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Arcturus製ネオジウム磁石採用モーター、ANT21TとANT19Tのレビュー、MEエディション純正のANB23Tと比較してみた

記事作成日:2022年9月29日

三山商事株式会社様よりArcturus(アークタウラス)製のカスタムモーター、『ANT21T ハイトルク モーター MOT-25KUP』と『ANB19T ハイトルク モーター MOT-28KUP』をお借りしたので、レビューします。

共に5800円程度で販売されているカスタムモーターで、ネオジウム磁石を採用している事が特徴となっています。

パッケージのデザインは東京マルイ サマリウムコバルトモーターにそっくりですね。

今回は先日レビューしたArcturus AT-NY06シリーズに組み込んでレビューを行うのでロングシャフトタイプのみ紹介しますが、ショートシャフトタイプも存在します。

左側がロングシャフト、右側がショートシャフト

ANT21TとANT19Tの仕様と外観紹介

という訳で、ANT21TとANT19Tについて詳細を見ていきます。
それぞれのスペックですが下記の通りとなっています。

ピニオンギア:O型 スチールMIM製法
シャフトカバー:アルミ削り出し ボールベアリング入
回転数:25000rpm
磁石:ネオジウム磁石
ブラシ:レイダウン型 カーボンブラシ
特徴:
トルクを重視したセットアップで回転数は控えめで、13:1(ハイスピードギア)と組み合わせた時のキレと燃費の良さを追求。

ピニオンギア:O型 スチールMIM製法
シャフトカバー:アルミ削り出し ボールベアリング入
回転数:28000rpm
磁石:ネオジウム磁石
ブラシ:レイダウン型 カーボンブラシ
特徴:
トルクよりも回転数を優先させたセットアップで、18:1(トルクギア:ノーマルギア)と組み合わせた場合のキレと燃費の良さを追求。

という訳で、ざっくりANT21Tはハイトルクモーター、ANT19Tはハイスピードモーターという位置づけとなっています。
モーシャフトカバーやモーター自体の色が違っていたりしますが、回転数とトルク以外は同じ感じですね。

ちなみに、ANT21Tにはモータースプリングが付属していましたが、ANT19Tには付属していませんでした。

ピニオンギアはこんな感じで全体的にエッジが滑らかに丸まっているO型ピニオンギアです。
台湾製で材質はスチール。
MIM(金属射出成型)製法で作られており、高精度・高密度・高強度が特徴となっています。

また、ギアノイズの原因になりにくい形状をしていますし、普通に使い勝手の良いピニオンギアだと思います。

ロングシャフトモーターにのみ組み込まれているパーツですが、シャフトカバーにはボールベアリングが埋め込まれています。
高速かつ長時間動かした場合の発熱を抑える事が出来ます。

エンドベル、ブラシ周りはこんな感じ。
ブラシホルダーはレイダウンブラシ用で、ブラシはしっかり当たりが取られている状態でした。

カスタムモーターでもブラシの当たりが取られていないケースが多く、慣らしをしてやる必要がある場合が多いのですが、これは新品の状態で本来の性能を発揮出来そうですね。

Arcturus AT-NY06シリーズにANT21TとANT19Tを組み込んでみる

という訳で、Arcturus AT-NY06シリーズのモーターを交換する形で、どのような変化があるかを見ていきます。
Arcturus AT-NY06シリーズのグリップ底部を外します。

Arcturus AT-NY06シリーズには『ANB23T パフォーマンスモーター 24KMP』というモーターが採用されており、こちらの磁石はネオジウムボンド磁石(ネオジウム磁石よりかは磁力は弱いがフェライト磁石よりも強い)となっています。

ピニオンギアやシャフトカバー、エンドベル周りの仕様などはANT21TとANT19Tと同じです。
MEエディションは最初からカスタムモーターレベルの品質のモーターが組み込まれているのが良いですね。

ANT21TとANT19TをArcturus AT-NY06シリーズに組み込むにあたって、モータースプリングはNY06に入っていた物を流用、モーター組み込み後にモーターの上下位置を調整しただけでそれ以外は何もせず、本当にモーターだけを変更して動作を比較してみました。

バッテリーは箱出し状態での動作検証で使った物と同じ、SFA 7.4V 1000mAh 25C-50C LiPoバッテリーです。
変換コネクタを使って接続しています。

Arcturus Sword MOD1 Carbine 13.5″に組み込んだ時の様子

Arcturus Sword MOD1 Carbine 13.5″はノーマルモーターでの発射サイクルは秒間13.5発でした。

それがANT21TモーターとANT19Tモーターを組み込む事で、このように変化しました。

ANT21Tモーターでは13.5発から13.8発に
ANT19Tモーターでは13.5発から15.6発に

ANT21Tモーターを組み込む事によって誤差レベルですがサイクルアップがあり、ANT19Tモーターでは発射サイクルが大きく増えました。

また、ANT19Tモーターに関してはトリガーから指を離しても1発程度射撃してしまうような状態になり、回転速度が有り余っている印象を受けました。

Arcturus Sword MOD1 SBR 8″に組み込んだ時の様子

Arcturus Sword MOD1 SBR 8″はノーマルモーターでの発射サイクルは秒間12.7発でした。

それがANT21TモーターとANT19Tモーターを組み込む事で、このように変化しました。

ANT21Tモーターでは12.7発から13.4発に
ANT21Tモーターでは12.7発から15.7発に

ANT21Tモーターを組み込む事によって若干のサイクルアップがあり、ANT19Tモーターでは発射サイクルが大きく増えました。

こちらもANT19Tモーターに関してはトリガーから指を離しても1発程度射撃してしまうような状態になり、回転速度が有り余っている印象を受けました。

Arcturus Karambit MOD1 PDW 5.5″に組み込んだ時の様子

Arcturus Karambit MOD1 PDW 5.5″はノーマルモーターでの発射サイクルは秒間13発でした。

それがANT21TモーターとANT19Tモーターを組み込む事で、このように変化しました。

ANT21Tモーターでは13発から13.4発に
ANT21Tモーターでは13発から15.7発に

発射サイクルの変化具合はSword MOD1 SBR 8″とほぼ同じで、ANT21Tモーターを組み込む事によって若干のサイクルアップがあり、ANT19Tモーターでは発射サイクルが大きく増えました。

こちらもANT19Tモーターに関してはトリガーから指を離しても1発程度射撃してしまうような状態になり、回転速度が有り余っている印象を受けました。


NY06シリーズを使った検証では回転数に関してはANB23T ≒ ANT21T < ANT19Tといった感じの結果となりました。

モータースペック的には本来の性能を発揮するにはもっと高負荷(ハイレートなスプリングを使った仕様)で試す必要がありそうな気がします。

特にANT21Tに関してはネオジウムボンド磁石が採用されているANB23Tと差が殆ど無いのが検証結果として不自然なので、ピストンの負荷を調整して検証する必要がありそうです。
感覚的には東京マルイ純正比130%位で試すと何かしら変化が生まれそうな気がしています。

ANT19Tに関しても同様で、ノーマルの構成ではオーバーランしてしまう位に元気よく回っていたのでこちらも同様ですね。

という訳で、共にノーマル構成ではパワーを持て余してしまうモーターのように思えます。
ANB23Tですらノーマル構成ではオーバースペック感がありますしね…。

ANT21TもANT19Tもこれだけ元気が良ければ相当スプリングレートを上げても余裕で回ってくれるでしょう。

これらの検証は後日NY06シリーズを分解し、中身を調整してから行おうと思います。
併せて、他社製品との比較なども行っていこうと思っています。