LCT LK-53A2 電動ガンの分解レビュー(主に内部パーツの分解)
記事作成日:2022年7月7日
先日開封レビューを行なったLCT LK-53A2を分解していきます。
尚、当記事では基本的に内部パーツの分解に重きを置いているので、内部の分解に不要なフロント周りの分解やダミーボルトの分解などは行なっていません。
調整も予定していないですしね…。
まず、ストックを固定しているピンとロアレシーバーのピンを外します。
リコイルモデルはストックを外した後にリコイルウエイトを外す必要があるようですが、私が購入したのはリコイル無しモデルなので、そのままロアレシーバーを抜く事が出来ます。
やっぱりヒューズは付いていないですね。
ロアレシーバーを抜いたらバレルとチャンバーを抜く事が出来ます。
チャンバーの前側にはメカボックスにチャンバーを押し付ける為のスプリングが組み込まれています。
一応調整出来る事があるかな?と思い、一応マガジンを引っ掛ける為の爪を外してみました。
てっきりリコイル無しモデルの場合はリコイルウエイトが収まっている部分にはダミーボルトが収まっている…と思っていたのですが、どうやらリコイルモデルに入っているウエイトが削られた状態で収まっているようです。
ピストンに引っかかる部分を削ってるだけのようです。
コッキングハンドルの操作がやたらと重くていい感じなのはこれが原因でしょうね。
それにしても、リコイルモデルの場合はこの鉄の塊がピストンに押されて動くという事を考えると、負荷エグくないですかね…。
リコイルウエイトのスプリングガイドは太さ3mmしか無いピン1本で止まっているだけですし、特にダンパーのような機構が無いのでこの駆動時の衝撃がピン、レシーバー、メカボックス(ピストン)などにダイレクトに伝わるという事を考えると、自壊しながら動いている状態のような気がします。
次世代電動ガンのリコイルシステムの優秀さがよく分かりますね。
LK-53のバレル・チャンバーについて
インナーバレルは真鍮製、チャンバーは樹脂製でドラム式のHOPチャンバーが入っています。
チャンバーを分解するとこんな感じ。
バレルクリップはズレ防止の為の出っ張りがあり、外しにくい形状をしています。
VFC製品に採用されているものによく似ています。
チャンバーパッキンは思いの外柔らかめな印象で、東京マルイ純正よりも少し硬い程度の硬度のようでした。
アジャスタークッションもHOPパッキンと同程度の硬さのパイプ状の物です。
HOPの突起はシンプルなマルイ形状ですが、少し突起が少なめな気がします。
インナーバレルは長さ270mmで、バレルクリップ用の溝が2本掘られています。
HOP窓はシンプルなコの字状のように思えますが、手作業で作られたような少し歪な形のR面取りがされていました。
LK-53のロアレシーバー側の分解
続いて、ロアレシーバー側を見ていきます。
メカボックスはEBBモデルと共用のようで、メカボックスの形状がアレンジされているVer2亜種系です。
グリップの底蓋を外します。
底蓋を固定するネジ受けにはちゃんと真鍮インサートが仕込まれています。
タップネジじゃなくて良かった。
モーターはロングタイプで、LCT T1-TORQUE MOTORが入っています。
単品購入すると7000円近くする低速回転のハイトルクモーターのようで、普通に優秀そう。
恐らく、リコイルモデルの設計に耐えれるように、低回転高トルクなモーターが標準で搭載されているのだと思われます。
ピニオンギアはD型、シャフトガイドに白色の高粘度グリスがべっとり塗布されていました。
エンドベルは樹脂製で、ブラシはレイダウンタイプです。
グリップの奥の方にメカボックスを固定する為のネジが2本付いているので、これを外します。
続いて、セレクターレバー部に付いているピンを抜きます。
セレクターレバーははめ殺しされており外す事が出来ないような感じでしたが、セレクターレバーをセーフティの位置に持ってくればピンを抜く事が出来ます。
続いて、ロアレシーバー後部に刺さってるピンを抜くのですが、このピンには抜け防止の為のクリップ(写真赤矢印)が仕込まれているので、このまま叩いてもなかなか抜けません。
その為、クリップを回転させ、引っこ抜いてからピンを叩いた方がスムーズにピンを抜く事が出来ます。
