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ウエスタンアームズ スプリングフィールド タクティカル サイレンサーモデルのレビュー

記事作成日:2022年8月23日

ウエスタンアームズ製の新作ガスブローバックハンドガン、スプリングフィールド タクティカル サイレンサーモデルと、対応する純正スペアマガジン(WA-PO4)を買いました。
『WA 2022 SUMMER NEW MODEL』という事で、2022年発売の新作で、限定生産品になります。

内容物は本体とマガジン、アウターバレルをスライドから外す為のM1911汎用レンチ、BB弾、サイレンサー、説明書とバルブロックについての注意書きです。
また、限定生産品なので専用パーツの単品販売は行っていない旨、記載がされています。

スプリングフィールド タクティカル サイレンサー本体はこんな感じ。
スライドはスプリングフィールド、グリップがパラオーディナンスと中々渋い組み合わせになっています。

実銃においてこういう形の製品は存在しないと思いますが、ユーザー側で組み合わせて作ろうと思えば作れるんでしょうか。
メーカー純正再現も良いですが、こういうアレンジも割と好きです。

付属のサイレンサーについて

サイレンサーが付属している製品ですが、45口径に対応出来るのか?疑問に感じるサイズの細身な物が付属しています。
大きさは22LR用のサイレンサー、GEMTECH OUTBACK 2とほぼ同じでした。
作動に影響しない軽量さを特徴としているようなので、この大きさなのは仕方がないのかも知れませんが…。

非常に細身なサイレンサー
MADBULL GEMTECH OUTBACK 2(G01-014)との比較

サイレンサーの中には内径広めの消音材が詰まっています。
ガスブローバックガンの場合、発射音より動作音の方が大きいので消音効果自体はそこまで高くはないですが、破裂音は減らす事が出来るので音の変化は楽しめます。

付属のマガジン(対応マガジン)について

スライドがスプリングフィールドですが、グリップ側はパラオーディナンスなのでパラオーディナンス用のマガジンを使用します。
同社のパラオーディナンス用マガジン、WA-PO4が対応マガジンとなっています。

ダブルカラムのマガジンというだけあって、分厚いですね。
というか、単純にシングルカラムの倍の太さがあります。

リップ側はこんな感じ。
おなじみの細身なガスルートルートやバルブロックの機構が確認できます。

マガジンバンパーはこんな感じで、パラオーディナンスのロゴが入っているのと、中腹に注入バルブが付いています。

ハンドガン本体の細部を見ていきます

という訳で、スプリングフィールド タクティカル サイレンサーモデル本体を見ていきます。

スライドやシャーシの材質はカーボンブラックヘビーウェイト樹脂で、ブラストショット仕上げが行われています。
素材そのものの質感を生かしており、別途塗装などは行われていないとの事です。
色は濃いグレーで、程よい色ムラが渋さを醸し出している感じです。

スライドはコマンダーサイズですがアウターバレルの先端が飛び出しているのでフルサイズと同じバレル長になっています。

5インチスライドのSIG GSRとの比較
3.5インチスライドのSPRINGFIELD ARMORY V10との比較

こういうスライドは短いけどバレルだけちょっと長いみたいな構成、割と好きです。
同様にGlock19にコンペンセイター付けてGlock17サイズにしてる奴とかも好きです。

ホールドオープン状態だとこんな感じ。
マズルの膨らみ(14mmネジのカバー)が際立ちます。

マズルはこんな感じで飛び出しており、先端部は14mm正ネジになっています。
14mmネジのカバーやアウターバレルは共にアルミ製で、黒色のアルマイトが施されています。

付属のサイレンサーを取り付けるとこんな感じになります。
やっぱり細い…。

マズルからは金色のインナーバレルを確認する事が出来ます。

スライド前側にもセレーションが入っています。
ほんの僅かに程よく丸まっている、綺麗なセレーションです。

スライド左側の刻印はこんな感じで、プレス感のある刻印の周囲が膨らんだ感じになっています。

スライド右側はこんな感じ。
スライドにはスプリングフィールドの刻印、シャーシにはパラオーディナンスやウエスタンアームズ、ASGKの刻印が入っており、スライド側とシャーシ側でそれぞれ刻印の入れ方が違っています。(スライド側はプレスっぽい感じ、シャーシ側はレーザーっぽい感じ)

ちゃんと分けられている所に拘りを感じます。

エジェクションポートはこんな感じで、装填チェック用の穴とS.A. .45AUTO刻印が入っています。
文字部分は墨入れされているような感じで、少し黒ずんでいます。

ハンマー周りはこんな感じの見た目で、エキストラクターの後ろ部分はスライド一体型になっています。
フルコック状態でファイアリングピンを確認する事が出来るのですが、しっかりリアルに再現されていますね。

ハンマーはハンマーダウンの速度が速いリングハンマーが採用されています。

フロントサイト、リアサイトはそれぞれこんな感じ。
フロントサイトには赤色の集光ファイバーが付いており、リアサイトは前側が大きく削り込まれているHeinie Specialty Productsタイプの物が付いています。

サイトピクチャーはこんな感じ。
フロントサイトに付いているファイバーが狙いやすさを向上させています。

スライドストップはオーソドックスでシンプルな形状の物が採用されています。

トリガーはスリーホールタイプの三日月状の物が付いており、イモネジ調節でトリガーストロークを微調整する事が出来ます。

マガジンキャッチはシンプルな丸形です。
縦方向のチェッカリングが施されており、操作性は悪くないです。

セーフティレバーは薄型で、赤いドットによりパット見で安全状態かどうかをチェックする事が出来ます。
また、M1911系の仕様としてハンマーをフルコックさせた状態でないとセーフティレバーを動かす事は出来ません。

