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再販されたマルゼン APS SR-2(LRV) ロングレンジバージョンを購入したのでレビューします(内容物、外観紹介、初速、グルーピング計測)

記事作成日:2022年8月15日

久しぶりに再販された気がするマルゼンAPS SR-2(LRV) ロングレンジバージョン(2022年再販ロット)を購入しました。
こちらは一般社団法人 日本バイアスロン連盟の公式認定競技銃で、APSカップの競技用ライフルでもあります。

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APS SR-2はオリジナル(OR)とロングレンジバージョン(LRV)の2種類が存在し、ORはHOP無し、LRVは可変ホップになっています。
また、LRVはORよりもバレル長が76mm短くなっていたり、マズルの固定方法が圧入ではなくねじ式にハンドガード左右の色がORは黒、LRVはグレーになっているなどの外観の仕様も異なっています。

内容物について

内容物はこんな感じで、APS SR-2本体と説明書、登録規約、製品保証登録書、L字レンチ、左利き用ハンドル基部、ローダーです。
製品保証登録書はお店の方で販売年月日や販売店名、製品名、メーカー名、シリアルナンバーなどが記入されます。
また、冊子になっている説明書はOR用の物で、LRV固有の説明書は別紙になっています。

左利き用のハンドル基部はこんな感じ。
組み換え手順は説明書に記載されており、ワンタッチとは行きませんが比較的簡単にボルトハンドルの位置を入れ替える事が可能な仕様となっています。

ローダーはこんな感じでシンプルな筒と棒で出来た物です。
マガジンのリップに挿し込んで給弾します。

外観紹介とマガジンについて

という訳で、APS SR-2(LRV) ロングレンジバージョンの本体はこんな感じです。
かなり特徴的な外観をしており、発売当時はボルトアクションライフルと言えばライフルストックが当たり前だったのですが、A2タイプのピストルグリップやブッシュマスタータイプの伸縮ストックを装着するという現代でも通用する構成になっているのが特徴です。
最近はVSR10用のカスタムストックでこういうスタイルの物が登場していますが、当時はかなり珍しかった記憶があります。

また、外装パーツに関してはアウターバレルとボルト周り以外の全てのパーツが樹脂(強化繊維樹脂)になっており、大きさの割には1.8kgと非常に軽いのも特徴となっています。

バレルはこんな感じでシンプルなブルバレルが採用されています。
アウターバレルの材質はアルミで、マズルギリギリまでインナーバレルが伸びています。

ブルバレルっぽい見た目ですがアルミパイプでかなり軽い
マズルのキャップはねじ込み式

ハンドガード部の前側にはバイポッドアタッチメントが付いており、L96対応のバイポッドを装着する事が出来ます。
尚、マルゼン純正のバイポッドもありましたが、こちらは再販されていないのか入荷していませんでした。

ハンドガード上部にはアウターバレルを固定するためのパーツが付いています。
位置はちょうどチャンバーの少し前らへんですね。

ハンドガードはこんな感じで、LRVなので側面がグレーになっている、ツートーンカラー仕様になっています。
また、ハンドガード下部がマガジン収納スペースになっています。

マガジンはSR-2専用で、APS2と形状は似ていますが互換性はありません。

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大きな違いはマガジンのロックパーツが左右に来ているという事です。
これのおかげで着脱がAPS2よりもやりやすくなっています。

マガジンの上半分はスプリングテンションで伸び縮する仕様はAPS2と同じです。
尚、リップ部は肉厚の一体成型になり、割れにくくなっています。

マグウェルからノズルとチャンバーを確認する事が出来ます。

尚、マガジンキャッチの前側に空いている穴の奥にHOP-UP調整用のネジが付いており、2.5mmの六角レンチを使って調整を行います。

レシーバー部はこんな感じ。
トップレールも樹脂で出来ていますが、かなり硬いので頼りない感じは一切ありません。
重いスコープを載せても何の問題も無いレベルでガッチリしています。

レシーバーの刻印はこんな感じ。
JASGの刻印もこちらに入っています。

完全にエアソフトガン用デザインの物ですが、エジェクションポートが再現されています。
かなり小さいので22LR用みたいな感じですね。

トリガー周りはこんな感じで、三日月状のシンプルなトリガーが付いています。
また、トリガーガードはAR15っぽい感じのデザインになっていますが、ここも樹脂で出来ています。
AR15用のトリガーガードと互換があるかは不明。

グリップはA2タイプグリップが付いています。
よくあるGBB互換/実互換ではなく専用品なのでグリップの交換は本体を加工するか、グリップを作るかしない限り不可能です。
また、普通のA2グリップよりも肉厚なのもこのグリップの特徴です。

グリップを握るとこんな感じで、自分はそこまで手が大きい方では無いのですがそれでもグリップとトリガーまでの距離が短く、ちょっと指が余ります。
握り方、構え方を気をつけないとガク引きしてしまう可能性があるので注意が必要です。

ボルトハンドル周りはこんな感じで、ボルトハンドルは大きく下を向いたデザインになっており、ボルトハンドル先端は少し太くなっています。

尚、反対側には左利きハンドル用の溝(逃し)が付いています。

セーフティレバーはこんな感じで、レシーバーに埋め込まれています。
ボルトハンドル操作時にセーフティレバーに干渉する事が無いので、この仕様はとても良いですね。

射撃可能状態
セーフティ状態

ボルトハンドルの稼働量はかなり少なく、ちょっと起こすだけで大丈夫です。
また、ボルトハンドルに組み込まれているプランジャーのクリック感はかなり強く、ボルトハンドルを起こしたり戻したりする度に「カチッ!」と鳴ります。

