデルの記載もあるので、追々発売されるのかも知れません。

マガジンの外観はこんな感じ。
アウターはMP2A1本体と同様にスチールで出来ており、インナーはアルミ削り出し+亜鉛ダイカストのようです。

リップ側はこんな感じで、ガスルートパッキンの脇に空撃ちモード切り替え用のスイッチが付いています。
尚、この切り替えスイッチはかなり固く、爪で動かすような事は現実的では無い硬さで、私はマイナスドライバーを差し込んで力任せに動かしました。

空撃ちモードONの時はスイッチがリップ側に寄っており、フォロワートップが少し下がった状態になっています。

空撃ちモードをOFFにすると、フォロワートップがしっかり上った状態になります。

注入バルブは下部に付いているのですが、サイズが少し独特で太めのノズルとの相性が悪い印象がありました。
普段私が動作テスト用に使っているKSC製のHFC134Aガス、マイティボンベ500ではガスを注入する事が出来ませんでしたが、S&T ダンガンガス(HFO1234ze+LPG)は問題なく注入する事が出来ました。

見た感じ確かにちょっと穴が小さい注入バルブ
相性問題が起きたマイティボンベのノズル

尚、マイティボンベのノズル外径は3.06mm、ダンガンガスのノズル外径は2.82mmでした。
まくガスを入れる事が出来ない場合はノズルの太さによる相性問題を疑った方が良いかも知れません。

ただしこの注入バルブは海外仕様(高圧ガス仕様)なので、どのみちHFC134Aだとうまくガスが入りません。
なので、交換する事にしました。

注入バルブを外すにはまずマガジンバンパーをスライドさせます。
マガジンバンパーはハマってるだけなので、ゴムハンマーなどを使って叩き出してあげれば良いです。
後は注入バルブをバルブレンチを使って外すだけです。

注入バルブは例のごとくWE互換系なのでいつもの日本仕様注入バルブを使う事が出来ます。

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注入バルブを変える事でHFC134Aでもしっかりガスを入れる事が出来るようになりますし、吹き戻しも発生するのでガスが満タンになっている事が分かりやすくなります。
後、NORTHEAST MP2A1に関してはノズルとの相性問題も解決するというメリットもありますね。

という訳で、注入バルブを日本仕様に変更した状態でガスを入れてみます。
入れるガスはHFC134Aです。

空の状態で371gだったマガジンが、ガスを満タンに入れると394gになりました。
ガス容量23gといった感じですね。
大容量という訳では無いですが、十分だと思います。

箱出し状態での作動性や初速について

箱出し状態での動作に関しては正直文句なし。
リコイルは大人しめですがしっかり動きます。

続いて、初速を測っていきます。
使用弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾、ガスはHFC134Aで満タンに入れています。

まずは常温(25.6度)で初速は65m/s前後。
まあ、割と大人しめな感じですね。
尚、この温度でもセミ・フル共に十分しっかり動きます。

続いて、マガジン温度を35.7度まで上げて計測した所、72m/s台まで上がりました。
トリガー引きっぱなしでも息切れする事無く撃てますし、程よいリコイルも出てくるので使うならこれくらいの温度が丁度よい気がします。

最後に更にマガジン温度を上げて46.2度にした所、82m/s半ば位まで初速が上がりました。
リコイルに関しては30度程度の状態と大きな違いは感じませんでしたが、ボルトの後退速度が上っている感じはあります。

ざっくり、温度が10度上がれば初速も10m/s位上がる感じですね。
とは言え、安全マージンが結構設けられているようなので安心して使う事が出来そうです。

尚、発射サイクルはマガジン温度30度程度の状態で毎秒16.4発でした。
実銃のサイクルが毎分600発(毎秒10発)なので、それと比べると結構速いですね。

NORTHEAST MP2A1のHOP調整について

NORTHEAST MP2A1には可変HOP機構が備わっているのですが、外見からHOPダイヤルを確認する事は出来ません。
それもそのはず。
HOPを調節するにはバレルを外す必要があるのです。

この仕様はMP2A1の前に発売されていたステンMK2と同じですね。

まず、バレルを固定しているナットのロックレバーを押しながらナットを回します。

ナットを外したらバレルを抜く事が出来ます。
ノズルがチャンバーに入っていると少し抜きづらかったりするので、ボルト後退状態で作業をした方が良いと思います。

HOPダイヤルはチャンバーの前側にクリック感のあるドラム式の物が付いています。
これを回す事でHOP調節を行う事が出来るようになります。

HOPは2点長掛けみたいな形状になっていました。
尚、軽く触ってみた感じの感想ですが割と硬めな感じでした。

NORTHEAST MP2A1のボルトについて

トップカバーを開く事でボルトを外す事が出来るのですが、トップカバーのロックがかなり固くて指先がめっちゃ痛くなりました。
後、カバー自体も結構ガチガチにハマってるので、そんなに簡単には外れないですね。

NORTHEAST MP2A1のボルトとリコイルプリングはこんな感じ。

ボルトはアルミ製で212gと大きさの割には結構軽め。
この軽さのおかげで作動性が良いんでしょうね。

尚、ピストンは長さは短いですが太さはかなり大きく、可能な限り大きなサイズになっているようです。

リコイルスプリングはこんな感じで、後ろ側に付いている黒いパーツ(スペーサー?)は樹脂。
そこに黄色いゴムダンパーが付いています。

黒いスペーサーを外す事ができればフルストローク化を行う事もできるかも知れませんが、恐らく作動性が悪くなるので残した方が良い気もします。
ちょっと薄めにしたスペーサーを作って組み込んでみたい気持ちもありますが…。

尚、ハンマーやシアー周りはグリップ周辺に集約されており、見るからにかなりコンパクトかつシンプルな感じがします。
ちょっと気になるのは軽く動かしただけで結構シアーに摩耗が見られるところ。
これが問題のある摩耗なのかどうなのかは正直分からないですが…。


という訳で、NORTHEAST MP2A1のレビューは以上になります。

そう言えばガスブローバックのUZIってもしかしてJAC以来でしょうか…?
電動でも東京マルイとマルシンしか出してなかったですし、共に廃盤…。

micro UZIならマルゼン、mini UZIならウエスタンアームズ(共に廃盤ですが)から出て、WA mini UZIのクローンがKWCから出たりしていましたが、フルサイズのUZIでしかもガスブローバックというのは恐らくJAC以来無かったと思うので、発表時点からかなり期待していました。(発表時点ではmicro UZIとUZI両方開発中だった記憶)

発表から発売までが結構長く、NortheastのFacebookもひたすらステンに関する内容ばかり投稿していたので、「ポシャったのでは…?」と不安になったりもしましたが、とりあえず無事発売され、購入する事が出来てよかったです。

しかも文句なしの期待通りの出来栄えでしたので、もう何も言う事は無いといった感じ。
純粋に良い製品だと思います。

このままmicro UZIとかmini UZIみたいなバリエーション展開が行われたらそっちも是非買いたいなと思っています。