これらを外す事で、メカボックスとロアレシーバーを分離させる事が出来ます。
ロアレシーバー側を見てみると、ストックを固定する為のピンが付いている金属パーツがセレクターレバーの裏側まで伸びており、ロアレシーバー全体が撓まないような補強材代わりになっているようでした。
また、前側も同様に金属板が組み込まれています。
LK-53のメカボックス(Ver2亜種)の分解
LK-53のメカボックスはVer2亜種系です。
QDメカボックスになっているのと、メカボックス上部にリコイルユニットを取り付ける為のスペースが用意されている以外は特に変わった点も見当たりません。
ピストン連動のリコイルユニットを動かす為に、メカボックス上部には穴が空いています。
という訳で、こちらのメカボックスを分解していきます。
まず、ピストンスプリングとスプリングガイドを外します。
ピストンスプリングは柔らかくて短い(長さ132mm)物で、スプリングガイドにはスラストベアリングが搭載されています。
スプリングの両端はしっかり処理されており、雑なスプリングカットではなくちゃんと日本仕様のスプリングが用意されている事が分かります。
メカボックスからネジを外していきます。
その後、メカボックスを開くのですが軸受にギアが圧入されているような状態で、開くのに一苦労でした…。
隙間にマイナスドライバーを挿し込んで、テコの原理でこじりながら少しずつ開いていきました。
結果、ベベルギアとスパーギアはメカボックスの反対側にひっついた状態でメカボックスが開きました。
全てのギアが軸受に圧入されていたので、メカボックスを開いた後でピンポンチを使ってギアを外しました。
軸受がボールベアリングじゃなかったら間違いなくギアが回らない状態でしたね。
ここまでガチガチだと、むしろあえてそういう設計にしてるのかも知れませんが…。
尚、グリスはギア部分に明るい灰色っぽい色の高粘度グリスが、ピストンには半透明の低粘度グリスが塗布されており、余計な所には付着していませんでした。
かなり綺麗に塗り分けされているようです。
ギアはスチール製の強化ギアが組み込まれていました。
ベベルギアのラッチ枚数は4枚、セクターギアには金属製のセクターチップが付いています。
ギア比は18:1です。
尚、各ギアにはシムが付けられており、一応ギア同士やギアとメカボックスが擦れないような調整はされていました。
タペットプレートとノズルはこんな感じ。
共にポリカーボネイトのようです。
ノズルの長さは21.49mm。
G3用のノズルよりも0.1〜0.2mmほど長い、シーリングノズルです。
シリンダー・ピストンはこんな感じ。
シリンダーは放熱フィン付きのステンレス製加速シリンダー、シリンダーヘッドはダブルOリングのアルミ製。
ピストンはフルティースの金属歯ピストンで、ピストンヘッドはアルミ製です。
シリンダーヘッドにはゴムダンパーが付いています。
結構柔らかめで、ピストンヘッドの吸気穴の痕がしっかり残っていました。
ピストンヘッドは後方吸気で大きめの吸気穴が6個空いています。
ピストンのラックギアはフルティースの15枚金属歯です。
ピストンの重量は31gと結構いい感じの重量になっています。
個人的にはこれくらいの重さのピストンが好きですね。
ピストンの中にはスラストベアリングが入っていました。
トリガー周りはこんな感じ。
スイッチは普通のVer2互換系のようです。
セーフティの機構やカットオフレバー、セレクタープレートはこんな感じ。
軸受以外の全てのパーツを外したメカボックスはこんな感じ。
軸受のサイズは9mmでした。
また、メカボックスを眺めていて気づいたのですが、メカボックスの左右で表面処理が違っていました。
ロット差による物なのか、元々こういう仕様なのかは分かりませんが、これにより左右でメカボックスの色が違うように見えます。
という訳で、LCT LK-53A2 電動ガンの分解レビューは以上になります。
後は調整していく感じですね。
大体の構成は決めていますが、最終的には弄りながら考える事になるでしょう…。
最近似たような仕様ばかり作っているので、ちょっと変わった仕様にしようと思っていますが…結局無難なオチになりそうな気もしてます…。