このボルトハンドルの操作性に慣れると普通のボルトアクションライフルの操作がやり辛くなるかも知れませんね…。
使い勝手は良いのですがかなり独特な操作感です。

ボルトハンドルを引くとこんな感じ。
比較的柔らかいスプリングが内蔵されているようで、コッキングはそんなに重くないです。

ボルトハンドルは写真の位置まで後退します。

ストック基部はこんな感じで、ここは強化繊維樹脂では無いようです。
尚、ストックチューブ周りもグリップと同様、AR15系と互換があると思いきや無いので注意が必要です。

ストックはブッシュマスタータイプのストックが採用されており、こちらも強化繊維樹脂が採用されておりカチカチです。
また、ストックチューブも強化繊維樹脂製で6ポジションになっています。

ストックを縮めた時と最大まで伸ばした時はそれぞれこんな感じ。

BB弾保持位置のチェックと給弾周りの動きについて

弾棒を使ってBB弾の停弾位置を確認してみた所、若干のクリアランスがありました。
本当に若干なので気にする程のクリアランスでも無い気がしますが…。

また、気密はほどよく取られていました。(銃口を塞いだ状態で撃ってピストンがビタ止めされる程の気密では無く、スーッとゆっくりチャンバー側からエアーが抜ける感じ)

銃口からファイバースコープを突っ込んでチャンバー周りを見てみるとこんな感じで、ノズルは概ねセンター出ているような気がします。
上の黒いのはHOPの突起です。

ノズルの動きを動画で撮ってみました。
1つ目は空のマガジンを入れた状態、もう1つはBB弾を装填する時の動きです。

箱出し状態の初速について

という訳で、箱出し状態での初速を見ていきます。

使用弾はHITCALL 0.20g 樹脂弾、HOPは最大初速になるように調整しています。
結果は8発撃って平均84.8m/s(最大85.5m/s、最低84.4m/s)とちょっと低めな印象がありました。

HITCALL 0.28gだとこんな感じで、平均72.3m/s(最大72.8m/s、最低72m/s)でした。

安全マージンを考慮してなのか、初速はかなり抑えめになっているようです。

スコープを取り付けてみた

という訳で、とりあえずスコープを取り付けました。
乗せるスコープは何でも良かったのですが、とりあえずQDレバーのマウントリングが付いており着脱が容易なTrijicon AccuPoint 3-9×40 TR20-2を乗せました。

高さも丁度よい感じだったので、これでグルーピング検証をしてみようと思っています。

箱出し状態でのグルーピング検証

という訳で、箱出し状態でグルーピングを測ってみました。
場所はDEFCON1のシューティングレンジで銃口からの距離は約22mで、10発連続射撃のグルーピングを見ていきます。

射撃体勢はシッティングのレスト撃ち、三脚にピグサドルを取り付け、ハンドガード前側をクランプして固定しています。
使用弾はスペリオール0.28gでHOPは浮き上がる事は無く、ほぼフラットに飛ぶようにしています。

ゼロインも適切な状態にしており、ターゲットのど真ん中を狙って当たるようにしています。(スコープの倍率は5倍)

まず、撃っていて気になったのはシリンダー(ボルトハンドル)のガタです。
射撃と同時にガタッ!とボルトハンドルが振動しており、グルーピングに影響を及ぼしていたような感じがしたので、親指でボルトハンドルを抑えながら撃つという中々強引な構え方を取りました。
ただ、案外この握り方がガク引き対策にもなって良かったりしました。

この構え方ではなく、普通にグリップを握っていた時はこういう感じでガク引きによる左側へのフライヤーやドロップ弾がちらほら見受けられました。
まあ、それでも十分当たってるんですが、弾道が明らかに素直じゃ無のが混じっていたんですよね。

左側に逸れたのはガク引き、下に着弾してるのはドロップした弾
ガク引きは抑えれたものの、ドロップ気味な弾がまだ居る

ボルトハンドルを抑えて撃つ方法をやり初めてから70mmを切り始めました。
まだSR-2のトリガーフィーリングに慣れていなかったのでトリガーを引いた直後に少しブレてしまい、着弾がソレてしまう弾がいました。
こういうのはスコープを覗きながら撃っていると銃のせいなのか自分の問題なのかが良く分かります。

今までずっと撃ってきたVSR10系とだいぶ違うトリガーフィーリングなので、慣れるまでに少し時間を要しましたが、暫く(5〜6マガジンくらい)撃ってたらだいぶ癖にも慣れてきて、50mm台まで行けました。
箱出し性能としては文句無しじゃないでしょうか。

もうこれ以上やる事無いのでは…?と思いますが、ボルトハンドルのガタツキ問題やトリガープルの重さ(別に特段重い訳では無いですが、普段はトリガープルを軽くしたVSR10を使っているので、それに近づけたい)、若干つまづきHOP気味になっているチャンバーなど、気になる箇所はあるのでその辺りの調整を行い、より安定感を高めていけたらと思っています。

という訳で、2022年に再販されたAPS SR-2(LRV) ロングレンジバージョンのレビューは以上になります。

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