セーフティ解除状態
セーフティを掛けた状態

また、セーフティレバーはアンビ仕様になっており、反対側にも付いています。
こちら側にも赤いドットが入っていますね。

グリップセーフティはこんな感じで、長めのビーバーテイル付きでなめらかに丸まっています。
質感めっちゃ良い。

グリップはHOGUE社製のパラオーディナンス用ラバーグリップが標準装備されています。
フィンガーチャンネルが付いており、指に吸い付くような握り心地がある製品ではあるのですが、指が小さいとむしろ握りづらくなるので、人によっては無い方が良いと思う場合もありそうです。

また、思いの外硬かったです。
M1911用のHOGUEグリップよりもだいぶ硬い気がします。

蓮コラみたいな凹凸とHOGUEのロゴはこんな感じ。

グリップを握るとこんな感じ。
私は手がそんなに大きい方では無いので結構ギリギリな感じで、特に小指とかちゃんと握れていないですね…。
これはシングルカラムのグリップと比較すると分かりやすいと思います。

グリップ底部はこんな感じ。
ダブルカラムのマガジンを使うだけあって大きく口が開いています。

マガジンを挿すとこんな感じ。

箱出し状態の作動性と初速について

マガジンにガスを入れて動かしていきます。
尚、経験上Rタイプマガジンはガスを少量入れておいた状態で保管した方が良いと思います。(ガス満タンや、全くガスが入っていない状態よりかはガス漏れしにくくなる印象)

ガスを完全に抜いた状態のマガジン重量は365g、ガスを満タンに入れた状態だと376gだったので、ガスの容量は11gとマガジンの大きさの割には少ない印象がありますが、気化室が大きい設計になっているのかも知れません。

という訳で、初速を測っていきます。
使用しているガスはHFC134A、弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾です。

まずは常温(27.7度)から。
初速は76.2m/sとハンドガンとしては無難な初速です。

この状態でもヘビーウェイト樹脂を使った重めのスライドの影響でずっしりしたリコイルがあり、作動性もいい感じ。

マガジン温度を10度ほど上げて37.1度にしました。
夏場はこれくらいの温度になりますね。
初速は82.5m/sと6m/s程度上昇し、リコイルが格段にアップ。

ガツガツとマグナブローバックらしい重いリコイルが手に伝わり、撃っていてとても楽しいです。

他メーカーの製品でもそうですが、ガスブローバックを使うならこれくらいの温度で動かすのが良いですね。

更にマガジン温度を上げて47.3度にしてみた所、1発目でガスルートパッキンがガス圧に負けて吹き飛び、動作不能でした。

撃った瞬間に変な音を立ててスライドが噛み込んだので「やっべ、壊したか?」と思いましたが、ガスルートパッキンが外れただけのようで一安心。

マガジン温度が40度を超えた辺りでガスルートパッキンが外れてしまうようだったので、マガジンの温めすぎには注意した方が良いでしょう。

軽く分解してみます(通常分解程度)

という訳で、軽く分解していきます。
当記事で行なう分解はメンテナンスの為に行なう程度の分解(説明書に記載されているレベルの分解)になります。

全パーツを外す完全分解は今の所やる予定はありません。

まずはスライドストップを外し、スライドとシャーシを分離させます。

スライドとシャーシの内側はそれぞれこんな感じ。

まずはスライド側から見ていきます。

コレクションではなく常用する人が気になりそうなポイントだと思いますが、スライドストップの補強材はしっかり入っています。
樹脂スライドに対してスライドストップを直接引っ掛けると使っている撃ちにスライドが削れて丸まってしまったり、欠けたりしますからね…。

アウターバレルを外す為にリコイルスプリングを外し、スライド前側のパーツを専用レンチを使って外します。

これでバレル周りのパーツが一通り外せます。

リコイルスプリングガイドは短めでワッシャとゴムパッキンが付いています。
また、リコイルスプリングガイド内側にはスプリングが組み込まれており、リコイルスプリングガイド自体がダンパーの役割になっています。

スプリングと接触する面にはワッシャーとゴムパッキンが付いている
スライド後退時、この隙間が潰れてスライドに対するショックを和らげる

チャンバー上部はこんな感じ。
チルトダウン時にスライドにハマる溝もしっかり再現されていますね。
というか、こんな綺麗に処理されていますが、ダイカストなんですね。
仕上げいい感じ…。

HOPパッキンはウエスタンアームズおなじみの奥行き広めな形状になっています。
実際に撃ってみないと分からないですが、他製品での印象は0.20gだと浮き上がってしまい、0.25gだとちょっとドロップ気味になる印象があるので、この製品も0.25g弾を使うなら箱出し状態よりも少しHOPを強めにした方が良いかも知れません。

まあ、これは実際に外で撃ってみないと分からないですが…。

シャーシ側は特に言う事無いですが、スライドとの摩擦を減らす為に大きく飛び出ている部分は前後の2箇所のみになっています。
写真赤矢印の部分だけが滑らかに飛び出している事が分かると思います。


という訳でウエスタンアームズ スプリングフィールド タクティカル サイレンサーモデルのレビューは以上になります。

このモデルは個人的にかなり好みなスタイルだったので、コレクションとして欲しかったというのもありますが、普通にゲームでも使っていきたいと思っています。

WA スプリングフィールド タクティカル サイレンサーを購入するhttp://www.wa-gunnet.co.jp/product_info.php?products_id=1574